大好きなボルダリングを仕事にした矢先に訪れた苦悩。その時にかけてくれた一言が、今も僕を支えている

グリーンアロー:エリアマネージャー 雑賀 竜一

大好きなボルダリングを仕事にした矢先に訪れた苦悩。その時にかけてくれた一言が、今も僕を支えている

グリーンアロー:エリアマネージャー 雑賀 竜一

「好きを仕事にしたものの、あまりの忙しさに身体を壊してしまった」もし、あなたがこのような経験をしたら、その「好き」は「嫌い」になってしまうのではないでしょうか。「やっぱり趣味にしたほうがいいのかな」と考える方も、きっと少なくないでしょう。

今回取材したのは、日本国内でボルダリング・クライミングジムの最多店舗数を誇る『グリーンアロー』でエリアマネージャーとして活躍される雑賀竜一さん。彼はまさに、大好きなクライミングを仕事にして一度大変な経験をされた方です。そんな雑賀さんが悩んだ末、もう一度「好きを仕事」にした理由に今回は迫ります。

(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)

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「僕がボルダリングを始めたのは、28歳のときでした」

__オリンピック競技になった今でこそ、すごくボルダリング・クライミングは流行っている印象ですが、雑賀さんはどんなキッカケで競技を始めたのですか?

雑賀:具体的な話をすると、当時、渋谷のクライミングジムに友人が通っていて。彼がそこに居る女の子をご飯に誘いたかったようで「中々声がかけられないから一緒に来てくれない?」って言われて行ったのが最初です(笑)。僕が大学時代にホストをやっていたこともあるので、そういうのが得意だと思ったんでしょう(笑)

__(爆笑)

雑賀:いきなりすみません(笑)。でもその前からずっと、彼から「ボルダリングが面白いんだよ~」って話を聞いていて。興味は持っていたし向いていると思ってはいたんです。球技とかはあんまり得意じゃなかったので。で、初めて行ったときに僕がドハマりしてしまって、そのタイミングでシューズと半年パスを買ったのは、すごく覚えています。

__ユニークな入り口ですけれど、でもその日のうちに諸々を揃えるのは、相当ハマったんだろうなと想像できます!

雑賀:クライミングって割といきなりハマる人とそうじゃない人が結構ハッキリ分かれるんですよね。僕は最初からハマって、2年弱くらい経ったときに「新しい環境で新たな挑戦をしたいな」と思い、東南アジアの岩壁を登りにバックパッカーをやったりもして。

__えぇ!?それはまた思い切ったことを……(笑)

雑賀:今思うと、大した技術もないのにだいぶ思い切ったなって自分でも思います(笑)。でも楽しかったんですよ。マレーシア、タイ、カンボジア、ベトナム、ラオスとかをぐるーっと、登れるところを登って。当時はまだインターネットも今ほど普及してなかったので、現地の人とかガイドの方に登れる場所とか聞きながら……ですね。それで、現地でクライミングを通じて色んな人との出会いがあったりとか、感動することも多くって。帰国した後もボルダリング・クライミングに関わる仕事がしたいなと思って、あるクライミングジムで働き始めたんですよ。

__いわゆる「好きを仕事に」したわけですね。仕事として関わること自体、初めてだったとは思うのですが、当時の話も聞かせていただけますか?

雑賀:大前提クライミング業界は、当時は特にビジネスモデルとして確立されていなくって。だからマニュアルみたいなものはなかったんですよ。接客の仕方もそうですし、コース作りやホールドの配置の決まりも全部イチから作っていかないといけない。それに僕が働いていたところは、ほぼ1人で全てやらないといけなかったし、マネージャーでもあったので大変でした。結果的に8年ほど働いていて、最後は自分1人で抱え込みすぎてしまって、身体を壊して辞めることになってしまったんです……。





