『チアリーダー』ってどうやったらなれるの??? 今季、越谷アルファーズで専属プロ契約を勝ち取ったHazukiさんに聞いてみた!【おしごと図鑑 vol.4】

越谷アルファーズ(B.LEAGUE):AlphaVenus Hazuki (専属チアリーダー)

『チアリーダー』ってどうやったらなれるの??? 今季、越谷アルファーズで専属プロ契約を勝ち取ったHazukiさんに聞いてみた!【おしごと図鑑 vol.4】

越谷アルファーズ(B.LEAGUE):AlphaVenus Hazuki (専属チアリーダー)

「スポーツ業界で働きたいけど、どんな仕事があるの?」

このように漠然と悩んでいる方、また「業界の仕事の理解を深めたい!」と考えている方に向けて立ち上がったのが『スポーツ業界のおしごと図鑑』という新シリーズ!実際に働いている人に「それってどんなお仕事なの?」「どうやったらなれるの?」と聞きご紹介し、働いたことのない方にもよりお仕事のリアルがわかる内容をお届けします!皆様のやりたいことが明確になるためのお手伝いになれれば、これ以上嬉しいことはありません。

『おしごと図鑑』の第4弾として、Bリーグ越谷アルファーズの専属チアリーダーAlphaVenus(アルファヴィーナス)として活動し、2022-23シーズンからは専属プロ契約を締結したHazukiさんにインタビュー!意外にも「クラシックバレエをずっとやっていたので、チアダンスは知識も経験もなかったんです。だからアルファヴィーナスで初めてチアダンスをやってます」とのことで、チアダンスとダンスの違いに始まり、チアリーダーになるために必要なこと、バスケと他のスポーツの違い、そして今回の専属プロ契約について等々、さまざまな話をくださったHazukiさん。(ありがとうございます!)

一見すると、チアリーダーはあまりにも華々しく美しい。ただ、その輝きを放ち続けるための努力を、やはり彼女もしていました。


(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)


オーディション?人との繋がり?クラシックバレエをやってきた私がチアを選択肢に入れた理由

__今回は「チアリーダーのなり方」というテーマでお話伺いたいんですけれども、まずはHazukiさんのご経歴から聞かせていただけますか?





Hazuki:私自身は2020-21シーズンから、越谷アルファ―ズのAlphaVenus(アルファヴィーナス)メンバーとして、チアリーダーとして活動をさせていただいています。ただそれまでの話ですと、5歳からクラシックバレエをやっていて、ずっとダンスを続けていて、専門学校時代もオールジャンルに、ジャズやHIPHOPも踊っていたんですけれど、チアダンスには関わって来なかったんです。

専門学校を卒業したあとも、アルバイトをしながらダンスをしながら、単発でアーティストさんのMVに出演させていただいたり、ライブのバックアップをさせていただいたりして、ダンスを続けていたんです。


__チアダンスはもちろん、あんまりスポーツにも関わって来なかったという認識で間違いないですか?どんなキッカケで、チアという選択肢がHazukiさんの中で入ってきたのかなぁと。





Hazuki:キッカケは、私の一期前からAlphaVenus(アルファヴィーナス)に入っていた、もともと繋がりのあった同期から「オーディションにはなるけど、よかったら受けてみない?」と声をかけて頂いたのが大きかったです。ただ、私はチアダンスというジャンルに触れる機会がなく、プロスポーツチームのチアリーダーについても多くの知識があったわけではありませんでした。プロ野球のチアリーダーを目指す子が周りにいたりはしたので「チアといえば野球?」というイメージでしたが、自分が本気でプロスポーツチームの世界に飛び込むこと、そして自分がバスケットボールチームのチアリーダーになる日が来るとは想像できていなかったことでした。

もう1つはコロナ禍ということで、全体的にオーディションの数が減っていたこともありました。そんな中でもプロスポーツのチアのオーディションは比較的コンスタントにありましたし、出番も人員もそこまで削られていないという話も聞いていたんです。それであれば私がダンスを続けていく上でも、レベルアップできるチャンスなんじゃないかなと思いましたし、声をかけていただいたこともあって、AlphaVenus(アルファヴィーナス)のオーディションを受けさせていただきました。


