アパレル事業を軸に成長してきた株式会社シライが、新たに挑戦したのはウェルネス領域。愛知県豊橋市に2025年12月オープンしたマシンピラティス&セミパーソナルトレーニングジム「LimAlign(リマライン)」は、社員の健康を起点に生まれた新規事業です。
その立ち上げに関わったのが、運営するシライでPR事業を行っていた波戸元早瑠香さんと、2年前に越境EC担当として同社に入社した新ひとみさん。未経験領域への挑戦、裁量の大きさ、そして「やってみな」と背中を押してくれる環境。「熱狂を大切にしよう」と掲げるシライならではのカルチャーと、そこで得られる成長について、お二人の話から紐解いていきます。
(取材・執筆:小林 千絵、編集:伊藤 知裕、池田 翔太郎)
──アパレル企業であるシライがマシンピラティス&セミパーソナルトレーニングジム「LimAlign」を立ち上げた経緯を教えてください。
波戸元 コロナ禍で社長(白井浩一氏)がそろそろ体型やばいなぁと(太ったと感じた)、ジムに通うようになったんです。そしたら、体の変化を自分で感じて「会社のためにも自分が健康でいなければならない」と思ったそうで。そのときに「社員も若いうちから健康寿命を伸ばすような体づくりをしてほしい」「社員の健康寿命を伸ばしたい」と思ってウェルネス事業を始めることになりました。

──社員のためだったんですね。
波戸元 そうなんです。
──ウェルネス事業を始めると聞いたとき、お二人はどう思いましたか?
波戸元 「次はこれかぁ…」って(笑)。新しいことをやるのが好きな社長なんですよ。これまでにも、いろいろな事業を始めていて。とはいえ、今まではアパレルから大きく外れたことはなかったので、今回はずいぶん違うことに挑戦するんだなとは思いました。
新 私は正直、最初は全然想像がつかなかったです。もともと私は空手とダンスをやっていて運動は好きだったんですが、社会人になってからは「動くの面倒くさいな」と思うくらいになっていたし、仕事としても分からない領域すぎて「本当にできるのかな」と不安でした。
──ちなみにお二人はピラティス経験は?
波戸元 まったくやっていなかったです。だけど、この事業を始めることになって、トレーナー向けの1カ月の研修を全部受けたんです。そしたら今は運動せずにはいられない体になりました。
新 私が拠点としている東京にはまだLimAlignがないので、LimAlignではないのですが私も最近、ピラティスに入会しました。私も今では動かずにはいられなくなって、週3くらいで通っています。

波戸元 社内でも通ってる人、増えてるよね。
──社長の「社員の健康寿命を伸ばしたい」という目的はすでに果たされていますね。
波戸元 そうなんですよ。社長は喜んでいます。それに、実際に始めてみると、歩き方から変わって。姿勢が良くなって、肩こりもなくなりました(※)。「全人類、ピラティスをやったほうがいい!」と心から思っています。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
──肩こりがなくなった?!それはすごいですね!そう思っていると、仕事のモチベーションも変わりそうですね。
波戸元 はい。休みの日でも、店に行って1レッスンお客さんと一緒に受けたりしていますから。
新 私は仕事を終えてから行くので、「定時までに仕事を終わらせないと!」という気持ちになって、効率良く働けるようになりました。それに、ピラティスをやっている時間はスマホを触らないので、いい切り替えにもなります。
──実際にマシンピラティス&セミパーソナルトレーニングジムを立ち上げるにあたり、どのようなものにしたいと思ったのでしょうか?
波戸元 これはおそらくアパレル脳だからなのですが、最初にブランドコンセプトを作りました。「何をお客様に伝えたいか」というものをみんなで考えて、「いつからでも、カラダもココロもアップデートできる。」をコンセプトに、「五感を整える」という意味を込めた造語「LimAlign」をブランド名にしました。このコンセプトは、お客様にも伝わってほしいと思ったので、内装にもメッセージとして入れていますし、入会の際に説明したりしています!そしてロッカーの中にあるハンガーにもブランド名が入っています。

