敢えて知らない競技に飛び込む。
たとえば「野球好きな方が、サッカーチームに就職する」といった具合に、『好き』とは異なる場所で働くケースは「少ない」とは言い切れない。ちなみにこのケースに関して、サッカーチームとしては非常にありがたいこと。「野球で培ったこと、見てきた世界をサッカーにも取り入れてほしい」とクラブは考えられるからだ。
一方、野球好きの方に目線を向けてみよう。「好きな競技に関わりたい」という想いがあり「野球に携わりたい」という人が多い一方、「スポーツという広い枠の中で、自分の経験がどの競技でどんな風にマッチできるか」「スポーツの価値向上のために何ができるか」と考えられる方もいる。どちらも自己実現に向けて動くこと自体、本当に素晴らしいと思うが、今回は敢えて知らない競技に飛び込んだ、西田創(にしだ つくる)氏を直撃。
西田氏はもともと、トップカテゴリのラガーマンとして競技を続けていた選手。引退後は母校でラグビーを教えていながらも、とある出会いによってB.LEAGUE『福島ファイヤーボンズ』の代表取締役社長に就任したのだ。そのキッカケや就任してから思い続けていること、そして採用にかける想いについて本記事では紹介していく。西田氏の考え方は、きっとあなたの未来にも、必ず役立つはずだ。
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
__そもそもの話ですが、西田さんは元々「経営者になりたい」や「バスケットに携わりたい」などの想いを持たれていたのですか?
西田:「経営」や「組織づくり」については昔から非常に興味を持っていましたが、自分が社長になる、ましてプロバスケットボールチームの代表を務めるイメージは全然なかったです。
これまでの話をすると、僕は高校時代にラグビーのプレイヤーとして全国準優勝っていう実績があるものの、最後の大会でたまたまレギュラーになれ、たまたま活躍できた。本当に運良く実績を作れただけなんですね。ただ立教大学進学後は、自分がすぐレギュラーになれるくらいチームのレベルが高くなかったんです。高校時代は自分が通用しない、大学時代はチームが通用しないという課題がある中で、大学3年のときにリーダーを任されるようになって、早稲田大学や明治大学といった強豪ラグビーチームにどうやったら勝てるチームを作っていけるか、弱みを強みにして優位性を出せるか、そのために何をすべきかといった『組織づくり』に興味を持って勉強していったところが出発点ですね。
__大学時代に勉強したこと、社会人になってからもかなり活かせる部分は大きかったんじゃないですか?
西田:社会人になって僕は『NECグリーンロケッツ』という社会人チームに入りました。当時は日本一のタイトルを何度も獲るような、代表選手もゴロゴロいるようなチームでしたので、あまり『組織づくり』をすることはなかったんです。当時はただただ、とても意識の高い人たちと恵まれた環境でラグビーをできることや、そのチームで10年プレーできたことを幸せに感じていましたね。
引退後は指導者として母校に戻ることになったんですが、このタイミングで、これまで学んできた『組織づくり』を活かすことができました。とはいえ就任当時の立教大学ラグビー部は1部から2部(関東大学ラグビー対抗戦AからB)に落ちたタイミングで、これをもう一度1部に昇格させるところからのスタートだったんですが、2部では勝てるのに入れ替え戦で勝てない。しかも2年連続で入れ替え戦で負けたんです。勝たせられなかったのが本当に悔しかったですし申し訳ない思いでした。4年生が引退試合で涙している姿は、今でも鮮明に覚えているくらい、忘れられないですね。
__勝つためには、ご自身で学ばれてきた組織づくりのノウハウだけではなく、何かしらの変化が必要だったわけですね。
西田:仰る通りどうしても自分の経験や学びで培った教えていましたから、改めて「勝つために、本格的に組織づくりを学びたい」と思い、色々検索したんですよ。「組織 セミナー」じゃないですが、その時に見つけたのが『識学』でした。実は『識学』そのものは知っていたんです。というのも、日本代表で神戸製鋼で活躍した後藤翔太という人間がいるんですが、彼が『識学』の安藤代表と早稲田繋がりで既に入社をしていたんです。
僕自身、彼のことを「すごくクレバーにラグビーをする、頭の良いプレイヤーだな」とずっと注目していて、同じ九州出身で高校も越境して神奈川に行くくらい、ビジョンを持って動いていたことを知っていましたから「彼が選んだ会社なら間違いないだろう」と思って『識学』のセミナーを受講したんです。それで話を聞いてみたら、今まで色んな本を読んで学んできたものとは違い、小手先ではなく原理原則を伝えていたこともあって「だから俺は勝てなかったんだ」と気づけました。「しかもラグビーの指導という側面でも適応可能だ」と思えたことで、感動したと言いますか。
