「将来はアスリートと関われる仕事がしたい!アスレティックトレーナーって聞いたことがあるけど、具体的に何をする人なの?どうやったらなれるの?」
アスレティックトレーナーに興味がある人に向けて、アスレティックトレーナーとはどんな仕事なのか、資格は必要なのか、どんな働き方があるのかについて解説します。
この記事を読めばアスレティックトレーナーを目指すのに必要な情報全般を知ることができますよ。
アスレティックトレーナーは「スポーツトレーナー」の一種です。スポーツトレーナーは、スポーツ選手のトレーニングなどをサポートして、コンディション調整をするのが仕事です。
ここでは、アスレティックトレーナーの仕事内容について、他のスポーツトレーナーとの違いも含めて詳しく解説します。
アスレティックトレーナーは、スポーツトレーナーのなかでも特に外傷・障害といった「ケガ」を担当するのが特徴です。スポーツ選手の「身体」と向き合い、さまざまな場面で選手が最大限のパフォーマンスを発揮するために対応します。
アスレティックトレーナーの役割は大きく分けると次の3つです。
①選手がケガをしないためのサポート
・選手の健康状態の把握と管理
・テーピングやマッサージなどのケガ予防
②ケガをした選手へのサポート
・試合中や練習中の応急処置
・復帰のためのリハビリテーション
③選手のパフォーマンスを上げるためのサポート
・身体づくりのためのトレーニング指導
このように、メディカル面のサポートからアスリートのパフォーマンスを引き出すのがアスレティックトレーナーです。また、ドクターと選手の間に入って、医療に関する指示など専門的な知識を選手に分かりやすく伝えるのも重要な仕事です。
アスレティックトレーナーは「メディカル」を専門領域とするトレーナーだという話をしてきましたが、他にもさまざまな専門領域に特化したトレーナーが存在します。
ここでは代表的なトレーナーの種類を4つご紹介します。
①アスレティックトレーナー
「外傷・障害」の専門家です。ケガの予防・応急処置・リハビリなど、医療行為に近いサポートを行います。
②メディカルトレーナー
「ケガ後のケアとリハビリ」の専門家です。スポーツ業界ではアスレティックトレーナーとメディカルトレーナーを兼任することも多いです。病院・介護施設からの需要も大きく、ケガをした人が日常生活に復帰するためのサポートを行います。
③フィットネストレーナー
「運動指導」の専門家です。スポーツジムやフィットネスクラブで働き、「痩せたい」「体力アップしたい」といった利用者の目的に合わせて、メニューの作成や指導を行います。
④ストレングストレーナー
「身体づくり」の専門家です。アスリートなど本格的にスポーツに取り組む人の筋トレや身体づくりを指導します。単純な筋力アップだけでなく、持久力・瞬発力の向上など競技や選手の特性に合わせてアプローチします。
トレーナーの種類を4つご紹介しましたが、厳密な線引きはされておらず「アスレティックトレーナーとメディカルトレーナー」「フィットネストレーナーとストレングストレーナー」のように、担当範囲が重なる場合も多いです。
「どのトレーナーになるか?」ではなく「トレーナーになってどんなことをしたいか?」を考えるところからスタートするといいでしょう。
アスレティックトレーナーは外傷・障害・リハビリなど医療に近い立場で活動するため、高度な専門知識が必要です。
アスレティックトレーナーに必要な知識をどうやって身に着ければいいのでしょうか?取らなければいけない資格はあるのでしょうか?
ここからは、アスレティックトレーナーの目指し方について具体的に見ていきましょう!
「アスレティックトレーナー」を名乗ること自体には、特別な資格は必要ありません。「私はアスレティックトレーナーです」と言うだけで、アスレティックトレーナーになることは可能です。
ですが、現実には日本で活動しているアスレティックトレーナーのほとんどは何らかの資格を取得しています。
アスレティックトレーナーには高度な専門知識や技術が求められますが、資格を持っていることが「アスレティックトレーナーとして必要な知識を持っている」ことの証明になるからです。
希望の就職先で働いたり、スポーツ選手やチームから信頼を得たりするためにも、資格を取得して自分のスキルをアピールすることは、必須だといってもいいでしょう。
このあとはアスレティックトレーナーを目指すなら取得しておくべき資格を確認していきましょう。
それではアスレティックトレーナーとして活躍するためのおすすめ資格を2つご紹介します。この2つが国内ではもっともメジャーな資格なので、これらを押さえておけば間違いないでしょう。
①日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
国内で最も有名なアスレティックトレーナーの資格で、アスレティックトレーナーを目指す多くの人はまずこの資格の取得を目指します。
JSPO-ATの取得方法としては次の2通りがあります。
・日本スポーツ協会が実施する「養成講座」を受講して検定試験に合格する
・日本スポーツ協会がカリキュラムを承認した大学や専門学校を卒業する
前者の養成講座に参加するには、競技団体などでの活動実績と推薦が必要で、参加人数にも上限(100名程度)があるため、かなりハードルが高いです。多くの場合は、大学や専門学校に通って資格取得を目指します。
*参考:www.japan-sports.or.jp/coach/tabid218.html
②ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナー(JATAC-ATC)
日本のアスレティックトレーナーに関する資格の中でも取得難易度の高い資格です。資格取得の前提として①で紹介したJSPO-ATなどのアスレティックトレーナーの資格か、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、理学療法士などの国家資格が必要です。
国家資格はいずれも取得難易度が高いため、JSPO-ATを取得後にスキルアップの一環としてJATAC-ATCの取得を目指す流れがおすすめです。
<関連記事>
・スポーツトレーナーの資格の種類!絶対取りたい資格とその取得方法!
