「野球のオープン戦は開幕戦と意味が違う?」
「練習試合と何が違うの?」
日本のプロ野球では開幕戦が近づくにつれて、オープン戦が開催されます。
今回はオープン戦について、目的や練習試合との違いを中心に解説します!
日本プロ野球におけるオープン戦とは、春季キャンプ中の2月終盤から開幕直前の3月終盤までの期間で実施される非公式試合を指します。
まずはオープン戦のルールを他の試合形式と比較しながらみていきましょう。
公式戦の場合、延長戦は12回まで行われるが、オープン戦は同点であっても9回で終了する。
公式戦では支配下登録されている選手のみ出場可能だが、オープン戦では育成選手も出場可能。
公式戦では原則パ・リーグに導入されているDH制だが、オープン戦では球団・球場問わずDH制を利用することができる。
練習試合の場合、NPB(日本野球機構)を介することなく、球団同士の合意のもと開催されるため、入場料無料であるケースが多い。
だが、オープン戦はNPB管理下で行われるため、入場料が発生する。
練習試合の場合、近隣でキャンプを行う海外球団や、社会人チームとも自由に試合することが可能。
だが、オープン戦はNPBに所属する12球団間のみで試合がされる。
オープン戦は練習試合でありながら、あくまで公式戦を前提として開催される試合と言えますね。
さて、オープン戦の位置づけは明確になりましたが、実際に出場する選手、そして、それを見守る監督・コーチは、どのような気持ちでオープン戦を迎えるのでしょうか。
監督・コーチにアピールするチャンスになります。
選手の実績が関係ない横一線の環境であれば、ベテランを押しのけて開幕レギュラーを勝ち取るチャンスは大いにありますし、
1軍メンバーがある程度決まっているチームだとしても、活躍次第では番狂わせも起きます。
つまり、若手選手にとってオープン戦とは、その年の自分の運命を決めるほど、大切な期間なのです。
また、育成選手にとっては、その後の公式戦では出場機会が与えらえず、中々アピールすることが難しくなります。
そのため、オープン戦の行われる期間に支配下登録を勝ち取りたいところです。
実際に2020年のオープン戦で、読売ジャイアンツと育成契約を結んでいたイスラエル・モタ選手が打率.341、1本塁打、9打点という好成績を残し、同年2月28日に支配下登録となりました。
コンディションの調整がメインになることが多いです。
レギュラーに定着している選手の場合、実績と実力は十分と言えます。
したがって、「調子は落ちてないか」「身体に違和感はないか」といった、公式戦で安定したパフォーマンスを発揮するための最終調整としてオープン戦の時期を過ごします。
調整方法は十人十色ですが、中でも独特の方法で話題を呼んだのは、主にロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)で活躍した落合 博満選手でしょう。
現役時代、とあるオープン戦で落合選手は打席に立ったものの、一度もバットを振りませんでした。
あくまで「ボールに目を慣らす」ための試合であり、加えて、相手ピッチャーの特徴や完成度のチェックを目的にしていたからです。
このような事例からオープン戦へ出場することの目的は、好成績を出すことが全てではないことが伺えます。
また、前年のシーズンをケガで棒に振った選手の場合、リハビリとして出場するケースもあります。
他にも、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のように、春季キャンプの時期に開催される国際試合に招集された選手は、帰国後すぐにオープン戦へと合流し、急ピッチで調整を進めるようなケースもあります。
監督やコーチにおけるオープン戦の目的は、全ての選手のパフォーマンスおよびコンディションのチェックです。
もちろん選手は好成績を残すに越したことはありませんが、監督・コーチ側は単純な成績のみで1軍メンバーを精査するわけではありません。
前年あるいはそれ以上のパフォーマンスは発揮できるか、課題のウィークポイントは改善されているか、ケガは悪化していないかなど、あらゆるポイントを選手以上に見極める必要があります。
そのため、オープン戦の成績の良し悪しはあれど、最終的な開幕1軍メンバーのラインナップは、監督・コーチが様々な要素を考慮して考え抜いた結果と言えますね。
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