__話の流れからすると、そこで指導方法を変えたりされたということですか?
西田:180度変えましたね。僕はどちらかと言うとアツい人間と言いますか。涙もろいですし、結構感情を表に出すタイプなんです。だから選手たちと一緒になって「やるぞ!!!」って火をつけて、自分で情熱を注いで時に涙を流して、勝利に向かっていくスタイルだったんですけれど、これって、目に見えている範囲のメンバーしかアツくなれないんですよね。部員が100人いるとしたら、20人はHOTだけど80人は冷めていると言いますか。『識学』のセミナーを学んだことで、全体の最適化が全然できてなかったことに気が付けたんです。そこに気づけたからこそ『識学』に入って「本格的に組織学を学びたい」という想いが強くなって、転職したという流れです。
それに気づき転職してからは、僕がアツく情熱を注ぎこむ、「頑張ろうぜ!!」みたいな発言は一切なくしました。"どうやったらこのポジションでレギュラーになれるか"という基準を明確にして、その基準を達成して一番レベルの高い人がレギュラーになれると決めて、あとは見守る。本当にある日を境に180度変えたものですから、最初は「西田さん機嫌悪い」「冷たくなった」とか言われましたけども(笑)。でもその結果ほとんどの選手が競争をして、自分たちのポジションを取りに行って、お互いに尊敬して切磋琢磨したからこそ、僕が何も言わずとも自然に団結していったんです。それも20人ではなく100人の団結ですから、以前よりも硬い団結になり、結果的には2部から1部に昇格もできたんですよ。
__『識学』で学んだことを活かした結果、それが西田さんにハマって成果にも現れた。そうなると、感動もかなり大きかったのでは?また、転職時のモチベーションも高かったのでは?
西田:「この会社で『組織づくり』の本質を学びたい」という強い気持ちを持ってましたね。転職してからは、当然「組織」というものに対して突き詰めてやっていくわけですが、今度はチームだけではなくて色んな経営者と話す機会が増えていったんです。「組織のコンサルティング」という形で経営層に触れていくっていうことを2年間、講師兼営業として働いている中で、徐々に僕の中で『チームづくり』と『経営』がリンクしてきたんです。そこで偶然に『識学』が「Bリーグの福島ファイヤーボンズのオーナー会社になるんだよ」という話がありまして。聞いた瞬間にすぐに「やらせてください!」と手を上げて、そこから現在に至るという流れですね。
__そのような経緯だったんですね。ちなみに、当時の福島で言えば、コロナでスポンサーさんがガクっと減ってしまって、西田さんはその再建も担ったと伺っています。初のバスケ界ですぐに結果を出すということ自体、ただただ素晴らしいと思いますが、一方で何をどうしたのかもぜひ伺いたいです。
西田:いえいえ。魔法を使ったわけでもなく、今までやれてなかったことを、ちゃんと仕組み化して当たり前にできるようにしただけです。ルールを作って基準を決めて、役割を与えて徹底する。これは『識学』のメソッドとも言えることですが、その上でポイントは2つあります。
1つ目としては今の話に繋がりますが、当たり前の基準を戻していくこと。正直僕が就任した当初は、圧倒的にリソースも厳しくて、なかなか組織だった運営ができていませんでした。結果、スポンサー企業様へのお詫びから始めるシーンも結構多くありました。そのような本来大切にしなければならない、スポンサー様、ファンの方々を大事にするというレベルを引き上げるようにリソースを増やしたり仕組みを作ったことで、売上はある程度戻せるようになったと思っています。
2つ目は、収入の柱を増やしたことです。プロスポーツはチケット収入とスポンサー収入の2本柱がメインで、人気ある野球やサッカーはそこに放映権料が入ってきたりもしますが、バスケットにおいて、かつ地方の僕らが東京のチームに勝ち続ける、勝っていくというのを今後考えたときに、その2本柱だけではなかなか厳しいと思い、新しい収益の柱を作ることになりました。
