「24秒ってなに?最新ルールを知りたい!」
「例外は?タイマー(ブザー)が鳴ったら時間は止まる?」
「そもそも、なぜ24秒?30秒とかじゃダメなの?」
前回の記事ではトラベリングなど、競技のルール全般についてご説明しましたが、今回はバスケの試合で非常に大切な「24秒ルール(ショットクロック)」を解説していきます。
バスケの試合を最近見るようになった方も、最近競技を始めた学生も。これを読めば24秒ルールの仕組みが理解でき、バスケを楽しく観戦&プレイできるはずです!
24秒ルールとは、オフェンス側が24秒以内にシュートを打たなければいけない、という内容が基本的なものです。細かくお伝えするとシュートがリングに当たったときと、相手からファウルをされたときに、シチュエーションに応じた秒数(24秒か14秒)へリセットされるというルール。別名「ショットクロック」とも呼ばれています。ちなみにリセットのやり方は自動ではなく、審判以外のテーブルオフィシャルの方々が、専用のタイマー(24秒計)を使って管理しています。
オフェンス側は相手からファウルがなかった場合、24秒以内に一度でもリングに当てられないとタイマー(ブザー)が鳴ってしまい、一旦プレイがストップし相手ボールとなってしまうのです。
逆に当てさえすれば24秒はリセットされ継続してプレイできるため、24秒の使い方はバスケットの試合を進める上で重要な要素。
またミニバスでは、時間が迫ると残り時間に合わせた色の旗が振られます。バスケ初心者のお父さんお母さんにとってもわかりやすく競技を理解できる仕組みがあるのは嬉しいですね。
さて、改めてここでは、ルールの中身について徹底解説いたします!
★シュートを打つ → シュートが入る → 相手ボールになる
★シュートを打つ → リングに当たる(シュートが外れる) → ディフェンス側が外れたボールを拾う
どちらの場合でも、相手ボールになった(=相手側のオフェンスが始まる)ため、再度24秒からスタートします。
★シュートを打つ → リングに当たる(外れる) → 味方がボールを拾ってもう一回オフェンスをする
この場合は、例外的に24秒ルールとは別に14秒ルールが適用されます。
★残り14秒以上でシュートを放ち味方がボールを拾った場合 → 24秒から再スタート
★残り14秒以下でシュートを放ち味方がボールを拾った場合 → 14秒から再スタート
という形(オフェンスリバウンド)で、もう一度オフェンスができるのです!
※外れたボールを拾う行為がリバウンドと言います。バスケ漫画の金字塔『SLAM DUNK』の主人公・桜木花道の代名詞ですね。詳細はコチラの記事を参照ください。
補足ですが、たとえば残り1秒でなんとかシュートを打って、ボールが空中にあるタイミングでタイマー(ブザー)が鳴った場合。
入れば得点が認められます(ブザービーター)。
リングに当たってシュートが外れた場合はプレイ続行。
リングに当たらずにシュートが外れた(エアボール)の場合は、一旦プレイが止まって相手ボールからのスローインとなります。
※ブザーが鳴る前にボールが指から離れていれば上記の対象。離れていない場合は24秒バイオレーションで相手ボール。微妙な場合は、審判とテーブルオフィシャルがビデオリプレイで判定します。
ちなみに、スローインで味方選手がボールに触れた瞬間から24秒計が進みます。フリースローやタイムアウトなど、タイマーが止まっているときのプレイは24秒とは関係ありません。
また冒頭お伝えした通り、ディフェンスにファウルをされた場合も24秒ルールの対象です。リングにボールは当たっていませんが、たとえば残り5秒でファウルをされた場合は、引き続きオフェンスが継続ということで14秒にリセットされます。
一旦、相手ボールになったら24秒にリセット。継続して自分たちが攻めるときは14秒にリセットされると覚えておくのがいいでしょう。
ここまでは、押さえておくべき24秒ルールについてご説明しました。
しかしいくつか例外もあるので、次のトピックスで徹底解説いたします!
