「激動のオフシーズンだった」と言っても過言ではないだろう。経営体制の変更、REBRANDINGの発表、グッズやHPの刷新、新加入選手・スタッフとの連携、それに伴うメディア対応……etc。B.LEAGUE2020-21シーズンチャンピオンだからこそ、多くのブースターやメディアから注目を浴び続けている『千葉ジェッツ』。
「もっと多くの人が求めていることを知り、実践していきたい」と口を揃えて語るのは「イケメン広報」とファンの間では大人気の三浦一世氏を中心とした広報チームのお三方。今回は、どんな変化があっても変わらない、彼ら・彼女らのアツい気持ちやこれまでの経緯、そして「これから」について、2時間超えのロングインタビューを実施!『千葉ジェッツシリーズ』として5本立てでお送りします。Vol.4は、3人体制となった新広報チームとしてやっていきたいこと。仕事論、選手の意外な一面なども踏まえてお話いただきます!
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
__まず、連日TVなどでジェッツさんが取り上げられているのを拝見しています。特に印象的だったのは『Going! Sports&News(日本テレビ)』で川口春奈さんがロックアイスベースに訪れた企画なのですが。
芳賀:あれは、彼女が所属している『研音』って事務所で以前、僕が働いていたこともあって川口さんが番組キャスターに就任されたのを見て、取材の切り口もすぐに思いついたので是非、富樫選手との対談を実現したいなと思い、三浦に頼んで番組側へ企画書を渡させてもらったんです。
三浦:当時芳賀は地域チームだったので、最初は僕経由で色々やっていたんです。それで『Going』の別のコーナーの収録があったときにディレクターさんが来ていただいてたので、芳賀に「来てるよ~」って声かけて、急いで企画書持ってきてもらって(笑)。ただ、企画書を渡させていただいたものの、千葉ジェッツ側としてもコロナで活動が制限されてしまっていたり、富樫選手も代表活動とかあって全然スケジュールが合わなくて。社交辞令的に終わるかな?とか思っていたんですけれどで、芳賀が広報チームに来てくれたので、パスを戻した感じです(笑)。それで1年越しくらいですかね、実現できたんですよ。
芳賀:コロナの影響で企画内容の変更はありましたけど、1番良いカタチで企画を実現できて本当に嬉しかったなぁ。
清野:私も、やっぱりバスケを知らない人にもバスケを知るキッカケを作りたいって思っているからこそ、あの企画は印象的ですね。メディアさんからいただいた企画を調整して実現するパターンがほとんどなので、もちろん今回の企画みたいなことはやっていきたいですし、加えてもっとメディアの方に注目されるように、バスケ自体を千葉から盛り上げていきたいんですよね。
__それで言うと、やはりロックアイスベース(2021年4月にOPENした千葉ジェッツ活動拠点・以下RIB)の存在は大きいんじゃないですか?
三浦:いや~それは本当に。本当に。マジで小久保さん(小久保製氷冷蔵(株)・家庭用の袋詰め氷製品『ロックアイス』のメーカーでありRIBの出資元)には感謝しかないです。未だにお会いしたタイミングでは「本当にありがとうございます」って伝えてます。それくらい、選手はもちろんですけど私たちも働きやすくなったんですよ。
芳賀:Wi-fiも完備ですし、極端ですけど私たち広報もRIBで一日仕事ができますからね。
__それこそYouTubeの60秒インタビュー企画で、新加入のクリストファー・スミス選手(#34)も仰ってましたよね。ヨーロッパにはこんな施設ないって。
三浦:そうそうそう!日本はもちろんヨーロッパにもこういう施設はないって彼も言ってましたよね。あの施設は本当にすごいんですよ。ウチの持ち物ではないんですけど、この環境は本当に小久保さんがいなかったら実現していないので。あ、ココは絶対に使ってください(笑)
(爆笑)
__やっぱり選手と触れ合う機会は、プロスポーツチームの広報なら多いと思うんです。特に今シーズンからジョインしたお2人は、その辺りで新たな発見などはありましたか?
芳賀:そうですね。最近は赤穂選手(#6)とかが覚醒してて、先輩を良くイジったりもしているんですよ(笑)。それに、ラッシー(ラシード・ファラーズ選手・#24)は、私たち広報の記事を読んで「芳賀さんを始め広報チームの皆さんの想いを知れてよかったっす!」って声かけてくれたりして。「ラッシー良いヤツすぎる(笑)」って話で盛り上がったりしたんですよ(笑)。結構ジェッツの選手たちは、バランスよく仲良いと思います!タテの関係も全然厳しくないし。
清野:赤穂選手(#6)が佐藤選手(#14)をいじってる瞬間とかは確かによく見ますね(笑)。赤穂選手がいじり始めて「もういいよ~」みたいな2人のやりとりを見ると、ほっこりすると言いますか(笑)。2年間ファンクラブでやってきて知らなかった部分というか、選手同士ってこんなに仲良しなんだとか、こんなことを考えていたんだっていうのは、仰る通りプレイ以外の部分で知ることができているんですよね。そういう部分をSNSで発信できたらなって広報チームに入ってからより強く思うようになりました。
