「ヨーイドン!」で始めない。子どもたちの心をガッツリ掴んで離さない、成田体操教室の指導方法と採用にかける思い

株式会社メディカルヤマモト/成田体操教室:マネージャー 中村 郁夫

「ヨーイドン!」で始めない。子どもたちの心をガッツリ掴んで離さない、成田体操教室の指導方法と採用にかける思い

株式会社メディカルヤマモト/成田体操教室:マネージャー 中村 郁夫

『子どもが好き』

その気持ちを大切に、学校や幼稚園の先生を目指す方もきっと多いでしょう。泣いて、笑って。無邪気な子どもたちを見ると、嫌なことがあっても不思議と元気をもらえる。ほかの仕事では、なかなか得られないやりがいや感動があると思います。ところで、あなたは『子ども向けの運動教室』という存在をご存知でしょうか?

今回は、千葉県にある『成田体操教室』のマネージャー、中村 郁夫(なかむら いくお)さんにインタビュー。大学時代はNHKの体操のおにいさんを目指していたという彼が、キャリアを通じて体現してきた仕事の魅力とは?また、これから子どもに携わる仕事がしたい!と考える方に向けたメッセ―ジも併せてご紹介。話の中で出てきた、中村さんのみんなを思う気持ちに、彼のあたたかみを強く感じることができました。

(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)


体操教室で教えてること。保護者が体操教室に求めていること

__さっそくですが、まずは成田体操教室さんの始まりについて、教えていただけますか?

中村:まず、当社の大元は整骨院なんですよ。そこから「整骨と体操教室を掛け合わせたら、すごくいいものが生まれるんじゃないか」ということで、未就園児から小学生までを対象にした成田体操教室が始まったという形です。私はオープニングスタッフとして、設立当初から働いているんですが、当然マニュアルもなければ子どもたちもいない、私含めて指導経験のあるスタッフもいない(笑)そんな状況から始まった教室です。

__中村さんは、本当にゼロから立ち上げに携わっていたんですね!大変なことも多かったんじゃないですか?

中村:指導という部分では、大学時代に体操をやっていて後輩への指導を担当していたことと、もともと体操のおにいさんを目指していたこともあって、これまでの経験を思い出しながらやっていた、という感じです。指導方法なども自分たちで考えて実践していたので、大変とはいえ子どもが好きということもあって、私は今も昔も、すごく楽しい毎日を過ごしています!

__これまでの歩みも相当すごいと思うのですが、毎日楽しい!というのは何より素晴らしいと思います!ちなみに、成田体操教室さんでは、どんな指導をされているんですか?

中村:身体の使い方や柔軟を教えたり、あとは集団行動と言いますか、並ぶ練習、お返事、お話を聞く、それらを跳び箱やボール遊びなどの運動を通じて楽しんでもらえるように教えています。あとは個別レッスンで、バク転とかそういう競技としての体操を、中学生を対象に指導したりもしています。ご要望いただいて、応えられるものであれば、柔軟に対応させていただいてます。カリキュラムが決まっているわけではないので、都度みんなで「どうしたらもっと子どもたちが楽しんでくれるかな?」って考えながら、指導していますね。

__カリキュラムがないっていうのは、逆に先生も子どもたちも飽きないでしょうし良いですね!一方で、たとえば大手さんとか、ほかの体操教室との違いって、どんなところにあるんですか?

中村:全部が全部そうではないんですが、たとえばかけっこにしても横一列ならんで「ヨーイドン!」みたいな、クラス全体を運営するといった教室さんが多いイメージはあります。そんな中でも私たちは、なるべくゆっくり、1人ひとりの子どもたちに触れて手をかけています。そこは大きな違いかなって思いますし、親御さんたちからも評価いただいてますね。おかげさまで「成田体操教室いいよ」といった口コミが広がっていて。こんな小さな体操教室が盛り上がっているので嬉しい限りです!





仕事の向き合い方。褒めることも怒ることも大切。やりがいは、あとから付いてくる

__たしかに、自分の子どもを預けるのなら、しっかり見てくれる教室のほうが安心ですしね!評価されている理由も非常に納得です。その上で、やっぱり子どもたちへの指導なので、ムズかしいことも多いんじゃないですか?大人と違って、きっとすぐ理解してくれるということもないでしょうし……。

中村:たとえばよくあるケースだと、マット運動をしているときに、誰かが転がっているところに他の子どもが転がっていっちゃう。それって、道路で車が走っているところに突っ込んでいくのと同じじゃないですか(笑)ちゃんと理由を言って注意する。ダメなものはダメって言わなきゃいけない。そこに子どもに対する愛情があれば、子どもたちも理解してくれますし、親御さんたちも「ありがとう」って言ってくれます。ムズかしいことと言えば逆に、優しすぎてもダメなんですよ(笑)

