「パートナー」として寄り添うストレッチ事業。 本質を追求した経営で、笑顔を創出。

株式会社ソフネットジャパン 代表取締役社長 中村 浩一

「パートナー」として寄り添うストレッチ事業。 本質を追求した経営で、笑顔を創出。

株式会社ソフネットジャパン 代表取締役社長 中村 浩一

プロスポーツトレーナーが監修する独自の技術「コアバランスストレッチ」を用いるストレッチ専門店、Dr.ストレッチ。現在は世界に240店舗以上を展開し、事業内容としては一貫した品質を維持する中でも、運営する会社によってその方針はさまざま。

そんな数あるフランチャイズ店舗の中で、上位の業績をあげているのが、株式会社ソフネットジャパンの店舗だ。実際にお客様からも「同じストレッチのお店なのに、ここは雰囲気が違う」と言われることが少なくないという。

他店舗との差別化を図るため、大事にしている人としてのあり方や、会社として徹底していることとは。明るい笑顔の代表取締役社長・中村さんに、ソフネットジャパンの店舗全体に共通する思いについて、詳しくお話しを伺った。

(取材:伊藤千梅 編集:伊藤知裕・中田初葵)

仕事もスポーツも「全てのプロセスを楽しんでいく」

代表の中村さんは、息子の影響で40代後半からトライアスロンを始めた、現役のアスリート。平日は会社経営を行いながら、休日は朝5時半から競技力向上に励む中村さんは、アスリートの考え方と、ビジネスの考え方には共通点があると話す。

「スポーツでは、結果に対して悔しくならない人って伸びないじゃないですか。同じ結果でも、悔しさをプラスのエネルギーに変えて『次は勝ってやろう』と思うのが大事。同じように、仕事も失敗することは多いです。でもそれを学びとしてとらえていく。そういう考え方が、アスリートとビジネスは似ていると思います。

この考え方は「楽しくなけりゃ仕事じゃない」という会社のコアバリューの1つにも込められている。

「楽しくなけりゃ仕事じゃないという言葉を勘違いする人も多いですが、遊びのように楽しいわけではないよ、というのはよく言います。仕事だからもちろん嫌なことも、お客さんに怒られることも、色々あるんですよ。でも、それを自分の成長のために楽しむ人と、嫌だなと逃げちゃう人だったら、逃げずに味わって、次のステージに行った方がいいですよね」

失敗も成功も「全てのプロセスを楽しんじゃえ」という中村さん。自身も昨年、日本最長236㎞のトライアスロンの大会では、完走したものの、制限時間からは2分オーバー。それでもその悔しさをバネに、今年は制限時間内での完走を目指す。

全ての感情をエネルギーに変え、競技も経営も楽しむ。そんな中村さんの考え方は、まさにアスリートならではの発想だろう。

社是「人の心に泉を創る」誕生までの道のり

現在ソフネットジャパンは、Dr.ストレッチのほかに、リサイクル事業と、ヘアサロン事業の3つの事業を行う。

どの事業でも共通して「売り上げに1円にもならなくてもいい」と社員に伝えているという中村さん。例えば、ストレッチ事業では「ストレッチを売るな」と、表面的には事業内容に相反するかのようなことを徹底しているのだという。

「僕たちは、ストレッチを売っているわけではなくて、ストレッチを通じて健康作りのパートナーとなり『人々の明るい未来』を実現していく仕事。相手の予算や健康状態と相談しながら、お客様の隣で、選択を一緒に考えるポジションだと思っています。だから、お客様がお店から一歩出た瞬間に『今日来てよかったな』と思えたら、それでいいんです」

このような考えに至った背景には、会社の経営方針で最も大切にしている社是「人の心に泉を創る」がある。

多くの会社には経営理念が存在しているが、その大切さを、経営者が本気で実感していないと意味がないと感じた中村さん。そこで、創業当時からあった経営理念をなくし、10年以上かけて社是を作り出した。

最後の半年間は、松下電送の企業再建に着手した経営者、木野親之さんが経営理念について解説するCDを、片道40分の通勤時間で聞き続けていたという。その上でようやく行き着いたのが、現在の社是だった。

