春のセンバツでは「21世紀枠」という特別枠がありますね。
「21世紀枠って何?」
「21世紀枠で選ばれるためには?」
「21世紀枠校の勝率は?」
など、今回は「21世紀枠」に関する疑問を解き明かします!
こちらの記事では、センバツの選考基準について紹介しています。
→【センバツの選考基準は?春に強い高校に注目!】
32枠中3枠を占める「21世紀枠」とは、
第73回大会(2001)に導入された「ハンデを乗り越えて奮闘した学校」に甲子園への切符が与えられる制度です。
「甲子園にあと一歩届かないチーム」に大舞台を経験させることで、高校野球のレベルアップを図ろうという意図から始まりました。
・一般選考枠(28校)
秋季大会の結果をもとに、地域性を考慮して選出
・明治神宮枠(1校)
秋季大会の優勝校
・21世紀枠(3校)
21世紀枠は野球部のみならず学校そのものの評価ですが、全国大会である以上甲子園にふさわしい試合をしてもらいたいという思いもあります。よって、21世紀枠推薦校の条件は以下の2つです。
①秋季地方大会で上位の成績を収めていること
(2013〜:129校以上の都道府県はベスト32以上。
それ以外の県ではベスト16以上)
②高校野球の模範となるような高校であること
部員不足や自然災害などの困難克服、地域貢献等を加味して出場校として選考されます。推薦理由で「文武両道」や「困難克服」については具体的かつ詳細に述べられています。
①各都道府県連盟による1校推薦
↓
②各地区推薦1校
(東日本・西日本から各1枠、残り1枠は地域の限定なし) ↓
③最終選考会
(最終候補校のプレゼンテーション)
このような手順を踏んで、高校野球の模範的な姿を実践している高校が選ばれます。最終選考回のプレゼンテーションでは、戦力的な質問をする委員が多いんだとか。近年は「話題性+戦力」で選ぶ傾向が強まっているようです。
その理由は、春と夏の大会の性質の違いによるものです。
・夏:「全国高校野球選手権大会」
名前の通り「選手権大会」なので、
各都道府県大会で優勝した1校が代表校として、全国大会(甲子園)に出場します。
・春:「選抜高校野球」
日本高校野球連盟や主催の毎日新聞社が委託する選考委員会の判断によって選出される「招待試合」なのです。春の選抜高校野球の21世紀枠の選考では、大会結果ではなく過去の実績が反映されます。
「21世紀枠の見直し」を求める声も上がっています。
その理由は、「一般選出校」として県大会や地方大会を勝ち上がってきた多くの強豪校との実力差です。
2001年から2021年までの21世紀枠校の成績は
18勝55敗 勝率.247
このような実力差から、21世紀枠校は毎年、非常に苦しい試合を強いられています。
センバツ大会での勝利は2016年に釜石高校(岩手)vs小豆島高校(香川)の「21世紀枠対決」で、釜石高校が2対1で勝利したのが最後です。
2022年の選抜高校野球では、只見(福島)・丹生(福井)・大分舞鶴(大分)の3校が21世紀枠として選出されましたが、3校の成績を見てみましょう。
大分舞鶴(大分)0−4 浦和学院(埼玉)
只見(福島)1−6 大垣日大(岐阜)
丹生(福井)7−22 広島商業(広島)
3校とも初戦敗退という結果になりました。
「21世紀枠は不要」「地方予選レベル」という意見もありますが、ここで21世紀枠の最高成績を紹介します。
21世紀枠校の最高成績はベスト4。
・第73回大会(2001)宜野座(沖縄)
・第81回大会(2009) 利府(宮城)
2010年以降、21世紀枠校が一般選考枠校に勝利したのは
・第83回大会(2011)城南8ー5報徳学園
・第87回大会(2015)松山東5−4二松学舎大付属
のわずか2勝です。
2010年以降、1大会2勝以上挙げた高校はありません。
21世紀枠はたしかに県大会や地方大会を勝ち上がってきた強豪に比べると、実力が劣るかもしれません。ですが、野球界の発展のためにはとても有意義な取り組みではないでしょうか。
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