「スポーツイベントってどのように作られているの?」
「作る過程で、どんな人がどんな風に関わっているの?」
全国各地で、さまざまなスポーツイベントが再び開催されるようになってきた昨今。スポーツに関わらず、あらゆるイベントが再度始まっている時代の流れを見ると、数年間の熱狂をまもなく味わえるのではないか、と個人的にはワクワクしてしまう。きっとあなたも「まだかな」と待ち続けている1人では?
さて、そんなwithコロナ時代においても、[スポーツツーリズムx地域活性化]を軸に、事業を大きくし続けてきたのが『ルーツ・スポーツ・ジャパン』だ。純粋なリアルイベントだけではなく、アプリ上でコースを設計し、そのコースをいつでも自由に走ることができる形式のイベントなど、さまざまなトライ&エラーを繰り返してきた。今回は、「そもそもスポーツのイベントってどんな風に作られているのか」を聞くために、同社の2人に話を聞いてきた。全4回の連載でお届けする本シリーズでは、イベントの作り方に始まり印象的なリアルエピソード、また"ココだけの話"など、あらゆる側面から紹介していく。
「イベントを作るために、こんなにも色んな人が動いてるんだ」と理解した上で「チーフの仕事、面白そう!」と思ったあなたは、ぜひ求人も同時公開中のため応募をオススメする。読むのと働くのでは大きく異なる、ポジティブなやりがいが、この会社にはあるから。
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
>>>前回のvol.3はコチラ!
__最終章になりましたが『ルーツ・スポーツ・ジャパン』さんは採用も積極的に行っていますよね。まずは平たいですが、改めて御社の仕事のやりがいと大変なことについて教えてください。
増田:受託案件に関しては、やっぱりクライアントさんから「ルーツさんにお願いしてよかったよ」って言っていただけることはやりがいですし、現地ではボランティアさんも多いですから、その方々が「このイベント関わってよかった」と声をかけてくださると本当に嬉しい気持ちです。あとはやっぱり、そもそも「運営に手を取られすぎていて、主催者として本来やるべきことができていない」っていうのはクライアントさんの悩みなんです。
我々が運営面を引き取り、また効率化していけたら、主催者さんは例えば新規の協賛社の獲得とか広くこの事業を知ってもらうためのPRの部分とか、社会的価値を上げていくとか……そういった主催者本来の仕事にリソースをかけていただけるのではと思っています。
……まぁ、大変なことはステークホルダーが本当に多いので、その調整ですね(笑)
袴田:餅は餅屋だもんね。その土台を僕らがやるからっていう話だと思うし、その土台として信頼されたときは、やっぱり嬉しいよね。
__全て回っていくことがイベントの成功とも言えるわけですね!ちなみに、袴田さんはいかがです?
袴田:自社企画の場合は、やっぱりユーザーさんから「こういうの求めてたよ!」「めっちゃ楽しかった!」って言っていただけると嬉しいですね。『サイクルボール』に関しても、多くの方が7つボールを集めてくださいましたし、それだけ色んな地域を回って、自治体さんにも満足いただけたら、この企画をやってよかったなって気持ちにはなります。
コンテンツを届ける先が「サイクリスト」っていうニッチな人達なので、地域側も彼ら・彼女らが何を求めていて、どうやったら来てくれるか分からないんです。だから、その懸け橋としての役割を果たせたときは嬉しいですね。
ただ一方で、プロとして企画を作って提案するからには、成果責任も伴うわけです。「こうすればこれくらいの集客が見込めて、地域が盛り上がる」っていう筋道を立てて始めるわけですけど、「実際その通りにやって成果がでませんでした」では通らない。
自社企画は、「制作」ではなく、「成果」に対して対価をもらっている以上、当然楽しい奇抜な企画を作ればいいってことではないんです。サイクリストが何を求めてて、何をしたら喜ぶか。それを地域にどう実装するか。ていうことを常々考えて設計し、精度高く当てるのには、それなりの緊張感があります。
