以前、プロ野球の審判について解説しました。
ところで、 審判の判定は絶対!なのでしょうか?
日本のプロ野球では際どいプレーに対して正しい判定を下すためにリクエスト制度があります。
制度導入の経緯、ルールや導入後の影響などを解説していきます!
【プロ野球の審判に関する記事はこちらから】
リクエスト制度とは、アウトかセーフか判断が難しいプレーなど発生したときに、各チームの監督が審判に主張することで、ビデオでの判定が可能となる制度のことです。
審判の目だけでは判断が難しいプロ野球にとって、ビデオは公正な判断材料となる合理的なシステムと言えますね。
そのため、かねてより多くのプロ野球関係者から導入の要望がありましたが、実際に導入が実現されたのは2018年とつい最近の話なのです。
長らく導入に至らなかった理由の一つとして、審判団からの懸念がありました。
全てのプレーをビデオ判定に頼ることで、審判の誤審を防ぐことはできる一方、審判員の技術向上に対する障害となると審判団は考えたからです。
しかし、2006年6月11日の千葉ロッテマリーンズ対読売ジャイアンツ戦で、ホームランが取り消しになったことに対し、読売ジャイアンツがビデオ判定の導入を熱望。
その後12年の長い年月をかけて、ようやく2018年に正式採用。これがリクエスト制度の導入の経緯となります。
さて、そんなリクエスト制度ですが、判断が難しいプレー全てに使えるわけではありません。以下に、対象となるorならない判定をいくつかまとめてみました。
【リクエスト制度対象】
・アウト、セーフの判定
・フェア(ヒットやホームランも含む)、ファールの判定
・頭部へのデッドボール判定
など
【リクエスト制度非対象】
・ストライク、ボールの判定
・ハーフスイング判定
・自打球判定
など
リクエスト制度を行使する際、監督はベンチから出てきて、両手でカメラのような長方形のサインを出しますので、プロ野球中継をご覧になるときは、ぜひ監督のアクションに注目してみてください。
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このように合理的なシステムであるリクエスト制度ですが、1試合における使用回数は最高2回(延長戦に入った場合は+1回)までと決まっています。
これは、先ほど述べた審判団の懸念が理由のひとつですが、リクエスト制度を全てのプレーで申告されると、単純に試合が長引くといった問題もあるでしょう。
また、あくまでビデオ判定の要求なので、必ず判定が覆るわけではありません。
ビデオ判定後に判定が覆れば回数は2回のまま継続、判定通りなら1回ずつ権利が減る仕組みとなっています。
ちなみに、ビデオ判定後も納得がいかず、抗議を続けた場合は、監督+抗議した者が退場処分となります。
そんなリクエスト制度を上手く活用する監督、言わばリクエスト成功率の高い監督は誰なのか、2020年度のランキングでみていきましょう。
【3位】 栗山監督(北海道日本ハムファイターズ)
成功:21回
失敗:33回
成功率:.389
【2位】 ラミレス元監督(横浜DeNAベイスターズ)
成功:20回
失敗:30回
成功率:.400
【1位】 三木監督(東北楽天ゴールデンイーグルス)
成功:22回
失敗:28回
成功率:.440
この結果に、ベスト3の監督でさえ成功率は半分も満たないとも取れますし、反対に半分近く覆ってしまう審判の判定の正確性を疑う声もあるでしょう。
今後もリクエスト制度は、大事な局面や、明らかな誤審である場合など、ピンポイントにかつ効率よく運用されることが望まれます。
とはいえ、リクエストの検証中、ファンはただ待たされているわけではありません。
なんといくつかの球場には、ファンもビジョンを確認しながら、監督・選手たちと一緒にリクエストの検証ができたり、検証中に決まったBGMが流れるといった粋な演出が用意されています。
その代表的な球場とBGMをみていきましょう。
【プロ野球の球場に関する記事はこちらから】
【ZOZOマリンスタジアム】
♪ 名探偵コナン メイン・テーマ
「真実はいつもひとつ」という台詞でおなじみ、推理漫画の金字塔「名探偵コナン」のメイン・テーマが、ZOZOマリンスタジアムでは使用されています。
待っているお客さんに楽しんでほしいという球団の想いから、この演出が生まれました。
真実は本当にひとつなのか、ビデオのみぞ知るといったところです。
【バンテリンドーム ナゴヤ】
♪ 太陽にほえろ! メインテーマ
2021年よりこちらに名称が変更された元ナゴヤドーム。
名探偵コナンと打って変わって、こちらは「太陽にほえろ!」という渋いチョイス。
ちなみに、以前は「踊る大捜査線」シリーズの代表曲である「Rhythm And Police」が採用されていました。
今後も刑事ドラマの曲を採用していくのか楽しみですね。
【札幌ドーム】
♪ 主題(Opening Theme)
札幌ドームでは、リクエスト中に古畑任三郎のテーマソングが流れます。
推理作品、そして渋いチョイス、上記2つの球場に通ずるものがあります。
以上、推理作品や刑事作品に絞ったラインナップでしたが、「真偽を確かめる」というリクエスト制度のコンセプトから、このような曲がチョイスされやすいのかと思います。
今後はいくつかの球場のみならず、全球場で特定のBGMが流れるようになったり、曲以外の演出が考案されるかもしれません。
野球観戦の際は、こういった演出にも注目してみてはいかがでしょうか?
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