ゴルフライフのトータルサポートを担う。 「ただ商品を売るだけではない」御徒町で半世紀以上にわたって支持されてきたコトブキゴルフの強みとは

寿商事株式会社 取締役 安本 基徳

ゴルフライフのトータルサポートを担う。 「ただ商品を売るだけではない」御徒町で半世紀以上にわたって支持されてきたコトブキゴルフの強みとは

寿商事株式会社 取締役 安本 基徳

様々な専門店や商店が立ち並び、活気溢れる御徒町駅周辺エリア。すぐ近くにはアメ横通りがあり、スポーツ用品を扱う店が多く点在している地域でもあります。
この街のゴルフ専門店として、創業は昭和42年という長い歴史を持ち、多くのゴルファーたちの要望に応えてきたコトブキゴルフ。豊富な商品やその知識、またそれを生かした丁寧な接客は多くの人たちから支持を集めてきました。
業界屈指の長年の経験から、さらにこの先の創業100年を目指して新しいゴルフショップの形を追求したいと語るのは、取締役の安本基徳さん。コトブキゴルフの歴史や企業の理念、そして安本さんご自身の想いをうかがう中で、同社が長年愛されてきたわけや背景が見えてきました。

(取材・執筆:斎藤 僚子、編集:伊藤 知裕、中田 初葵)

伝統あるコトブキゴルフに新しい風を吹き込みたい

御徒町駅南口を出て左を向けば「あ!」とすぐに気が付くであろう、赤い看板が目印のコトブキゴルフ。まずは、その広い店内と豊富な品揃えに目を見張ります。
1967年に創業したコトブキゴルフですが、2024年より安本さんが取締役に就任されました。

「まだ学生や新卒社員だったころ、コトブキゴルフの承継に対してぼんやりと意識はしつつも、そこに向けた明確な道筋やビジョンがあったわけではありませんでした。大学卒業後、すぐにはコトブキゴルフに入らず、ゴルフとは関係のない民間企業で働いたのですが、はじめて社会人として働いてみてビジネスや経営が面白いなと感じました。そこで、改めてきちんと勉強したいなという思いと、将来の事業継承を視野に入れて、経営が専門的に学べる大学院に入学しました。
その後、スポーツ業界の手助けになることができればという思いから、スポーツ系の企業や団体のコンサルティングを強みとしている会社や部署を志願して経験を積みました。その経験は、コトブキゴルフの中でも活かしていけたらいいなと思っていますね。」

御徒町・アメ横界隈で一番の老舗を誇るゴルフショップの取締役に就任したばかりの安本さんですが、安本さんが感じるゴルフの魅力を伺ってみると、コトブキゴルフの特徴や魅力が垣間見えました。

「いくつかありますが、中でもゴルフというスポーツはギアやグッズが豊富だという点です。まずゴルフクラブがとんでもなく豊富で、自分好みにセレクトやカスタマイズする楽しさにハマってしまったというお客様もいらっしゃいます。最近はアパレルブランドも豊富で、機能性をしっかりと担保しつつもおしゃれな商品も増えてきています。だからこそ、豊富な品揃えを意識しているコトブキゴルフが存在する意味があるのかなと思います。でも自分たちがそれよりも意識しているのは、ただモノを売るゴルフショップにはしないということです。」

商品を売ること、買うことのその先を考える

コトブキゴルフが大切にしているという「ゴルフショップは、ただモノを売るだけではない」という思いには秘密が隠されていました。

「コトブキゴルフが約60年続いてきた大きな理由の一つとして、心のこもった接客やスタッフのホスピタリティの高さがあげられると思います。このことは、自分が入ってからもとても実感しています。ゴルフ用品に限らず、お客様にとって道具を買うことがゴールではないはずです。スポーツ用品を使ってアクティビティをより楽しくしていくとか、それによって上達へつなげていくということが、お客様の目指すところだと思います。それと同時に、コトブキゴルフにとっても道具を売ることだけがゴールではないと思っています。その方の理想や希望を聞きながら最適な商品を提案する、それができなければお客様も良いゴルフライフは送れないでしょうし、うちにとっても本意ではないわけです。しかしそれが叶えば、コトブキゴルフはより信頼していただけますし、お客様とより長くお付き合いさせていただくことができます。こういった積み重ねがすごく重要だと思います。」

対面での丁寧な接客で、着実に評価を得てきたコトブキゴルフ。なかには「この人に接客をしてもらいたい」と、スタッフを指名するお客様もいらっしゃるそう。対面でしか得ることができない商品知識や情報を、しっかりと提供できるスタッフがいることが、コトブキゴルフの大きな強みとなっているようです。

「我々のスタッフの中には百戦錬磨のベテランスタッフも多いので、お客様がスタッフのファンになってくださっていることがよくあります。そのスタッフと話がしたいからお店にくる方も多く、休日においては特に人気のスタッフは接客待ちの状態になっていることもありますね。多少時間がかかったとしても『推しの店員さん』が空くまで待ってくださるんです。またメーカーさんから『コトブキさんは質の高いスタッフさんが多いですね』と言ってもらえることもあり、良い評価につながっているのは嬉しいですね。」

