「キャディの給料上げてくれ」もOK。敬語なんて使うな!?カレドニアン・ゴルフクラブの支配人が作る"超アットホーム"とは

カレドニアンゴルフクラブ:支配人 渋谷 康治

「キャディの給料上げてくれ」もOK。敬語なんて使うな!?カレドニアン・ゴルフクラブの支配人が作る"超アットホーム"とは

カレドニアンゴルフクラブ:支配人 渋谷 康治

「アットホームな環境です」という言葉は、求人広告を見ていると非常に良く見かける文言。しかし、アットホームかどうかは当人が決めるものだとは思いますが、取材者が肌で「良い雰囲気だ」と感じたからこそ、その言葉を使っていることも間違いない事実ではあります。ちなみにあなたは転職の際『職場の雰囲気』を、どのくらい重視しますか?

今回は、カレドニアン・ゴルフクラブの支配人:渋谷さんにお話を伺うことができました。前回、朴さんの採用ファイルに引き続き、カレドニアンシリーズとしてお届けします。支配人という仕事を、歴代でも一番長く勤めている渋谷さんが心がけていることとは?雰囲気づくりで大切にしていることとは?そこには、誰もがアットホームと言わざるを得ないあたたかさがありました。

(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)


単発で終わろうと思ったMTGがキッカケ。キャディは何よりも大切だからこそ、一社員として。

__支配人、今日はよろしくお願いします!さっそくですが、キャディさんをはじめスタッフさんと気さくにお話されていて、すごく良い雰囲気だなって見ていて思いました。

渋谷:よろしくお願いします!そうですね!だいぶ距離が近いと感じてます。自分の中で、キャディさんってとても大事だと思って大切にしてるんです。だから話しかけやすいように、フランクに接するようにしています。キャディさんたちにも「なんでも言って」「100%叶えられるかはわからないけど、要望あれば話して」って伝えてます。

__なんでもいいんですか?ぶっちゃけ給料上げてくれ!とかでもOKですか?(笑)

渋谷:もちろん!実際に「3バックの給料が2バックに比べて安すぎるから変えてほしい」って言われて。それは確かにそうだなと思って、お給料を見直したり。あとは雨の日で仕事が全くなくて帰っていいよって日に、これまでは給料出なかったけど交通費だけは出すようにしたり。それからキャディチケットで買えるものを増やしたり。

__えぇ!それはすごい!キャディさんにとっては嬉しいですね。でもなかなか「お給料を上げてくれ」なんて言えないと思うので、支配人のお人柄と言いますか(笑)

渋谷:あと、月1回キャディさんも含めた全体会議を開いていて、いま会社がどういう状態か、今後のイベントの共有、売上の数字、会員の数なんかを共有してます。キャディさんって、自分が入社する前は「私たちはキャディだし」って社員意識が薄かったみたいなんです。「そうじゃないよ、キャディさんも大事なスタッフの一員だよ」って思いで、直接は関係ないかもしれないけど「売上も会員数も増えてるから、こういうのやっていこう」「じゃないと会社がこうなっちゃうから」とか情報共有することで一体感とかモチベーションとかを上げたいなって考えています。ゴルフ場の印象ってほぼキャディさんの印象なので、キャディさんが頑張ってくれないと困るんです。だからこそ、もっとキャディさんを大切にしなきゃなって日々思っています。

__一体感を生むため、モチベーションを高めるため、というお話ありましたけど、そもそもMTGは「元々やっていたのを変えた」のか「支配人が始めたことなのか」で言うとどっちなんですか?

渋谷:はじめたのは2017年9月で自分が始めました。ダイヤモンドカップってプロの大会をカレドニアンで開催することになりまして。その時に主催者側と色々MTGを重ねていたんですが「この話、キャディさんにも聞いてもらったほうがいいな」って思ったのがキッカケでした。「こういうトーナメントをやるんだ。選手はこの人達が出て、お客さんはこういう集め方をするので、協力お願い」って伝えたんですよね。そうしたら「大会の概要を理解できてうれしい!」「そんな運営側の話、初めて聞いたから教えてくれてありがとう」とかすごく喜んでくれて。そこから定期的にやった方が良いと思って、今も続けてます。





当たり前のカスタマーファーストを、当たり前にやり続けることが大切

__確かに、ラウンド行って仕事が終わるキャディさんの仕事柄、会社に属している意識は薄くなってしまうかもしれないですね。支配人が月1回の会議をするようになったり、要望を聞くようになってから、どんな変化がありましたか?

渋谷:まずモチベーションは確実に上がったように感じました。これは、会社の方向性を会議で共有したからだと思います。何もわからない状態で「あれやって」って言われても良い気持ちにはなれない。それと同じで「会社がこういう動きをしたいから、これお願いね」って言うことで、キャディさんも意図を理解した上で働けるようになったと思っていて。そのおかげかクレームはほぼなくなりました。月1回のMTGも雰囲気づくりも、やってよかったって思いますし継続していこうって思います。本当にキャディさんを大切にするって決めてから、要望は何でも聞くようにしています。ビックリするくらい、好き勝手言ってくるんですけどね(笑)。それでもキャディさんが楽しく働いてくれて、ゴルフ場の雰囲気もよくなるなら、良いことだと思ってます。

