スポーツに関わる企業や人などと日常的に触れ合っている私たち。話を聞けば、新たな価値観を得ること、感動して涙すること、モチベーションが爆上がりすること……。心が動く瞬間に多く巡り合っている。このような求人広告や取材記事では書けないエピソードをご紹介するのが、連載企画『GAME REPORT』。
第五弾は、倒産寸前まで追い込まれたカーブスFC店を経営した2人のお話と、NBA:フィラデルフィア・76ersで話題になっているベン・シモンズ選手から学んだ「人間関係」について。さっそく、本企画の筆を執ろうと思う。寄り道感覚で読み、何かを感じてくれたらこれ以上嬉しいことはない。
人 との信頼関係を作るのは、非常に時間がかかるものだと思う。仲良くなるのとは別で「この人には何でも相談できる」「一緒に居たい」と思ってもらえるようになるには、単純に"気が合う"だけではなかなか難しい。求人に関わる仕事をしてかれこれ5年。何千と会社を見てきたが、今もずっと変わらないのは"辞める人"がいるということと、"新入社員"がいるということ。一見、非常に当たり前に見えるかもしれないが、一方で1つの会社にずっと席を置き続ける人もいる。転職が非常に当たり前になってきた時代とはいえ、いずれにしても"人間力"や"コミュ力"というのは、昔よりもより一層求められる時代になったと思う。
大阪で女性専用フィットネス『カーブス』のFC店を5店舗展開している『(有)トゥーピース』の角田代表夫妻は、本当にツラい時期を乗り越えたと語る。純粋にお店の売上が上がらず、会員数も減り、社員もどんどん辞めていったという、悪循環にハマった時期があったそう。同時期に奥様は出産をし、夫婦2人で子育てもしながら、毎日の生活費を何とか稼ぎながら、お店では最前線で頑張った。「本当に今が一番つらい。だから死ぬ気でやれる人だけ、残って一緒にやりたい」そう伝え、残った社員はほんの数名。結果、計4人で2店舗をなんとか回していたそう。ただ、この時に頑張っていた角田代表夫妻の姿を見た社員は全員、今も同社で活躍しているそう。
NBAのフィラデルフィア・76ersというチームがある。そこで現在問題になっているのは、ベン・シモンズというスーパースターの行方。2016年でドラフト全体1位で入団した彼は、類まれな才能を見せスターダムにのし上がっていった。ただ昨シーズンからチームに不信感を持っており、今年のシーズン開始前には「他のチームに行けないなら、自分は試合に出ない」と言い切った。結果、シーズンの約半分を終えようとしているタイミングだが、彼はまだ今シーズン一度も試合に出ていない。「試合に出て、バスケットをすることが仕事」のNBA選手なのに試合に出ないということで、1試合当たり約3,500万円の罰金が言い渡され、現在の合計金額はなんと12億弱にまでのぼっている。
シモンズ選手と角田代表夫妻の大きな違いは「腹を割って話したか」だと思う。これは冒頭に話をした”人間関係の構築”にも共通して言えることだと思うが、もし人間関係で退職を考えている人がいるのであれば、まずは一旦立ち止まって考えてみてほしい。その嫌なことが、どれだけ大きいことかを。……とはいえ、私も非常に抱え込んでしまうタイプだから、偉そうなことは決して言えない。ベクトルを内側に向けすぎて悩みすぎることも多い。言わない方が角も立たないし……と言うべきことを言わないことも多い。でも、やっぱり言うべきことは言った方がいい。もちろん逃げたっていい。弱いところもを見せたってカッコ悪いことはない。あくまで職場の人間関係だから、死ぬわけじゃない。ただ、逃げ続けてもいい結果にはならないだろうから、ちゃんと腹を割って話すことが、人間関係構築には一番いいんじゃないかと、今回2つのケースを紐づけて、私は思った。
今回のコラムニスト:スポジョバ編集部 小林亘
某大手人材・広告企業出身。ライター・ディレクターとして求人広告から総合情報まで幅広く手掛けてきた。バスケットボールが好きすぎるが故に、経験を生かしながら好きな業界で働きたいと考えスポジョバにジョイン。現在、スポジョバの記事の7割以上を執筆・編集している。年末年始、自分へのご褒美としてスタビライザーを新調。これからVLOGを始めようと息巻いている。
設立年月 | 2010年01月 | |
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代表者 | 篠﨑克志 | |
従業員数 | 272名(連結:2023年12月末現在) | |
業務内容 | ◆スポナビ合同就職セミナーの企画・運営(体育会学生限定合同就職セミナー)
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