__あ~……なるほど。一見優しい先生はすごく人気だろうと思ってしまいがちですけど、恐らく子どもたちもナメるというか(笑)あまり言うことを聞かなくなっちゃうとか、そういう意味ですか?

中村:仰る通りです!「はい並んで~!」のときに、ヘロンヘロ~ンって歩いてきたりするんですよ(笑)子どもってホント素直で可愛いですよね(笑)だからこそ、ピシっとするところはピシっとすることが大切だったりします。とはいえ、昔話をしますけど、僕はすごくビッシーーーってやりたいタイプだったので、よく怒っていたんですよ。それはだいぶウケが悪くて(笑)だから怒りすぎてもいけません。まだちっちゃい子どもですし、自分が同じくらいの年齢のときに完璧だったかって、そんなわけありませんから(笑)

__確かにその通りですね。子どもたちも成長して学んでいくわけですし。ちなみに、これまでは大変なことの話が多かった印象ですが、もちろん多くのやりがいもあると思うので、その辺りも聞かせてください!

中村:僕は、一番最初の退会者が出たときのことを今でも鮮明に覚えていて。その子はご両親のお仕事の関係で引っ越しで退会になってしまったんですが、お子さんからお手紙をいただいて。その子、すっごい手がかかる子だったんですよ。3歳の子で、脱走がひどい。座わらせてもまた逃げて、捕まえて座らせてまた逃げて…みたいな(笑)そんな子から「いつも迷惑かけてすみません。おうちでは、早く体操に行きたいって毎日行ってて、本当に体操が大好きでした。引っ越した先でも体操やります。中村先生、本当にありがとう」って書いてあって。

__それはめちゃめちゃ感動しますね。中村さんの努力の賜物だと思います!

中村:手紙をもらって、読んでその場で号泣しちゃいました。汗水たらして一生懸命やってたことが、親御さんにも伝わっていて、子どもも体操が大好きだったって話を始めて聞いたので、本当に嬉しかったですね。やっててよかったなって思います。たぶん、あの子が大人になったときに体操のことって覚えてないと思うんですよ。でも、どこか記憶の片隅にあったり、少しでも体操を面白いと思って今も続けてくれていたら、これ以上のことはありません。





自粛期間の挑戦も良い影響が。やってみることに価値がある。

__心あたたまるエピソードが聞けて、私もすごく嬉しい気持ちになってきました。欲張りですが、ほかにもやりがいに感じたお話って、あったりしますか?(笑)

中村:もちろん!(笑)それこそこのご時世なので、教室が開催できない時期があって。その時に原点に帰って、やっぱり体操教室には、身体の使い方を学びたい子・教えてほしい親御さんが多いので、オンラインで柔軟を始めたんですね。毎日決まった時間に動画配信を始めて。ただお客さんが来ないこともあって、まったく手応えを感じてなかったんですけど、自粛が明けて一発目の授業で「毎日動画を見て一緒に柔軟していたら、身体が柔らかくなりました!」「体操の時間に合わせた生活をしていたので、規則正しい毎日でした!」って声をいただけて!

__それは嬉しい!まさに子どもたちにとっては「好きなTV番組があるから宿題終わらせよう」とか、そういう動機付けになったわけですね!

中村:そうですそうです!すごいな~って思うのは、今の子たちってYouTubeとか見るのに全く抵抗がないので、僕らが動画に出ているだけで釘付けになるそうで(笑)こんなにもプラスに働いてるとは思っていなかったので、それはやって本当によかったと思いましたし、自分たちのアイデアを考えて実行した結果、僕らも大きなやりがいを感じられましたね。

__カリキュラムがないと冒頭に仰っていましたけど、まさにその柔軟さが好循環を生み出しているんですね。そうなると、今後やっていきたいこととかも何か検討されているんじゃないですか?

中村:人数が増えたら、幼稚園とかに課外学習をしたい、学校の家庭教育学級で指導したいとか。あとは中学生に向けたプライベートレッスンも増やしたいなとか、色々あります。一応、メンバーは僕も含め体操をやっていた人間で、1人はスペシャリスト、1人は指導に貪欲な男、僕はとにかく明るいだけみたいな(笑)そんなバランスの良い仲間が集まっているし、まだまだこれから作っていく段階なので、各々の強みを生かして、思いついたら実践してみんなを喜ばせたいですね。

__やりたいこと・やってみたいことをすぐ実行できる環境っていうのは、とっても魅力的だと思いますよ!

中村:どんな仕事でも同じことが言えるかもしれないんですが、やっぱり求められているニーズに応えることはもちろんですけど、それ+aで自分たちに何ができるかなって考えるのが、僕はとっても楽しいんですよね。子どもが好きだからというのは大きいですが、やっぱり喜んでくれたらすごく嬉しいですし、親御さんたちから感謝されたら幸せなので。これから入ってくれる方にも、同じようにやりがいを感じてほしいなって気持ちです。





