「登山が好き」で即採用!?老舗アウトドアショップの専務が噛みしめる、最高に居心地の良い場所とは

(株)ヨシキスポーツ:取締役・専務 吉野 時男

「登山が好き」で即採用!?老舗アウトドアショップの専務が噛みしめる、最高に居心地の良い場所とは

(株)ヨシキスポーツ:取締役・専務 吉野 時男

クリームイエローの外壁とクライミングウォールが目印のアウトドアショップ『ヨシキスポーツ』は、千葉県の『津田沼』駅から徒歩5分ほどの場所に位置する。取材が終わって12時頃。お昼のピークタイムにも関わらず店内は確認できる限りでおよそ20名以上の顧客にあふれ、まさに大盛況だった。

「50年近くお店を続けていますが、当店に来てくださるのは本当に山登りが好きな方ばかりで」

入りから出まで。終始笑顔で話し続けてくださったのは、(株)ヨシキスポーツ:専務の吉野時男氏。とにかく山登りが好きな方が集まるお店だからこそ、現在掲載中の同社の求人(コーディネーター(店舗スタッフ))でも「やっぱり山好きな人に来てほしい」と、吉野さんは語ります。

人気ショップで働くことの醍醐味、アウトドア・山登りの魅力、そして「山好き」の定義、さらにはご自身の実体験まで踏まえてお話しくださった彼。記事を読んで「わかる!」と共感してくださった方は、ぜひ同社の門を叩いてほしい。そして「興味が湧いた!」という方は、ぜひ一度山登りを体験してみてほしい。いずれにせよそこには、見た人にしかわからない景色があるから。


(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)


"登山"というアクティビティの捉え方・新しく入る人に求めること

__"アウトドアショップ"とは思いますけれど、ヨシキスポーツさんの場合はいわゆるビギナー向けというよりも競技思考の強い方が集まるような場所、とも伺っています。まずはお店の歴史も含め、コンセプト等々も教えていただけますか?





吉野:端折ってお話すると、元々は『山とスキーの店:ヨシキスポーツ』っていう店舗名で始まっているんです。ただ仰る通り、当初は本格的に登山とかスキーとか、アウトドアをやる人だけが来るような場所だったので、僕が大学を卒業したくらいのタイミングで、今のお店のほぼ向かいに『アウトドアショップP2』って、もっとフランクにアウトドアと触れ合えるようなお店を開いたんですね。マウンテンバイクとかカヌーとかキャンプとか。『ヨシキスポーツ』では置いてないアウトドアカテゴリの商品を扱っていました。

ただ、道路挟んで向かい側にお店を構えていたので、同じお客様が行き来するようになってしまい「これじゃあまり意味がないんじゃないか」という話で、現在の『ヨシキ&P2』という形になったんです。だから現在は、本格的に登山をされる方からこれから始めたいという方まで幅広いお客様に来ていただいていますが、やはり50年近く専門ショップをやっていることもあって、現在もバリバリ登山をされているお客様が非常に多いですね。


__少し採用の話にも繋がってくるのですが、恐らく流行りの「キャンプが好き」とか、それでは少し違うと言いますか、物足りないと言いますか。





吉野:僕らはアウトドアと言っても登山などがメインですから、キャンプは正直そこまでやっていないんです。だから逆に仰る通りキャンプだけやっている人だと、お話はしてみたいと思いますが逆に働いていただくとなると大変かな……と思ってしまいます。

たとえば「1回だけ高尾山に登ったことがある!」という方も「登山が好き!」とは言いにくいかな……とも思っていて。僕らのイメージとしては「山が好き」な方。ある程度「踏み込んだ登山」をやっている方を採用したい。少なくても、それなりの回数、山を登っている方。クライミングをされている方でもWELCOMEです。欲を言うと若い方に来てもらいたいなって気持ちがあるのですが、なかなか20代30代の方で「登山やっている」という方も少ないと思うので、いつも求人を出すときは悩みます(笑)。


