プロ野球選手の間で「入団時の契約金は退職金」と言われますが、
果たしていくらもらえるのでしょうか。
プロ野球選手のお金事情でもう一つ気になるのは「税金」。
果たして契約金には税金がかかるのでしょうか？
今回は、「契約金」「税金」に関する疑問にお答えします！
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「契約金」とは、入団が決定した選手に対して支払うお金で、
入団する選手は「年俸」とは別に「契約金」をもらうことができます。
契約金が発生するのは「ドラフト入団」と「FA権」の2パターンです。
ドラフトで指名を受けた選手が、入団時に球団から受け取る契約金です。
新人選手の契約金の最高標準額は「1億円＋出来高5千万円」とプロ12球団で申し合わされています。
契約金が支払われるのは、支配下の選手だけで
育成選手に契約金は支払われません。
代わりに、「支度金」として契約金に近いお金が支給されます。
【契約金の目安（ドラフト指名順位別）】
1位指名 1億円（満額）＋出来高5000万円
2位指名 7000万円〜8000万円
3位指名 5000万円～6000万円程度
4位指名 4000万円程度
5位指名 3000万円程度
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育成枠 300万円前後（支度金）
契約金の額には、球団からその選手への現時点での評価が表れているので、金額が高いほど期待値も高いということです。
「FA権」とは、どの球団とも選手契約を結べる権利のことです。
契約金が発生する2つ目のケースは、
①FA権を行使して他球団に移籍した場合
②FA宣言して残留した場合の両方に支払われる「再契約金」があります。
FA宣言をして他球団に移籍した場合、再契約金の上限は年俸の半分です。
残留した場合、年俸の原則は現状維持なので
年俸とは別に再契約金が支払われますが、上限はありません。
FA権を行使せずに残留した場合は、「再契約金」は発生しません。
つまり、FA宣言した選手が残留するときは、4年間その選手をキープできる代わりに再び契約金を支払う必要があるというわけです。
契約金にも税金がかかります。
契約金にかかる税金は「所得税」と「住民税」です。
契約金は「臨時所得（特別な理由で一時的に得たお金）」なので、通常の累進課税制度ではなく平均課税の適用を受けます。
プロ野球選手（事業所得）の年俸は、総合課税＋住民税＝最高50％の税金がかかるのです！そのため、臨時所得の平均課税を採用しないと50％丸々持っていかれてしまいます！
例）ドラフト1位指名の選手（契約金1億円）の税金
・臨時所得の平均課税の採用なし：約5000万円の税金（所得税＋住民税）
・臨時所得の平均課税の採用あり：約3700万円の税金
→約1300万円も節税できる！
「臨時所得の平均課税」は聞き慣れないと思いますが、年俸の2倍以上の高額な契約金をもらった場合のみ適用されます。余談ですが、「臨時所得」はプロ野球の契約金の他にもオリンピックの賞金、ノーベル賞の賞金などがあり、非課税となります。
よく「契約金は退職金」と考える選手や球団がありますが、一体なぜでしょうか。それは、短命なプロ野球選手は現役を引退しても退職金が支給されないからです。
プロ野球選手の平均在籍年数は8、9年で、実際はプロ4〜5年目の選手が多いのです。ドラフト上位指名でのプロ入りを希望する選手も多く、下位指名での入団を拒否する選手もいます。そのため、契約金という名の退職金を勝ち取ることも選手にとっては非常に重要なのですね。
今回はプロ野球選手の契約金について解説しました！
高卒後・大卒後に急に大金を手にするチャンスということで、選手たちの間でも使いすぎには注意です！「契約金は退職金」ということを肝に銘じて、引退後も見据えながら選手生命を送ることが賢明と言えるかもしれません！
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