2022年4月10日に、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手・松川虎生捕手バッテリーが日本プロ野球において、28年ぶりに完全試合を達成しました。野球ファンの方にとっては、「おおっ!」と驚く21世紀初の快挙ですが、普段野球にそれほど詳しくない人にとっては「完全試合って何?」「どのくらいすごいの?」と、今ひとつピンと来ていないかもしれません。
そこで今回は、そもそも完全試合とは何なのか、どれくらいすごいことなのかについて解説していきます!
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完全試合とは野球の記録の1つで、先発投手が相手チームの打者を1度も出塁させず、無安打、無失策、無四死球、無得点で勝つことです。英語ではパーフェクトゲームと言います。
野球は1回(1イニング)、3アウトで攻守交代し、9回まで行われるため、最低でも延べ27人が打席に立つことになります。この27人のバッターすべてを凡退(三振、ゴロ、フライなど打者が出塁できない状態)させて、勝利すると完全試合となるのです。安打はもちろんのこと、フォアボールやエラーなどのランナーも許してはいけないのです。
わかりやすく条件を整理してみます。
・試合に勝利すること
・ヒット及び得点を許さないこと
・1人もランナーを出さないこと
・1人の投手が1試合を投げ抜くこと
この完全試合は、投手の記録では最も難易度が高いと言えるでしょう。
「完全試合」に似た記録として「ノーヒットノーラン」というワードを耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。そこで次に、ノーヒットノーランとはどんな記録なのか、完全試合とノーヒットノーランの違いについて解説していきます。
ノーヒットノーランとは野球の記録の1つで、先発投手が相手チームを無安打無得点に抑えて勝つことを指します。
ここでわかりやすく条件を紹介します。
・試合に勝利すること
・ヒット及び得点を許さないこと
・1人の投手が1試合を投げ抜くこと
主にこの3つの条件をクリアするとノーヒットノーランの記録となります。
先述した通り、完全試合はヒットはもちろんのこと、フォアボールやエラーによる出塁を許してはなりません。
一方でノーヒットノーランの場合は、フォアボールやエラーなどによる出塁を許しても、ヒットさえ許さなければ記録達成となります。
完全試合を達成した際には、ノーヒットノーランの達成条件も含まれるため、ノーヒットノーランの達成も記録されます。
ヒット以外の出塁が許される「ノーヒットノーラン」に比べ、「完全試合」は1人の走者も許されないので、より難しい記録と言えますね!
ここまでは完全試合・ノーヒットノーランの達成条件や違いについて解説してきました。どちらも、難易度の高い記録だと言えるでしょう。そこで次に、完全試合とノーヒットノーランにまつわる記録を紹介していきます。
・ノーヒットノーラン
2022年現在、日本プロ野球では83人が計94回(3回達成が2人、2回達成が7人)ノーヒットノーランが達成されています。
・完全試合
2022年現在、日本プロ野球で完全試合を達成したのは16人です。
これまでの達成者数を比較しても、完全試合はノーヒットノーランに比べかなり難易度の高い記録であるということが分かると思います。
・沢村栄治
プロ野球創世記の偉人「沢村賞」でもおなじみの沢村栄治投手は、3度のノーヒットノーランを達成しています。日本プロ野球最初のノーヒットノーラン達成者も、この沢村栄治投手でした。
・千賀滉大
2022年現在、福岡ソフトバンクホークスで活躍中の千賀滉大投手は、2019年にノーヒットノーランを達成しました。
・菅野智之
2022年現在、巨人で活躍中の菅野智之投手は、2018年のクライマックスシリーズの対ヤクルト戦でノーヒットノーランを達成しました。日本シリーズやクライマックスシリーズといったポストシーズンで、ノーヒットノーランを達成したのは菅野投手ただ1人です。
・槙原寛己
1994年5月18日、対広島戦で先発出場した巨人の槙原投手が完全試合を達成しました。この槇原投手は平成唯一の完全試合達成投手となりました。
・佐々木朗希
2022年4月10日の対オリックス戦で先発出場したロッテの佐々木投手は、1994年の槙原投手以来、28年ぶりの完全試合を達成しました。20歳5ヶ月での達成は史上最年少記録も塗り替えました。また13者連続奪三振や通算14試合目の登板での史上最速の達成など、様々な記録を樹立しました。
今回は野球の完全試合について解説してきました。最後に完全試合とノーヒットノーランの違いについて、今一度まとめてみます。
完全試合とは先発ピッチャーが、1人のランナーも出さずに投げきって勝つ試合のこと。ノーヒットノーランは先発ピッチャーが無安打無得点におさえて勝つこと。まったくランナーを出さない完全試合とは異なり、エラー、四死球、また打撃妨害によるランナーは認められます。
完全試合を達成することがいかに難しく、凄いことなのか分かっていただけたと思います。今後完全試合を達成する投手が現れるのか、とても楽しみですね!
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