「根性だけじゃ無理」トップアスリートを診てきた理学療法士が変えたい、部活動の在り方とスポーツそのものの文化とは?

川本整形外科:理学療法士 阿達 大地郎

「根性だけじゃ無理」トップアスリートを診てきた理学療法士が変えたい、部活動の在り方とスポーツそのものの文化とは?

川本整形外科:理学療法士 阿達 大地郎

「スポーツの文化そのものを変えたい」

「40歳を超えても普通に現役を続けるアスリートを増やしたい」

こう語るのは、神奈川県川崎市にある『川本整形外科』にて、理学療法士として活躍されている阿達 大地郎 (あだち だいちろう)さん。早稲田大学在学中にはラグビー部の学生トレーナーとして活躍し、トップアスリートの活躍を傍で支えてきた経歴を持つ。彼が学生時代に学んだ知識・経験を生かして医療行為をする中で感じたこととは?また、これから実現したい夢についても熱く語ってくれました。

さて。中にはきっと青春時代のすべてを部活に捧げてきた方も少なくないでしょう。「スポーツが好き」「趣味でも競技を続けたい」そんな想いを持つすべての人に、この話を読んでほしい。あなたもあなたの子どもも、周りの大人も学生も、知っておいて損はないことだから。

(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)

(PR)気軽にスポーツ情報ツウ?!「スポジョバ」公式LINEはこちら!


子どもの頃から将来の夢は「スポーツトレーナー」だった。ひたむきに夢を叶えるために選んできた道のり

__阿達さんは、幼少期からスポーツトレーナーという道を目指していたそうですね。また、今年の4月から『川本整形外科』さんで理学療法士としてご活躍されていらっしゃいますが、まずはこれまでのご経歴含め、簡単に教えていただけますか?

阿達:もともと野球を見ることが好きで。広島出身なのでカープの試合をよく見に行ってたんですが、当時から「スポーツを一番近くで見られる仕事がしたいな」「それなら選手を支える仕事をしたいな」と思って、トレーナーを目指して早稲田大学に入学しました。当時将来はプロ野球チームでアスレティックトレーナーをしたいと思っていたものの、野球のように限定された症例だけでなく、より多くの怪我やそれに対する処置を学んでから専門的な分野を探っていきたいという思い、ルールも知らないラグビー部で学生トレーナーをすることにしました。

__おぉ……!完全にイメージですけれど、それこそスポーツを本気でやっていたけどケガをしてしまって、その時のお医者さんやトレーナーさんに憧れて目指す方が多いと思っていたので、阿達さんのように最初からトレーナーを目指す方って、私の勉強不足ですが驚きです!学生トレーナー時代は、どんなことをされていたんですか?

阿達:テーピングとかストレッチとか、ヘッドトレーナーから処置の手伝い等々……。あとは遠征の時に必要な荷物のリスト作成やロッカールームの配置、アップまでの導線の確認など組織を組み立てていく上で重要なことも学ぶことができました。早稲田のラグビー部は週6で部活があるので、休みはありませんでしたが……(笑)ちなみに、幸いなことに僕が在籍していた4年間のうち3人のヘッドトレーナーから多くのことを学ばせていただきました。1、2年生のときに鍼灸師・柔道整復師の方に、3年生のときに海外でアスレティックトレーナーとして活躍されていた方に、4年生のときにラグビートップリーグに所属してトレーナーをやられていた方に教えていただいたんですけれど、ラグビーはもちろんですが、教科書では学べないような色んな知識を得ることができましたね。

__たしかにトレーナーの質で考えると、さまざまな知識を持っていたほうが診られる側も安心でしょうし。とはいえ現在はスポーツトレーナーではなく理学療法士さんですよね……?なにかキッカケがあったんですか?

阿達:ラグビー部の学生トレーナー時代、本当に色んなケガを見てきました。整形疾患の骨折も、脳神経疾患のたとえば脳震盪なども。さまざまな症例を見ていて「トップアスリートを見てきた自分だからこそ、卒業したあとに専門分野に行くよりも、さらに深い知識をつけたほうがいい」と思って、大学卒業後に専門学校に行って理学療法士になったという形。大きなキッカケみたいなものはなくって、もっと知りたい・学びたいという向上心が強くなった結果選びましたね。