__とにかく当たり前を当たり前にやることを徹底した。そして西田さんご自身は新しいビジネスの柱を作られた。この内容についても伺えますか?
西田:地方だからこそできる取り組みとして『ふるさと納税(地方創生応援税制)』を始めたんです。ふるさと納税の仕組みを活用したものなんですが、たとえば企業様が1,000万円当社に寄付していただければ、実質の負担が100万円で済むといった国の制度があるんです。この「実質負担1割で済む」を活用して、東京をはじめ首都圏の企業様にお声がけさせていただきました。『ふるさと納税(地方創生応援税制)』を通して寄付いただくと、企業様としてもメリットが非常に大きくて、"寄付"になるので、通常の納税よりもかなり税制の優遇・税額控除が得られる、かつ戻りが大きいんです。ですからお互いにWin-winの仕組みになるのですが、これが今現在、1億円規模にまで成長してきています。
当然、いただいた寄付に対して返礼品等々を贈らせていただくことはもちろん、寄付の中から市の発展、特に健康や運動に寄与するための活動費に充てさせていただいております。これは自治体と協同事業という形を取っているのですが、本当に皆様のおかげもあって、我々福島ファイヤーボンズを通じて福島県の発展、そして市民の健康促進に対して寄与するような活動が、単発ではなく定期的に上手く回るような形が取れてきたんです。
この活動は私が副社長として就任したときに一番最初に創りこんだ新しい事業なんですが、この『ふるさと納税(地方創生応援税制)』が2年目からスポンサー企業様の毎年の当初予算として獲得でき、毎年の流れの中に組み込んでいただいて安定的になってきたんです。この地方ならではの戦い方という新しい収益の柱を作れたことは、私自身としても非常に嬉しいことでした。
__ふるさと納税の新しい事業の柱が実を結んだからこそ、今期のオフでは大型補強ができたわけですね。安藤社長も「予算オーバーです(笑)」とTwitterでは発言されていたことも話題になりましたが(笑)
西田:もちろんです!通常であればスポンサー売上の中で、概ね人件費をやりくりしないと厳しいところはあるのですが、新しい柱ができたことで、そこに先行投資ができているところはあります。
ちなみに就任して初年度は、もう既にほぼ選手全員の契約が決まっていたので、ほぼ選手契約に触れることはんかったんですが、2年目からは菅野翔太選手など、福島県出身の選手を獲得して、地元の方々にも応援しがいのあるチーム作りを意識していきました。今季のオフも、外国籍選手の獲得はもちろんですが、海外挑戦していた猪狩渉選手も加入してくれました。『福島のシンボル』になるために、地元を代表する選手たちが在籍してくれること、また、多くの方々のおかげでこの形が実現できたということも、非常に喜ばしいことと感じています。
__『福島のシンボル』というお言葉が印象的ですが、福島と縁もゆかりもなかった西田さんが、そこまで福島県に思い入れを持つようになったキッカケについてもぜひ聞かせていただきたいです。
西田:もちろんこの場所にいるからには、自分自身が福島県の復興に対して力を尽くさないといけないという使命感はあります。ただ、仰る通り僕は福島県に対してゆかりはないんですが、1つ凄く大きなご縁を感じた出来事があるんですね。
3.11の震災のとき、僕はまだプレイヤーとしてラグビーをやっていたんですが、当時のラグビー界で『東日本大震災復興チャリティーマッチ』っていう試合を行ったんです。日本代表vsトップリーグ選抜でガチンコの勝負をして、そこで出た収益を全額東北に届けようっていう動きで、僕はトップリーグ選抜に呼んでいただいてプレーしたんですよ。その試合で「こんなに(多くの)お客さんを呼んで、ラグビーを見て楽しんで喜んでもらえて、被災地の力になれる可能性があるんだ」って、当事者として感じたんです。それが、もう11年前の話になりますね。
__それは凄い。まさにスポーツが持つ可能性ですね。
西田:仰る通りです。そしてその後、僕が副社長に就任した前々シーズン、震災10年の年にBリーグの1つの試合を『震災復興スペシャルマッチ』と位置付けて行ったんです。そのときにあるライターさんから「西田さんはプレイヤーとして震災に携わって、10年後に運営者としてそれをやっているって、凄く縁がありますね」ってポロっと言ってもらったんです。そのときにハッとしまして。競技はラグビーとバスケってまたがりましたが、でも立場を変えながら福島県や震災の復興に携われている自分は、震災復興に対して尽力しなければいけない役割、責任、使命なんじゃないかと思ったんです。
だからこそ、強い想いを持っているのかもしれません。お伝えした通り、やはり『福島ファイヤーボンズ』は、震災を機にできたチームですから、そもそも応援されなきゃいけない。それは選手もスタッフも含めて。「みんな頑張ってるよね」って福島県の方々に見てもらって、バスケットを通じて感動を届けられる存在でないといけないんです。そのために今も僕は、もっともっと頑張らなきゃいけないなと思い続けているんですよ。
