スポーツに関わる企業や人などと日常的に触れ合っている私たち。話を聞けば、新たな価値観を得ること、感動して涙すること、モチベーションが爆上がりすること……。心が動く瞬間に多く巡り合っている。このような求人広告や取材記事では書けないエピソードをご紹介するのが、連載企画『GAME REPORT』。
第三弾は「プロもアマも、色んな人が通えるゴルフの学校をつくりたい」と語るプロキャディと、トップアスリートが実践しているファンサービスから学んだカッコいい大人の在り方について。さっそく、本企画の筆を執ろうと思う。寄り道感覚で読み、何かを感じてくれたらこれ以上嬉しいことはない。
プ ロのアスリートは、その競技をやっている人にとって存在そのものが憧れになる。ビッグネームで言えば野球の大谷翔平選手、サッカーの久保建英選手、バスケの八村塁選手などは、小中高生から見たら『将来なりたい人』であることは間違いないだろう。以前取材したゴルフのプロキャディとして活動中の栗永遼さんは、そのような光景を目の前で何度も見てきたという。「今の黄金世代・プラチナ世代の選手たちに「憧れのプロは?」と聞けば、圧倒的に宮里藍さん。聞けば、みんなサイン入りのグローブやボールを持っているって言うんです」と。加えて「この前の試合のとき、成田美寿々プロのことをずーっと見てる子どもがいて。彼女はその子を見て、消毒してボールにサインを書いて「今日はありがとう」って渡してたんです。これ、その子からしたらイチコロじゃないですか(笑)。絶対あの子は、将来プロになろうってゴルフを頑張ると思うんです」とも話してくれた。
先日、B.LEAGUE千葉ジェッツvs宇都宮ブレックスの試合観戦に行ったときのこと。控室から勢いよく飛び出してきたのは、千葉ジェッツのエース・富樫勇樹選手。コートに向かって走っている最中に、サイドライン際に居た富樫選手のジャージを着ているキッズを見つけた瞬間。彼は駆け付け、消毒の上でハイタッチをしていた。また宇都宮ブレックスの遠藤祐亮選手も、試合終了後控室に帰っていく最中に、小さなファンの子1人に対して「ありがとう」のような言葉を目を合わせてかけていた。富樫選手と遠藤選手の行動を受けた子どもは「うわーーーーー!!!!」と両親のもとへ駆け寄り、興奮を爆発させていた姿が私の目には焼き付いている。
幼少期の感動体験は、きっと大人になっても忘れることはないだろう。その子たちも、純粋なファンからコアファンになったことは想像に難くない。これはゴルフやバスケに限った話ではなく、野球でもサインボールを観客席の子どもに向けて投げるシーンは多く見るし、サッカーやアメフト、ラグビーでも同じようにあること。
話は戻るが、栗永さんは「試合に集中していて、そういう子どもに気づかないプロ選手は多いんです。僕はもちろんプロのスコアを伸ばすために居る存在ですけれど、僕が子どもの存在に気付いて、プロに「あの子、ずっと見てたよ」という声をかけると、プロは喜んで行動を起こすんです」とも話してくれた。
自分自身が、そのようにカッコいい存在になれるかはわからない。もしかしたら自分の仕事を通じて、誰かに感動を与えているかもしれない。ただ、確かなことといえば「機会をつくることはできる」ということ。アスリートのようにわかりやすく憧れられない大人だとしても「こんな経験をさせてくれたパパ・ママみたいになりたい」という人間になっていきたいと、今回の取材を経てしみじみ。私は、私の居るフィールドで、次世代に貢献できるような仕事と機会を創出していこう。きっとそれが、業界の活性にも繋がるはずだから。
今回のコラムニスト:スポジョバ編集部 小林亘
某大手人材・広告企業出身。ライター・ディレクターとして求人広告から総合情報まで幅広く手掛けてきた。バスケットボールが好きすぎるが故に、経験を生かしながら好きな業界で働きたいと考えスポジョバにジョイン。現在、スポジョバの記事の7割以上を執筆・編集している。今回の記事を書いておきながらまだ未婚。同棲中の彼女から尻に敷かれている(この記事が見つかったら怒られる……)
設立年月 | 2010年01月 | |
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代表者 | 篠﨑克志 | |
従業員数 | 272名(連結:2023年12月末現在) | |
業務内容 | ◆スポナビ合同就職セミナーの企画・運営(体育会学生限定合同就職セミナー)
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