------【ヴィクトワール広島】------------------------------------------
2015年に創設された自転車ロードレースのプロチーム。マイナー競技ゆえに、立ち上げには苦労したが、現在150社のスポンサーから支援を受けて活動中。年々チームの強化が進み、過去3度の優勝を経験。これまで国内レースで戦ってきたが、2023年は海外の国際レース「ツール・ド・台湾」にも進出するなど、活動の幅を広げている。
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「自転車競技の素晴らしさを多くの人に伝え、ロードレースのメッカとも言えるヨーロッパと同じような盛り上がりを創りたい」
そう語るのはヴィクトワール広島の監督・GMを務める中山卓士氏だ。
自身は高校から自転車競技を始め、全日本選手権U23では2位という成績を残した。宇都宮ブリッツェン、ベルギーと国内外問わず活躍。その後、広島でプロ自転車ロードレースチームを立ち上げることとなる。
チーム立ち上げの想い、そして自転車競技が持つポテンシャル、ヴィクトワール広島がどのように自転車競技の発展に貢献していくのか、今後の展望についても伺った。
構成:仮谷真歩
ーー2015年に中四国初のプロ自転車ロードレースチーム 「ヴィクトワール広島」を立ち上げられました。まずはチームを立ち上げようと思ったきっかけについてお伺いしたいです。
日本ではまだメジャー競技とは言えない自転車競技の素晴らしさを多くの人に伝えて、ヨーロッパと同じような盛り上がりを創ることで、競技への恩返し、そして自己実現ができるのではないかと考え、チームを創ることを決断しました。
日本では流行っていない自転車競技をメジャーにしていくためには、何が必要なのか色々と考えた時に、宇都宮ブリッツェンとベルギーのことが浮かびました。
ーーそれはどうしてですか?
ベルギーで4、5年活動もできて、ヨーロッパの自転車競技の人気ぶりも感じました。ほんとに運よく出会った人たちのおかげで、19歳の時に宇都宮ブリッツェンに加入できた影響も大きかったと思います。
宇都宮ブリッツェンは、日本初の地域密着型プロサイクルロードレースチームでとてもファンが多いチームなんです。そのファンの多さと、自転車競技がメジャーであるベルギーの文化をミックスできないかと考えたんです。
チーム立ち上げ当時は予算がありませんでしたが、想いを持った社会人レーサーの方々が協力してくれて、チームを立ち上げることができました。
ーー「ヴィクトワール広島」というチーム名の由来についてお聞きしてもよろしいですか?
「ヴィクトワール」は、フランス語で勝利という意味です。ヨーロッパはロードレースのメッカとも言われるくらいですし、すべて勝ちたいっていう想いもあります。
ただ、チームとしては愛されたいというのが一番ですね。今は「広島といえばカープ」で、強くても弱くても愛されていますよね。こういったチームを自転車でも創っていきたいです。
ーーとても素敵なビジョンです!
何かのタイミングで自転車競技の熱がヨーロッパから入ってくるかもしれませんし、日本で自転車競技が盛んになってもヴィクトワールが一生続くチームになったら良いなと。そのためにも、まずはヴィクトワールを自転車界でトップにしたいです。
カープもサンフレッチェもドラゴンフライズも、時間をかけてここまできていると思うので、私たちも少しずつ地域密着のための活動を進めて、「ヴィクトワールがあって良かったね」と言ってもらえるようになりたいです。ゆくゆくは広島の誇りの一つになれたら最高ですね。
ーー地域密着のための活動は、どのようなことを行っているのですか?
小中高の学生さんや保育園の子どもたちに対して安全教室を開いたり、県警さんと一緒に犯罪撲滅の防犯登録とか防犯関連のビラ配りしたりしています。
あとは、サンフレッチェやドラゴンフライズと一緒に子ども向けの運動会を開催したり、競輪場で自転車に乗ってもらうイベントを企画したりと様々ですね。
ーー日本において、自転車競技は今後どのように発展していくと思いますか?
自転車競技のポテンシャルについては、とても可能性があると思っています。
JCL(ジャパンサイクルリーグ)は21年に最初のシーズンが開幕しました。メインスポンサーとして三菱地所さんについていただいたり、投資家の方にもJCLに未来を感じていただいたり、注目度は少しずつ高まっていると感じます。
ヨーロッパだと、プロのロードレースって全然違うんですよね。日本でいうプロ野球みたいな。誰もが選手の名前を知っている世界が自転車競技にもあるんです。
ーー注目度が高まりつつあるなかで、いずれはヨーロッパのような盛り上がりのある競技になって欲しいですね。
そうですね。bjリーグやNBLがBリーグになったように、JCLも進化していけたら良いなと。その一方で、リーグ頼りとならないように事業を創っていく必要があります。
そのために、ファンと選手が触れ合える場所、例えばサイクリングを一緒にやったり、自転車に乗ったことない人に体験してもらう機会をつくったりといったイベントを開いています。
あとは、自転車が好きな方ってサイクリングはしていてもレースに出るのはハードルが高く感じられると思うんです。なので、そういった方の受け皿となるレースのイベントを開催しています。
ーー最後に、これからのヴィクトワールにかける想いをお聞かせください!
いけるところまでいきたいです。それに尽きるんですよね。
今は、自転車業界でまだやったことのないことを一つずつやっている最中です。これからも少しずつできることをやって、ファンの心を動かせることであれば何でもトライしてみたいと思っています。
そして、「自転車が好き」「挑戦したい」など何かしら強い想いを持っている方と一緒に広島県や自転車競技を盛り上げていきたいです。
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【PROFILE】
中山 卓士
プロロードレースチーム『ヴィクトワール広島』監督・GM:同チーム運営企業CYCLE LIFE株式会社代表取締役
「高校だけは入っておけ」と両親に言われるほど、中学時代はいわゆる"ヤンチャ"をしていたそう。高校の規則で部活に入部する必要があり、父親から自転車を勧められる。体験で先輩から「お前センスあるぞ!」と言われたことが嬉しく入部。どんどん自転車にハマっていき最終的に学校をサボって150kmほど走るまでに。また、頑張った分だけ順位に表れる達成感を味わい、ますます自転車に没頭していった。
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2008年:高校卒業後アマチュア選手として活躍
『Nippo Colnago』に加入
2009年:『宇都宮ブリッツェン』加入
U23の全日本選手権で2位を獲得
2010年:『チームユーラシアムセーフBIKE』加入
2014年:現役引退
2015年:『ヴィクトワール広島』創設
2016年:運営会社のCYCLE LIFE株式会社を創設
会社の代表取締役、チームの監督兼GMを務める
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設立年月 | 2015年10月 | |
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代表者 | 中山 卓士 | |
従業員数 | 18名 | |
業務内容 | プロ自転車ロードレースチーム「ヴィクトワール広島」の運営 |
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