ゴルフショップの経営からカーブスFC店の運営に転身!?!?見たこともやったこともない業界で新規事業を始めたトゥーピースの創業物語【前編】

トゥー・ピース(カーブス) 代表取締役:角田 周治|取締役:角田 史恵

ゴルフショップの経営からカーブスFC店の運営に転身!?!?見たこともやったこともない業界で新規事業を始めたトゥーピースの創業物語【前編】

トゥー・ピース(カーブス) 代表取締役:角田 周治|取締役:角田 史恵

シンプルに「諦めなければ夢は叶う」と信じ、目標に向かって努力し続ける人は、果たしてどれだけいるのでしょう。夢を見つけた瞬間にボルテージは上がり、行動を起こす方はきっと多いと思うのですが、一方でそれをずーっと何十年も続けている方は少ないはず。どこかで「落ち着く場所」を見つけてしまったり、何か必要に迫られて夢を諦めてしまったり……。

今回お話を伺ったのは、大阪府を拠点に『カーブス』を5店舗運営する、(有)トゥー・ピースの代表夫婦のお2人。お2人はそもそもゴルフが大好きで、代表のご主人(角田 周治さん|本文中:オーナー)がやられていたゴルフショップに、取締役の奥様(角田 史恵さん|本文中:統括)が嫁ぐ形だったそう。ただ、ゴルフショップの経営が難しくなった先に、ある出会いによって猛烈に感動をし、フィットネスや運動の知識・経験がないところからカーブスFC店を始めることに。今回は創業秘話も含めて、現在に至るまでの苦労話を余すところなくお届けします。私、取材中に涙しそうになったのは、これが初だったかもしれません。

(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)


自分たちにはこれだ!これしかない!創業者と出会い感動した理念

__まず事前に聞いて驚いていたのは、オーナーも統括も、ゴルフを一生懸命頑張ってきたんですよね?どうしてカーブスのFC店を始めようと思ったんですか?その経緯から伺いたいです!

オーナー:そもそも、私が26歳のときに独立して、1人でゴルフショップをやっていたんですよ。当時、1人ひとりに合ったオーダークラブを造っていて。まぁ学生時代はゴルフを一生懸命やっていましたし、インストラクターの免許も取ってましたから、ショップに来ていただいたお客様にスイングの仕方を教えたり、その人に合ったクラブを提供すると。そこに「ゴルフをもっと上手くなりたい!」って統括が入ってくれて、2人でお店を細々とやっていたんです。ただ、2000年くらいにはインターネットの普及で中古ショップが流行りだしまして。オーダークラブって、新品は高いけど売りに出すと安いってことで、どんどん翳りを見せ始めたんですよね。その後も資本力のあるショップが勝ち残っていくような時代の風潮がありました。

統括:そのときに本当にたまたま、ベンチャー・リンク(C&I Holdings)の営業さんが「ゴルフパートナーやりませんか?」って営業に来はったんです。でも私たちはそんなにお金もなかったので難しいと。それで、後日またその方がお店に来てくれて「『カーブス』っていうフィットネスクラブが日本に初上陸するんで、FC店やってみませんか?興味ありませんか?話だけでも聞いてみませんか?」ってお声がけいただいたんですよ。私たちもやっぱり次なる一手を探していたので「話だけでも聞きに行こか~」って。それで、カーブスの創業者であるゲイリー・ヘブン(以下ゲイリー)さんのセミナーを聞きに行ったんです。そこでもう、ビビビ!!っと2人とも来てしまって。これは世のため人のためになるな!って。すごい事業だし別に怪しいとか全く思わずに2人でやろう!って決めたのが、ほんと最初の最初ですね。

__え、ちょっと待ってください。いきなりすぎませんか?(笑)もう少し慎重にと言いますか……(笑)

オーナー:なんの知識も資料もない真っ白の状態でセミナーを聞きに行って。ゲイリーさんのお話を伺ったんですけれど、その瞬間にあまりにもビビビっと2人とも来てしまったんですよ。「これはやるもんや」「やらなアカン事業や」って何の不安要素もなく思えたんです。とはいえ日本初上陸で、FC店も一斉OPENでしたから、10か月くらいは時間がありました。その間に色々準備して、ですね。

統括:2時間半かな、ゲイリーさんのセミナーの間お互い一切喋らずに聞き入ったんです。ゲイリーさんは13歳のときに40歳のお母さんを亡くされてて。いつもお母さんに朝起こしてもらっていたのに、その日だけはスクールバスの音で目が覚めたと。ベッドルームに行けば、もう亡くなってて。なんでかって、高血圧の薬を多く服用していたり、そこからのうつ症状とかだったそうで。だからゲイリーさんは、いわゆるお母さん世代、とくに女性を元気にしたいって思いでカーブスを始めたって話していて。それを聞いた時に、ゴルフは趣味の領域というか、でもカーブスは社会に絶対に必要だって思えたんです。情熱を注げるというか「これや」と思えたんですよ。カーブスの『女性を元気に』っていうゆるぎない一本の芯に、私も胸を打たれたのが大きかったですね。

