『戦力外通告』とは、来季の戦力構想外であることを選手に伝えることで、いわば「クビ宣告」。ドラフトで毎年多くのプロ野球選手が誕生する裏で、同じ数のプロ野球選手がユニフォームを脱いでいるのが現状です。
10月に入ると徐々に戦力外通告が始まり、ペナントレースやドラフト会議で毎年盛り上がる時期は、プロ野球選手の去就が左右される時期でもあるのです。
プロ野球選手の平均在籍年数は7〜8年、引退時の平均年齢は28歳。オフシーズンのテレビ特番では、戦力外通告を受けた働き盛りの元プロ野球選手の姿をよく見るのではないでしょうか?
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戦力外通告は2回に分けて行われます。
●第一次通達期間
:シーズン終了の翌日〜CS開幕前日
●第二次通達期間
:セ・パのCS全日程終了(どちらか遅い方)の翌日〜日本シリーズ終了の翌日(移動を伴うチームは翌々日)
2022年の第一次通達では、5日間で合計55人の選手が通達を受けました。では、戦力外通告を受けた選手のその後はどうなるのでしょうか。
▶▶スポーツ×仕事を見に行く
幼少期から野球一筋の選手たちにとって、野球を諦めることは苦渋の決断です。戦力外通告を受けた選手の中には「自分はまだできる」「野球以外に何ができるかわからない」と思う選手が多く、やはり「プロ野球」に残ることは選手に人気のようです。
戦力外通告を受けた支配下選手が現役続行を希望する場合は、12月最初に自由契約選手として公示されます。自由契約になった選手は、この時点で自由に移籍球団を探すことができます。実績のある選手は他球団からのオファーを受けて移籍します。特に「チームの若返り」など、球団の方針が変わる際には実力選手が自由契約となるケースもありますね。
プロ野球界に残るには、毎年12月に開催される「合同トライアウト」という入団テストを受ける。12球団の首脳陣やスカウトが視察に来るので、プロ野球界に残るための最後の手段です。
トライアウト合格は狭き門ですが、トライアウトから復活して再度活躍する選手もいます。・中村紀洋(オリックス戦力外→横浜DeNA)
・石井義人(西武戦力外→巨人)
・森岡良介(中日戦力外→ヤクルト)
2022年のトライアウトで、プロ野球界に残った選手
・三ツ俣大樹(中日→ヤクルト)
・西巻賢二(ロッテ→横浜DeNA)
をはじめ合計4名
合同トライアウトにはプロ野球以外のスカウトも視察に来るため、社会人野球や独立リーグからのオファーも来るのが特徴です。プロ野球選手としての再起を誓ったり、自分が活躍できる環境で野球を続けることができますね。以前、NPB引退後の進路は社会人野球が人気でしたが、最近は「独立リーグ」が人気なようです。ティモンディ・高岸宏行さんが所属する「栃木ゴールデンブレーブス」には、これまでに約20名の元プロ野球選手が所属していました。
こちらの記事では社会人野球の入団方法を紹介しています。ぜひご覧ください。
▶▶【社会人野球】社会人でプレーしたい!チームへの入団方法を紹介!
2020年シーズンで引退・戦力外となった日本人選手133名を対象とした進路調査結果(2021)によると、
引退後のキャリアは「野球関係」が76%を占めます。
・育成契約、他球団との契約
・球団スタッフ
・解説者
・監督、コーチ
(※解説者や監督、コーチは有名選手が多く、
戦力外選手の再就職には厳しい。)
・合同トライアウト後、独立リーグや社会人野球に入団
・外国のプロ野球チームに入団
例)GG佐藤(元西武ライオンズ)
:イタリアプロ野球→社会人野球→ロッテ
・ 学生野球の指導者
:「学生野球資格回復研修」の受講が必要
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戦力外通告を受けた選手の 「一般企業」への転職は少なく、球界への再就職に偏っています。
近年は、引退後に「一般就職」を希望する選手が増加傾向にありますが、実際は再就職でも野球にしがみつくしかない状況が作り出されています。多くの選手は引退後に進む道を選択する際に厳しい現実に直面しています。
一方、少数派ではありますが
・進学
・他競技への転向
・飲食業界への転職
も見られます。
中には、球団が再就職先を斡旋してくれることも…?
10人に1人が引退後の進路が未定なようです。
最後に引退後の選手に対する取り組みを紹介します。
プロ野球選手は競技に打ち込んできた分、勉強時間が確保されていないことも多いのです。その結果、多くの選手は引退後厳しい現実に直面しています。
元選手が球団職員になるケースは多いですが、安泰とは言い難いです。なぜなら、たとえば球団の打撃投手やブルペンキャッチャーとしてプロ野球界に再就職しても、体力勝負なので一生できる仕事とは言えないからです。また、球団職員になる場合は後任の枠を開けなくてはならないのです。
つまり、球団職員は一時的なその場しのぎの仕事で、最終的には球団職員を経て社会に出ていかなければならないということです。したがって、球団職員時代に社会で活躍する力を身につけて、中途採用で再就職していくことが求められます。
現在は、「アスリートの競技引退後のキャリア支援」の重要性が叫ばれており、民間企業との協力体制もできつつあります。それだけでなく、セカンドキャリアの一つとして選手の学び直しの機会も保証され始めています。
例)・プロ野球選手会✕國學院大學
→引退後の選手は(高卒に限り)
入学金と授業料を4年間免除というサポート
引退後に解説者や指導者になれるのはごくわずか。元プロ野球選手を待ち受ける現状はそう甘くなく、ほとんどの選手は引退後に仕事を探し求めなくてはなりません。だからこそプロ野球選手をはじめとするスポーツ選手は学生のうちから、そして競技続行中も引退後のキャリアを考えていく必要があります。
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