__ご縁と言いますか、とにもかくにも西田さんを語る上で『震災復興』は切っても切り離せないわけですね。ちなみに就任してから、チームやスタッフに対してどんなアクションを取ってきた2年間だったかも、ぜひ振り返っていただきたいです!
西田:僕は体育の授業でしかバスケットを経験していなかったので、初年度はとにかくバスケットのルールを覚えるところから勉強していました(笑)。かつ体制を整えること。それは社内のリソースもですし、3本目となる収入の柱を作ることもそうです。ですので1年目はお伝えした通り、とにかく良い状態に戻すことに注力していましたね。あとは極端ですが「挨拶をする」とか、「時間を守る」といった社内ルールの徹底にも尽力したんです。やはり僕らは『福島のシンボル』にならないといけないわけですから、人々の模範になるために必要と考えて、人としてのマナーを大切にしよう、と、決めごとをいくつか作り、選手・スタッフに浸透させていった1年でした。
2年目は僕が代表に就任(2021年5月に代表就任)した初めてのシーズンとなったので、いきなり「B1昇格」っていうセンセーショナルなシーズンにできれば良かったのですが、甘くはなかったです。ただ、手応えはあったシーズンでした。一人一人の選手への期待値を明確にすることで、結果的に1人ひとりのパフォーマンスが最大化して、チーム内の競争も活気づいた。固定でスタメンを決めるのではなく、常に競争がある状態だったので、選手同士が切磋琢磨した結果、クラブとしてBリーグプレーオフに初めて進出することができました。
__手応え、というお話がありましたが、まさに昨シーズンのリベンジを2022-23シーズンで果たすためにチームは前を向いていると思います。大型補強もありましたし、個人的に非常に注目していますので、来シーズンに向けた意気込みもいただけませんか?
西田:やはり『福島ファイヤーボンズ』は、2011年の3月11日に発生した東日本大震災を契機に発足したチームです。スポーツを通じて得られる感動や熱狂を、多くの人に与えられるポジション。だからこそ僕らは、バスケットボールという競技を通じて、福島の方々に対して元気や活力を与えられる『福島のシンボル』にならないといけないんです。もちろん福島にはさまざまなコンテンツが存在していますが、スポーツとなったとき、たとえば東京の人から見ても「福島と言えばファイヤーボンズだよね」と言われるチームにならないといけないんです。『福島のシンボル』の1つとして『ファイヤーボンズ』が数えられる。
そのためには、B2じゃダメで。日本のトップカテゴリで、トップの選手たち、それこそリンピックで戦っているような選手が福島に来て試合をする。ファイヤーボンズからも代表選手が出てくるようにならないと、僕らはシンボルとして認めてもらえないし、地域への貢献度も浅いものとなってしまうんです。今お伝えした目標は遠い未来かもしれませんが、絶対に実現するために、まずはB1に昇格したい。だからこそ今年はとにかくB1にフォーカスしていきます。
__ここからは採用について伺いたいんですが、そもそも西田さんの中で、ラグビーとバスケットでどんな違いがあると感じられているかも教えていただけませんか?
西田:どちらも本当に素晴らしい競技という事実は間違いありません!ただ、文化や競技性は本当に違います。ラグビーはW杯でもありましたけど『ノーサイド』という言葉があるように、敵味方関係なく応援しあうんですよね。観客たちがビール片手に相手チームのファンと肩を組んで試合を観るような文化が今もあって。あれだけ激しく身体をぶつけるにも関わらず、お互いをリスペクトしあう競技性が根強くあります。
一方バスケットは圧倒的なエンタメ性の高さがありますよね。あの室内で身長2mの選手たちがあれだけ早く動き回りますし、攻守の切り替えも早い。『KING of Sports』と言われるくらい、繊細さと大胆さがある。そして映像、音響、照明を駆使した一体感の作りこみは本当に素晴らしいと思っています。それに1シーズンで60試合も戦うじゃないですか。ラグビーって土日に連戦なんて絶対にできませんから、短距離走とマラソンくらい、違いを感じましたね。