──ハンガーにも目をつけるところは、まさにアパレル企業ならではですね。
波戸元 それでいうと、オープンのタイミングではノベルティでTシャツとタオルを配りました。そのTシャツを着て運動してくださるお客様も多くて、やってよかったなと思っています。
──そのほかにアパレル企業としての経験が生きているなと感じることはありますか?
波戸元 デザインスプリントなど、みんなの意見を出し合って作っていくというノウハウは生きていると思いますね。あとは、今まで社内一貫型でやってきたので、その“何でもやりまっせ”の精神は生きているのかなと思いますね。私はもともとPR事業で、インフルエンサーマーケティングをしていたので、ウェルネス事業でもインフルエンサーさんにLimAlignに来て体験してもらったりしています。
新 私は、それまで越境EC事業、特に中国語を使うお仕事が多かったので、本当に別の領域で。でも新しいことに挑戦したいと思っていたタイミングだったので、「学んでみたい」と思っていたマーケティングに挑戦させてもらえて、日々勉強できて楽しいです。
波戸元 いつか海外進出もできるといいよね。そしたら新さんのもともと持っていた能力もいかせて。
新 海外進出できたら、すごくうれしいです!
波戸元 逆にアパレルとの違いは、アパレルは“もの”が商品だったのに比べて、ウェルネス事業では“トレーナー=人”が商品になるということ。服を作ったり売ったりしている人と、運動を教える人では全然タイプが違って。だけど、私は、せっかく一緒に働くわけですし、「今日仕事に行きたくないな」と思う人がいないチームをつくりたいんです。「仕事で結果出してやるぞ」とか「キャリアアップしてやるぞ」とみんなが思うチームにしていきたい。だから今は、チームづくりに奮闘しているところです。トレーナーさんたちに甘いものを差し入れしたりしながら(笑)。

