プロバスケ『B.LEAGUE』は今、まさに戦国時代。2026年に始まる新リーグでは、これまでのように[B2]→[B1] ないしは [B1]→[B2]といった昇降格がなくなり、NPBのようにトップチームだけで構成されることになる。まさに新B1参入に向けて、B1～B3までの各クラブが群雄割拠の時代を生き残るため、バスケットボールを通じた新たな価値創出に向けて歩みを続けている。
さて、あなたはB3リーグに所属する『横浜エクセレンス』というクラブをご存知だろうか。
2012年～2021年まで『東京エクセレンス』として、東京都板橋区をホームとして活動。2021年から神奈川県横浜市に移転し名称変更したことで『横浜エクセレンス』になったクラブだ。Bリーグ創設前のNBDLで3連覇を成し遂げた注目株が、Bリーグ開幕以降に歩んできたこれまでと、2026年の新B1参入に向けた採用計画について、今回は『横浜エクセレンス』の代表取締役・向井昇氏に話を伺った。スポジョバ初の連載企画として、8週にわたり掲載する。
競技に関係なく、プロチームが本拠地を移転したケースは非常に珍しいと言えるだろう。また、クラブ存続の危機にもあったにも関わらず、全てをクリアにできたクラブの歴史は涙無くして見られないだろう。そして何より、向井氏の想いを知り、同クラブに興味を持たない人はほぼいないだろう。これはきっと、あなたの未来にも繋がる物語だ。
(取材：構成=スポジョバ編集部 小林亘)
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＿＿2018年6月のタイムリミットが迫る中、まずは経営改革についてお話を聞かせていただけますか？
向井：結論からお伝えすると、シーズン終了後の2018年6月末までに、新しいオーナーを見つけるなり経営改革をしないと、もうクラブを畳むのも仕方ない、という状況でした。
私としては、何としてもエクセレンスを残したい。これまで板橋区の小豆沢体育館で応援してくれたファンの方々のためにも。と、強い想いを持って、本当に色んな方々とお会いしてお話をしていたんですが、それでも中々話が進まない。本当に新しい経営改革をしないといけないのに、前に進めないもどかしさがありました。
＿＿エクセレンスを無くさないためにも、向井さんの挑戦が始まったわけですね。
向井：一筋の光が見えたのは、2017年の7月だったと記憶しています。私がクラブ存続に向けて動いていたときに、現オーナーである、建設機械の大手メーカーの(株)加藤製作所 加藤公康社長とご縁を頂きました。本当にたまたまなんですが、共通の友人が繋いでくれたんです。最初1年はブースターとして、試合会場にも足を運んで頂き、観戦してもらいました。
そこで好意的に思ってくださったこともあり「ぜひオーナーになってほしい」と我々から提案させていただいたんです。それで「わかりました。ぜひ一緒に頑張りましょう！」というお言葉をくださって、2017年の年末に一度話がまとまっていたんですよ。
＿＿嫌な予感が……
向井：ただ今度、翌年2018年1月には、加藤製作所さんの中で何かしらの事情が起きたようで、その影響もあり「申し訳ないんですが、エクセレンスさんの件は白紙にさせてほしい」というご返答があったんです。
正直なところ、すごくショックでした。経営を立て直せると思っていた矢先の出来事でしたから。ただ、それでも「やるしかない」と自分にスイッチを入れて、また色んな人にお話をさせていただいたんですが、やはりそう簡単にはいかなくて。でも1月、2月、3月……と、『2018年6月まで』というリミットまで、少しずつ近づいてしまっていて。
＿＿その時間を過ごすこと、さぞ辛かっただろうとお察しします。
向井：いよいよ期限が近づいてきた2018年5月に、これもたまたまなんですが、再度加藤社長とお会いする機会をいただけたんです。でも、もうその時私は、万策尽き半ば諦めていて、社長との食事中もかなり落ち込んでいたんですよ。
その様子を気にかけてくださった社長から「どうなった？」と聞いてくださったんです。それで「今、手がほぼ無くなっている」と、正直にお伝えしたところ、加藤社長が「もう一度再考するから、少し時間をくれないか」と言ってくださったんです。残り2ヶ月くらいで社内調整をもう一度してくださって、結果、6月末の期日までになんとか基本合意を得ることができて、7/26に調印し、オーナーになっていただき、8/2の記者会見に到りました。「これで経営は一安心だ」と思ってはいたんですが……
>>>次回『東京23区内に民設民営のアリーナ建設計画』につづく
| 設立年月 | 2016年07月 | |
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| 代表者 | 桜井直哉 | |
| 従業員数 | 25 | |
| 業務内容 | バスケットボールクラブの運営
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