「やってみよう」を引き出す指導で伝えたい「体操って楽しい!」

株式会社Nプランニング 森嶋 杏美

「やってみよう」を引き出す指導で伝えたい「体操って楽しい!」

株式会社Nプランニング 森嶋 杏美

「子どもたちの未来を共にはぐくむ」を企業理念に、首都圏で100園以上の保育園や学童施設を運営するSmile Holdingsの一員として、保育・教育現場の「学び」「食」「人」「体験」「運営」などのさまざまな課題を解決支援する株式会社Nプランニング。
そこで、主に保育園や学童保育などに通う幼児や児童を対象とした体育活動のサポート業務を担当しているのが、社会人2年目の森嶋  杏美さんだ。小さい頃からスポーツに親しみ、現在は大好きな子どもたちに体を動かす楽しさを伝え、すぐそばで成長を応援する「体操の先生」として活躍する森嶋さんに、日々の業務やNプランニングならではの指導法の魅力、仕事のやりがいや子どもたちへの思いなどを語ってもらった。

(取材・執筆:内河 文、編集:小西 秀人、池田 翔太郎)

「コーディネーション」を高める仕組み

――森嶋さんは午前と午後で1園ずつ指導されていると伺いました。普段の1日のスケジュールを教えていただけますか?

まず9時から午前中に担当する園にうかがって、9時半頃から体育指導が始まることが多いですね。
0歳児を含めて全てのクラスで指導をする園もありますが、基本的には3歳から5歳を対象に、運動遊びなどを行っています。
指導の時間は、年少さんが35分、年中さんが40分、年長さんが45分ぐらいです。

――教える時間を結構長めに設けているんですね。

もちろん指導を合同で行う園もあるので、時間が前後することもあります。
それで、午前中の体操指導を行って、大体11時半頃に終わり、そこから担任の先生と園長先生にその日の内容のフィードバックや片付けをして、12時ぐらいに園を出る感じです。
そこから移動と休憩があって、次の園の場所にもよりますが、15時ぐらいに午後に担当する園に到着して、そこからは同じスケジュールです。
17時半に指導が終わり、片付けやフィードバックを行ったうえで、18時に園を出て、そのまま直帰します。直行直帰の日が多い(※)ので、とても働きやすいです。

※=担当する園や日によって、午前中は事務所で事務処理を行い、午後から園へ向かう日もあります。

――どんなことを指導しているのでしょうか?

私たちの会社では「コーディネーション運動」を中心とした運動遊びを行っています。
ただ体力をつけるだけではなく、目と耳からの情報に合わせて、どうやったらできるか考えながら体を動かし、神経系を高めるような運動です。
バランス能力や認知能力、操作能力やリズム能力など、そういう要素が全部込みになっているのがコーディネーション運動の特徴です。
それがメインで、あとはマットや鉄棒、跳び箱、平均台などの器械体操も一緒に行っています。

――そういう器具はだいたいの園に置いてあるので、そのままお借りして行っているわけですね。カリキュラムの内容で、教える側としてここがすごいと思うところは?

跳び箱をやる日だとしたら、最初にカエル跳びがあるなど、跳び箱を跳ぶために必要な動きが運動遊びにちゃんと取り入れられているところです。
例えば、風船を股の下から入れるのが、押し出す動きにつながるとか。
単なる運動遊びではなく、最終的な目的に繋がるために前段階でやっている種目が多いので、そこがすごいと思います。

押さずに引き出す!子どもが主体の「プル型コーチング」

――指導にあたって、Nプランニングでは「プル型コーチング」が特色の一つですよね。プル型コーチングとはどんなものですか?

わかりやすく言うと、指導者が主体ではなくて、子どもたちの気持ちを汲み取って、子どもの意思を尊重した指導です。
こちらから一方的に話すのではなく、運動する機会は提供しますが「これはどうやると思う?」など、子どもたちから体を動かしてみたいという意志を汲んだり、主体的に取り組もうとする気持ちを引き出す(プル)のが一番の特徴だと思います。

――お子さまによって、引っ込み思案だったり、身構えてしまったりする子もいると思いますが。

そうですね。やはりこちらが主導で運動をやらせようとすると、やりたがらない子も出てくるので、プル型コーチングは子どもたちの自発性をすごく高められるところが魅力ではないかと。

――教える時って、わりとワーッと言ってやらせてしまうほうが楽なこともありますよね。子どもたちが自分でどうするか決めて、前に踏み出してくれるのを待つのは難しくないですか?

それでも待ちます(笑)!
やりたくないという子に、私も無理にやらせたくはないので、その気持ちは尊重して、「ここで見ていてね。やりたくなったら来てね」と伝えると、ちょっと面白そうだな…って様子をうかがってくれます(笑)。
そういったところから、無理やりやらせるというよりも、子どもたちの自分のペースで(動いてみたいという気持ちを伴って)来てくれたらな、と思っています。

――初めてそういう運動をする子もいるでしょうし、同じ年齢でも発達の程度や、得意不得意、好き嫌いは、お子さまによって千差万別だと思います。森嶋さんが指導の時に心がけていることは?