__さきほどのお話に通ずるところがありますね!国家資格ですし、阿達さんの「トレーナーとして生きていきたい」という本気が伝わります。ちなみに専門学校卒業後に、チームのアスレティックトレーナーになろう!とか、そういった選択肢はあったんですか?

阿達:ありましたね!専門学校に在学していたときも、國學院大學のラグビー部で外部トレーナーとして働いていたので、プロラグビーチーム、その他いろんな分野のチームからオファ―もいただいたりしました。ただ、学生トレーナーを7年やってきたこと、せっかく理学療法の資格を取得したということもありまして、一旦一般就職をして、アスリートだけではなくてもっと小さな子どもや年配の方に対して治療行為を行いたいっていう気持ちのほうが強くなっていて。それで、早稲田大学時代にお世話になったドクター、ヘッドトレーナーがいる『川本整形外科』さんにお世話になることにしました。





理学療法の難しさもやりがいも。アスリートを診てきたからこそ深く理解ができている

__自分の知識の集大成を、プロではなくもっと多くの方に対して活かせる方向にシフトしたんですね!4月から働かれているとは思うのですが、実際働いてみていかがですか?

阿達:やっぱり、大学・専門と7年学生トレーナーをやっていたので、診やすい部分はあります。どんな部活をやっている学生が来院されたときでも、恐らくこういう痛みが出るだろうとかを理解した上でアプローチできています。この考えは、きっとあのとき野球に絞っていたらきっとできなかったことだとは思いますね。一方、アスリートと違って一般の方は身体の使い方が上手いわけではありません。立つ姿勢1つとっても全然違うので、身体の使い方の改善方法なども伝えられるのは、すごく喜んでいただけます。やりがいは大きいですよ!

__学生トレーナーとしてアスリートを診てきた阿達さんだからこそできる治療行為というわけですね!ケガしにくい身体の作り方といいますか、そういったアプローチをされているわけですから、患者さんも嬉しいでしょうし。

阿達:当院の場合は、結構遅くまでやっていることもあって、日中は年配の方やお子さんとその親御さん、夜は部活帰りの学生など、結構多くの方が来院されています。当然子どもにアスリートと同じリハビリをやってもらうのは難しいので、たとえば指のトレーニングでビー玉を掴み上げる”遊び”を一緒にしたりといった工夫は結構意識してやっています。今までとは違った治療方法を学べるのも、僕にとっては新鮮なんですよね!

__余談ですが、理学療法士さんは高齢者のリハビリを行う人たちというイメージが個人的にはあります。それこそ阿達さんも先ほど「一般の方はアスリートに比べて身体の使い方が上手くないから~」と仰ってましたけど、大変なことも敢えて伺えますか?

阿達1を10にすることは結構簡単なんですけれど、0を1にするのは難しいですね。たとえば四つ這いで体幹トレーニングするって、アスリートは簡単にできますが、その動き自体がそもそもできない方もいます。患者さんの年代に合わせた提案とかは、まだまだ勉強不足だなって。でも、だからこそ面白いなって思うことも多くて!

__いいですね!応援しています!ちなみに今は理学療法士さんですが、次のステップと言いますか、学んだ知識や経験を次はどう活かしたいとか考えていらっしゃるんですか?

阿達:プロ野球チームのアスレティックトレーナーという話もしましたけれど、今はスポーツの上を目指すのではなくて、スポーツの土台を支えていきたいって夢に少し変わりつつあるんですよ。中高生を見ていると、ケアをしていないからこそなってしまっている慢性障がいって結構多いので。ですから、まだ幼い時期からケアや予防方法を僕が伝えていくことで、10年後の日本のスポーツの質もクオリティも上げていきたいなって思っています。あとはもっとほかの分野、たとえば僕は高校のとき吹奏楽部だったので、吹奏楽部に対してトレーニング指導を行うとか!

