「浦安市の健康は私たちが守る」利用者との信頼関係で育む、市民の未来を見据えた健康づくり

公益財団法人うらやす財団 髙橋直司

「浦安市の健康は私たちが守る」利用者との信頼関係で育む、市民の未来を見据えた健康づくり

公益財団法人うらやす財団 髙橋直司

舞浜駅から徒歩15分の距離にある、浦安市運動公園。

その中にある体育館やプールなどの屋内施設から、野球場や陸上競技場などの屋外施設まで、運動公園一体を一括で管理するのが公益財団法人うらやす財団だ。

業務をひとことで言うと施設の管理と運営。そして、実際に働いていると「市民の人生に役立てたと肌で感じられる瞬間」があるという。

浦安市という地域における浦安市運動公園の役割とはどういったものがあるのか。またその施設で働いている職員たちの向上心を掻き立てているものは何なのか。現状、取り組んでいることや、今後の展望も踏まえて話を伺った。

 

主体的に関わる。職員一人ひとりが与えている影響。

うらやす財団が管理する浦安市運動公園の一つに、トレーニングルームやプール、キッズスポーツルームが存在する。それぞれの施設に担当の職員が駐在し、管理を行う。

トレーニングルームは、安全かつ効果的な利用ができるようメニューの提供や、個人・グループに向けた運動指導業務をメインとする。プールは、安全管理を第一に、対利用者の他にもアルバイトの監視員たちの取りまとめなど、リーダーシップが必要とされる業務も。幼児専用のキッズスポーツルームでは、遊具を利用した運動のコツを、子どもたちと一緒に遊びながら指導する。

浦安市運動公園では各施設で様々なスポーツ事業を展開しているが、昨年度より通常の事業とは違う、お祭りのようなスポーツイベントの開催に、体育施設全体で力を注いでいる。

「あつまれ!うんどう公園」というタイトルのもと、子どもからシニア層、またスポーツに不慣れな人まで、対象ごとに企画された内容で実施。イベントに取り組むことで、自身の担当エリアや専門分野の垣根を越えて活動する機会が増えている。また、何か企画をする際はスタッフ1人ひとりがアイデアを出せる環境にあり、担当者だけではなく、主体的に関わっていくことがこの施設では可能だ。

もちろん、責任の重さ、また専門分野や日常業務にとどまらないがゆえの苦労もある。一方で「以前働いていた職場だと、担当エリアや決められたこと以上は求められていないと感じることも多く、また立場が上の人に意見する事すら難しかったですが、今は立場に関係なく自分が思ったことや感じたことを素直に話せる環境が良いです。」と言う職員もいるほどに、風通しの良い環境。だからこそ、組織が用意したことに留まらず、自分たちで企画したものを作り上げているという実感を持つことができる。スポーツイベントの運営を挙げると、浦安市運動公園独自でありながら、最近では他団体や企業の協賛も得るなど、少しずつ規模が拡大。浦安市とも連携をとりながら開催する大規模なイベントに、中心として関わることができるのも、この施設ならではの醍醐味だと言えるだろう。

体を動かす施設が作り出している“距離感”から生まれた言葉

職員たちの間で、基本的な考え方の一つになっているのが「浦安市の健康は私たちが守る」というもの。この考え方が生まれた背景には、職員と利用者の関わり方にあった。

運動指導業務を中心とするトレーニングルームでは、指導力と同じくらい大切にしているのが、利用者への積極的な声掛けだという。定期的なアプローチで徐々に顔と名前を覚えてもらうことで、自然と信頼関係を築くことができ、また指導員自身も様々な世代とのコミュニケーション能力を身につけていくことができる。築いた関係性により、初めは運動にあまり積極的ではなかった人が、自立的に取り組むようになる。運動を楽しみ、最後は人生をも変えていく光景を、指導員は何度も目にしている。

ここに通う方には、疾病や運動制限のある方も少なくない。そのような方たちに対してうらやす財団が誇るのは、スタッフ・指導員ひとり一人の対話力である。トレーニングルームでは、聞き取りを行い、目的や状況に応じた個別メニューを作成する。そして、作成に必要な身体の状況や変化などの情報は、何気ない日常会話から汲み取ることがある。それができることこそ、日々のコミュニケーションのたまものであり、安全で効果的な健康促進を図っていくことができるのだ。