好きを仕事にして大変だった過去を乗り越えられたのは、上司からの鶴の一声

__そうだったんですか。そうなると、恐らくその後にグリーンアローさんに入社されることになったと思うのですが、どうしてもう一度、クライミングジムで働こうと思ったのですか?

雑賀:実は最初は、クライミングをもう一度仕事にするつもりはあんまりなかったんです。稼ぎもよくなかったけど「好きなことをやってるから」と自分に言い聞かせながらでしたから、年齢的にも「次は落ち着ける職場で働こう」と思っていて。ただ、少しずつ身体も良くなってきて「とりあえずクライミングジムで、一旦アルバイトしよう」と。「週1くらいでアルバイトできればいいな」って気持ちで、グリーンアローに応募させてもらったんです。ただ、その時に応募した店舗ではマネージャーがいなかったこともあって、僕の経験を見た当社の社長と専務に面接で「店長やりませんか?」って声をかけてもらえて。でも、ちょっと元気になったからって「他のジムで店長やります」は、前のジムに申し訳ないなと思って。「すぐにはお引き受けできない」ってその場では断ったんですけど、とりあえずアルバイトからって話で、また仕事を始めたんですよ。

__その流れだと、結構熱心に誘っていただけて、今に至ると考えて間違いないですか?

雑賀:やっぱりアルバイトでも、店舗のお客様や子どもたちとの関わりがちょっとずつできて、その場に愛着が持てるようになっていったんですよね。それに、社長と専務が僕の気持ちを尊重してくれたのは大きかったです。特に、実は専務も同じような経験をされていて「すごくわかります。でもここで出会えたのは何かのご縁なので、雑賀さんがそういう気持ちになるのを待ってますね」とも言ってくれたんですよね。

__心温まるお話……。

雑賀:本当に嬉しかったですね。それにグリーンアローはクライミング業界の中でも会社の規模が違ったんです。動かせるお金も、イベントで動員できる人数もスケールも。全部魅力で。且つ先ほどお話した通り、クライミング業界はまだ株式会社化したものを継続して利益を出して拡大していくっていうモデルがハッキリない中で、グリーンアローは1つの正解を出しかけているくらいのところにあると思ったんです。それに作業自体も、前は自分がぜんぶやっていたけど、ここにはみんながいて、組織として動ける仕組みがある。専務の言葉も凄く嬉しかったから「またここでやっていこう」って気持ちにどんどんなっていって。それで入社して2年目くらいですかね。茨城のつくばで店長やらせてもらって、今はエリアマネージャーとして3つの店舗を見させてもらってます。キッズクラブを見ることが多いですかね。

__雑賀さんが思うネガティブ要素と過去の経験を、グリーンアローが全て解消してくれたんですね。今、とっても楽しいんじゃないですか?改めて、どんなところが好きか伺いたいです!

雑賀:会社が好きというのは大前提なんですけれど、同僚もクライミングが好きな人が集まっているので、それが凄く楽しくて。働き始めた頃、所属店舗ではないジムに行ったときもすごく暖かく迎えてくれたんですよね。それに、グリーンアローはキッズクラブが結構盛んで、子どもたちや保護者の方々と接する中で、色んなことを教わってきたんですよ。ですから、同僚もそうですし、僕が見させてもらってる3つのジムのお客様や子どもたちは特にですけれど、すごく好きですね。本当に。





改めて魅力に取りつかれた。グリーンアローが求めている人は、やっぱり〇〇だった

__「子どもたちから教わる」と言いますと、例えばどういったことですか?

雑賀:僕、割と短気なほうなんですよ(笑)。例えば17時からのキッズクラブがあったとして、その子たちのために少し早く出勤して準備するとして。早く来ている子どもたちもいるんですよね。「まだ?」「なんでそこにホールド置くの?」「早く」とか、色々言うじゃないですか(笑)。これ、大人同士とか対等の関係であればおかしなことですよね?(笑)。昔であればイライラしていたんですけれど、「ちょっと待ってて」と言える心の余白というか。自分が未熟だったこともありますが、物事を全部自分の思い通りにコントロールできないのが当たり前で、それを受け入れる器を作ってくれたのは、間違いなく子どもたちのおかげなんです。だからクライミングを楽しんでもらえるようにしているつもりが、僕の場合は本当に、与えてもらえているもののほうが、ずっと多いんですよ。

