「スポーツイベントってどのように作られているの?」
「作る過程で、どんな人がどんな風に関わっているの?」
全国各地で、さまざまなスポーツイベントが再び開催されるようになってきた昨今。スポーツに関わらず、あらゆるイベントが再度始まっている時代の流れを見ると、数年間の熱狂をまもなく味わえるのではないか、と個人的にはワクワクしてしまう。きっとあなたも「まだかな」と待ち続けている1人では?
さて、そんなwithコロナ時代においても、[スポーツツーリズムx地域活性化]を軸に、事業を大きくし続けてきたのが『ルーツ・スポーツ・ジャパン』だ。純粋なリアルイベントだけではなく、アプリ上でコースを設計し、そのコースをいつでも自由に走ることができる形式のイベントなど、さまざまなトライ&エラーを繰り返してきた。今回は、「そもそもスポーツのイベントってどんな風に作られているのか」を聞くために、同社の2人に話を聞いてきた。全4回の連載でお届けする本シリーズでは、イベントの作り方に始まり印象的なリアルエピソード、また"ココだけの話"など、あらゆる側面から紹介していく。
「イベントを作るために、こんなにも色んな人が動いてるんだ」と理解した上で「チーフの仕事、面白そう!」と思ったあなたは、ぜひ求人も同時公開中のため応募をオススメする。読むのと働くのでは大きく異なる、ポジティブなやりがいが、この会社にはあるから。
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
>>>前回のvol.1はコチラ!
__御社が作られているイベントの全容は理解できたつもりなんですけれども、具体的に日々の業務としてはどんなことをされているんですか?簡単にスケジュールみたいなところを教えていただけると……!
増田:濃淡はありますが、同時に動いているのはだいたい10案件くらいでしょうか。その週によって、どの案件が動いたりするかにもよるので、一概にこれと言いにくいところはありますが、たとえば今週で言うと、火曜は打合せが4件ほどあって、合間に進行状況の確認等々をクライアントとしたり。先日は山梨で1日ロケハンしていました。コース調査とか衛星電話の通信チェック、県警に行って各種手続きをして。それで今日は1日デスクワークですね。ひたすら作業です(笑)。
ちなみに作業というと、運営資料系を今は作っています。サイクルイベントですから、そもそも「スタートをどう並ばせるか」「走者と観客の距離を何m取るか」「コース中のどこにどのくらいスタッフを配置するか」とかとか、いわゆる「安全に走る」ための資料を作っていますね。。
袴田:僕はもう自分がクライアントと対面することが少なくなってきて、新しくチーフディレクターになる子たちの教育に当てる時間が最近では多いです。あと僕の場合は自主企画のパッケージをたくさん作っています。商品開発みたいなところですね。それこそ「自転車で人を呼びたいけど、何すればいいかわからない」という地域側の要望に対して、今はA案、B案、C案ってありますが、これをD案、E案、F案って増やしたり、A案の中身を濃くしたり……ですね。
たとえば新しいサイクリングマップを作りたいという要望に対し、コースを造成して載せるだけでなく、コースを使ったイベントもパッケージ化して展開できるアプリを企画・設計・開発するような。まぁ2人とも共通して言えるのは、ざっくり言うとクライアントから出た課題をチーム内に振って、チームから上がってきた成果を確認して、またクライアントに戻してっていう橋渡しが中心ですね。