__吹奏楽に……ですか??





スポーツ以外の分野にも良い影響を。トップアスリートだけでなく、学生たちにも同じように良い環境を創りたい

__吹奏楽って、それこそ肺活量を鍛えるためのトレーニングなどを指導されるってことですか?

阿達:そうですそうです!やっぱり吹奏楽部も息を吐くときのために腹筋とかのトレーニングするんですが、今思うと全然効率的じゃないなって(笑)息を吐くこととか強弱をつけやすくなる効率的なトレーニングを教えることで演奏の質を上げられるとも思っていて。スポーツの枠を超えたアプローチもしていきたいって思っています。

__いいですね!最近はスポーツより部活動・学生支援にフォーカスした会社・事業も増えてきている印象なので、時代にもマッチしているんじゃないかなって個人的には思います!また「すべての学生たちの将来のために頑張りたい」という阿達さんの本質も見えてきた気がします。

阿達やっぱり学生時代って、良くも悪くも「根性」でなんとかなっちゃうこと多いじゃないですか(笑)だから正しいトレーニングができていない人もいると思うんです。正しいトレーニングを教えて、身体のケアの方法を学生1人ひとりが理解できたら、きっとケガとかも減るでしょうし選手生命も長くなると思っていて。トップアスリートはアライメントとかもしっかり学べる環境ですが、それを大学とか高校とかに持ち込んでいきたいなって気持ちは強く持っていますね。

__私も根性で部活やってたのですごくわかります(笑)ちょっと余談ですが、私の高校は週1でトレーナーさんが来てくれてましたけど、身体について色々勉強できたので本当にありがたかったです。でも一握りですよね。私の友人の教師も、結構トレーナーさんを探していますし。

阿達:そうなんですよ!実際、トレーナーを求めているチームって非常に多くて。でも、受け入れる側の環境がまだまだ整ってないんです。私の先輩はボランティアでやっていますし。お伝えした背景も踏まえて、チーム・学校に1人はトレーナーが居るような未来を創りたい。トップアスリートだけではなくて、どんな関わり方をしている人であっても正しい身体の使い方を学べたり、パフォーマンスを上げられるケアを学べるようにしたいなって、夢・目標として胸に秘めています。

__どんな関わり方をしている人でも、身体の知識を自然と身につけられる環境って、めちゃめちゃいいですね!チームや学校に常駐なんてしてくれてたら、選手・生徒にとっては本当に最高の状態だと思います!スポーツ業界はもちろんですけど、トレーナー業界にも一石を投じるようなお話ですね!

阿達:実現できたら、雇用も生まれるでしょうしスポーツ業界のお金の動き方もきっと変わるでしょうし。あと選手生命もきっと、もっと伸びると思うんですよね!好循環を生めるように、まずは僕が母校に行ってできることから始めたり、川本整形外科でできることをもっと増やしたい。それが自分にできる一歩目だとも思うので、これからもコツコツ頑張っていきます!





最終的なゴールは「スポーツの文化を変える」。答えのない答えを導くために必要なマインド

__いいですね!母校での活躍も期待しています。また、仰る通りの世の中になったとしたら、もっとスポーツトレーナーは身近になるし、目指す人も増えると思います!ちなみに阿達さんは、今のスポーツ業界をどう見ているんですか?

阿達:日本がこれからもっとスポーツに力を入れていくという方針で動いているので、比例してトレーナー業界は今後もっと大きくなっていくだろうなって思います!それこそオリンピックが開催されるのであれば、実際需要は高まるでしょうし。あと個人的には、スポーツの文化そのものを変えていきたいなって思っていますね。