__ということは、一般応募からのオーディションを経て、現在に至るということですか?





Hazuki:そうですね。私がAlphaVenus(アルファヴィーナス)のオーディションを受けたときは「自分の得意なジャンルで踊っている動画を送ってください」という動画審査から始まりました。(得意のジャズダンスを披露した動画を送ったとのこと)

オーディションの話に関してお伝えすると、クロスフロアっていう基礎のステップだけをやるオーディションがあるんです。ディレクターのMinoriさんがずっとバレエをされている方ということもあって、基礎のステップができているかどうかを見るものだったんだなと今になって思います。あと私自身、やっぱりチアの知識が当時はなかったので、既にBリーグのチアとして活動されている方々の動画を見たり、色んな方にアドバイスいただいたり……。彼女に声をかけていただいてから1ヶ月しか準備期間がなかったんですけれど、合格できたときは凄く嬉しかったのを覚えていますね。




契約時に撮影された1枚。[左]代表取締役副社長:上原氏 [右]Hazuki氏 @提供:越谷アルファーズ


突如訪れたプロ契約というチャンス。だけど、そもそもプロ契約って?

__チア未経験で加入した側面を考えると、今回のプロ契約はかなり凄いと思います。その点オファーがあった際、Hazukiさんはどんな心境でしたか?





Hazuki:素直に嬉しかったですし、見ていただける機会も増えるんだろうなと思う一方で、私自身がチアの経験が浅いというのが一番不安なところでもあります。私もそうだったんですが、ダンスだけで食べていくということは非常に難しいんですよ。基本的にアルバイト採用ですし、正社員となるとスクールの運営ですとか講師という選択肢であることが多いのが現実でもあります。

ただ副社長の上原さんからは「Hazukiが頑張ることでメンバーにもいい刺激になることは勿論だけど、これからチアを目指すっていう子ども達に対して、プロ契約という新しい選択肢を増やすことができると思うんだ」というお話をいただいたのも印象的でした。そういった色んな話を、最終的には私自身もポジティブに捉えて「プロ契約のチアって見られるからこそ、もっとチアダンスの練習をしよう。頑張ろう!」と考えるようになりました。


__今のお話に紐づきますが、今回のプロ契約というものが具体的にどんな内容かも教えてください。





Hazuki:あくまで私のAlphaVenus(アルファヴィーナス)としての活動は今まで通りなんです。たとえばディレクターのサポートとか役割が増えるということはなくて。普通に私も2022-23シーズンのAlphaVenus(アルファヴィーナス)のオーディションは受けましたし、毎週金曜キッズチアの講師をさせていただいているのですが、そこも今まで通り。何か地域イベントをさせていただく機会があれば、そこも通常通りです。今お話したヴィーナスとしての活動以外にプラスして、クラブとしての取り組み・チャレンジを一緒にさせていただく形になっています。

前例がないことなので、明確にこれとこれとこれをやる、と決まっているわけではないのですが、クラブと一緒に何ができるか、なにを生み出せるかを考えながら、1つ1つ少しずつ実践させていただいている段階です。


__となると、今回の契約の中では副業OKという話もあったと思います。言える範囲で結構ですので、収入面ですとか、プロ契約になったからこそHazukiさんの意識が変わった部分などあればぜひ。





Hazuki:どこのチームのチアさんも同じだと思うのですが、私も1人のAlphaVenus(アルファヴィーナス)としての出演料はいただける形です。試合のパフォーマンスをしたり、キッズチアの講師をしたり……と、活動させていただいた分がお給料として、という形ですね。そこにプラスしてプロ契約としての報酬をいただいています。その上で、自分が今までやってきたジャンルの中でレッスンさせていただく機会があった際や、パフォーマンスする機会をいただいた際は挑戦してもいいとクラブからも許容いただいてます。クラブとしても、私自身がキャリアの選択肢を広げていくことをプラスに考えてくださった上で、この形を取るとお話をいただきました。

プロ契約の部分については、やはり私はチアの知識も経験も浅いので、2022-23シーズンからはより一層「プロ契約」という名に恥ずかしくないパフォーマンスができるように頑張っていきたいと思っています。今の目標としてはパフォーマンスのクオリティを上げる、ということを意識して、試合を観に来ていただいたお客様から「ヴィーナスのパフォーマンス見られてよかった。また来たい」といった声をいただけるようにしていきたいですね。




不安もありながら、着実に前に進もうと努力を続けているHazuki氏


ダンスとチアでは、〇〇が決定的に違う!?バスケットと他のスポーツのチアの違いも!?

