「四番打者の役割は？」
「どんな特徴の選手がいるの？」
今回は打順の中でも「四番打者」について詳しく見ていきましょう！
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四番打者は野球の花形ともいえる役割で、特にホームランなどの長打が期待される打順です。
なぜ長打が期待されるのかというと、1・2・3番が出塁した場合、4番が長打を打つことで一気に得点が入るからです。
野球では、ランナーが溜まった場面で回ってきやすい3・4・5番を合わせてクリーンナップと呼び、ランナーを多く返すことを期待され、その中でも4番は中心選手となります。
こういった役割から、チャンスに強いメンタルも四番打者には必要です。
さらに、ピッチャーから警戒されることも多く、必然的に敬遠されることもあります。
ちゃんとフォアボールを選べているか、いい四番打者を見極めるには四球と出塁率の項目もチェックしましょう。
また、打撃力が重視されるため、守備では比較的負担の少ないポジションを守ることが多くなります。
特にパ・リーグの場合は守備につかないDH(指名打者)というポジションが導入されているので、四番打者(クリーンナップ)を担う選手はDHになることも多々あります。
では、日本のプロ野球の中で特に印象深い四番打者とは誰でしょうか。
各チームごとに代表的な選手を紹介します。
※平成以降の選手になります。
※各記録は日本プロ野球のみの生涯成績です。
◆セ・リーグ
【読売ジャイアンツ】 松井秀喜 選手
打率 .304 本塁打 332 打点 889 出塁率 .413
「ゴジラ」の愛称で親しまれた巨人を代表する四番打者。
高校時代から怪物ぶりは知られており、甲子園で起きた松井選手への5打席連続敬遠はあまりにも有名です。
その実力はワールドクラスで、巨人からメジャーリーグに渡った後も四番を務めるなど世界の舞台で活躍をしました。
【阪神タイガース】 金本知憲 選手
打率 .285 本塁打 476 打点 1521 出塁率 .382
1492連続試合フルイニング出場と13686連続イニング出場の世界記録を持つ。
そのプレースタイルから「鉄人」というあだ名がつくほど。
四番打者にはシーズンを通して任せられる安心感も必要な中、金本選手はケガをしても出場し続け、長らく阪神の四番打者としてチームを支えました。
そんな金本選手の姿をみて勇気をもらった野球ファンも多いのではないでしょうか。
【中日ドラゴンズ】 タイロン・ウッズ 選手
打率 .289 本塁打 240 打点 616 出塁率 .391
四番打者と言えば助っ人外国人選手のイメージも強く、中日黄金期を支えたウッズ選手もまた記憶に新しいかと思います。
ウッズ選手の魅力はなんといってもその飛距離。
“当たれば飛ぶ”を絵に描いたようなパワーで、対戦ピッチャーを震え上がらせました。
【横浜DeNAベイスターズ】 筒香嘉智 選手
打率 .285 本塁打 205 打点 613 出塁率 .382
2015年に四番打者に定着し、翌2016年にはホームラン王と打点王の2冠を獲得。
若手ながらチームの大黒柱を務め、ラミレス監督時代の横浜を支えました。
2021年5月18からはロサンゼルス・ドジャースでプレーをしています。
【広島東洋カープ】 鈴木誠也 選手
打率 .314 本塁打 144 打点 474 出塁率 .411
四番打者に安定感やパワーはもちろん必要ですが、やはり勝負強さも忘れてはなりません。
そういった意味では鈴木誠也選手の右に出る選手はいないでしょう。
その勝負強さから2016年当時の緒方監督が「神ってる」とコメントし、鈴木誠也選手の代名詞となりました。
【東京ヤクルトスワローズ】 ウラディミール・バレンティン 選手
打率 .268 本塁打 297 打点 785 出塁率 .372
2013シーズン、長らく破られなかった王貞治選手のシーズン本塁打記録55本を60本に塗り替え、プロ野球史に名を刻んだバレンティン選手。
助っ人外国人ならではのパワーで多くのボールをスタンドに放り込みました。
2021シーズンはソフトバンクホークスに在籍しており、全盛期からの衰えは隠せませんが、パワーは健在です。
◆パ・リーグ
【福岡ソフトバンクホークス】 松中信彦 選手
打率 .296 本塁打 352 打点 1168 出塁率 .392
平成唯一の三冠王として有名な松中選手。