__はい?「スポーツの文化そのものを変える」って、どういうことですか?

阿達:「最上級=スポーツ」のように、スポーツそのものがブランド化しているように感じていまして。スポーツはトップアスリートがやるものだって。大学だと顕著なんですが、「野球部」と「野球サークル」って、雰囲気もお互いの見方も全然違うじゃないですか。同じ野球をやっているのに(笑)そういう隔たりを無くしたいんですよ。僕から見ると、同じスポーツをやっていて、同じようにケガする人はいるのに、ちょっとレベルが違うからって、そもそも環境が整ってなかったりするのってどうなのかなって思っていて。当然お金が絡んでくることなので、今すぐは実現できないと思いますが。

__なるほど!プロ・アマとかの次元ではなくて、もっと根本的なスポーツというものの魅力を再認識できた気がします。その上で、自分はプロが好き、アマが好きとかの選択の仕方でいいですもんね?それぞれ違った楽しみ方がありますし!

阿達:そう言っていただけて嬉しいです!ちなみに環境の話ですけれど、まだ世の中でトレーナーの重要性って理解されていないと思っていて。その重要性といいますか、必要性を色んなところで伝えていきたい。根性でなんとかなっちゃってるから学校もチームも「必要か?」ってなってる部分はあると思っています(笑)学生時代にトレーナーから身体の使い方・パフォーマンスを上げるためのケアとかを学べたら、アスリートってもっと増えると思うんですよね。だからこそ「若いうちからトレーナーと触れ合う場所って必要だよね」ってなるように、業界にも影響を与えられるような人間にもなっていきたいです。

__最高です!大きな目標を持たれている阿達さん、最後に一言お願いします!

阿達:僕なんてまだまだですよ(笑)正直、この仕事って答えがないので、答えを探し続けることが最大の目標なのかなって思ったりもしています。知りたいことを学び始めると、自分が思った以上にフィールドが広がる。当然医学も日々進歩していて、新しい論文や研究結果が随時出ています。日々情報を得て学び、自分の技術もブラッシュアップしないといけない。実現したい夢があるからこそ、これからも答えをずっと探し続けたい気持ちです!

__阿達さんの今後の活躍、応援しています!今回はありがとうございました!





【PROFILE】

阿達 大地郎 (あだち だいちろう)

メキシコ生まれ広島育ち。10歳の頃に帰国。小中で卓球部、高校では吹奏楽部に所属。大の広島カープファン。幼少期からの「スポーツ選手を支えられる仕事に就きたい」という夢を叶えるために上京。「野球以外の身体に起こるさまざまな症例を学ぶべく早稲田大学スポーツ科学部に進学。在学時には、ラグビー部の学生トレーナーとして活躍。その後、より専門性を高めるため理学療法士の道へ。専門学校に通う傍ら、先輩の紹介で國學院大學のラグビー部ヘッドトレーナーを務めた。卒業後は早稲田大学時代お世話になったドクター、トレーナーからの誘いで、現在の川本整形外科にて理学療法士として活躍している。

チョコレートをカカオ豆から作ることが趣味なほど、1つのことに没頭し始めたらとことん追求する性格の持ち主。また、休みなく過ごした学生時代の反動から、マイブームは全国各地をソロキャンプすること。「各地の名産をその場で調理して食べることが何よりの幸せ」と、嬉しそうに語ってくれた。オススメは砂浜が道路になっている、石川県の『千里浜なぎさドライブウェイ』。

【資格】理学療法士、NSCA-CSCS

【トレーナー歴】國學院大学ラグビーフットボール部ヘッドトレーナー、JFLラインメール青森春季キャンプ帯同


スポーツ業界のピックアップ求人





スポーツ業界のピックアップ記事




▶▶スポーツ業界の求人一覧をみる

▶▶スポーツ業界の記事一覧をみる



最新の取材記事


スポジョバ公式ライン



(PR)スポーツ求人の掲載ならスポジョバ!期間無制限で掲載費無料!