__勉強不足で恐縮ですが、Hazukiさんも苦労したであろうチアと他のダンスの違いについて、感じられていることについても伺えますか?





Hazuki:やっぱり体育館って段差がないですし、ただ広いところに360度お客様がいらっしゃる。たとえばこれがアーティストさんのライブとかになると、会場によっては全方向ではなくてお客様は基本視界の中にはいらっしゃるんです。この前提があるので、結構私も最初は今までのダンスとは違った独特なモーションだったりポジションだったり、振り付けだったりに最初は戸惑いました足幅の広さとか、腕の動き方も違いますし。(※ディレクターや振付師にもよるそう)

それから、チームを応援するチームになるので、もちろんチームを応援しているんですけれど、チームを応援するファン・ブースターの方々の応援と言いますか。アルファーズが大切にしている"一体感空間"を創り出す上でも、ファン・ブースターの方々を一回乗せて応援するようなイメージを私自身は持っていて。単にキレキレのダンスを披露することだけではなく、若干表現方法が変わってくるとは思っています。


__バスケのチアリーダーだからこそ感じている部分がもしあれば、これもぜひ。





Hazuki:私も驚いたことでもあるんですがバスケットのチアリーダーの場合って、ずっと会場に居るんですよね。試合前のオープニングから、試合後の挨拶までの2~3時間くらいずっと色んな意識を持ち続けることが、バスケットのチアの特徴かなと思っています

だから私たちも、控室を出て廊下を歩いているくらいから、誰も見ていないかもしれないけれど"オンステ"ですっていうくらい意識はしていて。ですから試合中も、たとえば「今ちょっと(負けてて)雰囲気よくないから、こっちの熱を上げていこう!」とか話をしながらパフォーマンスができる。その瞬間を肌で、試合を通してずっと皆さんと一緒にいられることは、バスケットの良いところであり私も凄く大好きなところです!


__これは参考までにぜひ伺いたいのですが、チアとダンスでいわゆる「アプローチが違うな」と感じたHazukiさんが、チアという文化に順応していくためにどんなことを心掛けたかもぜひ教えてください!





Hazuki:そうですね。これが正しいかはわからないんですけれど、今まで自分が習っていたダンスとは、身体の作り方が根本は一緒ですけれど違う部分があると思ったので、筋トレの仕方を少し変えてみたりとかはしました。割とヴィーナスに関してはジャンプすることが多いので、たとえば体力をつけようと走ってみたりとか。

あとは本当にありがたいお話ですけれど、写真を撮って楽しんでくださる方、SNSにUPしてくださる方が多いので、(カメラを向けられた時に)「もしかしたら自分じゃなくて隣の子かもな~」とか思う瞬間もあるんですけれど(笑)。それでもコート上に居る時は、本当に沢山の方々に見ていただける瞬間なので、私たちのパフォーマンスを見て楽しんで帰っていただけるように心がけています!




試合中のパフォーマンスシーン。また記者会見にて司会進行を行った際の1枚 @提供:越谷アルファーズ


ダンス経験者がチアを始めるときに大切なこと。同じ道を歩んできた、私の今の目標

__ちなみに、スポジョバでも少ないですがチアリーダー募集がたまにあります。置き換えるとダンス経験者でチア未経験の方が「これからチアやってみたい」と思ったときに、最初はどうチームを探すのが良いとHazukiさんはお考えかも教えてください。





Hazuki自分のスキルやビジュアル、個性が、そのチームに合っているかどうかは見つけた方がいいとは思います。私はクラシックバレエをやっていたこともあったので、逆に「アクロバットできないといけない」っていうチームは難しいなって思っていましたし。ダンスに特化しているチーム、可愛らしさを追求しているチーム、カッコいいナンバーが多いチーム……etc。本当にチームによって色が全然違いますし、きっとジャンルの好き・嫌いとかもあると思うので、そこから擦り合わせてオーディションを受けられると合格への近道じゃないかなと。その方が初めてのチアでもきっと楽しめるんじゃないかなと思います!