「とにかく自問自答を繰り返しました。人が喜ばないと、経営って面白くない。でも喜びにもいろんな種類があって、本当にいいなと思えるものってなんて言うんだろうなと。自分に問いかけ、苦しみ抜いて、ある日突然降りてきた、神様からのギフトという感じですね。これ本当の話なんですけど、社是ができた瞬間、車を止めて泣いたんですよ」

中村さんが気づきを得た、経営の本質に基づいて事業を行うソフネットジャパン。その意識を会社全体で共有するために、中村さんは2カ月に1度は全ての店舗を回り、直接社員に話しをしている。だからこそこの思いは、会社全体で共有され、お客様にも伝わっていくのだ。

社是を体現する仕組みづくり

実際に社是を大事にしていく中で生まれた仕組みがある。その1つが「感動創造費」。ソフネットジャパンでは、お客様を喜ばせるために使えるお金が、予算として組まれている。

誕生日といった記念日だけでなく、例えば、お客様が何かを達成したときなど、社員が祝ってあげたいと思ったときに使うことができる。また、お客様が落ち込むことがあったときには、その人を励ますためにお金を使っても良いのだという。

「僕たちは、ただお金を儲けるために事業をやっているのではないので、得たお金をどう使うのかが大切です。お客さんに喜ばせる、励ませる、少しでもプラスの方向に行くために何をするかを、これからも考えていく必要があります」

また、お客様だけでなく、社員たちが豊かに過ごせるような仕組みも多い。

最近では、ES委員会という社員からの要望で、週休2.5日制度を取り入れた。「さすがに勇気が必要だった」と中村さんは笑うが、実際にやってみたところ業務への問題はなかったという。

「お客様だけでなく社員にとっても、遊びの時間や家族の時間をたくさん取れるような会社に徐々にしていきたい。そのために、やれることを少しずつやっていけたらと思っています」

お客様も、社員も。誰もが豊かになるような仕組みを、社長だけでなく社員も一緒に考える。設立から38年が経っても、ソフネットジャパンの変化は続いていく。

ストレッチで、人を笑顔にするチャレンジを続けていく

さまざまな事業が世の中にある中で、Dr.ストレッチのお客さんは90パーセント以上が、固定客としてリピートすることに目を付けた中村さん。ソフネットジャパンは、Dr.ストレッチがまだ1店舗しかできていないときに、1号加盟店として名乗りを上げた。

「当時はまだ赤字の事業だったことから、一度加盟は断られたんですよ。でもリスク取って始めました。ストレッチ事業は、お客さんが喜んでるのが直接見えるところがすごくよかったし、理念の体現につながると考えました」

そして現在ソフネットジャパンが抱えるDr.ストレッチの店舗は9店舗にまで増えた。今後も着実に拠点を増やしていきながら、セルフケア事業などを行っていくことでストレッチとの相乗効果を狙い、社是を体現していきたいそうだ。

「お客様全員の笑顔が増えていけば、それは大きな社会貢献だと思うんですね。1店舗に300人のお客さんがいて、10店舗だと3000人。その3000人の後ろには家族もいるわけだから、3000世帯の笑顔を作ることができる。そうやって、自分たちができることをやっていこうと思っています」

「どれだけの人をハッピーにできるかというのは、1つのチャレンジ」だという中村さん。人を笑顔にすることを意識している人にしか、感動は創り出せない。逆にいえば、喜びの種や美しいものを常に見つけ出せる感性を養っていれば、人の心に泉を創ることは、いつでもできるという。

ソフネットジャパンではこれからも、ストレッチ、そして日々の社員の在り方から、目の前のお客様に対して感動を創出していく。



【PROFILE】中村 浩一(なかむら こういち)

株式会社ソフネットジャパン代表取締役社長。熱い語り口と明るい笑顔が印象的な、社内のムードメーカー。社員から息子の影響でトライアスロンを始め、週末は朝5時半から奥多摩でトレーニングを行っている。日本最長の大会で完走しており、今年は制限時間内のゴールを目指す。会社の社是を創り出し、今も社員に思いを共有するために、2カ月に1度全ての店舗を回ったり、講師として勉強会を行ったりする。

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

設立年月
代表者 中村浩一
従業員数 93名
業務内容

■ストレッチ事業
(ボディケア・プロストレッチ事業)

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