__雑賀さんに会いに来るお客様が凄く多いとも耳にはしていたので、どんな接客とか対応をされているんだろうって気にはなっていたんですけれど、逆と言いますか。

雑賀:だからこそ、来てくれた人にはクライミングを楽しんでほしい気持ちが強いのかもしれません。

__素晴らしいですね。ちなみに、楽しんでもらうために何か雑賀さんが心がけられていることとかってあるんですか?

雑賀:僕の場合は、初対面の子でも初めて来てくれた子でも、お名前を聞いて「僕は雑賀って言うんだけど、名前で呼んでいい?」って聞くようには必ずしています。やっぱり心の距離が近くなると思いますし。あとは1人ひとりがやりたいこととかに合わせてあげること。登ること自体に関しても、1個登れてどんどん次に行く子もいれば、登れたコースを何度もやりたがる子とか。色んな子がいる中で、その子に合わせてやりたいことをやらせてあげる。その上で、この子はこれが好きでこれが苦手で、自分からはやらないけどこういう風にしたら登れるかもしれなくて。でもプッシュしすぎは良くないかな。とか、そういうことを考えながら向き合っていますかね。

__雑賀さんがキッズへの思い入れが強いだけに、働いている皆さんもまず人と関わることが好きな方が多いのかな?と思うのですが、ちなみにどんな方が働かれているんですか?

雑賀:もともとクライミングを部活でやっていた子もいれば「珍しいし面白そう」って入ってくる初心者の子、あとは小学生のスクール生のお母さんとかもいますよ。アルバイトも正社員も、色んな経歴をもった人が働いていますけれど、もちろん接客が好きとか、人と関わることが好きっていう方が多いですが、やっぱりクライミングが大好きな人がほとんどですね。

__今回は求人も同時に出していただいてますので、何かしら求職者に向けてメッセージをいただきたいんですが、一言よろしいですか?

雑賀:結構求められるものが、比較対象によっては重めに感じるかもしれません。一定時間マニュアル通りにこなせばOKっていう種類の仕事ではありませんから。その反面、自由度は高いですしオーナーシップも学べる環境です。ただ、大前提僕らもクライミングが大好きで仕事にしてるので、同じような考えを持つ仲間として一緒に仕事ができたら嬉しいです。ちょっと仕事で求められることは多いかもしれませんので頑張るぞって覚悟と、好きじゃないことを仕事にすることとは比べ物にならない楽しさとやりがいが味わえるっていう「期待」の、両方を持っていただきたいですね。





クライミングの魅力は、言葉には表せない。

__色々とお話を伺ってきましたが、御社はもちろん業界的にももっとボルダリング・クライミングを盛り上げていこう、というタイミングだと思います。雑賀さんは、競技の魅力をどのように伝えていこうと考えていらっしゃいますか?

雑賀:やっぱりグリーンアローの場合は、ららぽーとさんとかモールの中にある店舗も多いんですよ。通りがかった子どもが当店を見て「あれ、やってみたい」って参加してくれるケースも多くって。いずれにせよ初めてクライミングをされるお客様が多いんです。ですので、特に初心者コースは日常生活のちょっと延長くらいのレベルでクリアできるようなコースづくりにしています。やっぱり一番は自力でゴールまで行けたっていう達成感を味わえることが大切とも思いますので、最初はレベル1、次はレベル2、のような形でコースを作っていって「自分にもできそう」と思ってもらえるように、声をかけたり背中を押したりしていますね。

__ホールドの位置も、ずっと同じというわけではないと思うんです。都度コースを変えたりしていると思うんですが、そもそもコースの設計が凄く大変そうだな、頭使いそうだなと。ズバリ飽きさせない工夫って、どうされているんですか?

雑賀:音楽とか料理とかと一緒だと思うんですよ。というのも、たとえば曲で言えば先人たちが作ってきた曲を、何回も練習して自分のものにして、その上でアレンジを加えて自分の色を出していくわけじゃないですか。クライミングも同じで、その引き出しの数が多ければ「こういう風にしたら」ってアイデアも出てくるんですよね。それで作ってみて、自分たちで試してみて……の繰り返しです。あとはトレンドに合わせたコースを作ってみたりとか、ですかね。

__トレンド、と言いますと?

雑賀:10年前と今じゃ全然違うんです。それこそ今って、結構“跳ぶ”イメージありませんか?あれってセオリーからすると有り得ないんですよ。そもそも大自然の岩壁を登るって競技なので、飛んで掴めなかったら死んじゃうじゃないですか(笑)でも今はこうして、室内でできる環境があって、競技として認められたから、伝統的なクライミングのスタイルから変わっていってるんです。だからこそ僕らも”跳ぶ”ようなコースを造ったりもします。とはいえ、大前提はクライミングを楽しんでいただくこと。”跳ぶ”みたいな新しいこともそうですけど、初めて競技に触れる人が楽しめるようにってところの軸はブラさずに、引き出しからアイデアを引き出して組み合わせて、初心者もヒルクライマーも楽しめるような場所にしていきたいなって気持ちです。

