「大人になったら、夢を追うことは難しい」
学生から社会人になり、どこかでそんな思いをもったことはないだろうか。
そんな“大人”になった私たちの固定概念を覆してくれるのが、2019年に設立された「株式会社nature」だ。営業代行事業を始め、スポーツ系の新規事業や独立支援を行っているこの会社では、漠然と“現状を変えたい”という思いで入社した人も、普段の業務や仲間との交流を通して、自分の生き様を見つめ直すことができる。
平均1〜3カ月で役職が上がり、2、3年で独立。そんな短いサイクルで成長することができる会社だが、決して楽ではない。でも、圧倒的な熱量をもった仲間と同じ時間を過ごしながら、次々とやってくる課題に立ち向かう時間は、まさに部活動のようだ。
忘れかけていた“一生懸命さ”や“夢を追うこと”を思い出させてくれるこの場所で、マネージャーの大澤美希さんと、リーダーの鯉沼欧丞さんは、普段どんなことを考えながら働いているのか。現場で感じているnatureのリアルを語ってもらった。
(取材・執筆:伊藤 千梅、編集:伊藤 知裕、中田 初葵)
―――早速ですが、お二人のご経験と入社の背景を教えてください。
大澤 私は大学からライフセービングという競技をしていて、大学4年間で日本一も経験しました。卒業後に保健体育の教員になったのち、パーソナルトレーナーになりニューヨークで4年ほど活動していました。コロナのタイミングで帰国してからは、国内でトレーナー業を続けていました。
転職を考えたのは、怪我がきっかけです。腰を痛めて、手術が必要だとドクターストップがかかってしまいました。手術後のベッドの上で「今までと同じようにこの仕事を続けることは難しい」と感じて落ち込みました。自分の人生をもっとグローバルに展開させたい思いと、現実とのギャップに悩んでいた時に、ご縁があってnatureと出会いました。
―――natureさまのどんなところに魅力を感じましたか?
大澤 2026年にスポーツジムを立ち上げる新規事業や、全国の学校やスポーツチームを訪問してキャリアの講演をしている会社だったので、これまでの経験や自分の強みを活かせると思いました。その上で「自分の幅を広げて成長できそう」と感じたことが、一番の決め手です。年齢は社員のみんなよりも年上ではありますが、代表にお願いする形で入社しました。
―――逆境をチャンスに変えて転職を決められたのですね。鯉沼さんはどんな理由で入社したのですか?
鯉沼 僕は、小学生から高校生までバレーボールを続けていて、高校卒業後は指導者の道に進みました。アシスタントコーチとして世代別の日本代表の活動に携わったこともあります。それに高校2年生くらいから独立にすごく興味がありまして。バレーボールをやっていたので、スポーツ界に還元出来たらなと考えていました。ただ僕、労働が苦手なんですよ(笑)。SNSなどからお金の仕組みに触れていくなかで、時間をお金に換える労働に対して少しネガティブな感情をもつようになりました。だからこそ独立に興味をもち始めた自分にとって、natureはすべてがマッチしていました。独立支援を行っていることや明確なステップアップの基準があること、短期で成長できる点も魅力でした。
―――高校生で独立を考えていたのはすごいですね。大澤さんも入社前から独立を考えていましたか?
大澤 私は前職で個人事業主として活動していたので、ある程度一人で仕事をする意識はありました。ただ、会社を設立する選択肢はもっていなかったのですが、入社してから「自分も挑戦できるかもしれない」と思うようになりました。
―――営業をする上で大事にしていることはありますか?
大澤 営業で大事にしていることは、ノリと勢いです(笑)。どんな商材やサービスを売るにしても「誰から買うか」が大事になります。お客様も無愛想な人より、にこやかな人から買いたいと思うでしょうし、その人自身が楽しんでいると伝わることが大切だと思います。
鯉沼 確かに「この人から買いたい」と思わせたら勝ちですよね。例えば、知り合いが本を出した時、自分の母は読む前に2冊も買ったんですよ。仲が良い人の本であれば、母のように内容を知らなくても買いますよね。だから「なにを」ではなく「誰から」が大事になるのだと思います。
―――今後独立していくことを考えた時に、営業のスキルはどのようにつながっていくのでしょうか?