__専門店の方や特定の競技のチームの方ですと、たとえば「他の競技出身の方を採用して新しい血を入れたい」という話もあったりするのですが、「山好き」にこだわっていられる理由も教えてください。





吉野:2つ側面があります。1つはやっぱりお客様との関わり方です。当店の色でもありますが、ある程度お買い物をしてくださるお客様は、やっぱり登山やクライミングなど何かしらの活動をされている方がほとんどです。ですから店舗の販売スタッフという役割においては、その方々と共感することが凄く重要だと思っていて。それこそスタッフ側にもメリットがあるんですよ。山が好きであればあるほど、お客様から「この山をこのルートで登ってさ、凄いよかったんだよね」とかって話になったりするわけです。もし丁度その山に行ってみたい!と思っていたら「え、車ってどこに停めました?」みたいな話もできるんですよね。そういったリアルな情報を交換しながら接客を楽しめるのはメリットかなと思いますし、だからこそ山好きであってほしい。

もう1つは純粋に楽しいからです(笑)。当たり前ですけど、興味あるものを販売したほうが楽しいじゃないですか。やっぱり人生において"仕事"ってかなり大きな時間を費やすものですから、楽しいと思えることに時間を使ったほうがきっとその人も幸せだと思うんです。だから少ないかもしれませんが『山が好き』という気持ちを持っている方を採用したいですし、私たちとしてもその方と同じ気持ちで働けることが幸せだなと思うんです。






僕も一度は業界を離れた人間です。次の仕事を選んだ理由は、周りの幸せも考えたからこそ

__事前にお話を聞いていたので恐縮ですが、吉野さんは一度ヨシキスポーツさんを離れられていますよね?





吉野:そうです。僕はやっぱり父がお店を立ち上げていますから、生まれたときから「アウトドア」が日常の中にあったんです。創業者の息子ですし、将来は家業を継ぐのが当たり前とも思っていたんですが、大学卒業してずっと働いてて35歳くらいのときですかね、ふと「本当に自分のやりたいことなのかな」と思ってしまって。会社ではその当時ネットショップの運営をしていましたので「そのスキルを使って転職しよう、一度アウトドア業界を完全に離れて自分を見つめなおそう」と思って、お店を離れました。僕の勝手なワガママだったんですけれどね。


__創業者の息子さんだからこその悩みですね……。離れてみて、いかがでした?





吉野:正直次の職場での仕事を「面白い!」とはあまり……(笑)。贅沢な悩みかもしれませんが、好きなことに囲まれている毎日が当たり前だったので、その中にいたからこそ幸せなことに気づけていなかったんだと今考えると思えます。もちろん「ネットショップの運営」という職種自体はマッチしていましたけれど、やはり興味のある業界ではなかったものですから。改めて好きなものを仕事にできる喜びを痛感したと言いますか。

先ほどの話に戻ってしまいますが、体験したからこそ絶対に好きな業界に身を置いた方が楽しく働けると個人的には思っているんです。もちろん幸せの尺度は人によって「お金」だったり「休み」だったりしますけれど、僕の場合はとにかく「山」が好きで「山」に関われることと「山」が好きな人達をサポートできる立ち位置が居心地の良い場所ということに気づけたんです。


__好きなことに関われることの喜びを一度離れて体感したからこそ、今その幸せを噛みしめているわけですね。





吉野:もちろん戻る前提で辞めたわけではなかったので、簡単に言うと「戻って仕事する」もしくは「自分独自で道を切り拓く」の2つの道がありましたけれど、自分のことだけではなく周りの幸せも考えたときに、言ってみれば"家業を継ぐ"という選択を取った方が、周りが安心したり変な心配をかけなくて良いと感じたのも、戻ることを決めた理由にはあります。だらこそ勝手なワガママで出ていった僕を改めて迎え入れてくれた両親や家族、長くヨシキスポーツに居るスタッフには感謝しかないですね。

もちろん外に出て、色んな刺激的な経験ができて色んなことに気づけたからこそ、それらの実体験が今の僕の糧になっていることは間違いありません。その選択を「失敗した」とも思っていません。最終的に自分の人生において楽しい時間を過ごすことはもちろんですけれど、その選択にどれだけの人が関わっていて、どれだけ周りの時間も幸せにできるかを考えるようになれたことも、外に出てよかったなと思える1つにはなっていますね。







スポーツショップと、アウトドアショップの違い。そしてヨシキスポーツの強み

__世の中には吉野さんのように好きなことを仕事にしたい!と考える方が決して少ないわけではありません。だからこそ「好き」を仕事にする上で「スポーツショップ」と「アウトドアショップ」でも、競技性や店舗の性質等々も違ってくると思うのですが、いかがでしょうか?





