ハンドボール業界を熱量で押し上げる「アルバモス大阪」 朝日のように希望を与える存在へ!

アルバモススポーツエンターテインメント株式会社 代表取締役 廣田信俊、取締役兼監督 銘苅 淳

ハンドボール業界を熱量で押し上げる「アルバモス大阪」 朝日のように希望を与える存在へ!

アルバモススポーツエンターテインメント株式会社 代表取締役 廣田信俊、取締役兼監督 銘苅 淳

2024年9月に始まるハンドボールの新リーグに、男子では関西唯一のチームとしてトップリーグへ参入する「アルバモス大阪」。朝日のように多くの人にとって希望となるような存在を目指し、2023年に設立された。

監督として立ち上げから携わるのは、ハンドボール元日本代表の銘苅淳さん。現役時代にハンガリーリーグでプロ選手として活動し、2020年に選手を引退。その後は女子の日本リーグに所属する熊本県のオムロンハンドボール部のアシスタントコーチを経て、アルバモス大阪の監督に就任した。アルバモス大阪を運営するアルバモススポーツエンターテインメント株式会社で代表取締役を務めるのが、廣田信俊さん。銘苅さんの現役時代から税理士としてサポートを行っており、今は共にハンドボールチームを運営している。

選手を見る役割の監督である銘苅さん、社員(スタッフ)を見る役割の社長である廣田さん、役割の違う2人から共通してでてきた「熱量」というワード。そこに組織の特性が現れているのかもしれない。

彼らが作る新しいハンドボールチームは、既存のチームと何が違うのか。アルバモススポーツエンターテインメント株式会社の中核を担う2人が、大切にしていることを熱く語ってくれた。

(取材・執筆:伊藤千梅、編集:伊藤知裕、中田初葵)

マイナースポーツで必要なのは「視線を集めること」

「新しいチームでは、僕がやりたいハンドボールを0から体現できるのは大きかった」と、振り返る、銘苅さん。現在も共に働いているメンバーから、「大阪にトップリーグを目指すハンドボールチームを立ち上げたい」と言われたことをきっかけに、現場を担当することに決めた。

現在のMTY株式会社のオーナーとの架け橋を担った廣田さんも「ずっとハンドボールには携わっていたので、このまま携わっていくのも面白いかな」と、代表取締役としてチーム作りに携わることになった。 

全国のハンドボールの競技人口は、2016年の時点で約9万5千人。約96万人が協会に登録しているサッカーと比較すると約10分の1にとどまり、競技人口はまだまだ少ない。

だからこそ「マイナースポーツであるだけに、メジャーになる可能性をたくさん持ったスポーツではある」と廣田さんは競技のポテンシャルに期待を寄せた。

また銘苅さんは発展途上のハンドボール業界でチームを運営していくために必要なことを、「視線を集める」と表現する。

「みんなの視線を集め、注目度を集める。スポンサー企業を集めて、お金を集めて環境を充実させる必要があるかなと思います」

一方で、マイナースポーツだからこそ持ち合わせる「選手との近さ」に注目する。

「日本代表の選手たちと、まだSNSのやり取りもできる状況です。だからこそ、選手が身近に感じるというのは1つの特徴という気はします」

 

評定5の人間ばかりでは面白くない

距離が近いからこそ、どんな選手がそのチームに所属しているかも大事な要素だ。

「いい選手ばかり集めて強いチームを作るよりも、育成枠で入ってきた選手をきちんと育てて、トップで活躍できるような人材を育成していく」と常々話しているという銘苅さん。アルバモス大阪はこれから、人材育成に力を入れていく。

「トップリーグに立つ人間の使命として、我々は憧れの対象でなければいけないと思います。全国大会に出られなかった選手でも、努力をして日本のトップリーグに立つことができたら、子どもたちに夢が与えられると思っているんです」

チームとしては、今後5年以内にプレーオフに進出することを目標にしている。ただアルバモス大阪のチームにいる選手たちは、トップリーグの強豪チームに引き抜かれる実力を現時点で持ち合わせているわけではない。それでも野球の福岡ソフトバンクホークスのように、育成選手からメジャーで投げる選手や日本代表といった選手たちの輩出を目指し、他のチームとの差別化を図る。