鯉沼 営業をするにしても、それ以外の仕事でも、ただやっていることが変わるだけで、本質的なところは変わらないと感じています。
―――本質は“変わらない”とは、一体どういうことでしょうか?
鯉沼 スポーツでいう「勝つためにどうするか」や、営業でいう「売れるためにどうするか」は、考え方は一緒です。抽象度を上げると、課題があって、その解決のために練習をして、できるようになって、また違うものに取り組んでいくことの繰り返し。だから、独立して別のことをしても、考え方自体は何にでも転用ができると考えています。
―――別のことに取り組む時も、根本の考え方は変わらないということですね。
鯉沼 変わりません。きっと会社のみなさんも同じように言うと思います。
大澤 営業にはいろんなイメージがあると思いますが、要はコミュニケーションです。AIが発達しても必ず必要なものですし、営業は一つの手段として、いろんなことに挑戦できる入口になると考えています。
―――お二人は働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
鯉沼 もう毎日ですよ。
大澤 私も今同じように答えようとしました(笑)みんなやりたいことは違っても「自分の将来を良くしたい」という思いは同じなので、いいシナジーが生まれています。刺激になるし、学びも多いです。年齢も性別も、学歴も資格も関係なく、自由な環境下で、自分がやりたいことに向かって進んでいる戦友のような存在ですね。部活をやっていた時の感情が再燃して日々を過ごしている感覚で、すごく楽しいです。
鯉沼 モチベーションしかないんですよ(笑)。今やっていることが、将来自分のやりたいことにつながっていることを毎日実感しています。母からも「スポーツをやっている時より頑張っているんじゃない?」と言われました。こんなに人間関係が円滑で、目標に向かっていると感じられる職場はなかなかないと思います。自分が本当に大切にしている場所なので、正直、簡単には人に教えたくないくらいです(笑)。
―――お二人の話から毎日充実していることが伝わってきますが、逆に、働いていて大変だと思う時はありますか?
大澤 もちろん、あります(笑)。今までの自分の人生のなかで、きちんと向き合ってこなかったことが、課題として現れることが多いと感じます。それまで逃げていた自分と向き合わなきゃいけないシチュエーションがくると、苦しいとか辛いという感情になりますね。
でも、会社の人たちは相談に乗ってくれますし、苦しい時に1人で抱え込まなくて済むので、すごくいい環境だなと思います。
―――鯉沼さんも大変だと感じることはありますか?
鯉沼 美希さんが言うように、目を逸らしてきたことと向き合うのは、大変でした。自分はプライドの高さが課題で、なにかを教えてもらった時に、言い訳ばかりしていました。言われたことに対して「全然理にかなっていないじゃないですか」と言い返すこともありましたね(苦笑)。
―――なぜそのような自分を変えようと思ったのですか?
