インストラクターから広げるキャリアアップの道筋 「からだ機能スポーツ教室」が与えるもう一つの役割

株式会社ライフ&スポーツ 代表取締役社長 遠藤 賢二、採用担当 岡田 恵美 、新入社員 松岡 祐里恵

インストラクターから広げるキャリアアップの道筋 「からだ機能スポーツ教室」が与えるもう一つの役割

株式会社ライフ&スポーツ 代表取締役社長 遠藤 賢二、採用担当 岡田 恵美 、新入社員 松岡 祐里恵

子どもたちに「からだで遊ぶ歓び」を伝えるため、東京都文京区に茗荷谷校、本郷校、駒込校、根津校の4つの教室をもつ「からだ機能スポーツ教室」。通称「からスポ」では、運動する機会が限られている現代の子どもたちに体を動かす環境を提供するだけでなく、スポーツを続けてきた人たちにとってもより良い環境をつくるという2軸の思いをもって活動している。

「ここでずっと働いてほしいと思っているわけではない」

そう話すのが、代表取締役社長の遠藤賢二さんだ。自分自身、10回ほどの転職を繰り返し、海外で仕事をする経験もしてきたからこそ、1つの会社にとどまることがすべてではないことは知っている。だからこそ、働く人たちがキャリアアップをする時にこの教室で働いて良かったと思ってもらうために、従業員たちにはインストラクターだけではない“もう一つ”の役割を与えた。

今回は、採用担当の岡田恵美さん、子どもへの指導未経験で入社した松岡祐里恵さんを含め、異なる背景をもつ3人に、この会社を立ち上げた背景から実際に指導未経験で働き始めた現場の声まで、幅広く話を聞いた。

(取材・執筆:伊藤 千梅、編集:伊藤 知裕、中田 初葵)

子どもに体を動かす機会を

―――「からだ機能スポーツ教室」を立ち上げた時に大事にしていたことを教えてください。

遠藤 教室を立ち上げた際に大切にしたことは2つあります。1つが子どもたちへの思いと、もう1つが従業員・インストラクターへの思いです。

子どもたちに対しての思いについては、私自身も親になって感じたことですが、今の大人が子どもの頃と比べると、体を動かして遊んで成長する機会が格段に減っています。体を動かすことは、身体的な成長だけでなく、脳の成長にも大切です。そのため、ただ体操教室を作るのではなく、体を動かすことを通して「成長」や「体験」ができるような場所を作りたいと考えています。特に郊外よりも機会が減っている都心に教室を作りました。

―――教室ではどのような運動を行うことで、「成長」や「体験」ができるような場所になるんでしょうか?

遠藤 子どもの成長を一番に考えた時に、できるだけロジカルに説明したいと思いました。「子どもの成長にいいですよ」って言ってもどういいのか分からないと説明できません。子どもが楽しんで運動しつつ、効率的に成長へつなげられる考え方が、コーディネーショントレーニングでした。

松岡 私が入社する時のイメージは「楽しい体操教室」でした。そこまで詳しい内容は知らなかったですが、ゲームのようなトレーニングをしているなとは感じていて、思い返すとそれがコーディネーションでしたね。

―――100以上のオリジナル種目があると伺いましたが、メニューはどのように作成しているのでしょうか?

岡田 ベースにルールを付け足すことで、プログラムとしてのオリジナリティーを出しています。ベースが鬼ごっこであれば、背中しかタッチしちゃいけないとか、線の上を走らなくちゃいけないとか。うちには道具もたくさんあるので、道具を使ったもののルールをどんどん追加していくことでバリエーションを増やしています。

―――入社前から内容はご存知でしたか?

岡田 細かいレッスン内容を理解はしていませんでした。それよりも理念的な印象があって。昔は木登りしているときに落ちて怪我して学んでいたことが、今の子はなかなか経験できないから「こういう場所で、こういう運動をして転び方を学んでいるんだ」ということを知りました。

インストラクターと“もう一つ”の業務

―――もう一つの大事にしている「従業員・インストラクターへの思い」とは?

