「目の前の積み重ねこそが、ゴールへのただ1つの道」日本一のフットボーラー・木村泰のパラレルキャリア

スポジョバ編集長 久下真以子

「目の前の積み重ねこそが、ゴールへのただ1つの道」日本一のフットボーラー・木村泰のパラレルキャリア

スポジョバ編集長 久下真以子

あなたは、今までに「決断」をしたことがありますか?それとも…。

人生において環境やステージを変えるには、迷いや勇気が生じることも少なくありません。

でも、決してそこに「決断」が必要だとも、限らないのです。

今回お話を伺ったのは、スポーツイベント会社に勤める木村泰さん(33歳)。大型スポーツイベントなどで企画から運営まで全てを担当しています。かつてはフリースタイルフットボール(パフォーマンスに特化したフットボール競技)で日本一に輝くなど、アスリートとしての道を歩んできました。

フットボーラーから、会社員へ。必要だったのは、「小さな一歩の積み重ね」でした。

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校舎の隅から、海外へ。フリースタイルフットボールをはじめたきっかけ


ーーお恥ずかしながら、フリースタイルフットボールというものをはじめて知りました…。

「そもそも”フリースタイルフットボール”っていう言葉自体が日本にはなかったんですよ。僕が始めたときもちろんありませんでした。高校まではサッカー部で国立競技場を目指して一生懸命やっていて、大学には一般で進学しました。でもマラドーナの動画とかを見るのが好きだったから、サッカー好きな友達と一緒に校舎の隅っこでボールを蹴っていましたね。そしたら輪に入ってきた先輩たちの技がすごくて、真似させてもらっているうちにどんどん技もできていって、サークルのようになっていったんです」

ーーお友達とボールを蹴っていたことが始まりだったんですね。

「そんなときにナイキフリースタイルっていうナイキのDVD付きの本が出たんです。その時に初めて”ああ、フリースタイルフットボールってあるんだ”っていうのを認識しました。それで友達とその道を目指すようになりました」

ーー大学卒業後は就職せずに、フリースタイルフットボールの道を歩みます。ご両親は当時何とおっしゃっていたのですか。

「のめりこんでいるときは”頑張れよ”って言ってくれるタイプの両親だったのですが、”自分で自分の尻を拭いなさいよ”というのは常に言われていました。でも学業もちゃんとやる姿勢だけは見せないといけないと思っていたので、建築学科での勉強、特に論文は頑張りました。一応自慢なんですけど、学内外で論文賞をとったんです!それで、認めてくれた部分はあると思います」

ーー卒業後は、ヨーロッパやアメリカに留学したそうですね。

「ストリートパフォーマンスをして、チップで生活するというのをそれぞれ数か月やりました。日本でやるよりも海外のほうが空気的にそういうことをはじめやすいし、海外のエンターテインメントに対する視線も感じながら、技を磨いていきました。めっちゃキツかったですけどね…」






「勝つ」と「楽しむ」。日本一を極めた男が見つけた、フリースタイルフットボール観


ーー海外で腕を磨いた木村さんは、2010年には日本フリースタイルフットボール選手権で優勝しました。

「他にもPVやWebCM、ショーにもたくさん出させていただいて、とても楽しかったです。2008年にはDragon AshのPVにも出ました」

ーーそれはすごい。

「当時は自分の中で整理しきれてませんでしたが、今思うと、”大会”と”それ以外”。つまりショーやPVへの出演ですが、別物だったなと思います。大会は大会用に30秒と決められた中で構成を考えて、自分を出し切らなきゃいけない。逆に撮影は撮影で、こういう見え方があるからこそこういう練習をした方がいいだろうって。別の準備が必要でした」

ーーフリースタイルフットボール1本で生きていた20代から今の仕事に就くまで、どんな変化があったのでしょうか。

「徐々に体力が落ちてきたのもあるし、将来のことを考え始める時期でもあって。”フリースタイルフットボールだけ出来てもダメだな”って危機感を覚え始めたんです。たぶんプロ野球選手やプロサッカー選手も、”これがなくなったら何が残るんだろう”という不安は少なからずあると思うんですけど。それで、元々知り合いだった今の会社の上司に連絡して、相談に乗ってもらったのがきっかけです」

ーーフリースタイルフットボールを辞めたわけでも、減らそうとしたのでもなくて、もう1つ何か別のことをやらないといけないという気持ちから行動を起こしたのですね。

「そうですね。勝つことよりも”こんなすごい技できたら楽しいな”とか、大会よりも大事な何か、を持っていたいのが自分のフリースタイルフットボール観。だから、決して辞めたわけではなくて、常に自分のやりたいように自分の形にしていきたいですね」






楽しいからやる?やるから楽しい?仕事のモチベーションって、さまざま。


ーー株式会社ブーストに入って1年半。どんな仕事をしているのですか。

「スポーツイベントの企画から運営まで、全て担当しています。例えば社内運動会をやりたいです、という企業さんから問い合わせがあるとする。そしたら僕が受けて、場所や方法を打ち合わせします。その後は企画。こんな競技がありますよ、と提案してあげて、選んでもらったものなどを含め計画書を作成します。スタッフ用のマニュアルとMC用の台本も、イベントに必要なものをまず作りますね。と同時に、大玉とか音響などのモノの手配と、スタッフなどの人の手配。全部一括でやって、当日現場でも仕切るというのが1つのイベントの流れです」