__清野さん、誰か1人選手を挙げるとして、この選手ってこんなこと考えてるんだって、印象的な方とかいらっしゃいますか?
清野:富樫選手(#2)は、目立つ存在で日本を代表する選手で、キャプテンでチームを引っ張っていってるイメージがありますけれど、かなり周りへの気遣いを大切にされている選手なんだなという印象が広報に入ってから分かりました。もちろん勝ちにこだわりが強くて、それに向けて何をしていくべきかっていうのを考えることはもちろん、どういう発言をしたらチームを鼓舞できるかとか、そういうことまで考えた上で発言されているなっていうのは、富樫選手がメディア対応している姿を見ていく中で改めて感じたところです。
三浦:そんな富樫選手を中心に、勝ちにこだわりを持ったメンバーが多いんですけれど、やっぱり純粋ですよ。学生みたいなノリの部分が多いので(笑)。西村選手(#11)とかはやっぱりイジる対象ではないんですけど(笑)。とにかく優しいし後輩にも声かけてて面倒見が良いし。自分がスタートという役割からベンチスタートに変わってステップの変化も自覚してて、チームに残せるものを若手に分け与えてるというかね。
芳賀:あとはやっぱり、僕は地域チームにいたこともあって、社会貢献活動の部分で広報に入ってからはより選手と近くなったなって感じてます。それこそ前回お話させていただいた通り、原選手(#31)だったり大宮選手(#8)、佐藤選手(#14)は、ご自身から僕らフロントスタッフへ社会貢献等について声をかけてくださったり。部署異動したことで、選手からも身近な存在になれたんじゃないかなって思うんですよね。それは広報としても非常にありがたいことだなって思います。
__広報チームとしての活動についてですが、REBRANDINGがあったことはもちろん、例年『Player!』の配信であったりSNSの配信であったりと、かなりブースターさんが喜ぶコンテンツを意図的に配信している印象があります。
三浦:やっぱり選手だけではなくて、フロントスタッフのことを知ってもらったほうが親近感って湧くと思うんですよね。僕が去年から出始めていますけど、千葉ジェッツ全体のことを知ってもらいたいですし、もっと言うと箱推しというかね。
芳賀:そうですね。いつかは推しの選手もチームを離れる時が来てしまうと思うので。そうなったときに「〇〇選手がいないからジェッツ応援しない」って悲しいじゃないですか。だから「たとえ推しの選手が離れても、やっぱりジェッツを応援します!」って思ってもらえるように、チーム自体をもっと好きになってもらえるようにって思いで裏側の情報発信は続けてるんですよ。
三浦:とはいえ、僕は選手そのものの価値を上げたいとも思っていて。千葉ジェッツに居たことでその選手の価値が物凄く上がって、もしかしたらスポーツキャスターになれるかもしれないじゃないですか。だからYouTubeとかSNSとかに出演してもらうことで、彼らにもメディアに出るっていうこととか喋ることに慣れてもらったり、トークスキルとかを上げるとか、そういう楽しさも感じてもらえたらいいなって思ってます。
__三浦さんのそのお言葉は選手に直接伝えたいですね!ぜひこの記事を選手皆さんにも読んでいただきたいです(笑)
清野:それこそ、やっぱり他のチームに行っても応援し続けてもらってる選手とかも多いんですよ。石井講祐選手(現サンロッカーズ渋谷・#27)や、コー・フリッピン選手(現琉球ゴールデンキングス・#4)とか、セバスチャン・サイズ選手(現アルバルク東京・#11)とか。ヨーロッパとか海外に行っちゃった選手も、ブースターさんたちの間で「誰誰がどこどこでやってるらしいよ」とか、そういう話を聞けるだけでもすごく嬉しい気持ちになります。
__去年活躍したシャノン・ショーター選手(当時#12)なんてまさにそうですよね。僕、大好きでした!
三浦:そうそうそう!本当にありがたいですよね。ブースターさんには感謝しかないです。俺「感謝しかない」って言いすぎかな?(笑)