遠藤 事業を進めるなかで、スポーツに本気で取り組んできた人たちが稼げていない現状を目の当たりにしたことがきっかけでした。スポーツに取り組んできたことの価値を高めるような教室が成り立つと、子どもも従業員もみんなが幸せになるのではないかと思い、今に至ります。そのための取り組みの一つが、いろいろな業務を担当してもらうことです。

―――いろいろな業務とは一体どのようなものですか?

岡田 私たちはインストラクター業務のほかに、教室運営の事務などを行っています。基本的に午前中はレッスンがないので、その時間で私は人事を担当しています。松岡は教室運営や広告系のパンフレット作成、LINE配信の告知案内を作っています。他の部署は売上関係の確認や、昨年に導入した予約システムも自分たちで行いました。

―――多岐にわたりますね。その配属は選べるのですか?

松岡 私は新しいことに挑戦したい気持ちと、前職の仕事も活かしたい気持ちがあったので、基本的にはお任せで配属になりました。今はパンフレット作成をはじめ集客を中心に担当し、SNS発信も始めることを考えていて、社長とは年内には始動しようと話しています。

岡田 私は教員をやっていたので、子ども向けになにかを教えることはしていましたが、今までの経験を踏まえて今度は大人にも教えていきたいなと思い、新人教育を担当させてほしいと伝えて、配属してもらいました。

―――そういった業務が、キャリアアップにどのようにつながっていくのでしょう?

岡田 例えば、私は教員からインストラクターになったので、他の会社から見ると「この人は子ども関係の仕事しか強くない」と思われることが多いと思います。でも、インストラクターと同時に人事をやらせてもらうことで、今度転職する時には子ども関係でなくても、自分の強みを活かしてステップアップがしやすいです。なので、これまで退職した人たちも、後ろ向きな辞め方というよりも、ステップアップや他業種へのチャレンジといった、前向きな姿勢で転職していく方が多かったです。

遠藤 そもそも私自身が10回くらい転職している背景もあるので、ずっとここで働いてほしいと思っているわけではありません。この2、30年の間で、終身雇用の時代ではなくなっています。転職することが当たり前になっているからこそ、うちで働いている時間に、自分自身の価値を少しでも高めてほしい。辞める時に「この会社で働いてよかった」と思ってもらえるのであれば、その人が辞めることは会社にとってもその人にとっても決してマイナスではないと考えています。

そうやって前向きに出ていく人がたくさんいたほうが、会社に残る人たちにとってもその後が働きやすいですし、入ってくる人たちも長続きする、いい循環が生まれると思っています。できるだけいいキャリアを積んでいくために、うちの会社を最大限利用してほしいですね。

未経験から模索する子どもとの関わり

―――キャリアアップも望めるライフ&スポーツさまですが、岡田さんと松岡さんが入社した決め手を教えてください。

岡田 私は教員をやっていて、引き続き子ども関係の仕事がしたいと思っていたところ、この仕事に出会いました。教室に通う子どもたちが、笑顔で楽しそうだと感じたことが入社を決めた理由です。

松岡 私は前職が広告代理店の営業で、仕事とプライベートの切り替えができて、できるだけ楽しく業務ができるという2つの軸で転職活動をしていました。子どもが好きだったので、幼稚園や保育園の先生も考えたのですが、それよりもスポーツを続けてきたこともあり、この仕事のほうが自分が働くイメージができたんです。

一番の決め手は自分のキャリアの選択肢が広がることです。遠藤さんも言っていたように、インストラクターだと、その次のキャリアでステップアップが難しいけれど、この会社ではいろいろな業務を任せてもらえます。他社と比較した時に、その違いが大きかったですね。

―――松岡さんは指導未経験での入社だそうですが、どのようにして指導スキルを身につけていったのですか?