吉野:たとえばザックで、Aはとにかく軽い。Bは重いけど背負いやすくて重い荷物を入れてもストレスがない。このAとBのザック、どっちがお好みですか?といった提案をさせていただくまでが仕事なわけです。「とにかくAがオススメなので買ってください!」って押し売りはしない。お客様のお話を聞いて、AとBそれぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で判断いただく。

恐らくここまでは、他のスポーツショップと通ずる部分があると思います。ただ冒頭お話した通り、今の話に紐づけると「この前この山に登ったんだけど、荷物多かったから結構ザックが重くなってそれで疲れちゃって」という具合で、お客様がどんなアクティビティをするのかをちゃんと聞いた際に「え!その山、僕も登ってみたいと思ってたんです!」という話にもなったりする。そこから話が盛り上がって、その山を登るに必要な情報を得られたり、逆にお客様から聞いていただけたり。コミュニケーションの中で、スタッフ自身が得をする機会があること自体、他のスポーツショップではあまりないかもしれません。


__根本は共通していても、そこからの広がり方が大きく変わってくるわけですね。





吉野:結果的に「この前買ったザックで、どこどこの山を登ったんだけど、長い距離を歩いても全然疲れなかったよ。ありがとう」と言っていただけたら、僕らは物凄く嬉しいわけです。「ザックが重い」というストレスを解消できたわけですから、道具選びのお手伝いをさせていただいて役に立てたということが、やっぱりヤリガイにはなります。

だからこそ、ある程度活動をしていればしている人ほど「自分が山を登るときはこうしよう」「この前、お客さんから教えてもらったこの山、次の休みにチャレンジしよう」等々、色んなメリットを感じられると思います。また、やはり本格的に登山をされているお客様が多いものですから、接客も時に難しいシーンはあるでしょう。回数をこなさないとわからない部分もあるので、その時は熟練のスタッフがサポートしながら、助け合いながら接客しています。1人で背負いすぎずに1人ひとりのお客様のアクティビティをより楽しいものにできたらなという気持ちです。


__「この山、よかったよ」というお話ですけれど、より具体的にどんな話になるのか伺ってもいいですか?





吉野:それこそ「あそこのソフトクリーム美味しいよ」とか「頂上でこんな絶景が見られた」とか(笑)。本当に色んなお話をいただけます。あと今は真夏の酷暑日が続いてますけれど、たとえば北アルプスとか行けば雪が残っているわけです。真夏に真っ白な絶景が見られる。高尾山も今は深緑の時期で、森の中を歩いているだけでも気持ち良いし、頂上でご飯食べると格別に美味しい

……そんな話をしたり・聞いたりするだけでも「行ってみたいな」って気持ちになるじゃないですか。そういう生の情報が今もお店の中では飛び交っているんですけれど、もしたまたま"これから登山を始めようと思っている方"が当店に来ていただいた際、今のようなお話を聞いて「連れてってください!」じゃないですが、登山にチャレンジしやすくなる環境を作っていきたいと僕らは思っていますし、登山という非日常を快適に過ごすためのお手伝いができることは、改めて幸せだなと感じます。






なぜそんなに登山が好きか。吉野さんにとっての登山とは。

__いつか誰かに質問してみたいなと思っていたんですが「あなたにとって山とは?」じゃないですけれど(笑)、吉野さんは、登山のどんなところが好きですか?





吉野:うーん。「そこに山があるから」みたいなことですかね(笑)




__あはは(笑)





吉野:なんですかね(笑)。僕は登山はもちろん、クライミングとかスキーもアイス(クライミング)も登山もトレランもマウンテンバイクもカヌーもやっているんですけれど、それぞれ楽しいことが沢山あって。

