東洋からナイキを超えるブランドを目指して!アクラムの勝谷社長が目指す未来とは

株式会社アクラム 代表取締役社長 勝谷 仁彦

東洋からナイキを超えるブランドを目指して!アクラムの勝谷社長が目指す未来とは

株式会社アクラム 代表取締役社長 勝谷 仁彦

ユニフォームを通して伝えたいのは、そのチームの背景や歴史、そしてストーリーだ。

1942年から続く株式会社アクラムの3代目代表取締役社長の勝谷仁彦さんは、2012年に自社ブランドである「スクアドラ」を立ち上げた。

「勝つことだけが目的では、勝負には勝てない」というスローガンの元、プロから小学生までたくさんのチームのユニフォームを手がけてきた。

そんな勝谷さんが大切にしているのが「誠の心」だ。何事にも誠実に向き合ってきて今がある。

株式会社アクラムのこれまでの歴史、自社ブランドである「スクアドラ」の込められた想い。これから目指していることについて、勝谷さんにお話を伺った。

(取材・執筆:渡邉 知晃、編集:伊藤 知裕、中田 初葵)

実家は地元の名士だった5億円の負債を抱えたアパレル事業。V字回復させた勝谷さんのマインド。

―――本日はどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、勝谷さんは今経営されているアパレル業界には興味があったのですか?

いえ、正直全く考えていませんでした。大学を卒業してからは、ゴルフメーカーを1年、会計事務所で11年間働いていました。

―――なぜそこからアパレル業界へ飛び込まれたのですか?

会計事務所で働いていくうちに、決算書が読めるようになってきたんです。ふと、父親からアクラムの決算書を見せてもらったとき、5億円の負債があることが分かり、なかなか大変な状況にあることが分かりました。そこから、少しずつ社長という仕事に興味が出てきて、火中の栗を拾いにいくつもりで家業を継ぐ決断をしました。

―――先ほどもあったようになかなか大変な状況だったようですが、そんなところに飛び込んでいくのは怖さや不安はなかったのですか?

正直怖さや迷いは全くなかったですね。会計事務所で長い間多額の数字と向き合っていたので見慣れていました(笑)将来、売上を伸ばすことができれば、返済できるだろうという自信がありました。

―――会計事務所をしていた勝谷さんだからこそ感じられる事ですね(笑)経営者というお仕事は、今まで間近で見られていたのですか?

祖父が経営者だったということもあり、祖父の背中を見て育ちました。社会科見学でいくこともあったので、どこかで潜在意識として経営者という選択肢もあったのかもしれません。でも、まさか自分がこういう立場になるとは想像もしていませんでした(笑)

―――おじいさまの時代から続いているこのアクラムを経営していくうえで、おじいさまのやり方を引き継いでいる部分や変えていった部分はありますか?

祖父がアクラムを作ってくれたことは感謝しています。実は変えずに継承していることはあまりないんです。経営の仕方は、時代と共に変わっていくと思っています。

私が関わるようになってからまず、経費の大幅な削減と売上の拡大を目指しました。父親の代ではあまり進んでいなかったインターネットの活用や、コスト削減策を実施し、会計事務所の時代にできた人脈を活かして経費を効率的に削減しました。これによって利益が急激に上昇しました。感謝の気持ちはもちつつ、新しい時代に合った経営方法を創りあげていきたいですね。

―――おじいさまの経営方法があったからこそ今があって、それをよりよくされようとしているんですね。勝谷さんが経営されているこのアクラムは、どういう会社にしていきたいと考えていますか?

儲けるのがダメかって言ったらそうではないんですが、利益とか売上以上にちゃんと人と真で向き合うっていうのが大切っていうのはすごい思います。そこだけはぶらさずにしていきたいですね。

 

「向き合うこと」と「使うこと」の違い。経営だけでなく人として大切にしていること。

―――社員の皆さんとしっかり向き合っていることが伝わってきます。

嘘をつかないとか、人を騙さないとか、人間なので怠けたくなることもあると思いますが、人として間違っていることをしたくないというのはあります。そういう自戒を込めているだけです。よくあるじゃないですか「人を使う」とかっていう言葉。これが嫌いなんですよ。

―――どういうことですか?

