「プロ野球のマジックって何?」
「マジックの計算方法は?」
「マジック点灯の条件は何?」
プロ野球のシーズンが終盤になってくると、よくニュースなどで『優勝マジック』という言葉を耳にすることがあると思います。
そこで今回は「マジック」の意味や計算方法、点灯の条件などについて詳しく解説していきます!
これを読めば、プロ野球観戦がまたさらに面白くなりますよ!
マジックとは、「他チームの試合結果に関わらず、あと何勝すればリーグ優勝が決定するか」を表す数字です。
正式名称を「マジックナンバー」と言いますが、よく短縮して「マジック」や「優勝マジック」と呼ばれるケースが多いです。また順位表などではよく、マジックの頭文字をとって「M」と表記されています。
後ほど詳しく説明しますが、マジックは1〜2ずつ減っていき、マジックが0になれば優勝が決定します。
「マジックナンバー」を直訳すると「魔法の数字」になります。なぜ優勝決定に関して「魔法の数字」が出てくるのか、ちょっと謎ですよね。
実は「マジック」という言葉は、「ビンゴゲーム」に由来すると言われています。
ビンゴゲームで「リーチ」と言ったら、あと1つ特定の数字が出たらビンゴが完成するという状態ですよね。その特定の数字を「マジックナンバー」と呼んでいたそうです。
それが「実現(=優勝)するために必要な数字」に転じたと言われています。
日本のプロ野球では、2位以下の全チームで自力優勝の可能性が消滅したときに、首位チームに初めてマジックが点灯します。
自力優勝が消滅とは、そのチームが残りの試合を全試合勝ったとしても優勝できないということを意味しています。
プロ野球の優勝マジックは以下の方法で算出します。
優勝マジック =(マジック対象チームの勝利数+残試合数)ー(マジック点灯チームの勝利数)+1
※マジック対象チームとは?
マジック点灯チーム以外で残試合を全勝した場合に1番勝率が高くなるチームのことです。
基本的にマジック対象チームは2位のチームですが、残りの試合数によっては3位や4位のチームが対象チームになることもあります。
例:以下の場合の優勝マジックの計算方法
1位チーム(マジック点灯チーム):勝利数80/残試合数15
2位チーム(マジック対象チーム):勝利数75/残試合数17
優勝マジック:(75(マジック対象チームの勝利数)+17(残試合数))ー80(マジック点灯チームの勝利数)+1=13
よって、1位チームのマジックは13となります。仮に2位チームが全勝しても92勝、1位チームが13勝すれば93勝なので、首位をキープして優勝できます。
ただし、いくらマジックが点灯していたとしても、敗戦が続いてしまえばマジックの消滅はもちろん順位も入れ替わります。
次のトピックからは、もう少し深く、マジックについて解説していきます。
ここまでマジックについて簡単に解説してきました。
ここからマジックの仕組みについてもう少し詳しく説明していきます。
優勝マジックは、首位チーム以外の5チーム全てで自力優勝が消滅したときに点灯します。したがって2チーム同時にマジックが点灯することはありません。
実はマジックは必ずしも1位のチームに点灯するものではありません。野球の順位はその時の勝率が高い順に決まります。
したがって、1位のチームの方が勝率は上でも、2位の方が残りの試合数が多いときに、2位のチームにマジックが点灯する場合があるのです。
例えば、以下のようなケース。
1位チーム(残り試合3)
2位チーム(残り試合6)
両チームの※ゲーム差は1
この状況で直接対決を残していなければ、仮にお互いが全勝した場合、2位チームが逆転優勝できます。
このようにシーズン終盤では、2位のチームに優勝マジックがつくケースがあることを覚えておくと良いでしょう。
マジックが点灯したら、必ず優勝できるとは限りません。自力優勝の可能性があるチームが他に出てきたら、マジックは消滅します。
例えばマジック点灯チームの敗戦が続き、マジック対象チームが連勝すれば、当然ゲーム差が小さくなって自力優勝の可能性が出てくるので、マジックは消滅してしまうのです。
消滅したマジックが復活することもあれば、他のチームに点灯することもあります。
優勝マジック点灯チームは、優勝のために点灯後は「マジックナンバー」を減らす必要があります。
ではマジックはどのように減るのでしょうか。
マジックが1つ減るには、以下の5つの試合結果パターンがあります。
・点灯チーム、対象チームともに、勝利
・点灯チーム、対象チームともに、敗戦
・点灯チーム、対象チームともに、引き分け
・点灯チームは勝利、対象チームは試合なし
・点灯チームは試合なし、対象チームは敗戦
マジックが2つ減る場合は、以下の条件のみです。
・点灯チームが勝利、対象チームは敗戦
このように、試合結果によって優勝マジックは1もしくは2、まれに※3減っていきます。
マジックの性質上、リーグ中マジックは減ることはあっても増えることはありません。また、負けた場合にもマジック数が減る場合もあるので、マジックは必ずしも優勝確定までの勝利数とは一致せず、多めの数となっているのです。
※マジックが3つ減る時の条件は非常に複雑で、かつほとんどないので今回は解説を割愛します。
優勝までのカウントダウンとも言えるマジックですが、プロ野球史上に残るマジックの記録を紹介します!
・1965年7月6日 南海ホークス M62
南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)に「マジック62」が点灯しました。小学生の夏休みを前に、すでにマジックが点灯していたのです。当時の小学生も驚いたことでしょう(笑)
その後9月26日、ホークスは19試合を残して優勝を決めました。対戦成績は88勝49敗3分、2位に12ゲーム差をつけての優勝でした。
・2003年7月8日 阪神タイガース M49
セ・リーグ最速記録は2003年の阪神タイガースです。これまた小学生の夏休みを前に、マジックが点灯していました。この年の阪神タイガースの対戦成績は87勝51敗2分、2位に14.5ゲーム差をつけての優勝でした。
・2008年7月22日 阪神タイガース M46
7月22日までの87試合中、57勝29敗1分と2位に11.5ゲーム差の独走状態。しかし、7月23日以降の57試合で25勝30敗2分。2位につけていた巨人が5試合を38勝16敗1分という驚異的なペースで追い上げ、阪神タイガースは優勝を逃してしまいました。
プロ野球史上最も早く自力優勝を逃したのは、1955年の大映ユニオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)です。開幕から27試合目で自力優勝が消滅しました。
ちなみに次に早かったのは、2018年の楽天で31試合目でした。
今回はプロ野球のマジックナンバーについて解説してきました!
優勝までのカウントダウンとも言えるマジック。自分の好きなチームにマジックが点灯すれば、応援するモチベーションもぐっと上がりますよね。プロ野球のシーズン終盤はマジックに注目してみると、より観戦が楽しくなりますよ!
このようにスポジョバでは野球のみならずスポーツに関する情報を発信しています!ぜひ他の記事も併せてお読みください♪
友達追加するとあなたに合ったスポーツ業界情報をおしらせできます
友達追加する!