「僕自身も、あまり能力の高い選手ではなかったんです。それでも自分の強みを伸ばし、やり込んでいく方法で、トップレベルで12年間現役生活を続けてきました。ハンドボール評定5の人間しかトップリーグに入れるわけではなく、ハンドボール評定3とか4の人間も、きちんと取り組んで必死にやればチームの戦力になると示すことができたらいいなと思っていますね」

実力だけではない基準で選手を集める上で、最も大事なことは「覚悟を持っているかどうか」だと銘苅さんは言い切った。

「熱量は下手な人間が強いやつを倒す絶対必須のものなので。そこで負けていたらダメですね。何がなんでも死に物狂いでやりきる力を持てるかどうかに、まずはフォーカスしたいなと思っています」

廣田さんも「有名な選手を集めて強くなるのも悪くはないですけど、私もどちらかというとそれでは面白くないよねと思うので」と、価値観は一致している。

始めから能力だけを見るのではなく、伸びしろを見る 。本気でやる気がある選手たちの業界の受け皿となり、もう1回輝けるチームをつくり上げていく。

 

何よりも大切な「熱量」

他業界、そして他チームと異なる角度から運営をしていく上で軸となるのは、ビジョンやミッションへの共感。そして選手と同じように、運営する側にも「熱量」を求めていく。

「仕事を割り切ってやるようなドライな人ではなくて、我々チームが、ファミリーのように、みんなで楽しくやりたいという部分に共感できるかどうかが大事だと思います。また働いている人間に熱量がないと何も伝わらないと思うので、そこも大切にしたいですね」

実際の業務では、何かを提示されてから動くというよりも「こういうことができます」と提案できる人の方がいいという。

「何かやりたいことがあったときに、予算内でしか物事を考えない人よりは、必要なものをどうやって捻出するかに、面白みを感じる人の方がいいなと思います」

廣田さんも同じように、前向きに取り組んでくれる人と働きたいと話した。

「基本的には、この仕事はやったことがある人が多い分野ではないですよね。だからこそ、既存の枠にとらわれるだけでなく『とにかくやってみよう』と思える人は向いていると思います。わからないことだらけの中で、それをなんとか切り開いていく気概があることが、1番です」

そのため、実際の業務内容には、創意工夫が必要だ。例えば、アルバモス大阪では今後1500人規模の体育館を建設することも構想の1つ。ハンドボール業界で例のない事象であれば、別の業界での知見の掛け合わせや、ひらめきが求められる。

「プロスポーツのチームとして、何かをやっていくという考え方はもちろん大切です。ただハンドボールにとらわれすぎず、お金をいかにして生み出すか、その場所で面白いことができるかを考えていく必要はありますね」とも話した。

 

関わってくれた人たちを幸せに

2人は今後、目の前の人たちを大切にしてチームを成長させていきたいのだと話してくれた。

「まずは、アルバモス大阪に関わった人だけでも、不幸にしたくないという思いが強いです。人生の一部分であっても『あのときアルバモス大阪に入って良かったな』『アルバモス大阪を応援してよかった』と思ってほしいですね」

最初から日本を変えるといった大きなことを目指していくのではなく、数ある選択肢の中からハンドボールを選んでくれた人が幸せになるように。

熱量を燃やし続けるスタッフによって作られるアルバモス大阪は、振り返った時に「ここを選んでよかった」と思えるような集団にきっとなっていくのだろう。

【PROFILE】

廣田 信俊

愛知県出身。高校から大学、クラブチームでもハンドボールを長くプレーしてきた。今は税理士としてアルバモス大阪を、ハンドボール業界を支える存在となっている。チームが目指すべきところは、5年以内にプレーオフ進出、そしていずれは優勝を目指したいと熱い思いを語ってくれた。  

銘苅 淳

1985年4月3日生まれ、沖縄県出身。2004年にはU21、2008年にはU24、2008、2016~2017年にはフル代表にも選出されるほどの実績の持ち主。国内リーグにおいても殊勲選手賞を受賞。2012年からはハンガリーやスペインに挑戦し、得点王を2度も受賞。ハンドボール評定が高くない人間でも熱量や覚悟次第で活躍できると身をもって体感したそう。今後は、ハンドボールを文化として成熟させていきたいという強い意気込みを語ってくれた。

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月
代表者 宮田 昌彦
従業員数
業務内容

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