__あはは(笑)。でも三浦さんの想いはすでに多くの人に伝わってると思いますよ!となると、もっとYouTubeとかも配信していく方針なんですか?
三浦:うーん……。本当の本当はやりたいんです。でもYouTubeは難しい。社内にそれ専門のスタッフがいないと、今以上にもっとガンガン出していくのは難しいんですよ。ほんと、チームと常に一緒にいて、何でもいいから常に(カメラを)回してるくらいのスタッフがいれば最強なんですけどね。本当はそうしたい。
__その実現に向けて、ということもあると思うのですが、改めて去年の活動を振り返って、今シーズンの広報チームとしての意気込みや想いを聞かせてください。
三浦:そもそもバスケってメディア価値が高いとは言えないんです。だからこそ、今年は広報チームの体制も強くなったので、僕自身はそこの部分の価値向上を目指して頑張っていきたいです。それこそコロナで会場に来れない人も沢山いるので、色んな発信の仕方でまずは自分たちから選手の魅力も届けつつ、今建設中なのかな?の1万人アリーナができて、コロナも落ち着いた頃には、もっとバスケ業界がメディアで当たり前に露出があるといいますか。その足掛かりとして千葉ジェッツを盛り上げたいって思ってます。
清野:三浦も今言った通り、1万人アリーナに向けて今のブースターの方々によりジェッツを愛していただけるように活動していくところと、新しくブースターになってくださる方を増やすために色んな情報発信をしていくっていうのは、広報はかなり重要になってくると思うんですね。それこそ普段からTwitterとかで三浦がかなりコミュニケーション取ってくれていて。それは継続したい。やっぱり体制が変わってからは、結構厳しい意見をいただくことも正直多いんです。それに求められるものも高くなっている中、コロナでコミュニケーションを以前に比べて取りにくくなってしまっているので、やっぱり三浦も芳賀も、オッチーもジャンボくんも、もっと垣間見える部分は増やしていきたいですね。
芳賀:今、清野が言ってくれたことがきっと「親近感」や「共感」に繋がると思っていて。やっぱりバスケってサッカーや野球に比べ、まだまだ選手にファンがついている印象が強いなと思っていて。浦和レッズの話をさせてもらいましたけど、レッズサポーターって好きな選手が移籍しようが"応援するのはレッズ一択"っていう文化が根付いているんですよね。もちろん好きな選手がいるからという理由で応援するというのもすごく素晴らしい事ではありますけど、チームの中で働く人間としては応援する理由の1番目に地元のチーム、好きなチームだから応援するっていう文化を浸透させていきたいなと。そんな中で私は、最近まで地域チームに居ましたしジャンボくんたちのマネージャーをやっているので、選手はもちろんですけれど、特にジャンボくんやSTAR JETSが居るから観に来たっていう人を増やしたい気持ちです。まぁ、オッチーは……(笑)。そうですね。ジャンボくんやSTAR JETSはまだまだ伸びしろが大きいと思いますし、みんなプロ意識と成長意欲が強いので(笑)
>>>次回、最終回!なかなか聞けない、千葉ジェッツの社内の雰囲気や"推しメン"について、ほぼ雑談のような形であったか~い内容をお届けします!
【PROFILE】
三浦 一世 (みうら いっせい)|イケメン広報
「イケメン広報」に加えて「メガネカマラ」というニックネームがある。これは同チームのギャビン・エドワーズ選手が、当時メガネをかけて写真撮影をしていた当人を目撃した際に、愛のある"イジり"も込めて「megane camera~」と呼んだことから始まったそう。その様子をSNSで拡散したところ、「メガネカマラ」という呼び方がブースターの間でも定着したんだとか。ちなみにその後「メガネが曇るから」という理由でコンタクトにしている。決して「メガネカマラ」と呼ばれるのが嫌なわけではない。
芳賀 宏輔 (はが ひろすけ)|敏腕マネージャー
島田社長(現B.LEAGUEチェアマン)の秘書の次に、フロントスタッフとして地域振興チームに異動。ジャンボくん、STAR JETS(チア)のマネージャーを務めるようになり、広報になった現在も引き続き担当している。自由奔放なマスク・ド・オッチーのお世話もしており、出番の5分前になっても集合場所に集まらない彼を探し「オッチーどこ!?!?」とインカムで呼びかけるのは日常茶飯事。「オッチーはいいんですけど(笑)。ジャンボくんは色んな意味で大きくしていきたいなって思っています(笑)」と笑顔で話す姿が印象的。
清野 咲歩 (せいの さほ)|新㌥セーノ
今年から走り始めた「新㌥セーノ」は、広報部に異動してきた初日に三浦氏が「これで行くから(笑)」と設定。ファンクラブ時代にはなかったニックネームの設定により、これまで話かけてくださっていたブースターからも呼び名が定着しつつあるそう。また、これからもチームとブースターの架け橋となれるよう千葉ジェッツの様々な魅力を全力でPRしていきたいと意気込んでいる。
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