<参考>
・JATAC-ATCについて: NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)
無事に資格を取得できたら、どのような就職先の選択肢があるのでしょうか?年収はどれくらいなのでしょうか?
アスレティックトレーナーの働き方を理解して、実際に働くイメージを膨らめていきましょう!
アスレティックトレーナーの就職先としては次のような選択肢が考えられます。
・プロ野球やプロバスケットボール(Bリーグ)などのプロチーム
・企業の実業団チーム
・地域のスポーツチームや学校の部活
・スポーツクラブやフィットネスジムなどのスポーツ施設
・病院や介護福祉施設
特にプロスポーツチームの世界では、アスレティックトレーナーにも実力主義のもとに成果を出し続けることが求められます。そのため、正社員などの安定的な契約形態は少なくなっています。
多くの場合は、1年単位などの短期間の契約のなかで毎年更新されるかどうかをシビアに判断されることになります。
地域のスポーツチームや学校の部活動についても、毎日フルタイムで活動を行っているとは限らないので、雇用契約というよりも非常勤やボランティアという形になるかもしれません。
スポーツクラブなどの施設や病院、介護施設は比較的正社員求人も多くなっています。医療・介護業界で働く場合は、アスレティックトレーナー以外にも理学療法士や作業療法士など別の資格が求められる場合もあります。
アスレティックトレーナーの年収は、その人の能力や働き方によって大きな幅があるため、単純な「平均年収」で判断することにはあまり意味がありません。
例えば、プロスポーツ選手やプロスポーツチームと専属契約を結べるレベルの優秀なアスレティックトレーナーなら、年収は500万円~1,000万円などかなりたかい収入を得ることもあるでしょう。
一般的なスポーツ施設で働く場合は、年収300万円~400万円程度の範囲に収まる場合が多いです。スポーツ施設などに雇用される場合の初任給は「20万円程度」と言われており、他の職業と比較して大きな差はありません。
まとめるとアスレティックトレーナーとしてどれだけの収入を得られるかは、その人の実力次第ということになります。
「資格を取れるのはまだまだ先だし、就職活動のことは取ってから考えればいいや」と思っていませんか?もしそうなら、資格取得後の時間を無駄にしてしまう可能性があります。
就職活動をスタートしてから実際に働き始めるまでの平均的な期間は、「3~6カ月程度」と言われています。スムーズに進んでも3カ月くらいはかかるのに、まっさらな状態で求人探しから始めると、希望の求人を見つけるだけでも時間がどんどん経ってしまい、「せっかく資格を取ったのに、なかなか働き始められない!」という事態になりかねません。
資格取得を検討する今の段階からスポーツ業界全般や具体的な求人情報の収集にも取り組みましょう。
アスレティックトレーナーの需要や将来性は、アスレティックトレーナーが属する「スポーツ業界」全体の景気や市場動向にも左右されます。
スポーツ業界の現状や課題などには常に敏感にアンテナを貼っておきましょう。スポーツ業界のことがよく分かる関連記事はこちらです。ぜひご一読ください!
・スポーツ業界とはどんな業界?実は転職・就職におすすめの業界!?
・スポーツ業界のこれから。少子高齢化の課題に対してどう取り組む!?
・スポーツ業界を解剖!企業や仕事の現状をお伝え!
資格取得と並行して求人情報を収集することのメリットは、「資格取得後の就職活動の期間を短くする」こと以外にもたくさんあります。
・目標とするチームや会社が見つかると、勉強のモチベーションが上がる
・アスレティックトレーナーのイメージと現実の姿のミスマッチをなくせる
・未経験や無資格でもできるアルバイトなどに挑戦して、現場で実践経験を積める
このように、資格を取る前から就職活動を意識した情報収集を行うことで、一緒に勉強を始めた他の人たちにも差をつけることができますよ。
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