__平たく言うと、一般企業でいう課長とか部長とかの中間管理職というわけですね?
袴田:中間管理職というか、言ってみれば案件は1つのプロジェクトで、チーフはカッコよく言うとプロジェクトオーナーなんです。だからミニCEOみたいなもんですね(笑)。
__あはは(笑)
増田:まぁでも本当にそうですよね!お金の管理も全部やりますし、チームから上がってくるクオリティの管理もしますし。メンバーによってはクオリティ担保できているから、どんどん自走させてクライアントと直でやれるように繋いだり……。とにかく全部効率よく回せて、チームが一番成果を上げられるように考えるのが、私たちの使命ですね。
袴田:予算と人は与えられるので、それでよしなに成果を上げてくださいと。まぁなのでほんとミニCEOですね(笑)。だから基本的に案件の全権はチーフにあります。社内からもクライアントからも怒られるのはチーフですから(笑)。
増田:そうですね(笑)。ですから現場で僕らが設営したり、手足を動かすことはありません。理想はチーフが動かないことですからね。それに、私の受託案件に関しては、やっぱり運営を安全に確実に遂行することが役割ですから、たとえば「去年すっごく問題になったこの部分を改善してほしい」という話が来ていたものをちゃんと改善でいているかとか。そんな風に現場では動いてますね。
__お2人の温かいお人柄があればこそお伺いしたいんですが、普段ってどんな会話を社内でしているんですか?焦点は違うと思いますが「イベントを成功させる」という視点は変わらないと思うので、案件の向き合い方と言いますか。
袴田:僕はやっぱりパッケージ商品の企画をしていることが多いので、ユーザーさん(注:サイクリスト、スポーツ愛好家)とお話する機会を創ったりしています。サイクリングライフ全般の雑談をしながらボトルネックを見つけて。見つかると、それの解消のためにはこんな企画がいいんじゃないかなって話しながら……ですね。
例えばで言うと、3年ほど前に「サイクリングがマンネリ化してきてる」というインサイトに遭遇したんです。
「ヒルクライムとかロードレースとか色んなレース種目があるけど、もちろん面白いけど、どこ行っても同じだし、飽きちゃったよ」みたいな。自転車屋さんに話を聞きに行っても「今はオンロード自転車よりオフロード自転車のほうが売れてますよ」とか。既存の種目を逸脱した、なにか「新しいお祭り」が必要なんだろうなってことで、新しい形式の全国イベントを企画して、実現させるみたいなことをやってます。
増田:受託案件のチーム内の話でいくと、袴田の視点とはちょっと私は違うんですよね。やっぱり主に話すのはイベントの主催者さんで、いかに安全に運営ができるか、困っていることはなにか、そのために我々は何ができるかって話が多いです。そもそも、主催者さんが自転車やランニングを理解していないことも多いので、運営方法がそもそもわからないことが多いんです。長くやってきたイベントだったとしても、我々のような専門家を入れたほうが上手く回るであろうという話からお仕事をいただけるので。
ですから、たとえばここは我々が全て受けて完パケしちゃった方がいいよねとか、こういう進め方したほうがクライアントも色々判断しやすいよねとか。そういう話をして、ですね。
__増田さんが担当する受託案件は特にだと思いますが、クライアントさんがどこまで求めているかの線引きをしながら「ここまでやっちゃうと良くないかな」とか「そもそも、なんでこれはこうなってるんだっけ?」とかそんな話が多いんです?
増田:そうですそうです。主催者さんによっては、長年ずっと同じようなやり方をしてきたけど、(これまでの)委託先に丸投げしすぎて実態がどうなってるか担当者でもわからない、一部ブラックボックス化しているところもあるので、そこを紐解きながら……というシーンもありますね。
袴田:運営のマニュアルとかってあるの?
増田:イベント当日のマニュアルは、もちろんどの案件もあります。ただ事前の準備についてのものは、案件によってまちまちですね。どんなフローで誰が何を決定してどうスケジュール切っていくかといった細かいところまでは正直あんまりないものも多いです。ふわっとしちゃっているところがどうしてもあるので、そこは専門家としてできることは何かないかですとか、そこの交通整理をどうしていくかって話し合いが多いですね。
最終的には、自社企画の場合はイベントが大成功して人もたくさん来てくれて、色んな人に地域の魅力を知ってもらえた!イベントに参加する人も、開催する地域の人も両方が喜んでくれた!が理想なんですけれど、受託案件の場合は、そういった細々した運営のアレコレを整備していくことで、徐々に運営が改善されていくのが見えていくと「やっててよかったな」って思うんですよね。そういうやりがいも、自社企画と受託案件でちょっと変わってきたりするんですよ。
>>>次回、第3弾!印象深い出来事を聞く『仕事編』に続く
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設立年月 | 2009年02月 | |
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代表者 | 中島 祥元 | |
従業員数 | 20名(パート・アルバイト除く) | |
業務内容 | ・スポーツツーリズム(スポーツ×観光)を活用した地域活性化事業
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