ーー今の仕事を始めてみて、大変だったことってありますか。

「それまでイベントに出演する側だったのに、どんなふうにイベントが出来上がってるかというのを全然理解できていなかったんですよ、どんな人が関わってるとか。だから作る側の会社に入っても、”何やるんですか?”って(笑)。”そこから教えてください、すみません”という状況から入りました。普通の会社だったらそんな奴めんどくさいと思われるかもしれないですけど、今の上司だから救われました。1から10までその現場についていって、こなしてあとからつなげて、”ああそういうことか”という感じで覚えていきましたね」

ーーなるほど。作る側を経験したら、また出演する際にも活きてきそうですよね。

「全然違います!運営側の目線で見られるようになりますね。例えば、運営側が演者に求めている情報の適正な量は、演者はあんまりわかっていないんですよ。演者に対して”イベントで紹介するための経歴ください”っていっても、ものすごい量の文章を送ってくる人がいるんです。でも僕が今運営側に経歴を返信するなら、要点だけまとめて、Webサイトの告知用とか、MCの台本用とかに分けて送りますね」

ーー両方の視点が持てると、仕事の幅も広がりそうです。今の仕事は、どんな時に楽しいと感じますか?

「はっきり言って、サッカーの時に比べたら、楽しさは全然ないです」

ーーえ!?

「入口が逆なんです。サッカーは”楽しそうだからやってみる”。今の仕事は”やってみたら結果的に楽しかった”を目指しています。仕事ってこういうものなんだなって思ってやっていることが、モチベーションですかね。例えば最初、上司について右も左もわからない状況で担当したイベントがあって、同じようなイベントの依頼がまた来ると、経験しているのでちょっと余裕ができる。余裕ができると自分の色を入れられたりするじゃないですか。それが今は楽しいかな。もっとやっていくと多分自分のカラーが出て、より”自分の仕事”になっていくと思うので、もっともっと楽しくなっていくんだろうなとワクワクしています」






「千里の道も一歩から」。目の前の積み重ねこそが、人生を豊かにする道


ーーお話を聞いていると、フリースタイルフットボールと今のお仕事は入口は違います。でも、”目の前のことの積み重ね”という意味では、共通するものがあると感じました。

「そうですね。フリースタイルフットボールでは目の前の技を練習すればできるようになるのは想像つくんですけど、将来どうしていくかっていうのは想像してなくて、”結果的に”優勝したり出演したりできていました。今の仕事もそうで、飛び込んできたけど、まあ頑張ってれば楽しい時が来るなって思っていて。それって細かいところの積み重ねですよね。小さいことでも楽しいことがいっぱいあるから、成長を感じています」

ーーとはいえ、私も木村さんと同い年ですが、多くの人にとって30を超えて環境を変えるのは勇気のいることなのでないか、と思います。

「急に踏み出したわけじゃなくて、”グラデーション”なんですよ。たまたま将来を見つめていた時期に、今の上司に会ったというだけで。それがもっと後だった可能性もあるし、その期間も決めているわけではなかった。だからこれから自分で変わろうとしている人に伝えたいのは、”急に変わったわけではない”ということですかね。時間はかかったけどアクションはちょこっと。僕なんか上司に会ったきっかけは、Facebookでメッセージを送っただけですもん」

ーー小さなアクションでも、まずはやってみるのがいいですね!でも、どうやってそのアクションを見つけたらいいのでしょうか…。

「例えば、アルバイトなどでスポーツイベントの現場に行ってみるのもいいと思います。運営側も、”この人いいな、また来てほしいな”というスタッフがいたりすると、現場で連絡先を聞いて”今度こういうイベントがあるので来てくれませんか”って誘ったりするのが普通にあるんですよ。だから、そういったところから入口を広げていくのもアリだと思います!」

ーーこれからスポーツ業界に入りたいと思っているみなさんにメッセージをお願いします。

「僕がこの仕事を続けていられる理由の一つが、”ハッピーな現場”にいられるということです。イベントというのはお客様が楽しみに来ている場だし、笑顔が多い空間なので、ネガティブな要素は一切ない。ポジティブな現場にいられるのは幸運な仕事だなと思っています。それを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね」






【PROFILE】

木村泰

1986年、東京都出身。東海大学付属高輪台高等学校、東海大学建築学科卒。小中高でサッカー部キャプテン。大学からフリースタイルフットボールをはじめる。

「日本フリースタイルフットボール選手権」優勝1回 準優勝1回。「RedBull Street Style Japan」 準優勝1回。「WahWahWah!!!ショーケースコンテスト」ファイナリスト。他、イベント、ショー、WebCM、PV出演多数。現在は「株式会社ブースト」の正社員としてイベントの企画運営にも携わっている。


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