スポジョバ内でもリリースした『「横浜スポーツビジネススクール」第二期生募集』。
同ビジネススクールが2022年3月6日(日)~5月21(土)まで、全5回に分けて開催された。
今回スポジョバ編集部は、同ビジネススクールの集大成でもある最終回の第5回に潜入。本記事では、実際の様子やスクールで感じたことをレポート記事としてまとめる。
参加したくてもできなかった方。興味はあったけど今回はパスした方。そもそもこの企画を知らなかった方。どんな方も、本記事を見ればきっと「3回目が開催されたら参加したい!」と思うはず。学びしかないこの環境を、記事にできる範囲であなたに届けよう。
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
企業やクリエイター、エンジニア、行政、大学など、様々な人・組織・情報が集まり、交流・コラボレーションすることで、次のスポーツ産業を共創していく拠点となることを目指すことが企画の根本。『横浜DeNAベイスターズ』で培ったノウハウをもとに、スポーツビジネス・エンタメ業界や様々な業界において活躍する人材育成・創出に向けて開催されたのが『横浜スポーツビジネススクール』だ。
今回は、世界のスポーツビジネスの最先端のトレンドや、スポーツによる地域活性化、ファンエンゲージメントなどの実例や、実践的なマーケティング方法の共有などを、全5回のゲストトークとワークショップで学んでいく内容にて開催された。
また最終回までに参加者全員が本スクールで学んだことを基に、自らの興味分野に応じた経営視点に沿った事業計画書を提出。その上で、全員に対して『横浜DeNAベイスターズ』の経営陣やゲスト講師の方から、次世代のスポーツイノベーターとして活躍するための実践的なフィードバックを受けられる。結果、自身の仕事に活かすことや参加者同士の交流、またビジネスチャンスの拡大など、さまざまな好循環が起きていた。
第5回までの概要を簡単にご紹介しよう。
過去に横浜DeNAベイスターズが行ってきた取り組み内容・スポーツビジネスについての紹介が行われた。あくまでインプットの場ではあるが、過去の取り組みを受け「自分であれば、この角度から提案する」「こうアレンジしたほうが面白いのではないか」と、既存のアイデアを昇華させるため、課題発見のワークショップ等々も行われた。
また、第1回目ではTHE BAYS&スタジアムツアー、そして横浜DeNAベイスターズ vs オリックス・バファローズの試合を参加者で観戦する機会も設けられ、純粋にスポーツを観て楽しむONE DAYイベント(9時~18時)でもあった。
スポーツビジネスを展開する上で、市区町村をはじめ行政との連携は欠かせない。街から愛されるスポーツチームになるために、そもそも街を理解する必要があるという根底の考えがある上で、まちづくりの考え方の理解をはじめ、横浜市庁舎街区の今後と展望についての話が参加者にされた。
ゲストには三井不動産(株)関内プロジェクト推進準備室室長の青木氏らを迎えた。また、まちづくりから見出せるスポーツの課題についてもディスカッションが行われた。
第2回の内容を踏まえ、スポーツが街に与える影響や、そもそもの影響の作り方について学ぶ会。第3回では北海道日本ハムファイターズ取締役・前沢 賢 氏が登場し、日本ハムファイターズが北海道という地に対して行ってきた活動、そしてファンづくりの秘訣について話がされた。
全5回の内、唯一NPB球団の役員からの講義ということで、非常に盛り上がりも見せた。一方、地域創生の観点から創造系不動産(株)の代表・髙橋氏も登壇。"まちづくり"を主観点としたスポーツの必要性・創造性についても学ぶ場となった。
第4回では、NPBや野球、横浜といった枠を外し、世界のスポーツビジネスの最先端事例から「そもそもスポーツの価値とは?」といった内容を紐解くディスカッションが行われた。また、第4回の最後には、これまで学んだことを踏まえて自分たちで課題を見つけ自分たちが思う事業計画書を作成し、第5回の発表に臨む準備がされた。
加えて、参加者が考える課題に対して1人で考えるのではなく、解決策のブラッシュアップに向けたワークショップも実施。1人の発案からより良い方向に導くためには何が必要かと、多角的な視野を持てる場にもなった。
これまでの受講を通じて自身が考えることを発表しあう場。横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長・木村 氏を筆頭に、各講師がピックアップした5名が全員の前で自身が考える事業計画書をプレゼンし、5名の講師直々にフィードバックを受ける時間となった。5名以外の参加者は、発表会の後にグループ内でそれぞれが思う事業計画について発表し、フィードバック・意見交換が行われた。