「スポーツの文化そのものを変えたい」

「40歳を超えても普通に現役を続けるアスリートを増やしたい」

こう語るのは、神奈川県川崎市にある『川本整形外科』にて、理学療法士として活躍されている阿達 大地郎 (あだち だいちろう)さん。早稲田大学在学中にはラグビー部の学生トレーナーとして活躍し、トップアスリートの活躍を傍で支えてきた経歴を持つ。彼が学生時代に学んだ知識・経験を生かして医療行為をする中で感じたこととは?また、これから実現したい夢についても熱く語ってくれました。

さて。中にはきっと青春時代のすべてを部活に捧げてきた方も少なくないでしょう。「スポーツが好き」「趣味でも競技を続けたい」そんな想いを持つすべての人に、この話を読んでほしい。あなたもあなたの子どもも、周りの大人も学生も、知っておいて損はないことだから。

(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)

(PR)気軽にスポーツ情報ツウ?!「スポジョバ」公式LINEはこちら!


子どもの頃から将来の夢は「スポーツトレーナー」だった。ひたむきに夢を叶えるために選んできた道のり

__阿達さんは、幼少期からスポーツトレーナーという道を目指していたそうですね。また、今年の4月から『川本整形外科』さんで理学療法士としてご活躍されていらっしゃいますが、まずはこれまでのご経歴含め、簡単に教えていただけますか?

阿達:もともと野球を見ることが好きで。広島出身なのでカープの試合をよく見に行ってたんですが、当時から「スポーツを一番近くで見られる仕事がしたいな」「それなら選手を支える仕事をしたいな」と思って、トレーナーを目指して早稲田大学に入学しました。当時将来はプロ野球チームでアスレティックトレーナーをしたいと思っていたものの、野球のように限定された症例だけでなく、より多くの怪我やそれに対する処置を学んでから専門的な分野を探っていきたいという思い、ルールも知らないラグビー部で学生トレーナーをすることにしました。

__おぉ……!完全にイメージですけれど、それこそスポーツを本気でやっていたけどケガをしてしまって、その時のお医者さんやトレーナーさんに憧れて目指す方が多いと思っていたので、阿達さんのように最初からトレーナーを目指す方って、私の勉強不足ですが驚きです!学生トレーナー時代は、どんなことをされていたんですか?

阿達:テーピングとかストレッチとか、ヘッドトレーナーから処置の手伝い等々……。あとは遠征の時に必要な荷物のリスト作成やロッカールームの配置、アップまでの導線の確認など組織を組み立てていく上で重要なことも学ぶことができました。早稲田のラグビー部は週6で部活があるので、休みはありませんでしたが……(笑)ちなみに、幸いなことに僕が在籍していた4年間のうち3人のヘッドトレーナーから多くのことを学ばせていただきました。1、2年生のときに鍼灸師・柔道整復師の方に、3年生のときに海外でアスレティックトレーナーとして活躍されていた方に、4年生のときにラグビートップリーグに所属してトレーナーをやられていた方に教えていただいたんですけれど、ラグビーはもちろんですが、教科書では学べないような色んな知識を得ることができましたね。

__たしかにトレーナーの質で考えると、さまざまな知識を持っていたほうが診られる側も安心でしょうし。とはいえ現在はスポーツトレーナーではなく理学療法士さんですよね……?なにかキッカケがあったんですか?

阿達:ラグビー部の学生トレーナー時代、本当に色んなケガを見てきました。整形疾患の骨折も、脳神経疾患のたとえば脳震盪なども。さまざまな症例を見ていて「トップアスリートを見てきた自分だからこそ、卒業したあとに専門分野に行くよりも、さらに深い知識をつけたほうがいい」と思って、大学卒業後に専門学校に行って理学療法士になったという形。大きなキッカケみたいなものはなくって、もっと知りたい・学びたいという向上心が強くなった結果選びましたね。