__TVではよく拝見していましたけど、お話を聞いて私もクライミングをやってみたい気持ちになりました。ミーハーですけど”跳ぶ”は挑戦してみたいですね(笑)

雑賀:あはは(笑)ちなみに、極端な例かもしれませんが過去にいただいたお問合せで「体重が100kgあるんですけどできますか?」というお話がありました。「もちろん自重がある分、着地は気を付けていただきたいんですけど、ホールドに関してはそれを支えるだけの強度は十分に備わっていますよ」とお話して、楽しまれていた方もいらっしゃいましたよ。グリーンアローの場合は先ほどもお伝えした通り、初心者コースは誰もがゴールできるように作っているので、抜群の運動神経がなくても、逆に筋力に自信がない方でも、まずは一度、クライミングに触れてみてほしいですね。働く方ともお客様とも、一緒に楽しみたいって気持ちは変わりませんから。

__雑賀さん、本日はありがとうございました!





【PROFILE】

雑賀竜一 グリーンアロー(株):エリアマネージャー

中学はバスケ部。高校は吹奏楽部でクラリネットを奏でていた。進学した早稲田大学時代に飲食店を起業したことがキッカケで中退。その後会社を譲渡することになり、ひと段落したタイミングで「何かスポーツで身体を動かしたい」と思っていたところ、友人に誘われボルダリング・クライミングジムへ。そこから競技にハマり、20代も終わるタイミングで心機一転したいと考え、東南アジアへクライミング目的にバックパッカーを始め各地の岩壁を登った。

帰国後は、クライミングをそのまま仕事にしたいと考え、8年ほど某クライミングジムで勤めたが、激務により身体を壊し退職。その後、グリーンアローと出会い社長・専務から熱心にリクルートされ転職し現在に至る。

以前飼っていた「サチコ」という猫をよくジムに連れてきてはいたものの、昨年12月に他界。「しばらく立ち直れなかった」と本人談。しかし運命的な出会いをし、現在はノルウェージャンフォレストキャットとマンチカンの2匹を飼っている。生きがいは言わずもがな『猫』。


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今回取材したのは、日本国内でボルダリング・クライミングジムの最多店舗数を誇る『グリーンアロー』でエリアマネージャーとして活躍される雑賀竜一さん。彼はまさに、大好きなクライミングを仕事にして一度大変な経験をされた方です。そんな雑賀さんが悩んだ末、もう一度「好きを仕事」にした理由に今回は迫ります。

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「僕がボルダリングを始めたのは、28歳のときでした」

__オリンピック競技になった今でこそ、すごくボルダリング・クライミングは流行っている印象ですが、雑賀さんはどんなキッカケで競技を始めたのですか?

雑賀:具体的な話をすると、当時、渋谷のクライミングジムに友人が通っていて。彼がそこに居る女の子をご飯に誘いたかったようで「中々声がかけられないから一緒に来てくれない?」って言われて行ったのが最初です(笑)。僕が大学時代にホストをやっていたこともあるので、そういうのが得意だと思ったんでしょう(笑)

__(爆笑)

雑賀:いきなりすみません(笑)。でもその前からずっと、彼から「ボルダリングが面白いんだよ~」って話を聞いていて。興味は持っていたし向いていると思ってはいたんです。球技とかはあんまり得意じゃなかったので。で、初めて行ったときに僕がドハマりしてしまって、そのタイミングでシューズと半年パスを買ったのは、すごく覚えています。

__ユニークな入り口ですけれど、でもその日のうちに諸々を揃えるのは、相当ハマったんだろうなと想像できます!

雑賀:クライミングって割といきなりハマる人とそうじゃない人が結構ハッキリ分かれるんですよね。僕は最初からハマって、2年弱くらい経ったときに「新しい環境で新たな挑戦をしたいな」と思い、東南アジアの岩壁を登りにバックパッカーをやったりもして。

