高校野球と言えば、夏!と思う方もいるかもしれませんが、毎年3月中旬から4月頭にかけて行われる選抜高校野球大会、通称「センバツ」も大きな盛り上がりを見せます。
今回は、春の選抜高校野球に焦点を当て、センバツに出場するための選考基準や出場校をランキング形式で紹介します!
センバツの出場校は、公益財団法人日本高等学校野球連盟(高野連)が3つの選考基準に基づいて決めています。
2021年2月現在、出場校数は原則32校です。
例外として、第100回大会など、記念の大会では枠が増えることもあります。
各都道府県の代表(東京、北海道は2枠)49チームが出場出来る夏の甲子園と比べると、出場校数が少なくなっています。
・一般選考枠【28校】
前年の秋季大会の成績を基に出場校を選考。
秋季大会は北海道、東北、関東、東京、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州の各地域ごとに行われ、そこから成績を基に代表校が選出されます。
出場枠の数は、地域によって異なり、最多枠数は近畿地方の6枠。
大阪桐蔭、報徳学園、智辯和歌山など、名門校がひしめき合う近畿地方の地域性が考慮されています。
・明治神宮大会枠【1校】
前年の秋季大会で優勝した高校が属する地域に追加される枠です。
2019年の秋季大会を例にみると、東海地方に属する中京大中京が優勝したので、2020年のセンバツでは東海地方の枠が1つ増えました。
・21世紀枠【3校】
21世紀最初の大会となる2001年の第73回大会で設立された出場枠です。
21世紀枠の詳細は、コラムの終盤で説明します!
夏の甲子園は、6月~7月に行われる各都道府県の地方大会で優勝した高校が出場する事が出来るシンプルなシステムですが、センバツは選考方法が少し複雑になっています。
夏、春と甲子園では年に2回、日本一の座を争いますが、取り分け春に強い高校は存在するのでしょうか?
センバツの最多出場と最多優勝のデータをもとに、春に強い高校をランキング形式でご紹介します。
【センバツ出場回数ランキング】
1位 龍谷大平安(京都)41回(夏は34回で3位)
春・夏通じて圧倒的な出場回数を誇る龍谷大平安。
センバツでの優勝回数は1回のみですが、毎年のように出場している強豪校です
2位 中京大中京(愛知)31回(夏は28回で同率5位)
愛知きっての強豪である中京大中京。
こちらも龍谷大平安と同じく夏にも多く出場しています。
センバツでの勝率は.679と高く、出場のみならず、好成績を収めているのがポイントです。
3位 東邦(愛知) 30回(夏は17回で同率32位)
「春の東邦」の異名を取る東邦。
その名の通り、センバツ出場回数を夏と比較すると、いかに春に強いかがわかります。
勝率は中京大中京に勝る.691で、春の異名を取るだけの強さをみせています。
4位 県岐阜商(岐阜)29回(夏は28回で同率5位)
東邦に続くのは、春・夏どちらも30回近く出場している県岐阜商。
勝率は.658と中京大中京と東邦に勝るとも劣らない成績を残しています。
最大のポイントは、強豪校=私立というイメージが強い中、公立高校としてここまでの成績を収めていることでしょう。
5位 高松商(香川) 27回(夏は20回で同率20位)
こちらも公立で古豪の高松商。
平成8年の夏出場以降、中々甲子園の土を踏む機会がありませんでしたが、平成28年春にセンバツ準優勝を果たして以降、近年はかつての強さを取り戻しています。
次に、優勝回数ランキングをみていきましょう。
【センバツ優勝回数ランキング】
1位 東邦(愛知) 5回(準優勝2回)
2位 中京大中京 4回(準優勝4回)
3位 県岐阜商 3回(準優勝3回)
先ほど紹介した中の3校がベスト3となっています。
出場数が多い=優勝する可能性が高いとも言えますが、特筆すべきは3校とも東海地方の強豪校ということです。
特に愛知県は上位2校を筆頭に、イチロー選手を輩出した愛工大名電や、古豪の享栄など、高校野球の県レベルが非常に高く、センバツでも好成績を収める理由のひとつとなっていると言えますね。
強豪校同士のぶつかり合いが醍醐味と言える高校野球ですが、センバツは21世紀枠の導入により、新たなドラマが生まれ続けています。
21世紀枠は、高校野球の模範的な姿を実践しており、かつ以下に記した条件を満たした高校が選ばれる制度です。高校野球全体のレベルアップを目的として2001年に導入されました。
①秋季大会ベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)
21世紀枠とはいえ、ある程度の成績が必要になります。
②以下の推薦例に該当する高校
これまでに21世紀枠に選ばれた高校の実例を一部交えながら紹介していきます。
・少数部員、施設面のハンディがある
2021年 具志川商(沖縄)
近年は廃部寸前の部員数でしたが、OBや地域住民の支援を受けて復活。
2020年 帯広農(北海道)
実習の多い農業高校で、全体練習は土日のみしか行うことができないハンディがありました。
ちなみに、NHK朝ドラ「なつぞら」や漫画「銀の匙」のモデル校としても有名です。
・震災(自然災害)により高校が被災地となった
2013年 いわき海星(福島)
東日本大震災による影響を苦にせず、諦めずに頑張る部員の姿が県民に勇気を与えました。
・文武両道を重んじている
2021年 八戸西(青森)
公立かつ進学校で練習時間が限られる中、学年や守備位置ごとのグループ練習などを積極的に取り入れ、練習を効率的に行いました。
・強豪校でありながら近年甲子園出場に恵まれかった高校
2012年 石巻工(岩手)
東日本大震災で被災しながら、その年の秋季大会でなんと準優勝を収めるという好成績を残しました。
・創意工夫した練習方法で成果を上げている
2021年 東播磨(兵庫)
コロナ禍の中で、ZoomやLINE等のオンラインツールを用いた効率的な練習方法を取り入れました。
・地域活動がその地域に大きな好影響を及ぼした
2021年 三島南(静岡)
地元の園児や小学生を対象とした野球教室を開催し、その参加人数は延べ1000人以上。プロ野球関係者も訪れるほどの人気イベントとなっています。選考理由や基準は毎年異なるため、毎年どのような高校が出場するかワクワクしますね。
そんな21世紀枠による選出校の実力は、やはり強豪校と比較すると劣ります。事実、これまでの21世紀枠の歴史では初戦敗退も多く、最高でも2009年の利府(宮城)のベスト4がトップの成績であり、優勝・準優勝は未だありません。21世紀枠の高校だからこそ、強豪校に負けないように、様々なアイデアを活かした効率的な練習を実施。その姿がよりドラマティックに映るのです。そして、今後21世紀枠の高校が優勝・準優勝を収める日がくれば、必ずセンバツの歴史的な一日となるでしょう。
今年の選抜では、どんなドラマが待っているのでしょうか。2021年のセンバツは、もしかしたら歴史的な大会になるかもしれません。
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