精神的な病で休職していた利用者が、健康を取り戻し復職した際には、感謝の手紙をいただいたこともあった。手紙には、トレーニングルームの運動教室が楽しかったことや、指導員とのコミュニケーションが励みになったとの内容が書かれていた。体だけではなく心の健康にも役に立てたと感じられる瞬間だった。

また、プールでは気軽に水泳指導が受けられる「ワンポイントアドバイス」が人気。このプログラムは、決まった時間に行っているわけではない。指導員がプールの周りを歩いているときに「クロールの息継ぎ教えてほしい」「プールの中はどうやって歩いたらいいの」といった質問を受け、その場で個別に答えるスタイルを用いている。

指導員と利用者が気軽に話せる環境であることで、利用者一人ひとりの背景やニーズを身近に感じることができた。そして、それは利用者の健康を維持していくのは我々の仕事であるという意識が生まれ、ひいては「浦安市の健康を守る」という思いに繋がっていった。

組織の風土は、職員それぞれの向上心が作っている。

浦安市運動公園での勤務を卒業した後の進路は、教員になる人やプロスポーツチームのトレーナーになる人まで、様々だ。卒業後に多様な職で活躍する理由の一つに、指導案を自分たちで考えていくことがあげられる。

指導員たちは、ただ既存の運動メニューを教えているわけではない。特に、教室と呼ばれるグループ指導をするにあたっては、社内の検定を受け合格した上でデビューを果たし、その後も指導プランを教室の設定や対象者に合わせて自ら創作する。足りない資材があれば、それがいくらで買えるのかを調べるといった細かいところまで自分で行う必要がある。

集まった人たちを満足させる内容を生み出す作業は決して簡単ではないが、考えたことを実現できる“空気”があるからこそ、担っている役割から責任をもって自ら行動するようになっていく。身体の仕組みや筋肉の働きについて積極的に勉強して、運動や身体の悩みを発見しやすくなったり、教室の内容がマンネリ化しないように先輩や他のジムの教室に参加するようになったり。職員個人が在勤中に自ら取得した資格には、簡単には取得できないものもある。だからこそ、利用者とコミュニケーションをとる際に受ける質問についても自信をもって回答することができるようになるのだ。

勉強をしながら自分で考え、いろんなことにチャレンジする“空気”があるから、次のステップへのいい土台にはなるのではないかと職員も話す。また、契約職員から正規職員になる制度もあることから、この職場でずっとバリバリ働いてもらうというのも、望ましい形の1つだそう。この職場を起点に多くの選択肢を見つけていくことができるのも、うらやす財団の魅力だろう。

地域の一員であること、その環境を整える立場であること。

利用者に頼られる存在であるために、うらやす財団の職員一人ひとりは常にレベルアップを図っている。そのためには、運動指導において頼りがいがあることもそうだが、利用者の生活に寄り添える存在であり、親しみをもてる存在であることも大事だ。

浦安市運動公園は運動に自信がない方を、入り口として受け入れる場所とも言える。高齢の方や病やケガで入院していた方など、運動機能が低下してしまった方でも怪我のリスクを最小限に留めながら運動習慣を作る場としての役割もある。

また施設自体が安心して利用できる環境であること、利用者との良好な関係を築いていく管理・運営をすることで、地域コミュニティの形成に役立っている側面もある。現在はシニアの団体に運動指導を派遣しているが、今後はよりアウトリーチに力を入れていきたいそう。子どもとシニア、そして運動をしたことがない人を中心により運動の輪を広げていくのが、これからのうらやす財団の目標だという。

地域に良い影響を与えられるようにしている職員たち。うらやす財団は組織としても、誰もが自分の場所だと感じられるような環境づくりを行っていく。

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【Profile】

髙橋直司

大学の先生からの紹介によりうらやす財団へ。大学時はダンス部だったことからエアロビクスなどで市民に健康教育を行いたかったことが志望理由。現在は事業係長で、主に事業全般・イベントの企画運営に携わる。趣味は息子と都内に出かけ散歩しながらの食べ歩き。イベントを実施する上で参考になること多々あるよう。

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月 1988年04月
代表者 石川 豪三
従業員数 約400名
業務内容

公共施設の管理・運営等

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