__ごめんなさい。僕が頭でっかちなだけかもしれないんですが、僕であれば「どうやって運動を教えたらいいんだろう」「じゃあ一旦働いて経験しないと」って思ってしまうので、お2人がバーン!とFC店を始められたのがすごいなと。

オーナー:まぁでも、僕が26歳で独立してほぼ1人でやっていたので、その時には腹をくくって、アカン時はなんでもするっていう気持ちで商売をしていたので、次なる一手を見つけられたことで正直ワクワクしかなかったですよね。準備期間の10か月も楽しみで楽しみで!まぁもちろん、お金の計算とかはしてましたよ。これくらいの会費でこれくらいのお客さんに来ていただければ……みたいな。

統括:そもそも私もオーナーもサラリーマン時代があるんですけど、どうも性に合わない。決まった時間に決まった場所に行って……雇われるのが好きじゃないんですよ(笑)オーナーもそうですけれど、私もガンガン行きたい!っていう性格なので「一回働いて……」とかは……微塵もなかったよね?(笑)

オーナーなかったね(笑)

統括:やるって決めてからは、何回も夜行バスに乗って東京で開催されている説明会によう行きました。それでこーーーーんな資料をもらって大阪に帰ってくるんですけれど、もちろんやるべき事の量の多さに「こんなことできるのか?」って不安に思ったりもしました。でもとりあえずやらなアカンって、2人で一個一個積みかさねて。とにかくカーブスはマニュアルがしっかり用意されていたので、今もですけどその当時からカーブス本体の方々を信頼して、面接のやり方とかお店の作り方とかを一生懸命学びました。なにより私たちは素直だったんだと思うんです。まずはその通りにやってみようって。それで、最初此花店をオープンするときに募集を出したら、100人くらい応募があって、ほぼ全員と面接するところから始まったんですよ(笑)

__100人!?!?!?




1号店であるカーブス此花店


順風満帆。この調子で行けると思っていた矢先に……

__いくら日本初上陸の事業で新店オープンの募集とはいえ、かなり集まりましたね!

統括:採用だって生まれては初めてでしたよ(笑)。だからそれもマニュアル通りに。ただ、みんなと面接するんですけど、選び方にノウハウなんてないじゃないですか(笑)。喋った感じとかそういうフィーリングで見て、正社員2人・パート2人の4人採用して、2006年3月にオープン。その前に「オープンします!」みたいなチラシとかも配ったら、わんさか問合せが来て。ビックリするくらいの勢いで1号店(此花店)はスタートしたんです。

オーナー:今でこそカーブスは年配の方が行くイメージがあると思うんですけれど、当時はダイエットとか痩せたいっていう30~40代の方をメインターゲットにやってたんです。最初はそれで400人くらいメンバーさんを集められて大成功で。FC店の中でも目立つようになって。それで「次の店舗展開しよう!」って2号店の野田阪神店のテナントを契約して。

統括:……なんですけど、当たり前ですけど「痩せたい」ってニーズの人たちって、すぐには痩せないじゃないですか(笑)。ただ、そういう効果を上手く実感できなかったことで、一気にメンバーさんが辞めてしまって。あんなに最初は上手く行ってたのが幻のようになってしまったんです。でも、2号店の契約もしてしまっていたから、2007年9月の2号店(野田阪神店)をオープンせなアカンし採用もせなアカン、そもそも1号店もなんとかせなアカンって。それで2号店をオープンした翌年2008年の1、2、3月が、本っっっ当に大変だったんです。

オーナー:本当に1号店のときは、何も苦労をしないで会員数も売上も伸びてたんです。ただそこで調子に乗ったんですよね。2号店は最初からコケてしまって。想定の半分くらいしかメンバーさんを集められない。1号店の会員数も激減。結局スタッフも、1号店は4人採用しましたけど残ったのは1人。2号店は3人採用したんですけど2人辞める。

__えっ………。ジェットコースターじゃないですけど、想像を絶するほどの急降下ですね。。。まさに生きるか死ぬかと言いますか。。。

統括:本当にそうで。(お店を)潰さなアカンって状態にまでなったので、そのときにいた4人のスタッフを集めて「腹決めてくれ」みたいな。「私は朝から夜遅くまで働くつもりやし、本部の言う通りなんでもガムシャラにやるから、ついてこれる人だけ一緒にやろう」って。そういう会議をして、残ってくれた子で1店舗2人体制で2店舗を運営することになったんです。

