テニスに詳しくない人でも一度は耳にしたことがあるはずの言葉、「ウィンブルドン」。
そのテニスの聖地において、最も格式の高い場所がセンターコートです。
聖地中の聖地、センターコートには、とんでもないこだわりが秘められていました。
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各テニス会場のメインコートの事を、通称「センターコート」といいます。
しかし英語で「Center court」(Cが大文字)と表現する時は、世界でたったひとつ、ウィンブルドンのセンターコートを指します。
それだけ世界中の人々に知られたコートです。
場所は、イギリスの主都ロンドンのウィンブルドン地区にある「オール・イングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ」というテニスクラブの中です。
美しい芝のコートで、その周りを囲むように客席があり、席数は1万5000席。
VIP達の特等席「ロイヤルボックス」には、イギリス王室のロイヤルファミリーの姿や、ハリウッドスター、有名スポーツ選手など世界のセレブリティの姿もよく見られます。
また2009年には開閉式の屋根も設置されたため、雨天時の試合も可能になりました。
ウィンブルドンのセンターコートは美しい芝で有名ですが、それもそのはず、年間で使用できるのは、ウィンブルドンの大会期間中のみ。
つまり1年の内のたった2週間の為に、この芝は養生されているのです。
精鋭の芝職人たちが管理をしていて、大会前に8mmに統一して刈り込まれます。
もちろん大会中も天候などに合わせて徹底管理。
そして大会が終わると・・・また1年後の為に、新しく植え変えて、その時を待ちます。
2020年のウィンブルドン大会は、新型コロナウイルス感染症の影響で、戦後初めて中止が決定しています。
芝の使用期間の都合上、他の時期に延期出来ない事も中止の要因のひとつと考えられています。
美しい芝を守るために奮闘しているのは、人間だけではありません。
ウィンブルドンにはユニークなスタッフがいます。それが鷹のルーファス君!
以前ウィンブルドンでは、鳩や野鳥が芝の芽を食べてしまったり、乱入し試合が中断される出来事が続きました。
そこで登場したのがルーファス君です。大会期間中の朝、ウィンブルドン上空を飛行して鳩や野鳥を追い出しています。
その姿は、空の守護神そのもの!ちなみに鷹のルーファス君はtwitterも開設していて、そのフォロワーは1万人以上の人気者です。
守り抜かれたウィンブルドンのセンターコート。
毎年、一番最初に足を踏み入れられる選手も決まっています。
それが前年度の優勝者、ディフェンディング・チャンピオンです。
大会初日の第一試合、センターコートのオープニングマッチは、必ず前年度の男子シングルス優勝者の試合が組まれます。
真っ新な美しい芝に、ディフェンディング・チャンピオンが足を踏み入れる瞬間から、その年のウィンブルドンは本格的に始まります。
誇らしい王者の表情が見られるその瞬間も、ウィンブルドンの見どころのひとつです。
芝コートの特徴って?詳しくはこちらの記事へ→テニスコートの種類とは?砂、土、ハード?各特徴も紹介!
ウィンブルドンのセンターコートのチケットは、世界で一番とれないテニスのチケットです。
事前にとるには、前年度からの申し込みが必要です。
抽選となるので必ずしもチケットがとれるとは限りません。
チケット付きの公式のパックツアーを利用するのも手です。
また当日券もあります。ウィンブルドンでは、当日券に並ぶことを「Queuing(キューイング)」といい、ひとつの名物になっています。
チケットをとる為に、前日からテントなどを張って並びます。行列する公園内には売店などもあり、ピクニック気分で並ぶ事が出来ます。
以前、地元イギリスのトップ選手、アンディ・マレー選手のお母さんが、チケットの行列に並んでいる人たちに差し入れをした事も話題になりました。
当日の再販売(リセール)という制度もあります。
ウィンブルドン観戦に来た人が、途中で帰る時、好意で置いていったチケットを割安で販売している方法です。好意で置いていかれるチケットなので、 何時頃どれくらいのチケットがリセールになるのかは時の運です。
いかがでしたか?
ウィンブルドンはグランドスラム、四大大会の中でも別格で「伝統と格式のウィンブルドン」とも称されます。
そのウィンブルドンのセンターコート、テニスファンなら一度は訪れたい場所ですよね。
是非、観戦の際はその歴史とこだわりにも注目してみてください!
Text:荻野仁美/Photo:荻野仁美
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