__えぇ!?それはまた思い切ったことを……(笑)

雑賀:今思うと、大した技術もないのにだいぶ思い切ったなって自分でも思います(笑)。でも楽しかったんですよ。マレーシア、タイ、カンボジア、ベトナム、ラオスとかをぐるーっと、登れるところを登って。当時はまだインターネットも今ほど普及してなかったので、現地の人とかガイドの方に登れる場所とか聞きながら……ですね。それで、現地でクライミングを通じて色んな人との出会いがあったりとか、感動することも多くって。帰国した後もボルダリング・クライミングに関わる仕事がしたいなと思って、あるクライミングジムで働き始めたんですよ。

__いわゆる「好きを仕事に」したわけですね。仕事として関わること自体、初めてだったとは思うのですが、当時の話も聞かせていただけますか?

雑賀:大前提クライミング業界は、当時は特にビジネスモデルとして確立されていなくって。だからマニュアルみたいなものはなかったんですよ。接客の仕方もそうですし、コース作りやホールドの配置の決まりも全部イチから作っていかないといけない。それに僕が働いていたところは、ほぼ1人で全てやらないといけなかったし、マネージャーでもあったので大変でした。結果的に8年ほど働いていて、最後は自分1人で抱え込みすぎてしまって、身体を壊して辞めることになってしまったんです……。





好きを仕事にして大変だった過去を乗り越えられたのは、上司からの鶴の一声

__そうだったんですか。そうなると、恐らくその後にグリーンアローさんに入社されることになったと思うのですが、どうしてもう一度、クライミングジムで働こうと思ったのですか?

雑賀:実は最初は、クライミングをもう一度仕事にするつもりはあんまりなかったんです。稼ぎもよくなかったけど「好きなことをやってるから」と自分に言い聞かせながらでしたから、年齢的にも「次は落ち着ける職場で働こう」と思っていて。ただ、少しずつ身体も良くなってきて「とりあえずクライミングジムで、一旦アルバイトしよう」と。「週1くらいでアルバイトできればいいな」って気持ちで、グリーンアローに応募させてもらったんです。ただ、その時に応募した店舗ではマネージャーがいなかったこともあって、僕の経験を見た当社の社長と専務に面接で「店長やりませんか?」って声をかけてもらえて。でも、ちょっと元気になったからって「他のジムで店長やります」は、前のジムに申し訳ないなと思って。「すぐにはお引き受けできない」ってその場では断ったんですけど、とりあえずアルバイトからって話で、また仕事を始めたんですよ。

__その流れだと、結構熱心に誘っていただけて、今に至ると考えて間違いないですか?

雑賀:やっぱりアルバイトでも、店舗のお客様や子どもたちとの関わりがちょっとずつできて、その場に愛着が持てるようになっていったんですよね。それに、社長と専務が僕の気持ちを尊重してくれたのは大きかったです。特に、実は専務も同じような経験をされていて「すごくわかります。でもここで出会えたのは何かのご縁なので、雑賀さんがそういう気持ちになるのを待ってますね」とも言ってくれたんですよね。

__心温まるお話……。

雑賀:本当に嬉しかったですね。それにグリーンアローはクライミング業界の中でも会社の規模が違ったんです。動かせるお金も、イベントで動員できる人数もスケールも。全部魅力で。且つ先ほどお話した通り、クライミング業界はまだ株式会社化したものを継続して利益を出して拡大していくっていうモデルがハッキリない中で、グリーンアローは1つの正解を出しかけているくらいのところにあると思ったんです。それに作業自体も、前は自分がぜんぶやっていたけど、ここにはみんながいて、組織として動ける仕組みがある。専務の言葉も凄く嬉しかったから「またここでやっていこう」って気持ちにどんどんなっていって。それで入社して2年目くらいですかね。茨城のつくばで店長やらせてもらって、今はエリアマネージャーとして3つの店舗を見させてもらってます。キッズクラブを見ることが多いですかね。

__雑賀さんが思うネガティブ要素と過去の経験を、グリーンアローが全て解消してくれたんですね。今、とっても楽しいんじゃないですか?改めて、どんなところが好きか伺いたいです!

雑賀:会社が好きというのは大前提なんですけれど、同僚もクライミングが好きな人が集まっているので、それが凄く楽しくて。働き始めた頃、所属店舗ではないジムに行ったときもすごく暖かく迎えてくれたんですよね。それに、グリーンアローはキッズクラブが結構盛んで、子どもたちや保護者の方々と接する中で、色んなことを教わってきたんですよ。ですから、同僚もそうですし、僕が見させてもらってる3つのジムのお客様や子どもたちは特にですけれど、すごく好きですね。本当に。





