陸上競技には多くの種目があります。
現代のオリンピックでは、競技会期間中20種目以上が実施されています。
その中でも特に注目を集めるのが、リレー種目です。
大会の終盤に行われ、非常に大きな盛り上がりを見せる花形種目です。
テレビでオリンピックのリレー種目を見ていて、家族や友達と盛り上がった経験がある人も多いのではないでしょうか?
今回は、リレー種目のルールや種類、知っておくと観戦が更に面白くなる魅力や見どころを紹介します!
リレー種目の中で最も一般的な種目が4×100mリレーです。
4人の走者が1人100mずつを走り、バトンを継ぐことから、通称「4継」と呼ばれています。
2016年のリオオリンピックで、日本チームは見事銀メダルに輝きました。]
当時の日本チームは他の強豪国に比べ、1人当たりの100mの自己ベスト平均タイムが大きく劣っていました。
では、なぜ日本チームは銀メダルを獲得することが出来たのでしょうか?
その要因こそが、リレー種目を楽しむ最大の魅力なのです
リレーには、主に2種類のバトンパスがあります。
①オーバーハンドパス
渡し手と受け手がそれぞれ腕を延ばしバトンパスをする方法です。
一般的に学校の運動会で用いられるバトンパスはオーバーハンドパスです。
両者が腕を伸ばすことにより、走らなくても良い距離(利得距離)が生まれますが、受け手が腕を伸ばすことで走り始めのフォームが窮屈になってしまうデメリットもあります。
②アンダーハンドパス
受け手が手のひらを地面に向けて、そこに渡し手がバトンを下から渡す方法です。
利得距離は生まれにくいですが、オーバーハンドパスに比べ、受け手がフォームを崩すことなく、スムーズにバトンパスを行うことが出来ます。
日本チームは2001年にアンダーハンドパスを採用しました。
スムーズなバトンパスを武器に世界の強豪と戦うためです。
それ以降、数々の国際大会で決勝に残り、メダルも獲得するなど成果を残してきました。
リオオリンピックの決勝進出チーム8チームで、アンダーハンドパスを採用していたのは日本チームのみでした。
以下は、リオオリンピック決勝でメダルを獲得した3チームの100mの個人タイムからチームタイムを引いたタイム(利得タイム)です。
①ジャマイカ…38秒89ー37秒27=1秒62
②日本…40秒38ー37秒60=2秒78
③アメリカ…39秒12 ー37秒60=1秒50
日本チームは、受け手のロスが少ないアンダーハンドパスを採用しながらも、利得距離を少しでも長くする研究や練習を重ねた結果、チーム力で銀メダルを獲得したのです。
単純な個人タイムだけでなく、バトンパスの技術や、選手の走順の組み合わせによってチームタイムが変わってくるのは大きな魅力です。
リレーを観戦する際は、是非バトンパスに注目してみてください!
このように、バトンパス1つで記録が大きく変わってくる繊細な種目ですが、リレーにはどんなルールがあるのでしょうか?
【短距離種目全般に関する記事はこちらから】
バトンパスを行う際の主なルールは2つあります。
①テイクオーバーゾーン
リレー種目では、走者同士がバトンを受け渡し出来る区間が決まっています。
各走者のスタート地点から100mを基準として、手前20m、後ろ10m、計30mの範囲でバトンパスをしなければなりません。この範囲をテイクオーバーゾーンといい、範囲外でバトンパスをした場合、そのチームは失格となります。
②バトンを落としてしまった時の対処法
バトンパスは、非常に繊細な技術が必要です。その分、受け渡しがうまく行かずにバトンを落としてしまう場合もあります。そんな時はどうしたら良いのでしょうか?
バトンを落としただけでは、失格にはなりません。失格になってしまう対処方法は以下の通りです。
・受け手側の走者がバトンを拾う…バトンを落とした段階では、受け渡しは完了していませんので、受け手側の走者がバトンを拾うと反則行為となり、失格となります。
・隣のレーンに落下したバトンを拾い、そのまま走る…バトンが隣のレーンに落下してしまった場合、拾ったバトンを持ち、転がりだした地点まで戻り、元のレーンから走り始めなければなりません。拾ってそのまま隣のレーンから走り始めることは反則行為となり、失格となります。
観戦時には、バトンを受け渡す瞬間に着目してみると更に面白さが増します!
では、リレー種目は4×100mだけなのでしょうか?
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リレー種目は、4×100mリレー以外にもあります。
オリンピックも含め、様々な陸上競技会でトリを務める種目が4×400mリレー、通称「マイルリレー」です。
マイルリレーは、400mや800mの選手でチームが組まれます。選手も観客も非常に盛り上がる種目です。
4×100mリレーに比べて、日本チームは満足のいく結果を残せておらず、強化が必要な種目の1つです。
4継やマイルリレー以外にも、リレー種目はあります。
IAAF(世界陸連)は毎年「世界リレー」を開催しています。リレー種目に特化した大会で、
・男女の「4×100mリレー」「4×200mリレー」「4×400mリレー」
・男女混合の「4×400mリレー」「2×2×400mリレー」「シャトルハードルリレー」
の合計9種目が行なわれます。
・2×2×400mリレー…男女2人ずつが、1人400mずつを走るマイルリレーで、男女が交互にバトンを繋ぎます。
・シャトルハードルリレー…1チーム4人で構成され、各走者が110mずつ走り、バトンを直線上で繋ぎます。
このようにリレーには様々な種目や魅力があることがわかりますね!
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