__「キャディさんを大切にしよう」っていう支配人の想いが、ひしひしと伝わってきます。キャディさんがより楽しく働けるような環境になって、お客様からの見られ方も変わったんじゃないですか?

渋谷:メンバーさんとの距離も、これまで以上に近くなったと思いますし、ありがたいことに常連さんも増えています。やっぱりカレドニアンはコースが難しいと言われているだけあって、何回も挑戦してくださる方が多いんです。だからこそ、優しいメンバーさんが多い印象もあります。たとえば、新人のキャディさんが常連さんに付いたときに、常連さんから「飛距離とかもこれから勉強していこうね」「ライン読み違えてもいいよ」とか言ってくださるんです。

__常連のメンバーさんが多いからこそ、好循環が生まれているわけですね!

渋谷:だいたいウチのメンバーさんは50歳台が多いんですが、たとえば若いキャディさんなんて息子・娘みたいなもんじゃないですか(笑)。だからこそ可愛がってくれるのはあると思います。逆に、可愛がっていただいてるので、とにかくキャディさんには「お客様の要望も、叶えられるだけ叶えてあげてね」って話はしています。加えて、とにかく一生懸命やってくれってことも。ボールが見えなくても一生懸命探すとか、そういう当たり前を大切にしてねって。

__めちゃめちゃいいですね。まさに新しくキャディを始めるに最適な環境だと思います!ちなみにお客様からはどんなご要望をいただくんですか?それこそ、午後だけ回りたいとかですか?

渋谷:午前のハーフ、午後のハーフ、夕方からラウンドとか、できる限りの要望にはお応えするようにしています。自分が帰るまでなら、ナイターで練習してても良いとか。ただ、キャディさんに言ってるのは「コースとか施設は傷つけない。ほかの会員様の迷惑にならない」の2つを守れるのであれば、なんでも要望聞いてあげるように伝えてます。やっぱりゴルフ場だから、プロゴルファー以外は言ったら「遊び・趣味」で来てくれる場所ですよね。楽しみに来てくれるのに、来て不快な思いをしてほしくないですよね。要望聞くって普通の事ですが、普通を普通にやるって難しい。だからこそ当たり前を大切にするって意識は大切にしてます。それが浸透してるのかな?だとしたら、自分も言い続けてよかったって思います。





カレドニアンが選ばれ続ける理由と、選ばれ続けるために続けている日常

__お客様としては要望を叶えてくれるし、キャディさんからしても楽しんで働ける。色々話を聞いてきましたけれど、それ以外にカレドニアンが選ばれ続けるために、支配人は何かアクションを起こされていますか?

渋谷:なによりもコース。自分が言うのもなんですが、とにかくコースがいいんです。面白いしキレイだし、なによりも難しい。グリーンも早いし。普段ほかのゴルフ場で100切ってる人でも、130とか140とか叩いて(コースに)ボコボコにされて帰る人、結構多いんですよ(笑)。「今日もやられたわ」「でも来週も来るんでしょ?」「次は絶対リベンジするよ」みたいな会話が多いですね(笑)。

__アマチュアの方でも、プロが戦う場所でゴルフができる、その難しさを体感できるっていうのが、1つ大きな魅力ではあるんですね。たしかにそれは行きたくなりますね。コースとの闘い。

渋谷:めっちゃくちゃお金かけてますからね(笑)。コースの管理はコース管理課のスタッフだけじゃなく、キャディさんも含めて行っています。フェアウェイもグリーンもバンカーも、キャディさんは常にキレイにしようとしてくれてます。そもそもキャディさんたちも、キレイなコースが大好きなんです。それをキープしようって、毎日頑張ってくれてます。

__キャディさんがキレイなコースのままでいたい気持ちが強いって、本当に素晴らしいことだと思います。それこそ企業や学校で掃除の時間があるから掃除する。といった「言われてやる」みたいなことはあると思うんですが、自分たちから「率先してコース整備している」のは素晴らしいですね。

渋谷:だからこそキャディさんたちには「お客さんは、良いコースでとってもキレイなゴルフ場だから来てくれてる。だけどコースが良いってだけじゃ悔しいから、自分たちも接客頑張ろうって話してます。カレドニアンはコースも良いけど、キャディさんもサービスも良かったなって言ってもらえるように頑張ろう」って、日ごろから声かけしています。その意識を、みんな持ってくれてるのは、自分としてはとても嬉しく感じてます。もちろん、もっとキャディさんの教育にお金かけたいなって思いもあるんですが、それはおいおい。社内で自然と先輩が後輩に教えるっていう流れができてて、コミュニケーションもいっぱい生まれてるから良いかなって思うところもあります。