スポーツとしての楽しみ方はもちろんですけど、旅的な要素も両方あるものだと思うんですよね。両方あるから楽しいんです。登っている仲間を写真に収めたり、普通じゃ撮れないような絶景が撮影できたり。そういう景色を観に行くことって楽しいですし、行くことがそもそもスポーツですから「スポーツ」か「旅行」かって、カテゴライズできない特殊なものではあるものの、この2つが共存しているスポーツって山ならではだと思います。登った人にしかわからない景色が必ず見られるので。


__僕は素人なので、吉野さんの話を聞いて「登山行こう!」って、いま胸が高鳴っていますが、どちらかというと「わかるわー」という感覚でこの記事を読んでくださっている方に来ていただきいわけですよね?





吉野:そうですね!やっぱり山を続けるという意味でも、お店で働いた方が間違いなく環境は整いやすいですし、お話した通り色んな情報を得ることができますから、とにかく山が好きな方であってもらいたい。僕も1年で120~130日くらいはフィールドに出ているので、一緒に登山できたりしたら楽しいだろうなとも思いますし、改めて「好き」の中で働けることは、きっと新しい方も幸せに感じていただけるんじゃないかなと。ですから、もし当社に入りたいと思ってくださる山好きな方がいらっしゃれば、まずは話だけでもさせていただけると嬉しいなと思います。商品知識はさておき、やっぱり「好き」という気持ちが、何よりも大切ですから


__ありがとうございます!……最後に、ヨシキスポーツさんだと、今はどんな方が働かれているかも教えていただけませんか?職場環境と言いますか、転職希望者は職場の雰囲気も知りたい方が多いので。





吉野:今は正社員とパートさん含めて、職種関係なく考えると19名のスタッフがいます。それは僕や社長、会長を含めて、ですね。ちなみに店長の別所という人間は僕と同じタイミングで入ったんですけれど、昔から一緒に登山をしてきた山登り仲間でもあるんですよ。それ以外の方も、比較的多くの方が色んな繋がりで入っていただけるケースが多くて、共通してみんな山が好きです(笑)

平たく言うと縁故の採用が多いとも思うんですが、ポジティブにお伝えすると、スポジョバさんのようにWEBの求人広告で募集を大々的にかけるのは、店舗スタッフに関しては初めてかもしれません。今回のご掲載で、今まで出会えてなかった山好きな方と出会えたら、とても嬉しいですね。






【PROFILE】




吉野 時男 (よしの ときお)|(株)ヨシキスポーツ:取締役・専務

(株)ヨシキスポーツ創業の年に生まれ「会社と同じように成長していってほしい」等々の意味合いを込めて「時男」と名付けられたと本人談。2022年7月で48歳になるお店と同級生である。

順天堂大学スポーツマネジメント学科卒。幼少期から大学までは競技スキーをやっていた。卒業後はヨシキスポーツに入社をし当時同社がFC展開を始めた『mont-bell』で店長 → ヨシキスポーツに戻り『アウトドアショップP2』店頭スタッフとして働き、その後ネットショップ立ち上げと、10年近く勤務。ただ、生まれたときからアウトドアが当たり前の環境で育ったことで「果たして本当にこれが自分のやりたいことなのか」と悩み「一度外の景色を見たい」と異業界へ転職。ただ、外に出たことで改めて「自分はアウトドアがやっぱり好きなんだ」と気づき1年で退職。元々繋がりがあった阿南大吉氏が代表を務める『アウトドア&登山専門店 シェルパ』へ1年という期間限定で転職し、ゼロからネットショップを立ち上げわずか4か月でネットショップの売上1,000万円を創った。また『シェルパ』は全国でも有数のショップ兼ツアーをやっている店舗であり、そのノウハウを学んだ後ヨシキスポーツに出戻り、現在専務として活躍している。

ちなみに登山にハマったのは社会人になってからで、キッカケは沢登りだったそう。現在は仕事も含め、1年で120~130日はフィールドに出て、あらゆるジャンルの登山を楽しんでいる。「とにかく山が好き」と語る一方で「ほかの趣味は?」と聞けば「熱帯魚も好き。家の中で一日ゲームをするのも好き。釣りは老後の趣味にしたいから敢えてやっていない(笑)」等々まさに多趣味。取材前日も新潟県の苗場山を1人で登っていたとのこと。


