「野球のフリーエージェント(FA)って何?意味や条件を詳しく知りたい!」
「ポスティングと何が違うの?FAとの違いは?」
野球選手の移籍の仕組みは様々です。
それぞれの制度の名前や意味、条件はご存知でしょうか?
今回はフリーエージェント(FA)とポスティング、トレードに着目して紹介していきます!
【野球に携わりたい方必見!】
FAとは、フリーエージェント(free agent)の略称で、選手があらゆる球団と選手契約ができる権利のことを指します。
本来は毎年オフシーズンになると、自分の所属球団と来季の年俸を決め、契約を進めます。
しかし、FA権を獲得して行使すると、他球団とも契約交渉をすることができるようになります。
では、FA権を行使するメリット・デメリットについて簡単に紹介します。
・その選手が憧れていた球団、自分が親しみのある地元球団、優勝を狙える可能性がある球団に移籍するチャンスが生まれる。
・複数年契約(3年総額10億円など)により、不安定なプロ野球人生を安定して過ごすことができる。
・FA権を行使すると、元々所属していた球団とも相対的な市場価値と複数年契約で交渉をすることができるため、自分に有利になる可能性が高い。
・契約年俸の上限は昨年の年俸になるため、年単位でみると年俸のアップは見込めない(FA権を行使せず、同じ球団で今まで通り交渉をすればアップする可能性はある)
・その選手の獲得にどの球団も名乗りださなかった場合は、事実上自由契約となるため、最悪次のシーズンはプロ野球選手ではなくなる可能性がある。
そして、このような人生の転機ともなり得るFA権を獲得するには、145日以上1軍登録されているシーズンを8シーズン(8年)迎える必要があります。
145日以上の試合出場ではなく1軍登録なので、代打の切り札をはじめとした控え選手も、FA権を獲得するチャンスはあります。
逆に、どんなに一流プレイヤーでも、ケガでシーズンの半分以上を1軍から離脱してしまうと、そのシーズンはFA権獲得のシーズンにカウントされません。
また、FA権を行使した選手には推定ランクが存在します。
推定ランクは、外国人選手を除いた日本人選手のチーム内の年俸順で決まります。
そしてこのランクは、FAでの移籍先の球団から移籍前の球団に対する補償内容を左右します。
Aランク・・・チーム内上位3位
補償内容
移籍選手の昨年の年俸の80%の金銭 or 人的補償選手+移籍選手の昨年の年俸の50%の金銭
Bランク・・・チーム内4位~10位
補償内容
移籍選手の昨年の年俸の60%の金銭 or 人的補償選手+移籍選手の昨年の年俸の40%の金銭
Cランク・・・チーム内11位以下
補償内容
特になし
ここで記述した人的補償選手とは、FA権を行使した選手の元球団が、移籍先の球団から選手を1人選んで獲得することができるシステムとなっています。
ただし、移籍先の球団には「プロテクト」と言って、元球団に獲得されたくない選手を一定数選ぶことができ、
元球団はプロテクトに含まれなかった選手の中から選ぶことができます(外国人選手は選択不可)。
ここまで説明が多く、複雑になってしまったため、おさらいも兼ねて2019年のオフシーズンのFAの動向を例に流れを見てみましょう。
鈴木大地 選手の場合 ロッテ→楽天
推定ランク:B
8年目(30歳)でFA権を取得し、即座に行使したパターンです。
人間として成長するためにチャレンジしたかったという動機のもと、複数の球団と交渉しましたが、最終的な移籍先は楽天に決まりました。
この際、ロッテは楽天からの人的補償選手として小野郁 選手を獲得しました。
益田直也 選手の場合 ロッテに残留
推定ランク:A
鈴木大地 選手と同じく、8年目(30歳)でFA権を取得しましたが、行使はせず残留することになりました。
球団やファンに愛着がわき、このチームで優勝をしたいという思いが強かった模様です。
残留を選択したため、2020年度も単年契約、FA権は保持したままとなり、今後行使するタイミングがやってくるかもしれません。
ここからは海外FAについても見ていきましょう。
海外FA権を獲得するには、145日以上1軍登録されているシーズンを9シーズン(9年)迎える必要があります。
国内FA権と比べて1年多いですね。
2019年には西武の秋山翔吾 選手が海外FAを行使し、MLBのシンシナティ・レッズへと移籍しました。
昨今では海外移籍する日本人選手も増え、オフシーズンのスポーツニュースでは必ずと言っていいほど海外FAの話題が取り上げられますが、
みなさんこの時にポスティングシステムという言葉を耳にしたことはありませんか?
実は、海外FAとポスティングシステムは全く異なるシステムなのです。
ポスティングシステムが海外FAと異なる大きなポイントは、元の球団と移籍先のMLB球団合意の元で移籍することです。
この際、元の球団は移籍先の球団から譲渡金を受け取ることができるので、これが国内FAにおける金銭補償に該当します。
こちらの譲渡金には上限があるものの、元の球団が決めることが可能となっています。
2019年には元DeNAの筒香嘉智 選手が、このポスティングシステムを利用して、MLBのタンパベイ・レイズへと移籍しました。
ちなみに海外FAの場合は、事実上一度無所属になるので、元の球団に譲渡金は入りません。
選手も個人で代理人を立てて各球団と交渉を進めなくてはならないので、海外球団からスカウトが視察に来るほどのプレーヤーでなければ、困難な道のりになることは明らかです。
FAだけでなく、日本プロ野球のトレードにも少し触れておきましょう。
日本のプロ野球では、トレードは各年の7月31日にまで利用することができ、双方の球団の合意があれば、国籍、人数問わず、選手を交換することができます。
ここで気になる選手の年俸ですが、FAと違い、トレードはあくまで選手の保有権を交換するかたちとなるので、選手の給料は変わりません。
また、金銭トレードという方式も存在し、選手を金銭で獲得することもできます。
そのため、人数調整や、資金繰りといった事情からも、トレードが発生する場合もあります。
ちなみに、MLBでは金銭ではなく、選手とスーツ1着がトレードされるといった奇妙な事例も存在します。
今回はプロ野球選手の移籍や契約に関するワードを取り上げました。
ぜひ、オフシーズンの野球ニュースに注目してみてください。
野球選手の最初の所属チームが決定する「ドラフト会議」。
毎年盛り上がっていますよね。ですが、仕組みについて正しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
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