__すべてはキャディさんから始まっているのかもしれませんね。だとすると、やはりキャディさんが楽しくのびのび働ける雰囲気づくりを支配人が行っているから実現できているものなのでは?とも思い始めました。その辺り、いかがですか?

渋谷:会議をしたり、積極的に声をかけたりして、だいぶ明るくなったとは思います。言ってはないんですけど、やっぱり意識的に声かけはしています。同じ人に5~6回「おはよう!」とか言うケースもあるし。「支配人、「おはよう」5回目ですよ(笑)」「うん知ってる~!でも気持ちいいじゃん?」とか、そんな会話が多いですね。スタッフとの信頼関係はできていると自分は信じたいです。あったかい雰囲気と感じてくれてたらいいんですけどね。辞める人がほとんどいないからそういうことかな?(笑)





カレドニアンの一番の魅力は〇〇!?これから一緒に働くあなたへ

__ずっとお話聞いてきて思うんですが、失礼に当たってしまうかもしれませんが、支配人って支配人っぽくないですよね(笑)。もう少しお堅い方なんだとばかり……(笑)。

渋谷:いやいや、よく言われます。ほかのゴルフ場にはいないタイプだって。でもそれでいいと思ってます。キャディさんも自分に敬語とか使わないので(笑)。「支配人ちょっと!」「なに~?」って感じ(笑)。だから自分に気を遣ってるキャディさんは1人もいないと思います。だから雰囲気は和気あいあいとしてると思うし、居心地も良いと思う。この前も「冷蔵庫壊れたから買って」「Amazonで買ってよ、控室の壊れたんだから早く」って言われまして。「わかりました!買うのでサイズ教えてください」って(笑)。冷蔵庫が届いたら「いいよこれ、いいよ♪」って言ってくれて。そんな感じです(笑)。

__面白いですね(笑)。支配人ってキャディさんにとって、友達みたいな存在でもあると言いますか。なかなか役職者って現場との距離があるじゃないですか。だから支配人がみんなから人気なんだろうなって思います!

渋谷:あくまでスタッフは労働力提供、僕らは賃金提供っていう立場の差だけです。自分より年上のキャディさんなんて息子みたいなものだから、自分が威張っても仕方ないんです。良くも悪くも対等。みんなが楽しく・納得して働ける状態を作るのが自分の仕事だと思っています。そうじゃなかったら支配人なんていらないですしね。だからこそ「言いたい事は言ってね」って、新しく入った人に対しても同じように言い続けています。

__まさに最後、その話も伺いたい。今回求人もご掲載いただいてますが、職場の魅力についてもお話伺えますか?

渋谷:楽しい職場だと思います。ゴルフってわからない人には未知の世界ですが、ウチには良いお客さんも多いし、未経験でもイチからしっかり教えるカリキュラムがあります。ゴルフの「ゴ」の字すら知らない状態でも構いません。一緒に楽しく働いてくれればそれだけで私は幸せです。あと、やっぱり色んな企業の社長さんやスポーツ選手、芸能人とかもいっぱい来ます。普段生活してて絶対会えないような人と関われるのは、カレドニアンでキャディをするメリットでもあるのかなって思います。

__ありがとうございます!では最後に、カレドニアンに入りたい!という人に一言メッセージを!

渋谷:ちなみに、僕はアニメ業界、いわゆるオタク業界で働いてたんですが、カレドニアンに入ってまず思ったのは「オタク業界もゴルフ業界も全然変わらないな」ってこと。半分くらいはそのジャンルが大好きな人。もう半分は全然知らない人。だからこそ、キッカケはなんでもいいと思うんです。少なからず、ウチに興味を持ってくれたことが嬉しいです。新しく入ってくれた人には「肩肘はらずに、のんびり頑張りましょう」って伝えたいです。

__最後までユニークな回答と笑いをいただけて感謝です!支配人、今日はありがとうございました!!






【PROFILE】

渋谷 康治:東京グリーン富里カレドニアン・支配人

エンタメ業界最大手の企業を経験後、当時の同僚と小売り業を主にした新会社を設立。しかし価格競争が激しく、最終的には会社で販売している物の価格がAmazonの仕入れ値と変わらないことに絶望し事業を撤退。「次は価格競争で絶対に勝てる、超強力なコンテンツを持っている会社で働きたい」と考え転職活動を開始。そこでエージェントから、非常に良いコースだと有名なカレドニアンを紹介され「良いコース=超強力なコンテンツに違いない」と思い転職を決意。副支配人として入社したものの、わずか1年半で支配人へ昇格。現在に至るまで約10年、カレドニアン・ゴルフクラブを守り続けている。

座右の銘は「努力・友情・勝利」。週刊少年ジャンプをはじめ、マンガが大好きとのこと。オススメを聞けば『セスタスシリーズ』『GIANT KILLING』『音嫁語り』『さよなら私のクラマー』『君に届け』など、さまざまなジャンルの作品を語ってくれた。「俺のアカウントでスタッフがログインして、漫画をタダで読みまくってるんだよな(笑)」と笑顔で話す姿も印象的だった。


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設立年月 1981年06月
代表者 早川 治良
従業員数 -
業務内容

● ゴルフ場・スキー場・テニスコート施設の開発・経営
● スポーツ用品・機具の輸出入
● その他

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