スポーツ庁忰田が考えるスポーツ業界の役割!市場15兆円への道のり(後編)

スポーツ庁参事官補佐 忰田康征

スポーツ庁忰田が考えるスポーツ業界の役割!市場15兆円への道のり(後編)

スポーツ庁参事官補佐 忰田康征

◆スポーツ庁が掲げたスポーツ市場15兆円への道のりを様々な角度からアプローチ!約10年で3倍になる可能性に満ち溢れたスポーツ市場ですが、実態はどうなっているのでしょうか。

◆現状の取り組みや課題、今後の可能性など、有名無名に関係なく業界の実務者にインタビューしていきます!これから”スポーツ”ビジネスへ飛び込もうとしているあなたへ、ビジネスを加速させるヒントになるような情報をお届けしていきます!




目次


- 第1回インタビューはスポーツ庁で働く忰田さん!

- 具体的にどんな業務を行っているのか?

- 日本のスポーツ業界の成長のためには何が必要か?

- スポーツ業界にどんな想いでアプローチしているのか。

- スポーツの多様な価値を再定義、そして広めていく。





スポーツ市場は本当に大きくなるの!?市場15兆円への道のり



第1回インタビューはスポーツ庁で働く忰田さん!


記念すべき第1回インタビューの相手はスポーツ庁の参事官(民間スポーツ担当)付 参事官補佐という立場で、スポーツビジネスの活性化に関する業務全般を担当している忰田さんです!

インタビュー前編はこちら!→スポーツ市場は本当に大きくなるのか!?市場15兆円への道のり(前編)

前編までは主にスポーツ庁に入る前についてお話を伺いました。これからは、いよいよ、今後のスポーツ市場について現状の業務などを交えてインタビューしていきたいと思います。



具体的にどんな業務を行っているのか?


- 一般的には、スポーツ庁というのはまだまだなじみがないものだと思います。忰田さんはスポーツ庁の参事官補佐として具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか?

スポーツビジネスの活性化に関する業務全般を担当しています。

ハード面では従来の郊外型で単機能の大規模スポーツ施設をまちづくりや地域活性化の核にするスタジアム・アリーナ改革。

また、ソフト面ではスポーツと他業界の共創により新事業創出を目指すスポーツオープンイノベーションプラットフォームの推進。

他にも中央競技団体の経営力強化やスポーツ経営人材育成コースの開設など、

幅広い事業を実施しています。





日本のスポーツ業界の成長のためには何が必要か?


- 業務範囲が広いですね!

オーストラリア留学をしてみて、これから日本のスポーツ業界が成長していくために必要なことは何だと実感しましたか?

スポーツを自分と関係のあるものと捉えてくれる人や組織を増やしていくことがまず第一に必要だと思います。

スポーツ庁に出向して2年経ちますが、着任当時と比べて多種多様な業界の方と関わる機会が増えましたね。

着任当時は、スポーツビジネスということでわかりやすい、スポーツ用品やプロスポーツ関係の方が中心でした。

しかし最近では、スポーツにスポンサーをしている企業やベンチャーキャピタル、スタートアップ、地方公共団体等々、より多くの業界の方々がスポーツで何かやりたいということでお会いする機会が増えました。

この2年間だけでも、実際にスポーツ業界の裾野が広くなっていくことを業務を通じて感じています。

- 確かに、スポーツ業界を大きくしていくためには、そもそもスポーツに関係する組織や人々を増やしていく必要はありますよね。

実際に、私たちの「スポジョバ」というサービスでも、適切な人に適切な情報を提供し、『価値あるスポーツの繋がりを作る』ことがスポーツ市場の広がりを加速させると信じて運営をしています。

では、スポーツに関わる人、組織を増やす上で、どのようなことが大切だと忰田さんはお考えですか?

スポーツに関わる人・組織を増やす上で大切だと感じていることが3つあります。

1つ目は、スポーツ団体がサービス提供機関に生まれ変わること。

2つ目は、スポーツの価値を再定義すること。

3つ目は、スポーツの価値を受益者の言葉で伝えていくこと。



- これだけだと分かりそうで分からないですね(笑)

ひとつひとつ詳しく教えてください。

1つ目について、こちらは尊敬している方の受け売りですが(笑)。

スポーツ団体、特に中央競技団体と呼ばれる各スポーツのアマチュア部門の統括をしている団体がサービス提供機関に生まれ変わることです。中央競技団体には競技者として登録している人・組織が非常に多くいます。

プロスポーツの特徴はその観客やファンの多さだと思います。一方で、中央競技団体の特徴は、スポーツ実施者やスポーツ実施に必要な審判やボラン ティア、指導者など関与する人・組織の多さです。

10万人以上が登録している団体も少なくありません。そういった中央競技団体が登録者を顧客と捉え、価値のあるサービスを提供できるようになれば、結果として市場は拡がる考えています。

- なるほど。身近にいる関係者は、すでにその競技の「ファン」と言えるかもしれませんしね。

ファンに向けてしっかりとサービスを提供することは、ビジネスを拡大する上で非常に大切なことですよね。

2つ目は、スポーツの価値を再定義することです。プロスポーツ興行のエンタメ化が進んでいますが、それにより、これまで試合を観に来なかった層が観客として試合を観るようになりました。

