「プロスポーツチームの運営スタッフ」
スポジョバでも、競技やリーグを問わず、掲載すると応募が多く寄せられる人気の職種です。
自分の好きなスポーツに関われて、プロ選手と一緒に仕事が出来る・・・そんなイメージは出来ても、実際、具体的にはどんな業務を行っているのでしょうか。
北海道にあるB.LEAGUEの「レバンガ北海道」のスタッフ、由田拓己さん(33歳)にお話を伺いました。
(取材・構成=スポジョバ編集部 荻野仁美)
ーー由田さんがレバンガ北海道に入社したのは2016年。ちょうどB.LEAGUE元年ですね!
由田:はい。もともと高校までバスケをやっていてNBAを見るのが好きなバスケ好きだったんです。そんな中でのB.LEAGUE開幕は私の中でもちょっと衝撃で。あぁこれから日本のバスケが変わっていくんだなぁと思いました。20代後半になってライフスタイルや趣味趣向が変化する中でも、自分の変わらず好きな物ってバスケだという事にも改めて気が付いて。当時は不動産の営業をやっていたんですが、レバンガ北海道の求人を見つけて、そこに僕も入りたい!と思いました。
ーーそんなバスケ愛と、前職のイベント会社での経験が買われて入社が叶った由田さん。今はどんな業務をされていますか?
由田:ゲームオペレーションディビジョンという部署に属しています。訳すと試合運営の部署なんですけど、試合運営に関わる事、試合のイベントに関わる事なんでもやります!って感じです。ハーフタイムや会場内のブースの企画、来場して頂くためのイベントだったりを外部のイベント会社や代理店の方と一緒に企画して進めています。面白いものだと過去に「ギャル割」なんてイベントもやりました(笑)
ーー「ギャル割」?!
由田:サンロッカーズ渋谷というチームをホームに迎える時の企画会議で、渋谷ならギャルでしょう!となりまして。まぁこの時点でアイディアがおじさんなんですけど(笑)現役のギャル、もしくは元ギャルは自由席を先着100名109円にしたんです。値段もSHIBUYA109にちなんでいます。後、選手の写真もギャルに加工して展示して、受付の子にはギャルの恰好をしてもらいました(笑)
ーーなんともユニークな企画ですね(笑)
由田:この企画の肝は、元ギャルもOKにした事なんです。元ギャルの方には証拠として当時の写真やプリクラをお持ち頂いたんですけど、それをご家族やご友人の前で披露する。そうすると受付で「えーっ昔こんなだったのー?」「やだもー」みたいなやり取りが生まれて。それがすごく楽しそうだったんですよね。そのままそんな会話をしながら会場に入っていく。全くバスケとは関係ないけれど、試合会場に来た事でバスケとはまた違うプラスαの楽しさが生まれている。新しいコミュニケ―ションが生まれている。そういった展開をもっと起こしていきたいですね。
ーー仕事の中で由田さんがやりがいを感じるのはどんな時ですか。
由田:試合中、僕は自分の業務があるので、ほぼ試合が見られないんですけど、競った試合の時だとアリーナから歓声が聞こえてきたりする。僕たちが作り上げた会場で数千人が喜んだり悔しんだりして、勝ったら一緒に感動して…何物にも代え難いです。最後、勝って数千人のファンが喜んで帰る時の表情を見ると、しんどかったけど今日も試合開催出来てよかったなって思います。
ーーそれは運営側にいないと感じられない喜びですね。
由田:そうですね。実は今、僕たちと一緒に試合運営をしてくれるボランティアを募集しています。今も稼働して頂いている方々はいらっしゃるんですが、もっと多くの方に参加して頂きたいです。活動内容としては、まずは会場設営や試合後の撤収作業。椅子を並べたりだとか体育館にシートを敷いたり。試合当日は、入場口でお出迎えしてチケットをチェックしたり、入場したお客様に配布物を渡すとか、ブースの受付作業をお任せする事もあります。
ーー前日から試合当日までずっと参加出来ないとダメですか?
由田:いえいえ!土日開催の時は金曜日の夜に会場設営するんですが、金曜日の夜、仕事終わりで来てくれる方もいらっしゃいますよ!夕方2時間だけ手伝うよーとか。土日休みの方は試合の日だけ来てくれたり。スケジュールが合うタイミングでお願いしています。
ーーなるほど!ボランティアの方の声はどんなものがありますか?
由田:うちは結構ボランティアさんにお任せする部分があるんです。例えばハロウィンの時期にブースを装飾する。グッズは用意して、どんな風にレイアウトするかは女性のボランティアさんのセンスにお任せしたり。それが楽しいって声も頂きます。その他のボランティア活動やアルバイトでは出来ないようなやりがいや楽しさを感じてくれています。
ーー自分で考えて行うことはやりがいに繋がりますね。将来、スポーツ現場で働きたいって思っているような学生さんにはいい学びの場になるかも!
由田:そうなんです!学生さんには是非スキルアップとか就職に向けての活動の場として利用して頂きたいです。僕ももう33歳なので20歳の子が何考えているか正直よくわからない(笑)なので企画をお願いしたり、こういう事したら若い人たちは楽しいよとか是非アイディアを出して欲しい。今後、僕たちの企画会議に学生ボランティアの子に参加してもらったりといった展開も考えています。
ーーじゃあ「ギャル割」の様な企画がボランティアの方から生まれるかもしれないですね!
由田:そうですね(笑)どんどん欲しいです。アイディア出している時って一番楽しいんですよね。でも僕も4年間勤めているとだんだん凝り固まってくる。突拍子もない意見とか今の社員の話し合いだけでは出てこないので、捉われていない人の意見が欲しいです。うちは新しい事どんどんやろうよって考えのチームなので。ちょっと攻めた企画も取り入れたいです!
ーー由田さんの様にプロスポーツチームの運営に関わりたい方は沢山いらっしゃるんですが、働く上で大切な事ってなんだと思いますか。
由田:そうですね…絶対にそのクラブの事を愛していないと続けられないと思います。好きなだけじゃ出来ない仕事だけど、確実に好きじゃないと出来ない仕事なので。クラブへの愛は必要です。ボランティアの方も一緒ですね。レバンガ北海道が掲げているクラブスローガンが「北海道から明日のガンバレを。」なんですけど、その気持ちを一緒に持ってくれて、試合を見に来てくれた方にそういった気持ちを一緒に与えようってマインドを持った方。
ーー由田さん自身も、レバンガ北海道を愛してますか?
由田:はい!愛してます!!(照笑)
ーー力強い愛の言葉ありがとうございます!では最後に、レバンガ北海道の目指す姿を教えて下さい。
由田:チームとしてはチャンピオンシップの出場。まずはそこを目指したい。そして、ゆくゆくはB.LEAGUEでの優勝。その時にブースターやスポンサー、ボランティアの皆さんと一緒に喜びたい。一緒に過ごす時間が長かったり、濃ければよりその喜びも大きいものになるのかなと思っています。後、僕たちフロントスタッフの気持ちとしては、試合の結果に関わらず、今日楽しかったな、ブースやハーフタイム面白いことやってたから来てよかったなとか、バスケ以外でも楽しかったなと思える会場作りを目指したいですね。
【PROFILE】
由田 拓己(よしだ・たくみ)
1987年北海道札幌市生まれ。高校までバスケットボール部に所属。イベント運営会社勤務、不動産営業を経て、B.LEAGUE元年の2016年11月にレバンガ北海道に入社。試合運営やイベント運営など幅広い業務を担当。
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