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クリームイエローの外壁とクライミングウォールが目印のアウトドアショップ『ヨシキスポーツ』は、千葉県の『津田沼』駅から徒歩5分ほどの場所に位置する。取材が終わって12時頃。お昼のピークタイムにも関わらず店内は確認できる限りでおよそ20名以上の顧客にあふれ、まさに大盛況だった。

「50年近くお店を続けていますが、当店に来てくださるのは本当に山登りが好きな方ばかりで」

入りから出まで。終始笑顔で話し続けてくださったのは、(株)ヨシキスポーツ:専務の吉野時男氏。とにかく山登りが好きな方が集まるお店だからこそ、現在掲載中の同社の求人(コーディネーター(店舗スタッフ))でも「やっぱり山好きな人に来てほしい」と、吉野さんは語ります。

人気ショップで働くことの醍醐味、アウトドア・山登りの魅力、そして「山好き」の定義、さらにはご自身の実体験まで踏まえてお話しくださった彼。記事を読んで「わかる!」と共感してくださった方は、ぜひ同社の門を叩いてほしい。そして「興味が湧いた!」という方は、ぜひ一度山登りを体験してみてほしい。いずれにせよそこには、見た人にしかわからない景色があるから。


(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)


"登山"というアクティビティの捉え方・新しく入る人に求めること

__"アウトドアショップ"とは思いますけれど、ヨシキスポーツさんの場合はいわゆるビギナー向けというよりも競技思考の強い方が集まるような場所、とも伺っています。まずはお店の歴史も含め、コンセプト等々も教えていただけますか?





吉野:端折ってお話すると、元々は『山とスキーの店:ヨシキスポーツ』っていう店舗名で始まっているんです。ただ仰る通り、当初は本格的に登山とかスキーとか、アウトドアをやる人だけが来るような場所だったので、僕が大学を卒業したくらいのタイミングで、今のお店のほぼ向かいに『アウトドアショップP2』って、もっとフランクにアウトドアと触れ合えるようなお店を開いたんですね。マウンテンバイクとかカヌーとかキャンプとか。『ヨシキスポーツ』では置いてないアウトドアカテゴリの商品を扱っていました。

ただ、道路挟んで向かい側にお店を構えていたので、同じお客様が行き来するようになってしまい「これじゃあまり意味がないんじゃないか」という話で、現在の『ヨシキ&P2』という形になったんです。だから現在は、本格的に登山をされる方からこれから始めたいという方まで幅広いお客様に来ていただいていますが、やはり50年近く専門ショップをやっていることもあって、現在もバリバリ登山をされているお客様が非常に多いですね。


__少し採用の話にも繋がってくるのですが、恐らく流行りの「キャンプが好き」とか、それでは少し違うと言いますか、物足りないと言いますか。





吉野:僕らはアウトドアと言っても登山などがメインですから、キャンプは正直そこまでやっていないんです。だから逆に仰る通りキャンプだけやっている人だと、お話はしてみたいと思いますが逆に働いていただくとなると大変かな……と思ってしまいます。

たとえば「1回だけ高尾山に登ったことがある!」という方も「登山が好き!」とは言いにくいかな……とも思っていて。僕らのイメージとしては「山が好き」な方。ある程度「踏み込んだ登山」をやっている方を採用したい。少なくても、それなりの回数、山を登っている方。クライミングをされている方でもWELCOMEです。欲を言うと若い方に来てもらいたいなって気持ちがあるのですが、なかなか20代30代の方で「登山やっている」という方も少ないと思うので、いつも求人を出すときは悩みます(笑)。