たまに「人を使って大変ね」なんて言われることあると思うんですけど、使ってる意識がないんですよ。逆に使われてる可能性あるな(笑)って。それが間違ってるとは言わないですけど。誠の心で誠実に。嘘をつかず、人をだまさず、当たり前の事だと思いますが、誠実に社員と真正面から向き合うようにしています。

―――そんな社員のみなさんと働いている中で、印象的なエピソードはありますか?

今でもその時の写真は残ってるんですけど、小学生のバスケットボールチームにユニフォームを納品したときのことです。公立の小学校や中学校って、たくさんお金があるわけでもなくて、ユニフォームを新調するのって結構大変なんですよね。

―――たしかに、ユニフォームの新調は頻繁にあるものではないですね。

だから、みんなで文化祭でたこ焼きを売って、みんなで頑張ってお金を作って、やっとのことでユニフォームが注文できました。そして、ユニフォームの入った段ボールが子供たちの前で開封されて、1人ひとりの手元に新しいユニフォーム渡った時に、なんかもう子供たちが「ワー!」「キャー!」言って、喜んでいて。子供たちだけでなく、その親たちもですし、僕たちも、ユニフォームが届いて、喜んで騒いでいる瞬間っていうのは、「やっててよかったな」と思います。すごくやりがいを感じます。

―――納品した瞬間の子供たちの喜ぶ姿が目に浮かびます。

また、自分たちがデザインしたユニフォームを身に着けたプロのチームや小学生の試合を見る瞬間は幸せな気分になります。自分たちのプロダクトが世に出ること自体が嬉しいですね。それにプラスして、そのチームの背後にあるストーリーやみんなの思いをユニフォームで表現し、それを提供していきたいという思いがあります。

スクアドラに載せるべきなのは機能性ではない。ユニフォームに込められているものとは。

―――ユニフォームの自社ブランドを立ち上げることになったきっかけを教えてください。

これも大きなターニングポイントです。2002年には父親が昇華プリントのユニフォーム製造を始めていました。ところが、当時は自社ブランドではなくシステムを売る形でやっていました。

―――そこからどういう経緯で自社ブランド化をされたのですか?

2012年にBリーグの大阪エヴェッサがユニフォームサプライヤーを探しており、その依頼を受けたのがスクアドラの始まりです。OEMとしてのビジネスよりも自社ブランドでユニフォームを提供する方針に転換したことがブランドを作ったきっかけです。

―――偶然が重なってスクアドラが始まったんですね。ちなみにスクアドラの「勝つことだけが目的では、勝負には勝てない」というスローガンはどのような想いを込められているのでしょうか?

スクアドラのスローガンは、ビジネスの視点からも来ています。スポーツでもビジネスでも勝利が全てではなく、負けや失敗の中にも価値があるという哲学を持っています。目標の達成だけが満足に結びつくわけではなく、ブランドが社会に与える影響や、なぜ勝ちたいのかという本質的な部分を考えることを大事にしています。ある時、車を運転していたらこの言葉が浮かび、スマホにメモを取って、ウェアの襟のタグの裏側にこの言葉を入れることにしました。

―――スクアドラのホームページには他のスポーツアパレルブランドとは異なる、歴史やストーリーが書かれています。他にもスクアドラに込めたこだわりや想いはありますか?

今、日本を代表するスポーツアパレルは機能性や性能を強調して売り出していることが一般的です。でも私はそれだけではなく、ストーリー性や歴史が大切だと思っています。ナイキやパタゴニアが代表的です。

―――ナイキやパタゴニアはアメリカを代表するスポーツブランドですよね。どんなところに共感されているのですか?

脈々と受け継がれている理念がしっかりとあるところですね。商品としての機能性ではなく、今の社会問題に警鐘を鳴らしていいプロダクトを作ろうとされています。他のブランドは、「どんなブランドですか?」と聞かれてもなかなか答えられないと思うんです。

―――確かにどんなブランドかと聞かれるとパッとは応えられないかもしれませんね。スクアドラだとどんな特徴がありますか?