──理想的なチームづくりの話がありましたが、その理想を持つようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか?
波戸元 2025年の3月に「KINO THE KEI」というブランドを立ち上げました。立ち上げてすぐに、東京・ルミネエスト新宿でポップアップを開催して、ブランドの認知度を高めていくという施策を打ちました。その際、インフルエンサーさんたちもスタッフとして雇って販売をしてもらったんですが、愛知・名古屋PARCOでもポップアップをやることになった際、東京のようにはインフルエンサーさんを集められないという現実に直面して。スタッフを、「PRスタッフ」という形で一般から公募することにしたんです。そのときのチーム感や、やりがいが忘れられなくて。そのとき来てくれた5名のうち2人は、転職してシライの社員になりましたから。
──2人も!すごいですね!
波戸元 その様子を見て、社長が「熱狂」というワードを使い始め、今では会社として「熱狂を大切にしよう」と掲げるようになりました。それくらい、熱狂してくれるスタッフを増やしたいと、社長も私たち社員も思っているんです。
──その場で熱狂が生まれたのはどうしてだと思いますか? チームづくりなどで何か意識していたとか?
波戸元 一番大きいのは、やはりKINO THE KEIというブランドが好きという気持ちですね。転職した2人は、もともと販売員をやっていたわけではなかったのですが、KINO THE KEIが好きで応募してきてくれた。だからまずは、KINO THE KEIというブランドそのものに熱狂していたのかなと思います。あと、実際に働いてみて、私たち社員が楽しそうに働いている姿にビビッと来たと言われました。「お子さんがいるのにバリバリ働いて楽しそう」って。
──波戸元さんが仕事に対して“熱狂”している姿に魅力を感じたということですね。
波戸元 そうなんだと思います。「私ってそんなに楽しそうに働いていたんだ!?」と思いましたけど(笑)。でも、仕事をするなら楽しみたいじゃないですか。人生の3分の1くらい仕事をしているわけですから。だったら「仕事嫌だな」って思いながら働くのではなくて「楽しい」と思って働いたほうが絶対にいい。それと、社長がずっと「女性が輝ける環境をつくらないといけない」と言っていて。弊社は産後に復帰する率も高いんですよ。90%くらいじゃないかな。私も入社してから2度産休を取って、復帰していますし。
──とはいえ、制度が整っているということ以外にも、波戸元さんが楽しく働いている秘訣がどこかにあるんじゃないかなと思うのですが、そこは何だと思いますか?
波戸元 うーん、常に新しいことをしているからかも。私はずっと同じことをするというのがたぶん苦手で。社内では「立ち上げ屋さん」で通っています(笑)。ウェルネス事業を始める前も、新しいブランドの立ち上げをやって、軌道に乗ってきたら、また新しいブランドを立ち上げて……という働き方をしていたんです。「波戸元が動いているから、また何か新しいことが始まる」と社内がザワつくんです(笑)。だから常に新しいことをやることで、楽しく働けているのかなと思います。
──常に新鮮な気持ちで働けることが熱狂につながっているのですね。新さんは、シライ入社後に熱狂を感じたことはありますか?
新 やはりKINO THE KEIのポップアップストアですね。当時、私は部署が違ったので関わってはいなかったのですが、見ていて熱狂を感じていました。そもそもKINO THE KEIのブランド自体に対しても素敵だなと思っていたので、「KINO THE KEIだったらこういうことも起こるよな」と思っていました。
──では、新さんから見て、波戸元さんがつくるチームをはじめとして、シライが社員の熱狂を生んでいるのはどうしてだと思いますか?
新 新しいことに挑戦する姿勢がみんなそれぞれあるんですよね。何事に対しても「まずやってみよう」とみんなが思っている。それが熱狂なんじゃないかなと、日々感じています。
──みんなが挑戦する姿勢でいられるのはどうしてなのでしょうか?
新 社長との距離が近いからですかね。何でも言える環境づくり、空気づくりをしてくれていて。私はまだ3年目ですけど、もうバンバン言っていますから(笑)。「これをやってみたいです」と伝えると、「やってみな」と言ってくれる印象があるから言いやすいんです。
波戸元 会社としても「チャレンジ」はテーマになっているので。あとは社長が猪突猛進で(笑)。
新 誰よりも社長が、「チャレンジを大切にする」ということを体現してくれていますよね。
▼求人を見る
──社員の熱狂を大切にする環境の中で、一緒に働く人にはどのようなことを求めますか? 現場で求める人物像を教えてください。
波戸元 何か新しいことに挑戦するのが好きな人が来てくれるといいですね。例えば、弊社に限らずウェルネス業界ってまだSNSがそんなにうまく活用できていないと思っていて。弊社では、そういうこともやってもらうことになると思うし、ほかにもやりたいことがあれば何でもできる会社だと思うので。今回は店長候補を探していますが、ゆくゆくはエリアマネージャーなど本部への異動もあるかもしれないし、店舗開発をしてもらってもいい。それこそKINO THE KEIの一般スタッフから転職してくれた子に、ウェルネス事業へ来てもらおうかなとも考えているんですよ。そうやっていろんな可能性を感じてもらえる会社だと思うし、いろいろなスキルが身につくと思うので、そういうことを楽しんでもらえる人だといいのかなと思います。
──現在、波戸元さんと新さんが考えている今後の展望や夢を教えてください。
新 まずは東京の新たなジムの立ち上げを成功させて、大きくしていくことですね。あとは、中国語が自分の強みなので、この事業で生かしていけたらいいなと思っています。
波戸元 私はこの先もきっと新しいことしかやらせてもらえないと思うので(笑)、新しいことをずっとやっていくんだろうなと思っています。ひとつ言うと、LimAlignでもアパレルラインは出したいですね。
──確かにアパレルを出したら受けそうですね!ではLimAlignの今後の展望を教えてください。
波戸元 まずは年内にあと3〜4店舗オープンしたいと思っています。お客様にとっては、LimAlignが生活の一部になってくれたらと思う反面、非日常を味わえる空間でもあってほしいと思っていて。お客様のモチベーションが上がる空間づくりはこの先もしていきたいと思っています。
──「非日常を味わいにいく」ということを日常にしてもらうというか。
波戸元 そうそう! そういうイメージです。

【PROFILE】
波戸元 早瑠香(はともと はるか)
愛知県豊橋市出身。趣味はレゲエを聴くこと。自称「コミュ力おばけ」。座右の銘は「自らの道は自ら切りひらく」。
新 ひとみ(しん ひとみ)
北海道出身。趣味はサウナ。座右の銘は「やらない後悔より、やる後悔」。前職では台湾に住み、中国語が堪能。
| 設立年月 | 1983年10月 | |
|---|---|---|
| 代表者 | 白井浩一 | |
| 従業員数 | 115名(業務委託・パート・アルバイト含む)※2025年6月末現在 | |
| 業務内容 | ・レディースファッション
|
|
友達追加するとあなたに合ったスポーツ業界情報をおしらせできます