__さきほどのお話に通ずるところがありますね!国家資格ですし、阿達さんの「トレーナーとして生きていきたい」という本気が伝わります。ちなみに専門学校卒業後に、チームのアスレティックトレーナーになろう!とか、そういった選択肢はあったんですか?

阿達:ありましたね!専門学校に在学していたときも、國學院大學のラグビー部で外部トレーナーとして働いていたので、プロラグビーチーム、その他いろんな分野のチームからオファ―もいただいたりしました。ただ、学生トレーナーを7年やってきたこと、せっかく理学療法の資格を取得したということもありまして、一旦一般就職をして、アスリートだけではなくてもっと小さな子どもや年配の方に対して治療行為を行いたいっていう気持ちのほうが強くなっていて。それで、早稲田大学時代にお世話になったドクター、ヘッドトレーナーがいる『川本整形外科』さんにお世話になることにしました。





理学療法の難しさもやりがいも。アスリートを診てきたからこそ深く理解ができている

__自分の知識の集大成を、プロではなくもっと多くの方に対して活かせる方向にシフトしたんですね!4月から働かれているとは思うのですが、実際働いてみていかがですか?

阿達:やっぱり、大学・専門と7年学生トレーナーをやっていたので、診やすい部分はあります。どんな部活をやっている学生が来院されたときでも、恐らくこういう痛みが出るだろうとかを理解した上でアプローチできています。この考えは、きっとあのとき野球に絞っていたらきっとできなかったことだとは思いますね。一方、アスリートと違って一般の方は身体の使い方が上手いわけではありません。立つ姿勢1つとっても全然違うので、身体の使い方の改善方法なども伝えられるのは、すごく喜んでいただけます。やりがいは大きいですよ!

__学生トレーナーとしてアスリートを診てきた阿達さんだからこそできる治療行為というわけですね!ケガしにくい身体の作り方といいますか、そういったアプローチをされているわけですから、患者さんも嬉しいでしょうし。

阿達:当院の場合は、結構遅くまでやっていることもあって、日中は年配の方やお子さんとその親御さん、夜は部活帰りの学生など、結構多くの方が来院されています。当然子どもにアスリートと同じリハビリをやってもらうのは難しいので、たとえば指のトレーニングでビー玉を掴み上げる”遊び”を一緒にしたりといった工夫は結構意識してやっています。今までとは違った治療方法を学べるのも、僕にとっては新鮮なんですよね!

__余談ですが、理学療法士さんは高齢者のリハビリを行う人たちというイメージが個人的にはあります。それこそ阿達さんも先ほど「一般の方はアスリートに比べて身体の使い方が上手くないから~」と仰ってましたけど、大変なことも敢えて伺えますか?

阿達1を10にすることは結構簡単なんですけれど、0を1にするのは難しいですね。たとえば四つ這いで体幹トレーニングするって、アスリートは簡単にできますが、その動き自体がそもそもできない方もいます。患者さんの年代に合わせた提案とかは、まだまだ勉強不足だなって。でも、だからこそ面白いなって思うことも多くて!

__いいですね!応援しています!ちなみに今は理学療法士さんですが、次のステップと言いますか、学んだ知識や経験を次はどう活かしたいとか考えていらっしゃるんですか?

阿達:プロ野球チームのアスレティックトレーナーという話もしましたけれど、今はスポーツの上を目指すのではなくて、スポーツの土台を支えていきたいって夢に少し変わりつつあるんですよ。中高生を見ていると、ケアをしていないからこそなってしまっている慢性障がいって結構多いので。ですから、まだ幼い時期からケアや予防方法を僕が伝えていくことで、10年後の日本のスポーツの質もクオリティも上げていきたいなって思っています。あとはもっとほかの分野、たとえば僕は高校のとき吹奏楽部だったので、吹奏楽部に対してトレーニング指導を行うとか!