チームや選手たちのストーリー、彼らの苦悩や成長がユニフォームに込められていることです。機能性ももちろん大切ですが、選手たちにどういうストーリーがあってここの試合会場に立っているのかユニフォームで紡いでいってほしいですね。注文の3割以上がフルオーダーで、そのチーム独自のデザインになっているからこそできていることだと思います。

スクアドラに込められた「チーム」の意味と、「個人」の能動性が世界を切り拓く。

―――そんな自社ブランドである「スクアドラ」を今後どういったブランドにしていきたいですか?

より広くスクアドラを知ってもらいたいですね。スクアドラはチームのニーズに一つ一つ応えているので、ほとんどフルオーダーです。最近は、個人でもスクアドラを着たいと行ってくださる方が増えました。だからこそ、フルオーダーだけでなく、パーソナルユース向けのアイテムを展開していきたいと思っています。

―――パーソナルユースですか?

「チームは能動的な個人の集合体」という考えをもっています。だからこそ、能動的な個人の人がうちの理念に共感してくれたり、ファンになってくれたりする人が増えてきたので、そういう人たちがもっと気軽に買えるアイテムを展開していきたいです。

―――株式会社アクラムはどういった個人の集合体だとよいチームと言えるのでしょうか?

好奇心旺盛で自主的に学び、行動する人と一緒に働きたいですね。好奇心が強いということは主体性があるということだと思いますし、能動的に物事を進めることができると思います。

―――能動的と言うと、勝谷さんはベンチャー型事業後継のプロジェクトである「SGNARA」の代表も務めていらっしゃると思います。なぜそういったことに取り組まれているんでしょうか?

「ヤバいな」って思ったんですよ(笑)。奈良には事業会社の上場企業が6社しかなくて、でも昔は都がちゃんとあって。大阪や東京だと目立たないですけど、その奈良県でスポーツの会社で上場出来れば面白いじゃないですか。そうやって、何人かイノベーションを起こせるような経営者が出てきて、みんな「それに続け!」みたいになってきたら、結果的に奈良変わるよね、おもろいことになる可能性あるよねって。

―――今度は、勝谷さんご自身が目指していきたい展望や目標があれば教えてください。

今後は、東洋からナイキを超えるメーカーを目指すというのが一番の目標です。理念を継承しているナイキやパタゴニアのように、日本からもナイキを超えるメーカーにしていきたいですね。

―――改めて、勝谷さんが感じているアクラムで働く面白さや魅力は一体どんなところにありますか?

スポーツウェア製造業界に身を置くことで、第三者目線でスポーツの業界を見ることができるのは面白いなと思います。プロスポーツチームと関わりながら、様々な種目やチーム、リーグ全体を俯瞰的に見て、それぞれのスポーツやリーグの特徴を理解し、そこに関わることができるのが私にとって非常に魅力的です。

―――最後に、これからこの仕事に挑戦してみようかなと思っている方に対してメッセージをお願いします。

今、日本のスポーツビジネスが熱くなってきている気がしてます。人の心を動かすことができるスポーツというのは注目されていますし、人生において重要な役割を担うと思っています。そんなスポーツビジネスの一端になることができればやりがいを感じることができると思うので、ぜひ来てもらえたらなと思っています。

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【PROFILE】

勝谷 仁彦

1973年生まれ。東京生まれ奈良育ち大阪在住。大学卒業後、会計事務所にて10年間のコンサル業務に従事した後、2010年多大な債務超過である家業㈱アクラムを継承する。2012年代表取締役就任し、5年間で債務超過を解消し再生。ファクトリーチームウェアブランド「スクアドラ」を立ち上げ、チームのチカラを発揮させる社会の実現を目指しながら全国展開する。

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月 1942年05月
代表者 勝谷仁彦
従業員数 65名
業務内容

スポーツチームウェアブランド「SQUADRA(スクアドラ)」を運営。ただ単にブランドを展開するだけでなく、ものづくりにもこだわり、本社奈良工場にてチームウェアの一貫生産を行うファクトリーブランド。昇華転写プリント技術を利用し、オリジナル性の高い機能性のあるスポーツウェアを作り続ける。一つの競技にこだわることなく、さまざまなチームウェアを小ロット・短納期・多品種で製造する。また、機能性だけでなくスポーツの本質やチームの哲学を探求し、チームの哲学やビジョンをユニフォームに表現することを目的とする。

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