やはり、子どもたち一人ひとり発達のスピードが違うので、指導する上での声かけや進め方には、どのクラスでも気をつけています。
あとは、とにかくわかりやすく簡潔に、年齢に合わせてわかりやすい伝え方をするように心がけています。
例えばフープを使った運動の時に、5歳さんではそのままフープと言いますが、3歳さんではフープをヘビに見立てて「ヘビさんを踏まないようにお散歩してみてね」と。
そうすると子どもたちも想像しやすくなって、できるんです。

「できるようになった瞬間」に立ち会える喜び

――そういう教え方は、体育大学で学んだだけでは身につかないと思うのですが、このお仕事をするようになって習得したのですか?

そうですね。やはり現場経験がものを言うというか。
今は1週間で10園を担当していますが、園のカラーも子どもたちの様子も本当にそれぞれで、「こういう子もいるんだ」とか「こういうアプローチしたほうがいいんだな」とか、いろいろ経験して学んでいったと思います。

――体操の先生をするにあたって、Nプランニングで研修やトレーニングなどは受けましたか?

はい。最初から独り立ちするわけではなく、まず先輩方の指導を一度見学に行って、どういうふうに子どもたちと関わっているのかとか、補助の仕方や声かけを見る機会がありました。
そこで学びながら、実際に先輩方と一緒に子どもたちへの補助の練習をする研修もありました。
あとは毎月末に研修があり、翌月に行う種目を先輩方に教えていただいたり、困りごとや悩みを相談したりする時間もあります。
指導のポイントや進め方なども、先輩方から聞ける機会がたくさんあるんです。

――経験豊かな先輩方と、密な関係性を築けているんですね。

はい。施設を借りて、器械運動の練習を指導員同士で実演する研修もあります。
相手を子どもに見立てて一緒にやって、「ここを支えるんだよ」と教えていただいたり。
私も補助の経験は全くありませんでしたが、安心して仕事に行けました。
また、体育運営課はみんな個性豊かで、和気あいあいとしていて、一緒に切磋琢磨して頑張っていけるようなチームだと思います。

――座学だけでなく、先輩がいる現場での研修があると安心ですよね。子どもたちの反応もその場で返ってきますし。カリキュラムの中で、体育の時間がもつ効果や、子どもたちにとっての運動の大切さなどをどう感じていますか?

やはり今、運動不足が子どもたちの課題としてあります。
十分に体を動かす時間、仲間、空間などがない状態がすごく問題だと感じているなか、保育の時間でこういった体操プログラムを体育指導員が行うことによって、幼児期に経験しなければいけない動きからアプローチしていけたらいいなと思っています。

――授業を続けていて、子どもたちの変化に喜びを感じることは?

はい。今までジャンプが両足で跳べなかった子ができるようになったり、鉄棒に自分でぶら下がれなかった子がぶら下がるようになったり、逆上がりができなかった子が回れるようになったりと、できなかったことができるようになった瞬間に立ち会えるんです。
そうすると、自分たちが教えてきたことはやはり間違いじゃなかったと思えます。

「できる」を最終目標にしない良さ

――それは嬉しい瞬間ですね。ご自身について伺いますが、森嶋さんは小学生の頃は器械体操とスイミングとチアダンス、小学校5年生から中学までバスケットボール、中学・高校はダンスといろいろなスポーツ歴があって、もともとスポーツが好きなお子さまでしたか?

好きでした! 気づいたらずっと動いていました(笑)。
勉強系がちょっと苦手で、スポーツ!みたいな感じ(笑)。
踊ることが好きで、テレビを見てダンスをやってみたいと思いましたし、体を動かすことが本当に好きだったので、いろいろなスポーツをやらせてもらっていましたし、小さい頃からの経験が今につながっているのかなと思います。

――ちなみに大学では何かスポーツをされていましたか?

大学ではソングリーディング(チアダンス)の競技を1年間だけやって、それ以降は習いごとみたいな形でダンスをずっと続けていました。

――そんななか、体操の指導をしようと思われたきっかけは?

大学では保育実践ゼミに入って、そこで子どもたちと関わるなかで、子どもたちに体操を教えたいなと思いました。
ゼミでは幼児期に経験すべき運動についての知識や、子どもの運動に対するアプローチの仕方も身につきましたし、やはり自分が小さい頃から体を動かす楽しさを知っているからこそ、体操になじみがない子や、運動が少し苦手な子にも「体を動かすって楽しいんだよ」と伝えられるかなと思ったんです。

――その頃から今のお仕事に通じる意識があったんですね。

そうですね。私は中高の保健体育の教員免許を持っていますが、大学の入学当初は中高の教員になりたいと思っていました。
でも就活時期に、自分は何がやりたいんだろうと考えた時に、やはり子どもが好きで、中高生と教員として関わるよりもっと下の年齢の子どもたちと関わるほうが向いているのかなと感じたんです。

――そう感じた理由は?