__吹奏楽に……ですか??





スポーツ以外の分野にも良い影響を。トップアスリートだけでなく、学生たちにも同じように良い環境を創りたい

__吹奏楽って、それこそ肺活量を鍛えるためのトレーニングなどを指導されるってことですか?

阿達:そうですそうです!やっぱり吹奏楽部も息を吐くときのために腹筋とかのトレーニングするんですが、今思うと全然効率的じゃないなって(笑)息を吐くこととか強弱をつけやすくなる効率的なトレーニングを教えることで演奏の質を上げられるとも思っていて。スポーツの枠を超えたアプローチもしていきたいって思っています。

__いいですね!最近はスポーツより部活動・学生支援にフォーカスした会社・事業も増えてきている印象なので、時代にもマッチしているんじゃないかなって個人的には思います!また「すべての学生たちの将来のために頑張りたい」という阿達さんの本質も見えてきた気がします。

阿達やっぱり学生時代って、良くも悪くも「根性」でなんとかなっちゃうこと多いじゃないですか(笑)だから正しいトレーニングができていない人もいると思うんです。正しいトレーニングを教えて、身体のケアの方法を学生1人ひとりが理解できたら、きっとケガとかも減るでしょうし選手生命も長くなると思っていて。トップアスリートはアライメントとかもしっかり学べる環境ですが、それを大学とか高校とかに持ち込んでいきたいなって気持ちは強く持っていますね。

__私も根性で部活やってたのですごくわかります(笑)ちょっと余談ですが、私の高校は週1でトレーナーさんが来てくれてましたけど、身体について色々勉強できたので本当にありがたかったです。でも一握りですよね。私の友人の教師も、結構トレーナーさんを探していますし。

阿達:そうなんですよ!実際、トレーナーを求めているチームって非常に多くて。でも、受け入れる側の環境がまだまだ整ってないんです。私の先輩はボランティアでやっていますし。お伝えした背景も踏まえて、チーム・学校に1人はトレーナーが居るような未来を創りたい。トップアスリートだけではなくて、どんな関わり方をしている人であっても正しい身体の使い方を学べたり、パフォーマンスを上げられるケアを学べるようにしたいなって、夢・目標として胸に秘めています。

__どんな関わり方をしている人でも、身体の知識を自然と身につけられる環境って、めちゃめちゃいいですね!チームや学校に常駐なんてしてくれてたら、選手・生徒にとっては本当に最高の状態だと思います!スポーツ業界はもちろんですけど、トレーナー業界にも一石を投じるようなお話ですね!

阿達:実現できたら、雇用も生まれるでしょうしスポーツ業界のお金の動き方もきっと変わるでしょうし。あと選手生命もきっと、もっと伸びると思うんですよね!好循環を生めるように、まずは僕が母校に行ってできることから始めたり、川本整形外科でできることをもっと増やしたい。それが自分にできる一歩目だとも思うので、これからもコツコツ頑張っていきます!





最終的なゴールは「スポーツの文化を変える」。答えのない答えを導くために必要なマインド

__いいですね!母校での活躍も期待しています。また、仰る通りの世の中になったとしたら、もっとスポーツトレーナーは身近になるし、目指す人も増えると思います!ちなみに阿達さんは、今のスポーツ業界をどう見ているんですか?

阿達:日本がこれからもっとスポーツに力を入れていくという方針で動いているので、比例してトレーナー業界は今後もっと大きくなっていくだろうなって思います!それこそオリンピックが開催されるのであれば、実際需要は高まるでしょうし。あと個人的には、スポーツの文化そのものを変えていきたいなって思っていますね。

__はい?「スポーツの文化そのものを変える」って、どういうことですか?

阿達:「最上級=スポーツ」のように、スポーツそのものがブランド化しているように感じていまして。スポーツはトップアスリートがやるものだって。大学だと顕著なんですが、「野球部」と「野球サークル」って、雰囲気もお互いの見方も全然違うじゃないですか。同じ野球をやっているのに(笑)そういう隔たりを無くしたいんですよ。僕から見ると、同じスポーツをやっていて、同じようにケガする人はいるのに、ちょっとレベルが違うからって、そもそも環境が整ってなかったりするのってどうなのかなって思っていて。当然お金が絡んでくることなので、今すぐは実現できないと思いますが。

