2022年7月、福田拓哉さんが熊本バスケットボール社の社長に就任。大学准教授を経てBリーグチーム運営会社の社長になるという珍しいキャリアを歩まれている福田さんに、バスケの可能性や今後の熊本ヴォルターズについてお伺いしました。
今回お話を伺う中で登場したポイントは以下の通り。
・〇〇することばかりやってたらすぐに枯渇する
・まずは〇〇との関係性を再構築するべき
・社員一人ひとりに目を向けることが〇〇のカギ
上カテゴリーを目指すクラブのフロントスタッフ、社員が辞めていく現状に悩んでいる経営者、スポーツ業界に入りたいと考えている学生や院生、その他すべてのスポジョバ読者。
あなたのモヤモヤを薄くしてくれるヒントが隠されているはずです。
(取材:伊藤知裕 構成:スポジョバ編集部 仮谷真歩)
ーー社長になって最初になにをされましたか?
まずは全社員と1on1をしました。個人が何を考えていてモチベーションがどこにあって、課題感は何なのか、現状を把握したんです。
次に、集められる数字や経営のデータを集めながら経営のクセやその原因を分析したり、地域の皆さんに顔と名前を覚えていただけるように積極的に前に出ていくようにしました。
足りないところを見極めて、一つひとつ手を打っていく。日々その繰り返しです。いきなりPDCAではなく、観察から入るOODAループを意識してやっています。
ーー初めてバスケに触れるなかで、野球やサッカーと比べて面白いと感じる点はありますか?
まず、バスケの競技的な面白さがあると思います。短い時間にたくさん点が入って攻守の切り替えが激しい。負け試合でも70点以上は入ることが多いですよね。
あとは決められたタイムアウトの時間があるので、チアの演出なども入れやすい。短い時間に強い刺激を安定して打ち込めるのがバスケの競技性における特徴で、野球やサッカーと比べて雨の心配をする必要がないのも良いですね。
ーー確かに外的要因に左右されにくいですよね。
さらに、アリーナは野球やサッカーと比べるとコンパクトなので設営や撤収が極めてやりやすいです。契約する選手も最大15人なので、選手への投資額も他競技に比べると少なくて済む。規模がコンパクトで、投資を回収しやすいことも特徴ですね。
あとはブースターさんの年齢もNPBやJリーグと比較すると若くて、最初からスマホファーストでマーケティングを考えられるので、ダイレクトなプロモーションが打ちやすいんですよ。このように時代に即した経営ができるのも魅力です。
ーー野球やサッカーの興行に携わってきたからこそ、アリーナのコンパクトさが運営しやすそうに見えたのは面白いですね。
初めてプレシーズンマッチをやらせてもらったときには「このくらいで準備終わっていいんだ!」って思いました(笑)もちろんビジョンを毎回設営・撤収するなど、非効率的だと思うところはありますが、外部の力を借りればきっと上手く回せるはず。
そして改めてスポーツ興行の1番のネックは設営と撤収なんだと感じました。運営権も持っていないので、什器の保管・運搬に別途大きな費用がかかったり、非試合日の広告看板収入がクラブに入らなかったり。。バスケはそのあたりを上手く解決できる構造になるのではないかと思っています。
vol.2はコチラ
>>福田拓哉氏が考える、経済的価値を上げるために先に上げるべき価値とは
【PROFILE】
福田拓哉 / 熊本ヴォルターズ代表取締役社長
立命館大経営学部を卒業後、京都サンガF.C.や福岡ソフトバンクホークスにてブランド構築やファンクラブの運営などを担当。新潟経営大学(准教授)・九州産業大学(准教授)を経て熊本ヴォルターズ代表取締役社長に就任。
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