マネージャーと聞くとどんな仕事を思い浮かべるだろうか？プロチームのマネージャーを思い浮かべる方が多いのではないだろうか。ここで関わるのは、中学生のアスリートたち。スポーツ×教育でお仕事を探されていた赤松さんがマネージャーとしてどんな存在でありたいのか。日本の女子サッカー界をどうしていきたいのか。
スポジョバを通じて入社された方のその後を追う企画「スポジョバ採用ファイル」。今回はJFAアカデミー今治で働く赤松さんにお話を伺った。
（取材・執筆：中田 初葵、編集：伊藤 知裕）
ーーー本日はよろしくお願いいたします！早速ですがどうやってこのお仕事を見つけられたのですか？
たまたまインターネットで「愛媛 サッカー」とか「愛媛 教育」で検索をしていたとき偶然スポジョバの求人を見つけました。ここしかないと直感的に思ったので、すぐに応募したことを覚えています。
ーーー明確に働きたい場所やジャンルも決まっていたのですね。「愛媛 サッカー」と検索された理由はなにかあったのですか？
地元が愛媛でした。大学時代に上京したのですが、愛媛で仕事をしているところがしっくりきたし、想像もできたので帰ろうと思いました。
また小学2年生から高校3年生までサッカーをしていました。大学ではサッカーは続けずにタッチラグビーというスポーツをやっていましたが、仕事にするならやっぱりサッカーがよかったです。やっぱり一番長く関わってきたのはサッカーだし、大学時代も何かと身近にあったので、スポーツを仕事にしたいと考えていた私にとってはサッカー一択でした。
ーーーご自身がずっとプレーヤーとしてやってきた中で、マネージャーへ転向することに何か抵抗は無かったのですか？
不安は特にありませんでした。やっぱり見ているとやりたくはなってきますけどね(笑)仕事は仕事として割り切って考えているので、今は問題なくマネージャーとして働けています。
ーーー先ほど教育系でもお仕事を探されていると伺いましたが、どうして教育に携わりたいと思われたのですか？
学生時代に学童でアルバイトをしていたこともあり、小学生や中学生と関わりたいと思っていました。成長を見届けられることにやりがいを感じられるのではないかと思い、育成年代と関わりたいと考えていました。
ーーー教育というと先生という道もあったと思うのですが･･･？
実は教育系の大学に入っていたので、学生時代は小学校の教員を目指していたときもありました。ですが、大学生活を送っていく中でなりたい姿が変わってきて違う形で教育に携わりたいと思うようになりました。最初は塾の講師等を探していましたが、スポーツを仕事にしたいとも思っていたので、この求人を見つけたときには、ここしかない！と思えたし、自分が働いているイメージがぱっと思い浮かびました。まさかこの仕事に就くとは大学時代は思ってもみませんでしたね(笑)
ーーー愛媛×教育×サッカーの三本柱にぴったり合うお仕事が見られて本当によかったです！サッカーという「好き」を仕事にしてみていかがですか？
好きだからこそ仕事でも関わっていたいです。好きを仕事にすると嫌いになってしまうのではと聞きますが、仕事と好きを混同せず、割り切って考えられれば大丈夫かなと思います。
ーーーご入社されて2年目となりましたが、ぶっちゃけどうですか？
もう楽しいです。子どもがいるからこそ様々な問題が起きるため、決して楽しいことばかりではありませんが、それも含めて楽しいと思えるし、何より子どもたちの成長を間近で見られるので、その成長に少しでも携われているというやりがいも感じられています。
ーーー子どもたちの「成長」についてもう少し詳しく教えてください！
私はコーチではないため、サッカーの技術面ではあまり関わることはできません。技術面の成長ではなく、寮生活をしていく中で自分からメンバーに働きかけたり自ら動いたりする姿を見ると一人の人間として成長したなと感じます。
ーーーコーチではないという話もありましたが、マネージャーはどんなお仕事なのですか？
ざっくり言うとサッカー以外という感じです。今入校しているのは、中学1年生から3年生までの33人で、平日は寮生活をしながらサッカーの練習に励んでいます。その寮生活の全般をサポートしています。具体的には、週間や月間、年間のスケジュールを管理したり、食事の手配、病院の送迎、子どもたちが通っている学校の先生とも連携をとったりしています。お世話役みたいな感じですね。
ーーー仕事内容は非常に多岐にわたりますが、一人で苦労する部分も多いのではないですか？
徐々にやらせていただける仕事も増え、とても嬉しく思っています。ですが、全てを一人で行っているわけではないので、自分自身がいっぱいいっぱいになる前に上司や他のサッカーコーチに委ねて助けてもらっています。
ーーー助けを求められる方々が近くにいるということですね。職場全体の雰囲気はいかがですか？
居心地がいいなと感じています。変に距離が近いわけでもなく、みなさんサバサバしています。かといって冷たい方がいるわけではないので、みなさんいつも気さくで面白く助けてくださっています。あとは子どもたちとの関わり方が上手な方が多いので真似したいなと思っています。
ーーー1年働いてみて、改めてこのお仕事のやりがいはどんなところにありますか？