__専門店の方や特定の競技のチームの方ですと、たとえば「他の競技出身の方を採用して新しい血を入れたい」という話もあったりするのですが、「山好き」にこだわっていられる理由も教えてください。





吉野:2つ側面があります。1つはやっぱりお客様との関わり方です。当店の色でもありますが、ある程度お買い物をしてくださるお客様は、やっぱり登山やクライミングなど何かしらの活動をされている方がほとんどです。ですから店舗の販売スタッフという役割においては、その方々と共感することが凄く重要だと思っていて。それこそスタッフ側にもメリットがあるんですよ。山が好きであればあるほど、お客様から「この山をこのルートで登ってさ、凄いよかったんだよね」とかって話になったりするわけです。もし丁度その山に行ってみたい!と思っていたら「え、車ってどこに停めました?」みたいな話もできるんですよね。そういったリアルな情報を交換しながら接客を楽しめるのはメリットかなと思いますし、だからこそ山好きであってほしい。

もう1つは純粋に楽しいからです(笑)。当たり前ですけど、興味あるものを販売したほうが楽しいじゃないですか。やっぱり人生において"仕事"ってかなり大きな時間を費やすものですから、楽しいと思えることに時間を使ったほうがきっとその人も幸せだと思うんです。だから少ないかもしれませんが『山が好き』という気持ちを持っている方を採用したいですし、私たちとしてもその方と同じ気持ちで働けることが幸せだなと思うんです。






僕も一度は業界を離れた人間です。次の仕事を選んだ理由は、周りの幸せも考えたからこそ

__事前にお話を聞いていたので恐縮ですが、吉野さんは一度ヨシキスポーツさんを離れられていますよね?





吉野:そうです。僕はやっぱり父がお店を立ち上げていますから、生まれたときから「アウトドア」が日常の中にあったんです。創業者の息子ですし、将来は家業を継ぐのが当たり前とも思っていたんですが、大学卒業してずっと働いてて35歳くらいのときですかね、ふと「本当に自分のやりたいことなのかな」と思ってしまって。会社ではその当時ネットショップの運営をしていましたので「そのスキルを使って転職しよう、一度アウトドア業界を完全に離れて自分を見つめなおそう」と思って、お店を離れました。僕の勝手なワガママだったんですけれどね。


__創業者の息子さんだからこその悩みですね……。離れてみて、いかがでした?





吉野:正直次の職場での仕事を「面白い!」とはあまり……(笑)。贅沢な悩みかもしれませんが、好きなことに囲まれている毎日が当たり前だったので、その中にいたからこそ幸せなことに気づけていなかったんだと今考えると思えます。もちろん「ネットショップの運営」という職種自体はマッチしていましたけれど、やはり興味のある業界ではなかったものですから。改めて好きなものを仕事にできる喜びを痛感したと言いますか。

先ほどの話に戻ってしまいますが、体験したからこそ絶対に好きな業界に身を置いた方が楽しく働けると個人的には思っているんです。もちろん幸せの尺度は人によって「お金」だったり「休み」だったりしますけれど、僕の場合はとにかく「山」が好きで「山」に関われることと「山」が好きな人達をサポートできる立ち位置が居心地の良い場所ということに気づけたんです。


__好きなことに関われることの喜びを一度離れて体感したからこそ、今その幸せを噛みしめているわけですね。





吉野:もちろん戻る前提で辞めたわけではなかったので、簡単に言うと「戻って仕事する」もしくは「自分独自で道を切り拓く」の2つの道がありましたけれど、自分のことだけではなく周りの幸せも考えたときに、言ってみれば"家業を継ぐ"という選択を取った方が、周りが安心したり変な心配をかけなくて良いと感じたのも、戻ることを決めた理由にはあります。だらこそ勝手なワガママで出ていった僕を改めて迎え入れてくれた両親や家族、長くヨシキスポーツに居るスタッフには感謝しかないですね。

もちろん外に出て、色んな刺激的な経験ができて色んなことに気づけたからこそ、それらの実体験が今の僕の糧になっていることは間違いありません。その選択を「失敗した」とも思っていません。最終的に自分の人生において楽しい時間を過ごすことはもちろんですけれど、その選択にどれだけの人が関わっていて、どれだけ周りの時間も幸せにできるかを考えるようになれたことも、外に出てよかったなと思える1つにはなっていますね。







スポーツショップと、アウトドアショップの違い。そしてヨシキスポーツの強み

__世の中には吉野さんのように好きなことを仕事にしたい!と考える方が決して少ないわけではありません。だからこそ「好き」を仕事にする上で「スポーツショップ」と「アウトドアショップ」でも、競技性や店舗の性質等々も違ってくると思うのですが、いかがでしょうか?





