フリーランスの仕事論(6)「文章は”数学”」

元スポジョバ編集長 久下真以子

フリーランスの仕事論(6)「文章は”数学”」

元スポジョバ編集長 久下真以子

「フリーランスって大変じゃない?」よく言われます、この言葉。アナウンサー、スポーツライター、編集者。複数の仕事を並行し、全てフリーランスで生計を立てている編集者(34歳 独身 ♀)。私なりの価値観をつぶやきます。

前回連載はこちら→フリーランスの仕事論(5)「情報と知識はプライスレス」

書ける人は話せる、話せる人は書ける


1記事どれくらいの時間で書くの?」という質問をよく聞かれます。そうですね…私はベテランでもないし、特別な指導を受けたこともないので、4~5000字くらいの記事で2時間くらいでしょうか。早いのか、遅いのかは知りません。ただ言えるのは、インタビューをするのと同時進行で、頭の中で構成が出来上がっていく。そんな感覚です。取材が終わった時にはすでに、だいたいの記事のストーリーは出来上がっています。

…って偉そうなことを言っているように聞こえるかもしれませんが、私、本当に文章の書けない子供でした。理系科目が得意で、高校時代の国語は赤点の連続。読書感想文は感想になってない。「よくアナウンサーになれたわね」と今でも母に言われるし、当時の高校の国語の先生もきっと驚いていると思います。

大学時代のアナウンススクールの恩師が、「話せる人は書ける、書ける人は話せる」といっていたのをよく覚えています。フリートークがうまくなりたいのならば、400字の原稿用紙に作文を書いてみる。論理的に話せるようになるということでしょうね。当時の私は、書くのも下手ならば話すのも下手でした。いや、はっきり言って今でも口下手ですが(笑)

では、なんで書けるようになったのか?それは、文章を”数学”で考えるようになったことだと思います。


文章は数式、表現は引き算


ありがたいことに、局アナ時代に原稿を書く機会が多かったことが、今の自分の原点になったことは間違いないです。(当時の上司の皆さん本当にありがとうございました)

そこで気づいたのが、「文章は数式、表現は引き算」であること。

数式というとピンと来ないかもしれないですが、要は「起承転結」です。短い文章でも、長い文章でも、それがトークであっても、4つの塊で考える。(現に私の記事は4~5の見出しで出来ているものばかりです)。その起承転結のイメージが私の中では「数式」でした。Dという結論の為に、A・B・Cの段落を足したり掛けたりする。「A×(B+C)=D」かもしれないし、「(A+B)×C=D」かもしれない。あとは文章を当てはめるだけ。そう考えれば、400字だって10000字だって、怖くなくなりますよね。

あとは、表現はなるべくそぎ落とします。なくてもいいものは、なくていいんです。「~しようと思います」は「~します」でいいし、1文の中に同じ単語が出てきたらどっちかは消去です。

この思考は、ライターやアナウンサーだけでなく、いろんな場面で役立つと思うんです。もし、仕事において「プレゼンが苦手」「文章が苦手」という方がいれば、ちょっと参考にしてみてください!就職活動における面接や自己PRでも役に立つと思います♪

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