__今のお話からも感じるのですが、自社企画と受託案件でそれぞれ向いている人、向いていない人があるんじゃないかなと思うのですが、その点いかがですか?
増田:まずチーフに限らず、会社として自主性をもって働いてくださる方が向いていると思います。まだまだベンチャーですから、指示待ちですとか受け身で居られると、案件を振る側の負担が増大してしまうので、自分の領域の業務はパッと拾って、何も言われずともパッと出せるような方であれば、案件はもちろん経験云々ではなく向いているかなと思います。
袴田:「自分はチームをこうしたい」「自分がチームを勝たせるんだ」みたいな、チーム競技の部活のキャプテンみたいな方には非常に向いていると思います。あとはチームとしての目標に近づくためにどうしたらいいか、周りにどう動いてほしいかっていうのをある程度グリップできる方だと尚良いなぁと思いますね。
__御社だと、いきなりチーフになるというよりは、アシスタントから入って昇格していくとチーフになると思うのですが、チーフの2人から見て「この人はチーフになるべき!」と思うポイントがあればぜひ。
袴田:チーム仕事ですから、自分のことは勿論ですし、他人も含めて結果なり成果なりにコミットしてもらえる方だとちょっと注目しますね。もっと言うと将来経営者になりたい人とかいいと思いますね。1人で年間10案件とかやりますし、10回経営の練習が小っちゃくできるみたいなイメージですから。
増田::今の袴田の話に紐づきますけれど、個人的には自分の責任を自分で全うできる覚悟がある人は、チーフに推薦したいなって日々思っています。もちろんそれは成果だけではなくて、うまくいかなかったときに会社やクライアントから怒られるじゃないですけど、そういうところも含めた覚悟ですね。私もそうでしたけど、大きな課題だけ与えられて、あとやり方は自由にやりたいっていうタイプもいるじゃないですか。そういう方の方が個人的には好きなので、どんな形でも目標に辿り着こうとする想いと覚悟を持っている方だと嬉しいですね。
__ちなみに、入社してすぐ独り立ちってことはないと思うのですが、お2人の教育論みたいなところも聞かせていただけませんか?
袴田:僕の場合は極力教えない、です(笑)。「何かしなさい」って指示されると、大体モチベーション沸かないじゃないですか(笑)。だから良い感じに解きたくなる「問い」をだしてあげる。
メンバーの経験やスキルによって、解ける問いの「抽象度」は違うので、たとえばまだ社歴が浅ければ、「クライアントの課題に対し、3つプランがあるけど。あなたはどれが良いと思う?」って選択式にするとか。
仮に「A」を選んだとしたら「じゃあそれで頑張ろうか」って。とにかく自分の意思でやってもらって、その中で経験する失敗や成功を「自分のもの」にしてを血肉にしていってもらう。
後ろから押す、というよりは、良い感じに前から引いて、僕らが持っていきたい方向に、自分の足で来てもらうみたいな、そんな考え方で向き合いたいと思ってますね。
とはいいつつも、切羽つまってると指示しちゃいますし(笑)、まだまだメンバーに思い切り失敗させてあげられるだけのバックアップマネジメントも習得できてないので、僕自身が修行させてもらってます。
増田:やっぱり受託案件の場合は、クライアントが悩んでいることとか温度感とかを読み解いて運営に落とし込む必要がありますので、ここ2、3年はとにかく同行させるようにしています。その上でどんな会話が現場で起きているかを知ってもらう。いざタスクを振るときに「こういう話あったよね。じゃあこういう感じだと思うから、考えて挑戦してみてくれないか」っていう風に話して、同じ感覚を持たせるようにしていますね。さらにそこでクライアント側だけではなくて、チーフとしての側面を読み取ってもらえるとすごく嬉しいですね。
袴田:あとは全社共通ですけど、基本リモートワークをしているんですが、案件のフェーズごとにリモートとリアルを使い分けて出社日を決めてやっているんですよ。
最終的にリアルのイベントを創っているので、意外と視察とか現場でちょいちょいメンバーとは会うんです。だからその時に雑談をしたりして、オンだけじゃなくてオフのコミュニケーションも取れる環境です。それこそ帰りの車で一緒だったりするので、そのタイミングでは腹割って本音で話せるので、安心してほしいなと思いますね。