鯉沼 自分の意見を貫こうとした時に、うまくいかなかったからです。まずは相手の意見を受け止めることが大切だと、ようやく気付くことができました。実は、このような経験は2回目で。以前、コーチとして中学生を指導していた時に周りの人と意見が合わなくて、その時は環境を変えることで乗り切りました。でも、また同じ壁にぶつかったからこそ、向き合うことでしか成長はないと感じました。そこから、自分には素直さが必要だと認識して「でも」や「だって」は意識的に使わないようにしています。
―――仕事を通して、いろんな自分と向き合っているのですね。
鯉沼 そうですね。壁から逃げずに取り組んでいると大変だと感じることはたくさんあります。その分、当たる壁にはしっかり当たりますし、ただ、楽に早く成長できるわけではありません。
大澤 それこそ独立した先でも、壁に当たることはたくさんあると思います。ただ、今ここで壁の乗り越え方を学んでいるとも感じます。失敗を受け入れてくれる社風ですし、未経験の人でも活躍できるような環境だと思いますね。
―――今後の夢や目標を教えてください。
鯉沼 僕は大きく二つあって、一つはバレーボールのプロチームを自分で作って、セカンドキャリアの問題に取り組みたいと思っています。競技では一流のプロ選手も、引退した後には新入社員のような状態から始まるのが現状です。バレーだけでなく、スポーツ選手たちのキャリア面でのサポートは、まだまだ足りていないと感じています。なので、自分がここで培った経験や知恵を活かしていけたらと思っています。
―――アスリートたちの独立支援もできそうですね。
鯉沼 まさにそうです。自分が学んできたことを還元していきたいです。そしてもう一つが、ボディコントロールです。僕自身、高校生の時に膝の怪我に悩まされていたのですが、引退後にコーチとして関わらせてもらった世代別の日本代表の合宿で、自分のなかの常識が覆りました。
代表選手たちは、ボール練習だけでなく、ボールを扱う自分の体をまず変えていく認識で練習をしています。それまで僕は「怪我をどう治すか」を考えていましたが、そもそも「怪我しないための体づくり」が大事だと気付かされました。だからこそ、自分自身が怪我をしている時には知らなかった「ボディコントロール」という概念を広めて、伝えていきたいです。そのためにも、自分がまず独立しなければならないと思って、日々仕事に取り組んでいます。
―――大澤さんは独立してどんなことに取り組みますか?
大澤 私自身も、スポーツを頑張りたくても継続できる先がなかったり、打ち込んでいたからこそセカンドキャリアで悩んだりする気持ちもわかります。
そういった方々を支援することもそうですし、私は海外経験があるので、例えば海外に行きたい選手の支援や、トレーナーとして海外の知識を学びたい人たちのサポートなど、スポーツマネジメントの分野にも興味をもっています。今natureで活動している内容から転用していけると思いますし、私は欲張りなので、他にもさまざまなことに挑戦したいです。
――最後に転職を考えている方や、自分自身の現状に悩んでいる方に、メッセージをお願いします。
大澤 私も転職を経験していますが、基本的には自分がときめいたところに移動してきました。natureも未経験から始めています。「現状に満足していないけど、自信がない」という人も、ぜひ思い立ったが吉日という勢いでスタートしてみてほしいです。人生を「Have fun(楽しむ)」したいな、くらいラフに考えてもいいと思います!
鯉沼 仕事を選ぶ時には「どこに入るか」ではなく「なにをしたいか」で選んでほしいなと思います。僕はその考え方でnatureに入りました。この会社よりいいところはないと僕は思っているので、さっきも言ったように、教えたくない気持ちもあります(笑)。でも、一緒に頑張る仲間は多いほうがいいですし、独立する時も仲間が多いほうが楽しいです。いろいろな人がいたら盛り上がると思うので、ぜひ一緒に働きましょう!
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【PROFILE】
大澤 美希(おおさわ みき)
2024年5月1日に入社し、現在はマネージャー。前職はパーソナルトレーナーをしていて、アメリカのニューヨークで4年間活動していた経験をもつ。怪我をきっかけに「仕事の幅を広げたい」と株式会社natureに入社した。
鯉沼 欧丞(こいぬま おうすけ)
2024年5月7日に入社し、現在はリーダー。前職はバレーボールコーチ兼アシスタントをしていて、年代別の日本代表合宿に携わった経験をもつ。将来の目標はバレーボールのプロチームをつくることと「ボディコントロール」の概念を広めること。
設立年月 | 2019年06月 | |
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代表者 | 菊池 慶 | |
従業員数 | 25名 | |
業務内容 | ■スポーツ事業
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