岡田 最初の1カ月は私が松岡さんの基本的な教室業務や子どもたちとの関わり方、レッスンの流れを指導し、その後からメンターとなるスタッフとペアを組むような形をとっています。

松岡 誰に聞いても大丈夫ではありますが、ペアを組ませてもらった先輩とは密にコミュニケーションをとっていました。レッスン前後の時間も取れますし、平日の午前中はレッスンがないので、その時にしっかり内容確認ができ、心の余裕が生まれていました。ペアを組ませてもらうことで、いつでもその人に教えてもらえる安心感があるのでいいなと思います。

―――そういったサポートを経て、実際に働いてみていかがですか?

松岡 運動を教えることに関しては、ずっと陸上競技の走幅跳をしていたこともあり、割と得意なほうではあると思います。ただ子どもとの関わり方はまだ模索中ですし、入社から9カ月が経っても課題だらけです。

運動を教えることには教え方の基本的な順序があるのですが、子どもとの関わり方については1人1人の性格が違うので難しい。「なんで泣いちゃうのか」「なんで列に並ばないのか」「なんで言うこときかないのか」……と悩むことばかりです。先輩方の真似をしながら探り探り歩み寄るのですが、すぐに新たなキャラが登場してくるので(笑)。なかなか大変ですね。

―――たしかに未経験だと大変そうですね……。働いていて、前職の広告営業の経験が活かせていると感じることはありますか?

松岡 営業で歩き回ることをしていたので、体力はあります(笑)。あとは法人のお客様と話すことが多かったので、保護者の方々とお話する際の返答は苦手ではありません。ただそれ以外、子どものレッスンは本当に未経験なので、前職の経験が今につながっている実感は正直ないです。

どちらかというと、指導よりも業務のほうが活きていると思います。基本的なパソコンの使い方、やることがたくさんある時でも順序を立てて作業していくこと、期限を守るといった部分は、これまでの経験が活きていると感じています。

岡田 一緒に働いていても、松岡さんがこれまでの仕事や部活で培ってきた積極性は強みだと感じます。彼女にとって、これまで子ども関係の仕事の経験がないことは1つのハードルだったと思いますが、社員同士で仕事をしている時や子どもたちと関わる時も、主体的にアクションをしていくことでいい関係性が作れていると思っています。

―――今の仕事をしていて、どんな時にやりがいを感じますか?

松岡 子どもたちができなかったことができるようになった瞬間を、見に来ている親御さんと共有している時ですね。「できるようになったね」と親子でハイタッチする姿をよく見ますが、それを見ていると「やってよかった」「一生懸命教えてよかったな」と思います。

声かけを工夫して、お父さんお母さんから離れられなくて泣いてしまっている子がやっと列に入ってこれるようになった時もうれしいです。もちろん他のコーチが日々声かけをしてくれている積み重ねではありますが、子どもの成長に関われた瞬間が楽しいと感じます。レッスンが終わった後に「まだ帰りたくない」と言って、いじけちゃう子もいるんですよ(笑)。そんな時も一生懸命レッスンをして良かったと思えます。

岡田 私も、鬼ごっこでタッチされただけで泣いていたような子が、物おじせずに鬼ごっこ練習に参加している様子を見ると、この子の成長に少しでも自分が関わることができたんだなとうれしく感じますね。そこにつきますね。

大事なのは「子ども好き」「運動好き」

―――「からだ機能スポーツ教室」ではどんな人が活躍していますか?

遠藤 今いる人はみんな活躍していますね!長く楽しく働ける人の条件としては、子どもが好きであることと、体を動かすことが好きであることの2つだけで十分だと思います。性格やスキルはみんな個性がありますし、そこはバラバラなほうができることも広がりますし、いろいろなキャラがいたほうが楽しいと個人的には思っています。

岡田 休憩時間にみんなと雑談をしますが「あの子の昨日の様子がさ」「あの子ああいうところがいいよね」「昨日あの子こんなことしていたの可愛くない?」と、基本的に子どもたちの話題になります。校舎に関係なくみんなが子どもの話題をあげるので、当たり前すぎるかもしれないですが、やはり子どもが好きであることは必須だと思います。