素晴らしいパフォーマンスがスポーツのコアコンテンツであることは間違いありません。しかし、スポーツを旅行や映画などと同じエンタメとして楽しむ方が増えれば市場も広がります。

また、健康の重要性が高まる中、スポーツが人々の健康に価値をもたらすということを見える化していくことが大事だと思います。

昨年度スポーツ庁でも、スポーツ実施や観戦などが個人の「身体的」「精神的」「社会的」健康に影響を及ぼす可能性があるというロジック・モデルを公表しています。

スポーツを「する」「みる」「ささえる」こと自体を目的としなくてもいいのです。これらを通じて「楽しくなる」「健康になる」「幸せになる」といった、スポーツを「活用する」層を増やしていくことが重要だと思います。

- 確かに、前編でもお話にあった「スポーツ=競技」という枠組みから少し広がった見方をすることで、今までの範囲とは違った領域が生まれそうです。

3つ目は、スポーツの価値を受益者の言葉で伝えていくことだと考えています。

より多くの人・組織が関心を持ち、実際に消費や投資などお金を使うという行動をしてもらうためには、その受益者が価値を感じるものでなくてはなりません。

どの業界でもオープンイノベーションの重要性が説かれていますが、スポーツ界も正に同様と感じています。

わかってくれる人がわかってくれれば良いという職人気質な考え方を改め、自分たちの取組を相手の言葉で伝えられるようになると、スポーツに関わる人はもっと増えます。 その結果 、経済的にもスケールすると思います。

川崎フロンターレでは、長らく障がい者就労支援を行って来たそうです。その活動が障がい者雇用につながっているという効果を見える化したことで、その取組に対してスポンサーがついたそうです。





スポーツ業界にどんな想いでアプローチしているのか。


- 今のこのインタビューも正にその取り組みのひとつにしたいと思っています!

スポーツ業界と今は関わりの少ない方に、興味を持ってもらったり、理解をしてもらったりしたいです。一方で、スポーツ業界の情報を押し付けるだけではなく、スポーツ業界の外にいる人が、スポーツ業界をどう感じているのかを理解するのも大切だと思っています

政府としてスポーツ市場を5兆円から15兆円に拡大していこうという目標を掲げていますが、市場規模を拡大すること自体が最終目標ではないと考えています。スポーツ市場が拡大することで、スポーツに関わる人・組織がより豊かになることが重要だと思います。例えば、プロスポーツ選手にはなれなかったけれど、スポーツ業界で働きたい人がより多く働けるようになる。企業もスポーツと関わることで収益が向上する、ブランドイメージが上がるなど。

スポーツ市場を3倍にするためには、スポーツに関わる人・組織が3倍になることが不可欠だと思います。理想は全ての人・組織が何らかの形でスポーツにポジティブな気持ちで関わっている社会になると良いなと思いながら、常日頃仕事をしています。



スポーツの多様な価値を再定義、そして広めていく。


- 最後にスポーツ業界の人材が担うべき役割について、忰田さんの考えを教えてください。

人や注目が集まるところにお金も集まるというのはどの時代も共通です。

広い裾野を持つ中央競技団体がサービス機関としてより価値のあるサービスを提供し、スポーツの多様な価値を見える化し、それを伝えていく。

地味な取り組みのように感じます。それでも、スポーツ市場をスケールさせるためには、そういった地道な取組を多様な関係者と連携して、餅は餅屋で役割分担をして拡げていくしかないと感じています。

- 忰田さん、ありがとうございました!

こちらこそありがとうございました!

可能性に満ち溢れながらも、まだ拡大の道筋が見えていないスポーツ業界。

スポーツ業界の外にあるリソースを使って拡大するにしても、外への発信が非常に大事なのだと思います。

もちろん、スポーツ業界の中の人が一層の活躍ができる環境を整えることもまた、大事なことです。

今回はスポーツ庁の中でもビジネス思考を持たれている忰田さんに、個人の想いなども踏まえながら、スポーツ業界の全体的な課題などをお話いただきました。

次回もスポーツ業界の実務者にインタビューしますので、お楽しみに!



◆経歴◆
・1986年福岡県北九州市生まれ。
・2009年早稲田大学卒業後、経済産業省に入省。地域経済政策や貿易政策等を担当。
・2015年から2年間オーストラリアに留学し、グリフィス大学でスポーツマネジメント修士号を取得。
・2017年6月からスポーツ庁に出向中。
・スタジアム・アリーナ改革やスポーツ経営人材の育成・活用、SOIP(スポーツオープンイノベーションプラットフォーム)、スポーツシェアエコの推進等を担当。
・スポーツ界と他産業間の交流を促進するため、プライベートでもスポーツビジネス交流会を開催。

Text:伊藤知裕/Photo:伊藤知裕


撮影場所




今回のインタビューは「すかいらーくグループ~ガスト板橋本町店~」ご協力のもと行いました。

  『全てはお客様の笑顔のために』をモットーにされているステキな従業員から、ステキな空間を提供いただきました。 すかいらーくグループとは、和洋中をはじめとする各種テーブルサービスレストランを中核として皆様に「食」を通しておいしさ・安全・安心・快適さを提供しています。現在は約3,200店舗を展開し、国内で年間約4億人のお客様が利用しています。


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