オーナー:ちょうどその頃に、統括は出産もしていて。

__ええ!?!?!?!?

統括:今、中2の女の子なんですけど、その子はもう子育てした記憶なんてないというか(笑)。母乳あげる以外は、私は現場出なアカンから、経営を担当していたオーナーが家で経理とかやりながら子育てするみたいな。あのときは本当に一生忘れられないくらい大変でしたね。お店は絶対潰せへんし従業員も守らなアカン。ただ、やっぱりビラ配りとかをしてて誰も受け取ってくれなかったり、バギーを押してるママさんを見た時に涙が溢れて「なんでこんなことしてるんやろ……」って思ってました。

オーナー:本当に2号店をオープンする前は軽い気持ちでしたよ。統括のお腹も大きくなってましたけど「まぁいけるやろ」くらいの気持ちで。現実、出産後ほぼ一か月くらいで復帰したのかな。そこから僕は本当にずーーっと子守り(笑)。子どもを抱っこしながら、生活のためにゴルフショップもまだ当時続けていて。ベビーカーに子どもを乗せながらお店を切り盛りしつつ、帰ったらカーブスの仕事をしてっていう時期が、1年くらいですかね。その辺りは僕もしんどかったですね。

__波乱万丈すぎる……。よくそこで踏ん張れましたね。

統括:1年くらいですかね、結局その時期が続いたのは。本当にしんどくて。でも、たっくさんのメンバーさんが「ほんまに元気になったよ」「ここのスタッフは本当によう頑張ってくれるね」って言ってくださることが嬉しくって。それに社員も毎日夜の22時、23時まで文句1つ言わずに一緒に頑張ってくれていたので、やっぱり私が一番頑張らなアカンって使命感というか、それはありましたね。

オーナー:統括のそういう頑張りもあって、2009年から業績がグッと伸びてきたんです。ちょうどその頃カーブスも方針を年配の方にアプローチしようって方針に変えて、同時期に来た健康ブームも追い風に。そこからは30~40代の人よりも、50~70代くらいのメンバーさんがすごく増えて。お陰様でそこからは、3号店、4号店っていけたんですよね。同時期にゴルフショップもやらなくてすむようになったので、カーブスの経営に専念できるようになったという。だからあの時の大変さは、今だからこそ思いますけど財産です。

統括:これは笑い話ですけど、オーナーは料理があんまり得意じゃないんです。それで、保育園に子どもに何を食べさせたか報告せなアカンのですけど、「ゆでたまご」「ブロッコリー」以上!みたいな(笑)。私もあの頃は家に23時くらいに毎日帰ってたし、オーナーもゴルフショップの運営とカーブスの経営と子育てでヘトヘトだったんで、本当に2人で頑張ったなぁって、今では笑い話ですけどね(笑)




▶▶▶次回、後編では、V字回復したあとから現在に至るまで。そこで見えてきた採用したい人物像について迫ります!



【PROFILE】

代表取締役:角田 周治 (オーナー)

高校からゴルフを始め大学までプロを目指していたが、現在もプロで活躍している同級生を見て「自分は無理だな」とプロの道を断念。その後、不動産会社など普通のサラリーマンとして生活をしていたが、軽い気持ちでゴルフのインストラクターの免許を取得。「取ったら取ったで、やっぱゴルフやと思った」と、オーダーメイドでゴルフクラブを造ることと、スイングの指導などを行うゴルフショップを26歳のときに1人で始める。その後、妻である統括と出会い2人で細々とお店を運営していたが、時代の流れからオーダーショップも衰退。「何かもっと効率よく利益になるビジネスってないかな……」と模索していたところカーブスに出会う。これはチャンス!と思い、主に会社経営やマネジメント、経理などをオーナーとして手掛けるようになった。カーブスが安定するまではゴルフショップの運営も継続。全て重なっていた時期はショップ運営と子育て、カーブス経営の三刀流で大車輪の活躍をし現在に至る。


取締役:角田 史恵 (統括)

スポーツのバックボーンは、実はバスケ。専門学校卒業後、たまたまゴルフ場のキャディの仕事を見つけ、1人暮らしをしたい気持ちと高給だったことでゴルフ業界に飛び込む。そこから5年働いたものの退職し別の仕事に就くが、あるとき先輩から「なんでこの営業やってんの?」と言われたことで目が覚め「やっぱり自分がプロゴルファーになりたい!」と一大決心。ただ、どうすればプロゴルファーになれるかわからず友人に聞きまわったところ「あそこのゴルフショップでゴルフ教えてる人がいるから行ってみたら?」と言われ訪れたお店で、主人であるオーナーと出会い働き始めた。ただプロの道は厳しく断念。その1年後にオーナーと結婚し一緒にゴルフショップを経営していたが、カーブスと出会いまた別のスイッチが入って事業を始める。2006年3月に一号店の此花店がオープン。2007年5月に長女を出産。2007年9月に二号店の野田阪神店をオープンさせるなど激動の日々を過ごし現在に至る。


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第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月 2006年01月
代表者 角田周治
従業員数 31名
業務内容

・女性専用フィットネスクラブ『カーブス』のフランチャイズ運営を5店舗
・ネイルサロン『ティエヌ』のフランチャイズ運営2店舗

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