吉野:たとえばザックで、Aはとにかく軽い。Bは重いけど背負いやすくて重い荷物を入れてもストレスがない。このAとBのザック、どっちがお好みですか?といった提案をさせていただくまでが仕事なわけです。「とにかくAがオススメなので買ってください!」って押し売りはしない。お客様のお話を聞いて、AとBそれぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で判断いただく。

恐らくここまでは、他のスポーツショップと通ずる部分があると思います。ただ冒頭お話した通り、今の話に紐づけると「この前この山に登ったんだけど、荷物多かったから結構ザックが重くなってそれで疲れちゃって」という具合で、お客様がどんなアクティビティをするのかをちゃんと聞いた際に「え!その山、僕も登ってみたいと思ってたんです!」という話にもなったりする。そこから話が盛り上がって、その山を登るに必要な情報を得られたり、逆にお客様から聞いていただけたり。コミュニケーションの中で、スタッフ自身が得をする機会があること自体、他のスポーツショップではあまりないかもしれません。


__根本は共通していても、そこからの広がり方が大きく変わってくるわけですね。





吉野:結果的に「この前買ったザックで、どこどこの山を登ったんだけど、長い距離を歩いても全然疲れなかったよ。ありがとう」と言っていただけたら、僕らは物凄く嬉しいわけです。「ザックが重い」というストレスを解消できたわけですから、道具選びのお手伝いをさせていただいて役に立てたということが、やっぱりヤリガイにはなります。

だからこそ、ある程度活動をしていればしている人ほど「自分が山を登るときはこうしよう」「この前、お客さんから教えてもらったこの山、次の休みにチャレンジしよう」等々、色んなメリットを感じられると思います。また、やはり本格的に登山をされているお客様が多いものですから、接客も時に難しいシーンはあるでしょう。回数をこなさないとわからない部分もあるので、その時は熟練のスタッフがサポートしながら、助け合いながら接客しています。1人で背負いすぎずに1人ひとりのお客様のアクティビティをより楽しいものにできたらなという気持ちです。


__「この山、よかったよ」というお話ですけれど、より具体的にどんな話になるのか伺ってもいいですか?





吉野:それこそ「あそこのソフトクリーム美味しいよ」とか「頂上でこんな絶景が見られた」とか(笑)。本当に色んなお話をいただけます。あと今は真夏の酷暑日が続いてますけれど、たとえば北アルプスとか行けば雪が残っているわけです。真夏に真っ白な絶景が見られる。高尾山も今は深緑の時期で、森の中を歩いているだけでも気持ち良いし、頂上でご飯食べると格別に美味しい

……そんな話をしたり・聞いたりするだけでも「行ってみたいな」って気持ちになるじゃないですか。そういう生の情報が今もお店の中では飛び交っているんですけれど、もしたまたま"これから登山を始めようと思っている方"が当店に来ていただいた際、今のようなお話を聞いて「連れてってください!」じゃないですが、登山にチャレンジしやすくなる環境を作っていきたいと僕らは思っていますし、登山という非日常を快適に過ごすためのお手伝いができることは、改めて幸せだなと感じます。






なぜそんなに登山が好きか。吉野さんにとっての登山とは。

__いつか誰かに質問してみたいなと思っていたんですが「あなたにとって山とは?」じゃないですけれど(笑)、吉野さんは、登山のどんなところが好きですか?





吉野:うーん。「そこに山があるから」みたいなことですかね(笑)




__あはは(笑)





吉野:なんですかね(笑)。僕は登山はもちろん、クライミングとかスキーもアイス(クライミング)も登山もトレランもマウンテンバイクもカヌーもやっているんですけれど、それぞれ楽しいことが沢山あって。

スポーツとしての楽しみ方はもちろんですけど、旅的な要素も両方あるものだと思うんですよね。両方あるから楽しいんです。登っている仲間を写真に収めたり、普通じゃ撮れないような絶景が撮影できたり。そういう景色を観に行くことって楽しいですし、行くことがそもそもスポーツですから「スポーツ」か「旅行」かって、カテゴライズできない特殊なものではあるものの、この2つが共存しているスポーツって山ならではだと思います。登った人にしかわからない景色が必ず見られるので。