__今回はチーフの役割に始まり、やりがいや印象深い案件等々まで教えていただきありがとうございました!最後に『ルーツ・スポーツ・ジャパン』に入社したいと考える方へ、一言メッセージをお願いします!
増田:個人的には、自転車とかランニングが好きじゃなくても、プロジェクトを自分でやりたい人にきていただきたいなって思います。やっぱり受託案件に関しては、当社のようなベンチャーでも名の知れた大手企業と一緒にプロジェクトをやれる機会が非常に多くて、すごく大きな経験にもなっていますから、クライアントとガッツリ向き合あって、課題解決に取り組めるような方と一緒に働けたら嬉しいですね。
袴田:クライアントにせよユーザーにせよ、相手がどう在りたいのかを見定めることが大事だと思っています。相手の立場に立って、相手が何を求めていて、自分達の企画提案によってどうしうたらそれを実現できるのか真剣に向き合える方には来ていただきたいです。
プロとして成果にコミットする以上、ちょっとお節介なくらいな人が丁度良いと思うんです。病気とかもそうだと思うんですけど、患者は、自分の「症状」は言えても「原因と処方」はわからないじゃないですか。
サイクル領域のイベントにおいては、私たちはクライアントの課題に向き合う医者でなければいけないので。「クライアントに言われたからその通りにします」ではなく、「状況(症状)と理想な姿は承りました。これが原因だと思うので、こうしていきましょうね」って、優しく寄り添いながらも、きっぱりと快方への道筋をディレクションしてあげられる人に、ぜひ来てほしいなって思います。
【PROFILE】
袴田晃一郎|(株)ルーツ・スポーツ・ジャパン取締役|一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン理事
記事内でも紹介した『自社企画』の責任者。「ツール・ド・ニッポン」という自社ブランド事業全般のブランディングや事業プロデュース、アプリ開発2種類、その他新規事業開発なども担当している。静岡県静岡市出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、もともとは地元静岡のTV局で働いていたそう。同社へジョイン後はチーフディレクター等々も経験しながら、現在はチーフを束ねる役割でもある。
仕事に限らず企画することが好き。一児の父であり、コロナ禍で運動会ができない子どものために、保育園のパパ友を集め協力しながら、子ども達の縁日企画を実行し大盛況だったと嬉しそうに語ってくれた。ちなみにスポーツのバックボーンは空手。
増田英行|(株)ルーツ・スポーツ・ジャパン:チーフディレクター
記事内でも紹介した『受託案件』を同社内で最も多く担当しているチーフディレクター。国内最高峰の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」や震災復興サイクルイベント「ツール・ド・東北」など、社内外ともにインパクトのある大型案件を担当してきた。群馬県みなかみ町出身。不動産会社勤務を経て2011年に同社へジョインしてから、長くイベント現場を支え続ける屋台骨の1人である。地元・みなかみ町でも「ツール・ド×10,000UP in Gunma」という事業も手がけている。
「できることが増えてくる方が楽しい」と、最近キックボクシングを始めた。1時間でパッと行って汗流せる上に、新たに取り組むスポーツだからこそ新しい脳も筋肉も使うことが非常に楽しく没頭しているそう。ちなみに元々やっていたサッカーは「できなくなっていくことがツラい」とのことで、最近はノータッチ。
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設立年月 | 2009年02月 | |
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代表者 | 中島 祥元 | |
従業員数 | 20名(パート・アルバイト除く) | |
業務内容 | ・スポーツツーリズム(スポーツ×観光)を活用した地域活性化事業
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