__なるほど!プロ・アマとかの次元ではなくて、もっと根本的なスポーツというものの魅力を再認識できた気がします。その上で、自分はプロが好き、アマが好きとかの選択の仕方でいいですもんね?それぞれ違った楽しみ方がありますし!

阿達:そう言っていただけて嬉しいです!ちなみに環境の話ですけれど、まだ世の中でトレーナーの重要性って理解されていないと思っていて。その重要性といいますか、必要性を色んなところで伝えていきたい。根性でなんとかなっちゃってるから学校もチームも「必要か?」ってなってる部分はあると思っています(笑)学生時代にトレーナーから身体の使い方・パフォーマンスを上げるためのケアとかを学べたら、アスリートってもっと増えると思うんですよね。だからこそ「若いうちからトレーナーと触れ合う場所って必要だよね」ってなるように、業界にも影響を与えられるような人間にもなっていきたいです。

__最高です!大きな目標を持たれている阿達さん、最後に一言お願いします!

阿達:僕なんてまだまだですよ(笑)正直、この仕事って答えがないので、答えを探し続けることが最大の目標なのかなって思ったりもしています。知りたいことを学び始めると、自分が思った以上にフィールドが広がる。当然医学も日々進歩していて、新しい論文や研究結果が随時出ています。日々情報を得て学び、自分の技術もブラッシュアップしないといけない。実現したい夢があるからこそ、これからも答えをずっと探し続けたい気持ちです!

__阿達さんの今後の活躍、応援しています!今回はありがとうございました!





【PROFILE】

阿達 大地郎 (あだち だいちろう)

メキシコ生まれ広島育ち。10歳の頃に帰国。小中で卓球部、高校では吹奏楽部に所属。大の広島カープファン。幼少期からの「スポーツ選手を支えられる仕事に就きたい」という夢を叶えるために上京。「野球以外の身体に起こるさまざまな症例を学ぶべく早稲田大学スポーツ科学部に進学。在学時には、ラグビー部の学生トレーナーとして活躍。その後、より専門性を高めるため理学療法士の道へ。専門学校に通う傍ら、先輩の紹介で國學院大學のラグビー部ヘッドトレーナーを務めた。卒業後は早稲田大学時代お世話になったドクター、トレーナーからの誘いで、現在の川本整形外科にて理学療法士として活躍している。

チョコレートをカカオ豆から作ることが趣味なほど、1つのことに没頭し始めたらとことん追求する性格の持ち主。また、休みなく過ごした学生時代の反動から、マイブームは全国各地をソロキャンプすること。「各地の名産をその場で調理して食べることが何よりの幸せ」と、嬉しそうに語ってくれた。オススメは砂浜が道路になっている、石川県の『千里浜なぎさドライブウェイ』。

【資格】理学療法士、NSCA-CSCS

【トレーナー歴】國學院大学ラグビーフットボール部ヘッドトレーナー、JFLラインメール青森春季キャンプ帯同


スポーツ業界のピックアップ求人





スポーツ業界のピックアップ記事




▶▶スポーツ業界の求人一覧をみる

▶▶スポーツ業界の記事一覧をみる



最新の取材記事


スポジョバ公式ライン



(PR)スポーツ求人の掲載ならスポジョバ!期間無制限で掲載費無料!



友達追加するとあなたに合ったスポーツ業界情報をおしらせできます

友達追加する!

スポーツ業界の求⼈を探す


X
X
スポーツ業界の求⼈を探す

X

X

スポジョバについてもっと知る気軽にスポーツ業界の情報を知る

スポジョバ 公式SNS

フォローすればスポーツ業界の情報感度が上がる!

気になる
求人