__僕は素人なので、吉野さんの話を聞いて「登山行こう!」って、いま胸が高鳴っていますが、どちらかというと「わかるわー」という感覚でこの記事を読んでくださっている方に来ていただきいわけですよね?





吉野:そうですね!やっぱり山を続けるという意味でも、お店で働いた方が間違いなく環境は整いやすいですし、お話した通り色んな情報を得ることができますから、とにかく山が好きな方であってもらいたい。僕も1年で120~130日くらいはフィールドに出ているので、一緒に登山できたりしたら楽しいだろうなとも思いますし、改めて「好き」の中で働けることは、きっと新しい方も幸せに感じていただけるんじゃないかなと。ですから、もし当社に入りたいと思ってくださる山好きな方がいらっしゃれば、まずは話だけでもさせていただけると嬉しいなと思います。商品知識はさておき、やっぱり「好き」という気持ちが、何よりも大切ですから


__ありがとうございます!……最後に、ヨシキスポーツさんだと、今はどんな方が働かれているかも教えていただけませんか?職場環境と言いますか、転職希望者は職場の雰囲気も知りたい方が多いので。





吉野:今は正社員とパートさん含めて、職種関係なく考えると19名のスタッフがいます。それは僕や社長、会長を含めて、ですね。ちなみに店長の別所という人間は僕と同じタイミングで入ったんですけれど、昔から一緒に登山をしてきた山登り仲間でもあるんですよ。それ以外の方も、比較的多くの方が色んな繋がりで入っていただけるケースが多くて、共通してみんな山が好きです(笑)

平たく言うと縁故の採用が多いとも思うんですが、ポジティブにお伝えすると、スポジョバさんのようにWEBの求人広告で募集を大々的にかけるのは、店舗スタッフに関しては初めてかもしれません。今回のご掲載で、今まで出会えてなかった山好きな方と出会えたら、とても嬉しいですね。






【PROFILE】




吉野 時男 (よしの ときお)|(株)ヨシキスポーツ:取締役・専務

(株)ヨシキスポーツ創業の年に生まれ「会社と同じように成長していってほしい」等々の意味合いを込めて「時男」と名付けられたと本人談。2022年7月で48歳になるお店と同級生である。

順天堂大学スポーツマネジメント学科卒。幼少期から大学までは競技スキーをやっていた。卒業後はヨシキスポーツに入社をし当時同社がFC展開を始めた『mont-bell』で店長 → ヨシキスポーツに戻り『アウトドアショップP2』店頭スタッフとして働き、その後ネットショップ立ち上げと、10年近く勤務。ただ、生まれたときからアウトドアが当たり前の環境で育ったことで「果たして本当にこれが自分のやりたいことなのか」と悩み「一度外の景色を見たい」と異業界へ転職。ただ、外に出たことで改めて「自分はアウトドアがやっぱり好きなんだ」と気づき1年で退職。元々繋がりがあった阿南大吉氏が代表を務める『アウトドア&登山専門店 シェルパ』へ1年という期間限定で転職し、ゼロからネットショップを立ち上げわずか4か月でネットショップの売上1,000万円を創った。また『シェルパ』は全国でも有数のショップ兼ツアーをやっている店舗であり、そのノウハウを学んだ後ヨシキスポーツに出戻り、現在専務として活躍している。

ちなみに登山にハマったのは社会人になってからで、キッカケは沢登りだったそう。現在は仕事も含め、1年で120~130日はフィールドに出て、あらゆるジャンルの登山を楽しんでいる。「とにかく山が好き」と語る一方で「ほかの趣味は?」と聞けば「熱帯魚も好き。家の中で一日ゲームをするのも好き。釣りは老後の趣味にしたいから敢えてやっていない(笑)」等々まさに多趣味。取材前日も新潟県の苗場山を1人で登っていたとのこと。


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設立年月 1974年07月
代表者 吉野とよ子
従業員数
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