__これは貴重なアドバイスですね!ありがとうございます。それでは、Hazukiさんの今後の目標についても伺えますか?





Hazuki:専属プロ契約をさせていただいたとはいえ、やっぱり私としてもチャレンジでしかない1年になると思っています。プロのチアリーダーとして見られますし、既にBリーグにはプロのチアリーダーとして活躍されている先輩たちが大勢いらっしゃるので、その方々に少しでも早く追いつけるように、自分自身のパフォーマンスに磨きをかけていきたいなと思っています。

あとはバスケットのチアリーダーになるという選択肢が、そもそも私たちダンスをやっている人間にもあんまり浸透していないのが正直なところです。だからこそ、副社長の上原さんから言っていただけたように、私の今回の契約がこれからチアリーダーを目指す方々の1つに選択肢になれるように頑張りたいですし、その道を作るためにも、まずは一生懸命パフォーマンスをしてクオリティを高め続けたいですし、会社の活動としても自分自身にできる精いっぱいのことはやっていきたいです。


__素敵すぎます。ありがとうございます。最後に来シーズンに向けて、ファン・ブースターの方々にメッセージもお願いします!





Hazuki:ヴィーナスとしては「もっともっとパフォーマンスとしての面でのクオリティを上げていきたい」というディレクターのMinoriさんの意向があるんです。自分自身でもお伝えした通り頑張りたいところなので、開幕戦に向けて今一生懸命準備を進めています。ですから、2022-23シーズンもぜひ会場で、さらにパワーアップしたAlphaVenus(アルファヴィーナス)を楽しみにしていただけると嬉しいです!

もちろん「試合も面白かったし、パフォーマンスもよかった」が一番良いんですけれども、バスケットはどうしても引き分けがないスポーツなので、仮にホームゲームで負けちゃったとしても「最後まで元気をもらえた」と言っていただけるように、越谷アルファーズをもっと好きになってもらえるように頑張りたいです!




専属プロ契約となった2022-23シーズンでも、彼女らしく輝き続けてくれるはずだ @提供:越谷アルファーズ







【PROFILE】

Hazuki|越谷アルファーズ:AlphaVenus

神奈川県出身。5歳からクラシックバレエを始め、現在も時間があればレッスンに通っているとのこと。チアに触れる機会がなく、ましてバスケットのチアをやるという考えすら持っていなかったそう。ただし、ダンスつながりの知人が1年先に越谷アルファーズのAlphaVenus(アルファヴィーナス)に所属していたことで声がかかり、かつ父親がバスケ好きで馴染みあるスポーツということもあり「やってみよう!」とオーディションを受け、晴れて2020-21シーズンから所属することに。そして2022-23シーズンからは専属プロ契約のチアリーダーとして活動することとなった。

とにかく漫画が好き。「無くなったら生きていけない……」と語るほど『僕のヒーローアカデミア』にハマっているとのこと。当然、『週刊少年ジャンプ』は毎週欠かさず読んでいるそう。


★越谷アルファーズの公式HPはコチラ

★越谷アルファーズの公式Twitterはコチラ

★越谷アルファーズの公式Instagramはコチラ


▼越谷アルファーズの『ネギばんばん』誕生秘話はコチラ








第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

友達追加するとあなたに合ったスポーツ業界情報をおしらせできます

友達追加する!

スポーツ業界の求⼈を探す


スポーツ業界の求⼈を探す

スポジョバについてもっと知る気軽にスポーツ業界の情報を知る

スポジョバ 公式SNS

フォローすればスポーツ業界の情報感度が上がる!