三冠王獲得当時のダイエー(現ソフトバンク)には、井口選手、城島選手、ズレータ選手など球界トップクラスの打者が名を連ねており、松中選手はそれらの選手を抑えて四番打者を務めていました。
その後も生涯ホークス一筋を貫き、長らく四番打者としてチームを支えました。
【千葉ロッテマリーンズ】 サブロー 選手
打率 .265 本塁打 127 打点 655 出塁率 .340
これまで紹介した四番打者とはタイプの異なるつなぎの四番打者です。
長距離砲といったタイプではありませんが、左右に打ち分ける広角打法と、ここ一番での勝負強さを武器に、2005年の優勝に貢献しました。
まさにホームランだけが四番打者の仕事ではないことを体現してくれた選手と言えます。
【埼玉西武ライオンズ】 中村剛也 選手
打率 .254 本塁打 424 打点 1197 出塁率 .343
サブロー選手から一転、ホームランか三振かのパワーヒッターらしいパワーヒッターが、おかわり君こと中村選手。
これまで歴代3位のホームラン王6回と、打点王4回を記録しており、王道の四番打者として長らく西武をけん引してきました。
2021年現在はシーズン通してのスタメンは厳しくなってきたものの、4番に座る試合も多くあり、まだまだ活躍が期待できるでしょう。
【東北楽天ゴールデンイーグルス】 山崎武司 選手
打率 .257 本塁打 403 打点 1205 出塁率 .337
中日、楽天でホームラン王を獲得し、史上3人目のセ・パ両リーグでの本塁打王の達成者として名を残した山崎選手。
楽天入団当時は引退間近とささやかれていましたが、当時の野村監督の助言により、見事楽天の四番打者として復活。
2007年のホームラン王は39歳と高齢での受賞となり、野球は頭のスポーツであることを体言してくれました。
【北海道日本ハムファイターズ】 中田翔 選手
打率 .252 本塁打 257 打点 937 出塁率 .321
高校から鳴り物入りでファイターズの門をくぐり、いまや不動の四番打者となった中田翔選手。
入団当初こそ苦労しましたが、3年目の2011年にはスタメンに定着し、18本のホームランを記録。
その後は持ち前のパワーはもちろん、チャンスの場面に多くの結果を残し、これまで打点王には3度も輝いています。
【オリックス・バファローズ】 吉田正尚 選手
打率 .323 本塁打 91 打点 307 出塁率 .413
身長173cmと小柄ながら、身体をめいいっぱい使ったフルスイングでホームランを量産。
にもかかわらず、2020シーズンは首位打者に輝き、打率も残せることも証明した驚異のバッターです。
2021年現在で27歳とまだまだ若く、これからのさらなる活躍に胸が躍ります。
ここからは、日本代表の四番打者を務めた3選手をご紹介します。
【2019年 プレミア12】鈴木誠也 選手
打率.444 本塁打 3 打点 13 出塁率 545.
広島の四番打者のみならず、プレミア12では日本の四番打者として大活躍。
上記の圧倒的な記録のほか、ベストナインと大会MVPまで獲得し、間違いなく本大会で一番活躍した男と言えます。
今後のオリンピックでも四番打者を務めるかどうか気になるところです。
【2017年 WBC】筒香嘉智 選手
打率.320 本塁打 3 打点 8 出塁率 433.
25歳という若さで日本の四番打者を任され、侍ジャパンを準決勝まで導きました。
プロ野球ファンの中で特に記憶に新しいのは、惜しくも敗れたアメリカ戦での一打でしょう。
2021年現在、筒香選手もまだ29歳と若いので、今後も日本代表として活躍するチャンスはたくさん残されています。
【2013年 WBC】阿部慎之助 選手
打率.261 本塁打 2 打点 6 出塁率 292.
チームのキャプテン、さらに守備の負担が大きいキャッチャーでありながら、四番打者を務めた阿部選手。
やはりその負担からか、鈴木誠也選手筒香選手と比較すると、ややさみしい成績で侍ジャパンを引退することになりました。
四番打者がいかにプレッシャーが重くのしかかるポジションかということを物語っています。
ちなみに、巨人の坂本勇人選手や、ソフトバンクの川島慶三選手のように、一時的に四番打者を務めるケースもあります。
これはチーム事情が大きく関係しており、四番打者が不調、ケガ、疲労による休みなどで欠場する場合に発生します。
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