実は24秒ルールは、先ほどのシュートがリングに当たったときと、ファウルがあったとき以外にも関係してきます。例外について、ここでご紹介しますね。
★オフェンスとディフェンスでボールを抱え込みあった場合(ヘルドボール)
たとえば、敵・味方のどっちかわからないボール(ルーズボール)を抱えあってしまった場合。一昔前であれば抱えた選手2人の「ジャンプボール」で再開していたのですが、今は「ポゼッションルール」と言って、順番にチャンスが巡ってきます。ちなみに珍しいケースで言うと、放ったシュートがリングとボードの間に挟まってしまったときも、ポゼッションルールが適用されます。
◎Aチームが試合開始時のジャンプボールで勝つ → Aチームのオフェンス時、両チームの選手がボールを抱え込む → Bチームのボールで再スタート
この場合は攻撃権がAチームからBチームに移るため、24秒計がリセットされます。
◎Aチームが試合開始時のジャンプボールで勝つ → 攻防を繰り返しBチームのオフェンス時に両チームの選手がボールを抱え込む → Bチームのボールで再スタート
この場合は攻撃権が移らず継続してBチームのオフェンスのため、残り14秒にリセットされます。
★コートの半分を超す前に相手ボールになるような行為をしてしまった場合
バスケでは、コートを半分に分けて、自分たちが狙うゴールがある側をフロントコート。自分たちが守るゴールがある側をバックコートと言います。
相手がシュートを決めたら、バックコートからスローインをしてフロントコートに入り(入れないと8秒バイオレーション)シュートを狙うのですが、たとえばバックコートでトラベリングをしてしまった場合。
攻撃権が移るだけでなくトラベリングをした位置からの再開となるため、相手チームは自分たちのゴールの近い、フロントコートからオフェンスを始められることになります。
「近い位置から24秒をフルに使って攻められる!」
「絶好のチャンス!」
……と思ったかもしれませんが、これも14秒ルールができた2019年に変わりました。
そうです。この場合でも24秒ではなく14秒なのです。
このルール、実は知らないというバスケ経験者も多いので、周りに教えてあげたら喜ばれるかもしれません!
余談ですが、B.LEAGUEの宇都宮ブレックスは、24秒間相手にシュートを打たせないディフェンスをチームの名物としています。その際、激しいクラップ(拍手)が会場に鳴り響くので、体感してみるのもオススメ!
▼B.LEAGUEについて詳しく知りたい方はコチラ
そもそも、いつから24秒ルールは設定されているのでしょうか?
キッカケは1950年代にまで遡り、当時アメリカのプロバスケリーグNBAで活躍していたジョージ・マイカンというスーパースターの存在が大きいと言われています。
彼は206cmという長身に加えシュートが非常に得意な選手だったのですが、それを止めるために相手チームが実行した作戦に問題がありました。
それは「自分たちがずっとボールを持っている」というもの。
……皆様、想像できますか?
ほとんどシュートを打たず、鬼ごっこのように逃げ回るバスケットボールを。
試合も18対19と、バスケとは思えない結果で終わったのです。
お察しの通り、「意味がわからない」「こんなのバスケじゃない!」とファンは怒ったわけですね。
この事態を「さすがに競技としてマズい」と思ったNBAの運営が「30秒以内にシュート打ってね」ということで30秒ルールが設定されました。
ルールの設定によって本来あるべき姿を取り戻したため、30秒ルールはしばらく定着。
実際、30秒ルールから24秒ルールになったのは約50年後・2001年のこと。
単純に「もっと速い展開で、シュートを打ち合ったほうが盛り上がるよね」ということで変更。
2019年には「さらにもっと速い展開にしよう!」ということで先述した14秒ルールが現状の最新ルールとして設定され、今に至るのです。
その影響もあって、ディフェンス重視&ゴール下ゴリゴリのバスケスタイルから、より短い時間で効率よく攻められるスリーポイント重視のスタイルにNBAも変わっていったとも言われています。
このようにバスケットボールは、都度細かいルールチェンジが行われていますが、今後大きな変更はないと予想されるのが「24秒ルール」。
あなたも覚えておいて損はないはず!
今回は24秒ルールと、シチュエーションごとのルールの補足、また24秒ルールが設定された背景・意味合いについてご紹介しました!
……最後に雑学的なお話ですが、2020年1月に亡くなってしまったNBAのスーパースター:コービー・ブライアントは24番をつけていました。
「ショットクロックの24秒」と「1日24時間」バスケができることへの感謝と、憧れのマイケル・ジョーダン(23番)を一歩でも超えるという理由からこの番号を選んだという有名な話がありますね。
スポジョバでは単純なルール解説だけではなく、このようなバスケに関するさまざまな情報を発信しています。
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※「ファール」と表記されるケースもありますが、正式には『Fouls(ファウル)』。そのため、本記事では「ファウル」で表記統一しています。ファウルに関する記事はコチラ
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