「競走馬の生産牧場って実際どんなところなんだろう?」
「育成牧場とはどんな違いがあるんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、生産牧場とは一体どんなところなのか、育成牧場との違いから仕事内容や就職方法にいたるまで詳しく解説します!
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競走馬が生まれる生産牧場は何をしているところなのでしょうか?
また、育成牧場とはどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、生産牧場の概要や育成牧場との違い、競馬の勝敗予想における生産牧場の位置づけなどについて解説します!
生産牧場は、競走馬(サラブレッド)の繁殖(=生産)を専門とする牧場です。
主に妊娠中の馬や生まれたばかりの仔馬の世話を行い、生産した仔馬の売却益や馬主から牝馬を預かる預託料などから収入を得ています。
生産牧場ではただ単に馬をたくさん繁殖させればいいというわけではありません。
競走馬に求められるのは「レースに勝つ」こと、つまり「速く走れる」ことです。
「速く走れる競走馬の生産」を追究するために、生産牧場では日々さまざまな研究や工夫が行われています。
日本全国にはこのような競走馬の生産牧場が約850戸存在していて、2023年には7,000頭以上のサラブレッドが生産されています。
また、生産頭数の約8割は北海道・日高地区で生まれています。
生産牧場は、競走馬の「繁殖」を専門とする牧場で、主に妊娠中の馬や生まれたばかりの仔馬の世話を行います。
一方、育成牧場は、生産牧場で生まれた仔馬を一人前の競走馬としてレースで戦えるように「育成」することに特化した牧場です。
そのため生産牧場よりも育成牧場のほうがトレーニングや管理の性格が強くなります。
生産牧場で生まれた仔馬は、生後約1年で乳離れすると育成牧場に送られて次のステップに進みます。
育成牧場についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
生産牧場は競馬の勝敗予想をするうえでもしばしば注目される存在です。
競馬の着順予想をする際に、「その競走馬がどの生産牧場の出身なのか」が判断材料の一つになります。
強い競走馬を多く輩出した実績のある生産牧場で生まれた競走馬は、同じように強い馬になる確率が高いといえるのかもしれません。
各種競馬予想サイトでは「生産者リーディング」と呼ばれる、レースの結果を生産牧場別にまとめたランキングデータが一覧で公開されています。
《2023年版生産牧場ランキング》
1位 ノーザンファーム(収得賞金:約180億円)
2位 社台ファーム(収得賞金:約85億円)
3位 下河辺牧場(収得賞金:約19億円)
4位 岡田スタッド(収得賞金:約17億円)
5位 社台コーポレーション白老ファーム(収得賞金:約16億円)
6位 三嶋牧場(収得賞金:約15億円)
7位 ビッグレッドファーム(収得賞金:約12億円)
8位 追分ファーム(収得賞金:約11億円)
9位 ノースヒルズ(収得賞金:約11億円)
10位 ダーレー・ジャパン・ファーム(収得賞金:約8億円)
※netkeibaより抜粋して引用(https://db.netkeiba.com/?pid=breeder_leading&year=2023)
1位のノーザンファーム(北海道勇払郡)は2012年以来ずっとトップを独走していて、年々収得賞金額を伸ばしています。
競馬好きの人々から大きな注目を集める生産牧場ですが、そこで働いている人たちはどんな仕事をしているのでしょうか?
ここからは生産牧場の仕事内容を見ていきましょう!
生産牧場の主な仕事として「牝馬(母馬)の世話」「仔馬の世話・教育」があります。
それぞれどのような世話を行うのか、具体的に見ていきましょう。
また、生産牧場では1年や1日の流れがだいたい決まっています。
おおまかな流れを把握することで、生産牧場で働くことのイメージが掴みやすくなるでしょう。
生産牧場の主な仕事は、
の2つです。
《牝馬(母馬)の世話》
これから母親になる馬や妊娠中の馬、出産後の馬などを状況に合わせて世話するのが、生産牧場の主な仕事の一つです。
仔馬が元気に生まれて育つためには、母馬の健康状態が非常に重要です。
ただ妊娠・出産させるだけでなく、健康でストレスがない状態でいられるように、1頭1頭を大切にケアをする必要があります。
《仔馬の世話・教育》
生まれてきた仔馬が乳離れして育成牧場にいくまでの世話や教育が生産牧場のもう一つの仕事です。
育成牧場に行ったら本格的な調教がスタートするので、調教師の言うことを素直に聞ける馬になるように注意しながら育てていきます。
生産牧場では毎年同じような流れで1年を過ごします。
【冬】出産に向けた準備
サラブレッドの妊娠期間は約11カ月で、年1回出産します。
妊娠中の母馬の健康状態を観察・管理したり、運動不足解消のためのウォーキングをさせたりして、無事に出産できるように備えます。
【春】仔馬の誕生
1月ごろから出産の時期がやってきて、3~4月頃にピークに達します。
仔馬は生まれてすぐに自分で立てるようになり、約半年で離乳します。
離乳するまでの間、栄養管理・睡眠管理・運動管理などをバランスよく行うことが大切です。
また、「引き馬」というトレーニングを通じて、育成牧場での調教がスムーズに進められる準備もしていきます。
【夏】牧草収穫
冬場のエサとなる牧草は夏のあいだに収穫して、乾燥させておく必要があります。
土壌改良や牧草の品種選定なども含めて、生産牧場の仕事は動物と触れ合うだけでなく、農業に関する知識や技術も必要です。
【秋】セリ市場への上場
馬主が決まっていない馬の取引を行う場所を「セリ市場」といいます。
夏から秋ごろにかけて仔馬をセリ市場に上場し、高額取引を目指します。
1年の流れと同じように、1日の流れもだいたい決まっています。
【6:00】夜間放牧した馬の集牧
【7:00】母馬と仔馬の放牧
【8:00】馬房で馬の健康チェック
【9:00】馬の体の手入れ
【10:00】馬房の清掃、種付け
【12:00】昼休み
【14:00】セリに出す馬のトレーニング
【15:30】放牧していた馬の集牧
【17:00】業務終了
毎日同じ作業の繰り返しですが、生き物の命と向き合う仕事では1日でも手を抜くことはできません。
決められた仕事が確実に行われるように、職員同士でコミュニケーションをとって協力しながら進めることが不可欠です。
生産牧場の仕事内容や、1年・1日のスケジュールについて見てきました。
それでは、どのようなルートを進めば生産牧場に就職できるのでしょうか?
ここからは生産牧場に就職する方法を解説します!
生産牧場で働くのに特別な資格は必要ないので、未経験でも採用する牧場であればいきなり就職することも可能です。
いきなり牧場に就職した場合は、実際に働きながら実務を通じて必要な知識や技術を身に着けていくことになります。
他のルートとしては、日本軽種馬協会が実施する「生産育成技術者研修(JBBA研修)」を受講してから就職するパターンなどもあります。
JBBA研修とは1年間の学科や実技を通して、競走馬の生産・育成を担える技術者を養う研修です。
牧場での仕事に必要な知識や技術をある程度身に着けてから就職できるので、未経験からの就職よりも就職率も高いようです。
生産牧場の概要や仕事内容、就職方法などについて詳しく解説してきました。
自分が世話をした仔馬がレースにデビューして勝利をするかもしれない!という夢のある仕事ですが、命と向き合いながら毎日ハードな重労働をこなすきつい仕事でもあります。
生産牧場以外にもどんな職業があるのかを知って、仕事で競馬に関わる選択肢を広げてみませんか?
どんな仕事があるのか気になる方はこちらの記事をチェックしてみてください!
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