改めて魅力に取りつかれた。グリーンアローが求めている人は、やっぱり〇〇だった

__「子どもたちから教わる」と言いますと、例えばどういったことですか?

雑賀:僕、割と短気なほうなんですよ(笑)。例えば17時からのキッズクラブがあったとして、その子たちのために少し早く出勤して準備するとして。早く来ている子どもたちもいるんですよね。「まだ?」「なんでそこにホールド置くの?」「早く」とか、色々言うじゃないですか(笑)。これ、大人同士とか対等の関係であればおかしなことですよね?(笑)。昔であればイライラしていたんですけれど、「ちょっと待ってて」と言える心の余白というか。自分が未熟だったこともありますが、物事を全部自分の思い通りにコントロールできないのが当たり前で、それを受け入れる器を作ってくれたのは、間違いなく子どもたちのおかげなんです。だからクライミングを楽しんでもらえるようにしているつもりが、僕の場合は本当に、与えてもらえているもののほうが、ずっと多いんですよ。

__雑賀さんに会いに来るお客様が凄く多いとも耳にはしていたので、どんな接客とか対応をされているんだろうって気にはなっていたんですけれど、逆と言いますか。

雑賀:だからこそ、来てくれた人にはクライミングを楽しんでほしい気持ちが強いのかもしれません。

__素晴らしいですね。ちなみに、楽しんでもらうために何か雑賀さんが心がけられていることとかってあるんですか?

雑賀:僕の場合は、初対面の子でも初めて来てくれた子でも、お名前を聞いて「僕は雑賀って言うんだけど、名前で呼んでいい?」って聞くようには必ずしています。やっぱり心の距離が近くなると思いますし。あとは1人ひとりがやりたいこととかに合わせてあげること。登ること自体に関しても、1個登れてどんどん次に行く子もいれば、登れたコースを何度もやりたがる子とか。色んな子がいる中で、その子に合わせてやりたいことをやらせてあげる。その上で、この子はこれが好きでこれが苦手で、自分からはやらないけどこういう風にしたら登れるかもしれなくて。でもプッシュしすぎは良くないかな。とか、そういうことを考えながら向き合っていますかね。

__雑賀さんがキッズへの思い入れが強いだけに、働いている皆さんもまず人と関わることが好きな方が多いのかな?と思うのですが、ちなみにどんな方が働かれているんですか?

雑賀:もともとクライミングを部活でやっていた子もいれば「珍しいし面白そう」って入ってくる初心者の子、あとは小学生のスクール生のお母さんとかもいますよ。アルバイトも正社員も、色んな経歴をもった人が働いていますけれど、もちろん接客が好きとか、人と関わることが好きっていう方が多いですが、やっぱりクライミングが大好きな人がほとんどですね。

__今回は求人も同時に出していただいてますので、何かしら求職者に向けてメッセージをいただきたいんですが、一言よろしいですか?

雑賀:結構求められるものが、比較対象によっては重めに感じるかもしれません。一定時間マニュアル通りにこなせばOKっていう種類の仕事ではありませんから。その反面、自由度は高いですしオーナーシップも学べる環境です。ただ、大前提僕らもクライミングが大好きで仕事にしてるので、同じような考えを持つ仲間として一緒に仕事ができたら嬉しいです。ちょっと仕事で求められることは多いかもしれませんので頑張るぞって覚悟と、好きじゃないことを仕事にすることとは比べ物にならない楽しさとやりがいが味わえるっていう「期待」の、両方を持っていただきたいですね。





クライミングの魅力は、言葉には表せない。

__色々とお話を伺ってきましたが、御社はもちろん業界的にももっとボルダリング・クライミングを盛り上げていこう、というタイミングだと思います。雑賀さんは、競技の魅力をどのように伝えていこうと考えていらっしゃいますか?

雑賀:やっぱりグリーンアローの場合は、ららぽーとさんとかモールの中にある店舗も多いんですよ。通りがかった子どもが当店を見て「あれ、やってみたい」って参加してくれるケースも多くって。いずれにせよ初めてクライミングをされるお客様が多いんです。ですので、特に初心者コースは日常生活のちょっと延長くらいのレベルでクリアできるようなコースづくりにしています。やっぱり一番は自力でゴールまで行けたっていう達成感を味わえることが大切とも思いますので、最初はレベル1、次はレベル2、のような形でコースを作っていって「自分にもできそう」と思ってもらえるように、声をかけたり背中を押したりしていますね。