また最後には懇親会が開かれ、全員で楽しみながら食事を楽しむ場も設けられた。食事はもちろん、名刺交換なども行われ、それぞれが「手ブラで帰らない」と吸収力高く、最後の1秒まで講師の方々へ質問をしたり、参加者同士で交流を深めるなどをし、会は締めくくられた。
30名の定員に対して2倍以上の応募があり、応募者の中からベイスターズ側が書類選考と面談をした上で選抜された39名が参加。大手企業の元取締役、自身でスポーツ事業を展開する経営者、TVやメディアの方、コンサル企業に勤める会社員、また大学生など、20代~60代まで多種多様な人材が集まった。
また参加費が11万円かかることで、参加者1人ひとりの熱も非常に高い。生半可な参加者はおらず「10分間の小休憩を取る」というシーンでも名刺交換に列ができていた。1対1で情報交換、グループディスカッションを行ったグループで講師に質問、他チームとのアイデア共有など、講義以外の時間でもそれぞれが積極的にアクションを起こしていた。そもそも遠方からキャリーケースを持って参加している方もいたほどだ。
「様々な方から応募いただき、結果的に年齢も経歴も幅広い方々が参加いただいた」とDeNAの担当者。学ぶだけではなく人脈作りも含め『横浜DeNAベイスターズ』を通じた横の繋がりを創れるようにと意図していたとのこと。同ビジネススクールの卒業生との交流も実施しており、現在の横の繋がりだけではなく、1期生⇔2期生といった"縦"の繋がりも創っていきたいと意気込む。「ベイスターズだけではなく、街を面白く盛り上げたい」という言葉もDeNAの担当者からはあり、その言葉通り全5回を通して非常に有益なビジネススクールとなったのではないだろうか。
第5回の発表会は集大成ということもあり非常にユニークであった。SDGsとフードロス問題交えた事業計画をはじめ、少子高齢化問題に対するベイスターズを通じてできる社会貢献活動の提案、LIVEコマースを用いた販売促進企画、グッズ等々コレクションの活用方法……etc 詳細は伝えきれないが、それぞれが思う『スポーツ』を通じて実現したいこと等々を発表していた。
これは同ビジネススクールの最大の価値でもあると思うが、上記の発表に対して『横浜DeNAベイスターズ』の社長をはじめ、各界の著名人から直々にコメントをいただけるのは何よりの魅力。「企画は面白いけど、今の時代ではマッチしないのでは?」「じゃあ今の時代・今のフェーズでやるなら、ココまで落とし込んでみては?」と、講師同士で議論がされるシーンも常に見られた。参加者はもちろん、全員で1つの課題に対して考えられる・考えてくれる本企画のような場所は、そうそうないだろう。
ここまで伝えると『事業計画を考える会』と捉えられてしまうかもしれないが、細かい話をすると講師からは「グループワークする際のコツ」など、会社生活でも使えるようなアドバイスも常に送られていた。「日本人は短所を見つけるのは得意。だけど長所を見つけて褒めることがとても大切。だからグループワーク中は「あなたのココが良い」「ココってもっと伸ばせそうじゃない?」とポジティブに話し合うことが重要」「ベイスターズという枠を一回取り払って考えることで、より世界が広がるかもしれない。企画を詰め込みすぎて迷ったときは、一度全ての武装を外してみることも大切。私たちも、作って壊して・作って壊しての繰り返しだから」などなど。
会が終了した際には、実際に「本気で一緒に企画を進めたいと思っているから、改めて提案の時間がほしい」と営業する参加者もいれば「3回目にも参加し、自分の今後に活かしたい」と息巻く参加者もいた。もっと言うと、そのような意識の高い参加者がほとんどであった。このことから、社会人であれば自身が所属する会社でより成果を上げるだろうし、学生であれば自身の進路を決める際の視野が広がるはず。既にビジネスを持っている参加者であれば、ビジネスの成熟はもちろん、本企画を通じて学んだことからもう一本の新たなビジネスの柱を立ち上げるキッカケにもなると考えても大げさではない。いずれにせよ、参加者が考えた事業企画を否定する人間は誰一人としていなかったし、すでに"同士"という空気感もそこにはあった。参加者の未来は間違いなく明るい。この場所の価値は、多角的にビジネスを学びアウトプットできることに加えて、同じ志を持つ仲間を創れることにもある。
※第3回目の開催も検討中!参加をご希望の方は、三期生募集のリリースをお楽しみに!
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