大坂なおみ選手やイニエスタ選手をはじめとする「トップアスリート」がうつ病を告白し、大きな衝撃を与えました。
アスリートの多くが抱える「心の問題」は、プロスポーツ界でも大きな問題となっています。
今回は
「メンタルが強いスポーツ選手とうつ病」
「心の問題を抱える原因や影響は?」
「どのくらいの選手が問題を抱えているの?」
など、アスリートと心の関係を紹介します!
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一般的に「アスリートは心が強い」
もしくは「メンタルが強い人がスポーツでも勝てる」
と思われがちですが、そんなことはありません。
「メンタルヘルス」は競技中の強いメンタルとは全くの別物で、勝利にこだわるアスリートにはスポーツ特有のメンタルヘルスの問題が生じているのです。
極限状態で戦う選手の中には、試合や大会が近づくと興奮状態が収まらず寝られなくなる選手も多くいますが、これも代表的なメンタルヘルスの症状です。
・不安障害
・摂食障害
・睡眠障害
・PTSD
・慢性的な疲労(オーバートレーニング症候群)
・燃え尽き症候群
・競技力の低下
・試合に出られない
・引退後を考える
・ベッドから起き上がれない
●成績不良
・競争
・怪我
・周囲からの期待
・メディアの監視
・自己への欲求
・将来の不安
・誹謗中傷
などのさまざまな要因が絡み合っています。
うつ病に陥るきっかけは「成績不良」が最多です。
うつ病をはじめとする精神疾患は「結果」に大きく影響を受けることがわかります。また、複数回の「脳しんとう」や「怪我」に長期間悩まされたアスリートも、不安やうつ病の症状を含む心理的苦痛が通常の2倍以上大きくなるといいます。
驚くべきは学生アスリートよりもプロアスリートの方が、そしてプロアスリートの中でも「トップアスリート」の方がうつ病になりやすいということです。
実際に、競技上位25%にいる選手のうつ病の頻度が他の選手よりも2倍高いそうです。トップアスリートは常に注目されることで「強靭なメンタルを上回る強いプレッシャーや不安」に襲われるからだと言われています。
最近ではうつ病や不安障害を公表する選手が増えてきましたが、それでもなお「アスリートはメンタルが強くないと一人前ではない」という風潮も残っています。
その結果、成績不振や怪我などの問題から生じる心の不調を一人で抱え込んで深刻化させてしまい、競技の辞退につながることもあるようです。
心の不調が原因で競技を引退しても、残念ながら「引退=問題解決」ではありません。現役アスリート特有の要因があったように、引退後にも特有の要因があるのです。
アスリートの心の問題は現役中に限ったことではありません。むしろ引退後の方が心のバランスを崩しやすく、メンタルヘルスに長期的に悪影響をもたらすことがわかっています。
原因は大きく2つに分けられます。
自らの意思で引退する選手と比べて、
戦力外や怪我などの「不本意な引退」はうつ病や睡眠障害、不健康な食生活が目立ち、生活の質が低下し生活満足度が低くなると言われています。
他にも「喪失感」や「やり残したこと」が原因となって、運動や健康を害する身体的合併症などを発症するケースもあるそうです。
選手時代に苦しめられた不安から開放されてもなおスポーツ選手が「うつ病」に陥る原因は「自分が自分ではなくなるから」と言われています。
「アスリートであることがアイデンティティ」だと考えている選手こそ「引退=社会的な居場所を失う」という意味合いが強くなります。
アイデンティティの喪失は
無価値感や抑うつ、不安、敵意、怒りなどの精神的苦痛を引き起こすといいます。そして、薬物乱用や飲酒、ギャンブルなどの不適切な方法で対処するようになる選手もいるそうです。
引退後に職を探さなければならないという焦りを抱える一方
「自分が何をしたいのかわからない」
「スポーツ以外何もできない」
と将来の見通しが立てられないことも、さらにストレスに追い打ちをかける要因なんだとか。
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スポーツを見ている人からすると、アスリートが精神疾患に苦しんでいるとは思いもしませんよね。そこで、メンタルヘルスのデータや選手の経験談をいくつか紹介します。
現役選手の38%、元選手の35%がうつもしくは不安障害に苦しんでいるそうです。
ジャパンラグビートップリーグの選手251人にメンタルヘルスについての実態調査を行った結果、2.4人に1人の割合でなんらかのメンタルヘルスの不調を経験しているとのことです。
オリンピックに出場したイギリス人選手の約24%が、出場後に高い心理的苦痛を抱えていたそう。
・パフォーマンスを発揮できなかったことによる失意
・有名になったことに対する負の影響
・チームメイトからの支援が減った
ことが原因で、心理的苦痛はメダルを獲得した選手や自己ベストを更新した選手も例外ではないそうです。
オリンピックで通算23個の金メダルを獲得し、リオデジャネイロ大会を最後に現役を引退したマイケル・フェルプス選手も精神疾患に苦しんでいた内の1人。
五輪のたびに精神的苦痛を感じていたそうですが、12年ロンドン大会の後は「水泳をしたくなかった。もう生きていたくもなかった」と感じるほど深刻だったそうです。その中で薬物は「何かから逃げ出したい、逃げ出そうとする時の手段だった」と、フェルプスさんは言います。
今回はアスリートとメンタルヘルスについて紹介しました。
アスリートのメンタルに目を向けることはあっても
「メンタルヘルス」に注目したことはあまりないはずです。
「心技体」という言葉があるように、
高いパフォーマンスを発揮するには心の強さだけでなく
「心の健康」も大切なのですね。
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