大変なこともやりがいも。一緒に乗り越えて一緒に感動できる。そんな仲間とともに

__まさに中村さんのように子どもが好きで、仕事にしたい!って考える方は少なくないと思うんです。成田体操教室さんも求人を出していただいてますけれど、改めてどんな人が、この仕事には向いていますか?

中村:大前提、やっぱり「子どもが好き」な方には向いています!指導スキルとか、体操の技術とか、そういうのは私たちが教えればいいことなので、子どもが好きで、明るくコミュニケーションが取れる方であれば、向いてると思います。あとは跳び箱とかもそうなんですけど、荷物出したり、逃げる子どもを走って追いかけたりするので、ちょっと体力は必要です(笑)

__中村さんも「よいしょ!」って跳び箱持ち上げてましたよね(笑)体力以外の部分で、たとえば未経験の方が入ったときに、最初に悩んだり大変だなって思ってしまいそうなことってあったりしますか?

中村:きっと子どもが好きな方であれば、最初から「わーーー!みんな集まってーーー!」みたいな感じでやりがちなんですけど、子どもたちは人見知りな子が多いので、はじめは距離が遠く感じてしまうかもしれません。そこは「あれ……」「どうやって接すればいいんだろう……」って思うかもしれませんね。でも、大人になってもそれって同じじゃないですか(笑)初対面でいきなり仲良くなるってなかなかないですし(笑)ですから、最初は自分から子どもたちといっぱい話して、名前をまず覚えてもらって仲良くなることが大切ですね!その壁をクリアできれば、もうあとは楽しいことの連続ですよ!

__確かに、大人でも初対面は緊張しますからね(笑)それと今日、一通り教室の雰囲気も見させていただきましたけど、こんなに子どもたちと楽しそうに盛り上がっている教室って魅力だなって思いましたよ!

中村:そう言っていただけると本当に嬉しいです!やっぱり雰囲気は僕、とっても大切にしていて。ちなみに以前某テーマパークで僕は働いていたんですけど、転職するとき「お給料をいただきながら、子育ての勉強もできるなんて、素晴らしい仕事じゃないか」って先輩に言われて。まさにその通りだなって、今その言葉をかみしめています。まったく違う明日が来ますし、来年には子どもたちも入れ替わるし…と、毎日勉強でもありますが、本当に好きなことだけやれてるので、幸せですね。僕はもう10年経ちますけど、辞めたいとか嫌だなって思ったこと、一度もなくて。周りの皆様にも、スタッフにも本当、感謝してもしきれません。

__良いですね!それでは最後に、転職に悩む方へ一言メッセージをお願いします!

中村:ITだAIだって、テクノロジーの進化は目まぐるしいし、世の中お金儲けに関しては色んな仕事があると思うんです。でも、それ以上にもらうものがいっぱいあるのが、この仕事だと思っています。お金だけで言ったら大富豪になれないんですけれど、僕が一応ココのトップではあるので、制度も含めどんどん良くしていきたいと思って動いています。ぜひ一緒に、子どもたちを笑顔にしましょう!という感じで、大丈夫ですか?(笑)

__中村さんの優しさ、文字で表せるように頑張ります!今日は本当にありがとうございました!





【PROFILE】

中村 郁夫 (なかむら いくお)/成田体操教室マネージャー:幼児クラス担当

日本体育大学体操部卒業。全寮制の学校で、寮の先生として活躍。その後、某大手テーマパークのショー運営部に在籍。その後、30歳という節目に正社員として安定したいと考えていたところ、成田体操教室のオープニングスタッフ募集を見つけ、現在に至る。

スポーツのバックボーンは小2~高2までの野球。高2で肩を壊し野球の道は断念。ただ、中学2年時の担任の体育教師への憧れから、教師の道を目指して日体大体操部へ。体操部には、NHK番組『おかあさんといっしょ』の体操のおにいさんとして活躍した、佐藤弘道氏が先輩、小林よしひさ氏が後輩だったとのこと。自身も体操のおにいさんの試験を受けたが、最終面接で身長が180cmという理由から不採用通知を受け取った過去を持つ。

マイブームは『モンスターハンターライズ』。ゲームもアニメも好きで、『仮面ライダー』や『呪術廻戦』など、流行っている子どもたちが好きそうなことは基本的に自分も好きと語ってくれた。一方で、虫が大の苦手であり、アウトドアはあまりしないというギャップも見せてくれた。


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設立年月 1993年11月
代表者 山本利幸
従業員数 400名
業務内容

子ども向けスポーツ教室、体操教室の運営

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