遠藤 本当に子どもが好きじゃないと、厳しいよね。私も好きなほうだとは思うけど、インストラクターをやれるかと聞かれたら微妙です。教師が使命感や志がないと続かないのと同じように、“子どもが好き”が根底にないと難しいでしょうね。

松岡 子ども好きな人というのは本当に絶対条件。その上で、私は明るさが大事だと思います。普段はあんまり喋らない静かな方でも、レッスンが始まったら堂々としてハキハキ話せるということ。親御さんも見ているので、納得のいくレッスンを責任もってみせられる人であることが、この教室にいる人たちに共通していると思います。

岡田 たしかに明るさも大事ですね。私も人事として人と会う時に大事にしているポイントです。資格の有無を重要視する会社ではないですし、未経験でも意欲がある人のほうがいいですね。若くてフレッシュな人は大歓迎です。

―――最後に今後、教室をどうしていきたいかを教えてください。

遠藤 教室としては、より地域に根付いていきたいです。その地域に住んでいるすべての人が「からスポ」を認識している状況にしたいと思っています。10年後、20年後には「お母さんも、ここの教室に通っていたんだよね」という会話が生まれてほしいですね。

スタッフに対しては、さっきの話と一緒で、「幸せになってね」と思っています(笑)。働くなかで、できるだけたくさんのスキルを身につけて、得意不得意や自分の興味関心を理解し、キャリアアップする際に「ここにいてよかった」と思える働き方をしてもらいたいです。

―――お二人の教室と個人としての目標はありますか?

岡田 教室としては、もっと子どもたちを増やしたいです。今の子どもたちは、運動不足の子が本当に多い。室内でゲームをすることだけが楽しいのではなくて、家でお父さんお母さんとでんぐり返しの練習していることも楽しいと思ってくれる子が、もっと増えたらいいなと思います。そのために、子どもたちがより安心して参加できる教室にしていきたいです。

自分としては、子どもだけでなく、大人とのコミュニケーションにもしっかりと取り組んでいきたいです。新人教育を通して固定概念を取り払いながら、コミュニケーションのスキルを磨いていきたいです。

松岡 私も教室としての目標は似ていて、まだクラスに空きがある状況なので、満員にしたいです。紹介で「ここの体操教室いいよ」と言ってもらえるようにしていきたいですね。

自分としての目標は、今は運営に携わっているので、いずれキャリアチェンジをすることがあった時に「松岡さんがいたから、これが整ったよね」と、スタッフの皆さんにいてくれてよかったと思ってほしいですし、なにかを残せる業務をできたらいいなと思っています。

遠藤 名前を残したい、と。

岡田 「カラスポの偉人」を目指しましょう(笑)。

松岡 そこまで大口を叩けるほど、今はまだなにもできていないのですが(苦笑)。でもそれを目標に、一生懸命がんばりたいと思います!

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【PROFILE】

遠藤 賢二(えんどう けんじ)写真中

株式会社ライフ&スポーツ 代表取締役社長。高校卒業後に本屋さんに就職し、20歳でインターネット系の営業職に挑戦。海外での仕事も含めた10つほどの会社を経験した。1つの職場に固執しない考え方で、従業員の幸せを第一に考えている。

岡田 恵美(おかだ めぐみ)写真右

採用担当。教員から転職して現在3年ほど。好きなスポーツはバレーボールとスノボで、趣味はセルフネイル。仕事をする上で大切にしていることは「子どもたちを楽しませること」。

松岡 祐里恵(まつおか ゆりえ)写真左

入社9カ月の新入社員。前職は広告系の営業。学生時代は陸上競技の走幅跳に取り組んでいた。好きな街は肘折温泉街で、好きな食べ物は酸っぱいもの。趣味はキャンプと旅行。大切にしていることは「責任感をもつこと」

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月 2016年07月
代表者 遠藤賢二
従業員数 10名(2024年7月時点)
業務内容

「からだ機能スポーツ教室」の運営

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