中学生くらいの頃から小さい子ども(と接すること)が好きでしたし、母が保育士で、妹も保育の専門学校に通っているので、家庭環境もあるのかな?
母の姿を見て、ちょっと興味が湧いたということもあるかもしれません。

――そうなんですね。ひと言で「体操」といっても、いろいろな企業や教え方がありますよね。そのなかでNプランニングを選ばれたのは?

就活時期にいろいろな会社を見て、「できるようにさせる」ことが目的だなと感じていました。
ゼミでの活動経験もありますが、できなくてもその動きを経験させることが大事で、できるようアプローチはしてもそれを最終目的にしたくないと思っていました。
Nプランニングがしていることと、私がやりたいと思っていた体操がぴったりだったんです。
そうしたところが他社さんとの違いで、今ここを選んだ理由なのかなと思います。

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「一緒に楽しもう」のスタンスを貫く

――1年半この環境に入ってみて、どんな方がこのお仕事に向いていると思いますか?

やはり子どもが好きなことが一番だとは思います。
あとは、子どもたちと一緒に遊ぶ勢いで、一緒にできる方が特に向いているんじゃないかなと思います。
子どもの声に耳を傾けて、一緒に体操の時間を作り上げていけるような、まさに「プル型コーチング」で子どもの声を引き出す指導ができる方でしょうか。

――森嶋さん自身は向いていると思いますか?

う~ん、意識はしています!
子どもたちの声に常に耳を傾けたい、子どもに寄り添って一緒に体操を進めていきたいという気持ちは、常に忘れずにいるようにしています。
でも、やはり焦っていたりするとついバーッと言っちゃったりするので、まだ課題はたくさんあります。

――その課題も含めて、お仕事を始めた当初と今を比べて、ご自身の中で成長を感じるところはありますか?

やはり1年目はカリキュラムをこなすことに精一杯でしたが、今は結構余裕が持てるようになって、指導にも自分らしさを追加できるように、少しずつなってきたんじゃないかなと思います。
最初のうちは、自分でカリキュラムを発展させることもできませんでした。
最後にゲームを必ずやりますが、うまく時間配分できず、ゲームがちょっとしかできなくて、子どもたちが「もう終わっちゃうの?」となった時は、ミスっちゃったな~!と思ったことも…。

――でもだんだん自分らしさを出せるようになったと思うのですが、この仕事を通じて感じる森嶋さんらしさって何でしょう?

やはり子どもが好きなので、とにかく一緒に楽しく体操がやりたいと思っています。
きっちり指導するより、子どもと同じ目線で、みんなでワーッと楽しんでやろうね!というやり方が自分には向いているのかなと。

――“らしさ”を見つけて実現できていることが素敵ですね!では、今後の目標などを教えてください。

やはり失敗を恐れずに、いろんなことにチャレンジしていきたいと思っています。
うまくいかなかったことも、どう改善すればよかったのか考えながら次につなげていきたいし、子どもたちと一緒に体操を作り上げていきながら、常に楽しい指導ができるように、日々レベルアップしていくことが目標です。

あとは先ほども申し上げましたが、私は小さい頃から体を動かすのが好きだったからこそ、スポーツに関わる仕事に就きたいと思えました。
子どもたちと関わる中でこの仕事を通して、少しでも体操が嫌いとか苦手という意識をなくしてあげたいんです。
それが将来、私のような道に進むきっかけづくりになれば。

教えるということにフォーカスせずに、私と一緒に体操をしたことで「体操って楽しい」とか「運動って嫌なモノじゃないな」と思ってもらいたいな、ということが一番根底にあります。
それが今の仕事に就く一番のきっかけでしたので。

――将来、教え子が同じ仕事に就いて「あの時、先生に会えたのがきっかけだよ」って言われたりしたら嬉しいですね。

そうなったら良いですね!
「あの時の体操が楽しかったからこういう仕事に就きたいと思ったんだよ」って言ってくれたらもう、最高です!

【PROFILE】
森嶋 杏美
(もりしま あみ)
小学生の頃はスイミング、チアダンス、体操を経験し、小学5年生から中学まではバスケットボール、中学の途中から高校にかけてダンスに励む。
座右の銘は「昨日の自分を超え続ける」。
 

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月 2016年03月
代表者 嶋本拓志
従業員数 180名(2025年10月時点)
業務内容

・学び- MIRAwithスクール
 英語・体育などの教育プログラム提供およびレッスン提供、幼児向けスクール運営(児童発達支援・放課後等デイサービス、インターナショナル保育園カリキュラム提供)

・食- MIRAwithキッチン
 給食業務支援システム・食材配送、食育コンテンツ提供、オリジナル商品販売

・人- MIRAwithキャリア
保育人材及び一般事務員等の人材紹介・派遣、人材定着支援キャリアサポート

・体験- MIRAwithワンダー
 幼児向け農園イベント企画、児童向けキッズキャンプの運営・企画、体験型学習プログラム提供

・運営- MIRAwithサポート
 保育園運営支援、園児紹介、キャリア支援(研修等)

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