またネット販売を軸にする企業も増える中、ゴルフというスポーツの特性上、実店舗ならではの対応を強化し、ネット販売とは差をつけていきたいと安本さんは話します。

「他の業界と同様、ゴルフ用品市場においてもネット販売は伸びています。ただし、例えばゲームやCDのように店舗での販売からオンラインでのダウンロード販売などに取って代わられてしまうものもある中で、スポーツは自分の身体と実物の道具を使ってプレーする特性上、実際に手に取って自分に合うか確かめてみたいというニーズは存在し続けると考えています。そういった面からも、ホスピタリティの高いスタッフたちの対応で、引き続き実店舗を中心に展開していけたらと思っています。
一方、時代に合わせてアナログからデジタルへの移行も行ってきました。実店舗を主軸としつつも、EC事業は20年近く前から運営していますし、会員アプリの導入も進めています。これからもお客様が満足してご利用いただけるよう、店舗の強みとデジタルツールを上手いこと組み合わせてやっていきたいですね。
いずれにせよ、お客様にコトブキゴルフを長くご愛顧いただくためにどうすべきか、何ができるかを会社全体で考えていきたいです。たまたまお店に寄ったお客様に接客をして、そのときは売り上げにつながらなかったとしても、その方にとって満足のいく対応だったのであればまた来てくださる可能性は高いです。また、ゴルフは老若男女が生涯かけてできるスポーツですので、お客様に尽くした接客をすれば、長い目で見て企業の将来につながっていくと思います。」

コトブキゴルフにはゴルフのエキスパートを目指せる環境が整っている

「ゴルフライフの総合サポートをしていきたい」という思いから、コトブキゴルフではさらにお客様からの要望を幅広くカバーするために、2022年にはフィッティングスタジオとインドアゴルフスクールをオープン。より実践に近い環境を実現し、顧客からのニーズに対するフォローも手厚くしています。

「コトブキゴルフがモノを売るだけのゴルフショップではない、というところに改めてつながるところでもあるのですが、より自分に合うものが欲しいというお客様の要望に応えるためにフィッティングスタジオを導入しました。フィッティングのスタッフには、資格を取らせ、フィッティングの知識を身につけたうえで専門的な商品を扱えるようにしています。
これまでにフィッターとしてここで働きたいという人も入社してきていますし、もともとコトブキゴルフの販売員で、フィッター資格を取得した社員もいます。そしてまた都内でも数少ない、本格的なゴルフショップ併設のゴルフスクールとして、お客様一人一人の悩みに寄り添ったレッスンを展開しています。こちらのスタッフも多くはコトブキゴルフの元販売員で、長い時間をかけてレッスン資格を取得してもらいました。
商品知識とともにプラスアルファで、フィッティングやゴルフレッスンの知識もつけることで、お客様のニーズにより深いところで応えることができるため、社員から資格を取得したいという要望があれば積極的にサポートするようにしています。」

経験豊富なスタッフが多いコトブキゴルフは、若手をサポートできる環境も出来ていると安本さんはいいます。これは長年の積み重ねがあるコトブキゴルフだからこそで、入社してからもさらに知識を深め、高いレベルを目指していける場があることはとても魅力的に感じます。

「ホスピタリティの高いスタッフがコトブキゴルフの強みだと言いつつも、そういったスタッフは一朝一夕に育つものではないと思うんですね。入社してすぐに力を発揮しなさいとは思っていなくて、実務を通じてスキルを身につけていくことを大切にしていたり、教材や資格取得のためのプログラムを通して、時間をかけて人材を育てていったりしていきたいです。
うちに関しては、百戦錬磨のスタッフが接客面ではもちろん、クラブの修理の仕方や技術的な面でも、新人をサポートできる土壌はありますし、メーカー側からも定期的にコトブキゴルフに向けた商品の勉強会を開催していただいています。」

教える環境が出来上がっているとともに、社員同士の信頼関係が築けていることが伝わってきます。また、安本さんは、社員が「こんなことをやりたい」と手を上げてくれることを歓迎したいとも話します。

「ゴルフ以外にも、社員から『この知識があればもっと事業拡大に貢献できるのではないか』という資格や研修を受けたいと希望があった際には、積極的に支援を行っていきたいです。例えば最近では、オンライン集客の知見を深めたい、整体やマッサージに関する資格取得を目指したい、といった要望など。スポーツビジネスに関わる仕事ですので、そういった知識が新たな集客やお客様にとっての悩み解決の手助けになったり、また将来的な事業の一つとして考えていくこともできたりするのではないかと思っています。中小企業ですので、社員が積極的に挑戦したいと言ってくれたことに関しては、柔軟に対応していきたいです。」

創業100年を見据えた新しいゴルフショップの形

創業60年を迎えたコトブキゴルフですが、そこに留まらず創業100年を目指したいと話す安本さん。これから先も続けていくうえで、自分だから考えられる視点も大切にしていきたいと話します。

「一例にすぎませんが、今後はゴルフ業界もさらなる先端技術の進歩の影響を受けることになると思っています。例えばAI技術によってクラブの性能がより進化したり、フィッティングについても大きな変化があったりするかもしれません。ARやVR技術がさらに進化してインドアゴルフのあり方も変わるかもしれません。そういったところにも注目していきながら、コトブキゴルフも時代に合わせた変化を遂げていきたいです。」

この先もコトブキゴルフを続けていけるようにしていくために大切にしたい思いや自分の使命を次のように話します。

「自分の使命は、コトブキゴルフという会社を残してくれた社員に感謝して、今後も長く続けていくためのサポートをしていくことだと考えています。ここまでの約60年間を支えてくれたスタッフはもちろんのこと、これから先の何年をも支えていく要素として、スタッフからスタッフへの継承というところも強化していきたいですね。だからこそ、採用活動を続けながら新しい風を吹かせ、今後も長くお客様の要望に応えていきたいです。」

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【PROFILE】
安本 基徳

大学卒業後は、コトブキゴルフを継承せず民間企業や大学院、コンサルティング会社などを渡り歩き、2024年に取締役に就任。事業継承に向けて現在は様々な業務を管轄している。趣味は対戦ゲームとダイビング。

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月 1967年02月
代表者 安本昌煥
従業員数 50名
業務内容

・ゴルフ用品小売業
・スポーツ用品の輸入、卸、小売販売
・前号に付帯する一切の業務

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