__ホールドの位置も、ずっと同じというわけではないと思うんです。都度コースを変えたりしていると思うんですが、そもそもコースの設計が凄く大変そうだな、頭使いそうだなと。ズバリ飽きさせない工夫って、どうされているんですか?

雑賀:音楽とか料理とかと一緒だと思うんですよ。というのも、たとえば曲で言えば先人たちが作ってきた曲を、何回も練習して自分のものにして、その上でアレンジを加えて自分の色を出していくわけじゃないですか。クライミングも同じで、その引き出しの数が多ければ「こういう風にしたら」ってアイデアも出てくるんですよね。それで作ってみて、自分たちで試してみて……の繰り返しです。あとはトレンドに合わせたコースを作ってみたりとか、ですかね。

__トレンド、と言いますと?

雑賀:10年前と今じゃ全然違うんです。それこそ今って、結構“跳ぶ”イメージありませんか?あれってセオリーからすると有り得ないんですよ。そもそも大自然の岩壁を登るって競技なので、飛んで掴めなかったら死んじゃうじゃないですか(笑)でも今はこうして、室内でできる環境があって、競技として認められたから、伝統的なクライミングのスタイルから変わっていってるんです。だからこそ僕らも”跳ぶ”ようなコースを造ったりもします。とはいえ、大前提はクライミングを楽しんでいただくこと。”跳ぶ”みたいな新しいこともそうですけど、初めて競技に触れる人が楽しめるようにってところの軸はブラさずに、引き出しからアイデアを引き出して組み合わせて、初心者もヒルクライマーも楽しめるような場所にしていきたいなって気持ちです。

__TVではよく拝見していましたけど、お話を聞いて私もクライミングをやってみたい気持ちになりました。ミーハーですけど”跳ぶ”は挑戦してみたいですね(笑)

雑賀:あはは(笑)ちなみに、極端な例かもしれませんが過去にいただいたお問合せで「体重が100kgあるんですけどできますか?」というお話がありました。「もちろん自重がある分、着地は気を付けていただきたいんですけど、ホールドに関してはそれを支えるだけの強度は十分に備わっていますよ」とお話して、楽しまれていた方もいらっしゃいましたよ。グリーンアローの場合は先ほどもお伝えした通り、初心者コースは誰もがゴールできるように作っているので、抜群の運動神経がなくても、逆に筋力に自信がない方でも、まずは一度、クライミングに触れてみてほしいですね。働く方ともお客様とも、一緒に楽しみたいって気持ちは変わりませんから。

__雑賀さん、本日はありがとうございました!





【PROFILE】

雑賀竜一 グリーンアロー(株):エリアマネージャー

中学はバスケ部。高校は吹奏楽部でクラリネットを奏でていた。進学した早稲田大学時代に飲食店を起業したことがキッカケで中退。その後会社を譲渡することになり、ひと段落したタイミングで「何かスポーツで身体を動かしたい」と思っていたところ、友人に誘われボルダリング・クライミングジムへ。そこから競技にハマり、20代も終わるタイミングで心機一転したいと考え、東南アジアへクライミング目的にバックパッカーを始め各地の岩壁を登った。

帰国後は、クライミングをそのまま仕事にしたいと考え、8年ほど某クライミングジムで勤めたが、激務により身体を壊し退職。その後、グリーンアローと出会い社長・専務から熱心にリクルートされ転職し現在に至る。

以前飼っていた「サチコ」という猫をよくジムに連れてきてはいたものの、昨年12月に他界。「しばらく立ち直れなかった」と本人談。しかし運命的な出会いをし、現在はノルウェージャンフォレストキャットとマンチカンの2匹を飼っている。生きがいは言わずもがな『猫』。


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設立年月 2010年10月
代表者 代表取締役:田上 桂一朗
従業員数 80名
業務内容

・「グリーンアロー」の運営管理
・クライミングジム及びスポーツ施設の店舗開発
・企画及びコンサルティング
・粉末チョーク、液体チョーク「AR lab」製品の製造及び卸販売
・直営店での販売
・クライミングウォールの製造販売
・ルートセット業務
・イベント運営業務

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