子どもたちの成長を見られることはもちろんですが、保護者の方々や関わってくださる方々に感謝の言葉を直接伝えてもらえるとすごく嬉しいです。
ーーー子どもたちだけじゃなくそれ以外の方から言葉をいただけるのもやりがいに感じますね。反対に大変だなと感じることはありますか？
自分の業務全てが子どもたちに繋がっているので、大きな責任が伴います。また、子どもたち同士でいざこざや問題が起きます。相談を受けることもありますが、どこまで大人が入っていったらいいのか分からないのでいつも悩みますね。
ーーー正解がわからないと対応に悩むこともありそうですね。マネージャーというお仕事は、母親の一面もあれば、先生のような一面もあるように思えます。様々な一面をもつマネージャーですが、赤松さんご自身は子どもたちにとってどんな存在を目指したいですか？
サッカーに本気で取り組んでいる子たちの集まりだからこそ、サッカーコーチから評価をされることが多いです。おそらく悩みや感じていることもたくさんある中で、私には何でも話せる存在でいたいなと思います。コーチと子どもたちの間に入るからこそ、コーチにはちょっと言えないなと思うことも私には打ち明けたい、話しかけやすい存在を目指しています。
ーーーそのために赤松さんが意識したいことはありますか？
本当に単純ですが、子どもたちからどう見えているのかを考え、険しい顔ではなく笑顔でいることを意識しようとしています。また、信頼関係を築くために33人全員と関わる機会を作りたいです。中には大人が好きで自分から話しかけに来る子もいれば、なかなか話せない子もいます。その子を大切にするのはもちろん、やっぱりそうでない子にとって私が遠い存在とならないように、いろいろな子に話しかけにいき、適度な距離感を保っていきたいですね。
生活面でどうしても指導をしなくてはいけない場面で、信頼関係が築けていない人から指導されるより、いつも何でも話を聞いてくれる大人に言われた方が子どもたちには響くはずです。だからこそ、普段のたわいもない会話を大切に、一人ひとりと関わる機会をたくさん作っていこうと思います。
ーーー誰にとっても打ち明けやすい存在を目指されていることが伝わってきます。今関わっている子どもたちが将来どんな人に育ってほしいですか？
一人ひとりのもっているものを伸ばして、その子なりに成長してもらうのが一番だと思っています。あとは、嘘をついたりせず誠実な人に育ってほしいです。
ーーー関わってきた子どもたちは将来どんな道を歩まれているのですか？
ちょうど今中学3年生が高校体験をしているところです。県外の高校に進学したり、クラブチームのユースに進んだりと様々なため、卒業すると頻繁には会えなくなってしまいます。だからこそ、高校3年生のときにOGとして帰ってきて在校生へ話をしてくれる機会も設けています。それと、ここを卒業した子が1人日本代表へ選出されることもあり、在校生みんなで応援したこともあります。
ーーー先ほど日本代表に選出された子もいると聞きました。赤松さんご自身もサッカーを経験されてきたと思うのですが、女子サッカー界への思いは何かありますか？
2011年のワールドカップでなでしこJAPANが優勝したときにはとても盛り上がりましたが、そこからは人気が落ちてきてしまっていると感じています。大きなことになってしまうかもしれませんが、女子サッカー界の認知度や人気を高め、そのとき以上に盛り上がってほしいなと思います。改めて仕事としてサッカー界に携わってみて感じられたことでもあります。
ーーーそのためにJFAアカデミー今治をどんな施設にしていきたいですか？また、赤松さんご自身はどんなマネージャーを目指したいですか？
施設としては、入ってきた子たちが充実した3年間だったなと感じられるような場所にしたいです。女子サッカー人口が減ってきている中で、小学生がここに入ってみたいと思えるような空間にし、スタッフや選手とともに成長していきたいです。個人としては、「赤松さん、感じいいよね」「赤松さんがいるから安心して預けられる」と信頼してもらえるような人になりたいです。
ーーー赤松さんご自身が今後挑戦してみたいことは何かありますか？
もう少しサッカーの現場に関わっていきたいなと思います。まずは見に行くことから始めたいです。子どもたちは土日に地元に帰ってサッカーの活動をしているため、そこにも顔を出しながら、どんな姿でどんな振る舞いをしているのかを観察したいです。見に行くことで新たな子どもたちの視点や考えが見えて活かせることがあるのかなと思っています。
【PROFILE】
赤松 美穂
JFAアカデミー今治の総務。マイブームは、掃除。特に洗面台を掃除するのが好きで汚れがたまる前にはきれいにしておきたいそうで、2日に1回以上は掃除をしているそう。
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| 設立年月 | 2006年07月 | |
|---|---|---|
| 代表者 | 理事長 村上 康 | |
| 従業員数 | 60名 | |
| 業務内容 | ●公共施設の管理運営
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