__両競技に魅力を感じている西田さんが、今回の採用活動において重要視している部分についても教えていただけませんか?
西田:一言でお伝えすると『スポーツの魅力や可能性を信じている人』。そして、そこで何か見出したいと思っている人。職種は関係なく、好きであったりスポーツの魅力を知っていて体現したい人と働きたいですね。営業で例えるなら、やはり好きなものの方がきっと売れると思いますし。
それから「好き」っていうことは大切ですが「バスケ」ではなく「スポーツ」が好きな方。競技は関係ないんです。極端ですがファンの延長という方の採用は難しい。広い意味でスポーツでできること、スポーツが人に与える感動や可能性を信じているという人に来ていただきたいです。ですから、元々バスケやっていた人じゃないとダメ、ですとか、バスケ好きな人でなければいけない、ということはありません。
__参考までに、面接で西田さんはどんな質問をされるんですか?そして今現在活躍中のスタッフさんのご経歴についても伺いたいです。
西田:「『福島ファイヤーボンズ』を通じて、どういうことを実現して表現していきたいか」という部分は凄く聞きます。その答えを明確に持っている方だと積極的に採用したいですね。それから、識学の考え方になってしまいますが、組織適応力は見ます。僕らが向かうゴールに、一緒に向かっていける人でないと、組織のパフォーマンスは最大化しません。組織の中でルールを順守し、自分がどう輝くか考えられる人か、を見ることは大事にしています。
ちなみにスタッフの話でいくと、今の営業部長は不動産業界出身で、バスケに縁もゆかりもない人です(笑)。でもやっぱり地域貢献やスポーツへのアツい想いをいつも伝えてくれる人間です。もちろん『福島ファイヤーボンズ』が震災を機にできていて、地域のために動いているところに共感してくださり「一緒に地域復興を頑張りたい」と思っているのは共通点ですね。でも属性は本当にバラバラです。学校法人出身の方、他クラブから来た方、お花屋さんもいました(笑)。ですから経歴は関係なく、ココで何を実現して表現したいかを、ちゃんと持っている方を採用したいですね。
__「震災復興」をスポーツの力で実現しようと考えている西田さんの強い想いを伺えて、本当に刺激になりました。本日はありがとうございました!最後に、これから「『福島ファイヤーボンズ』で働きたい!」と考える方に一言メッセージをお願いします!
西田:そうですね。やはり仕事ですから、綺麗事だけではありません。絶対にしんどいときってあるんですよ。ただ、営業やマーケ、デザイナーなどなど色んな職種で働くメンバーがいて、全職種の人たちが帰結する場所が、試合興行でもあるんです。そして全社員の活動も集まるんです。スポンサーさん、ファン、地域の方はもちろん、手掛けたグッズやイベント……etc。全部が集まって表現されるわけです。このようなことがある会社や事業体は、そう多くないと思うんですよね。
その表現された場所で、勝った・負けたで「うわーーー!!」って盛り上がれる。この熱を帯びているものこそがスポーツエンタテイメントなわけです。ホームアリーナで自分たちが創ってきたものが表現されて、カタチになって試合が行われて、嬉しくなって、時に涙を流せる。その瞬間を自分たちだけではなく提供できることが、我々の仕事の魅力だと思います。だからこそ、仕事でしんどいことがあったとしても「本当にやってよかった」と思える瞬間が絶対に味わえる。これがスポーツチームで働く一番のポイントだと思いますから、それだけはお伝えしたい。また2022-23シーズンは僕らにとって大事な1年になります。B1昇格の瞬間をホームアリーナで実現できるよう、一緒に頑張っていける方と出会えること、私たちも非常に楽しみにしています!
【PROFILE】
西田 創 (にしだ つくる)|福島ファイヤーボンズ(B.LEAGUE):代表取締役社長
1983年生まれ、福岡県出身。元ラグビー選手。東福岡高校時代に全国大会準優勝→立教大学進学。3年次にはキャプテン就任。卒業後『NECグリーンロケッツ』で10年プレーすると同時にNECの社員(営業)として活躍。2016年に現役を引退した後は、母校である立教大学ラグビー部のHCに就任した。当時Bグループに所属し中々Aグループに上げられないこと、2年連続入れ替え戦で敗退したことから「自分のこれまでのマネジメントではいけない」と考え組織学を本格的に学ぼうと決意。1つ年上で尊敬する後藤翔太氏(早稲田大学→神戸製鋼)が所属する『識学』を見つけ「後藤がいるなら間違いない」と『識学』のセミナーを受講。学びを最大限生かした結果、翌年の入れ替え戦で勝利し立教大学をAグループに昇格させ、同時期に『識学』へ転職。そして同社が「福島ファイヤーボンズのオーナーになる」という話を聞いた際に「ぜひやらせてほしい」と手を挙げたことで、2020年に副社長就任。翌2021年には代表取締役社長となり、2022-23年シーズンで3年目を迎えることとなる。
「幼い頃はコンプレックスだった」と語る『創(つくる)』という自身の名前を、今では非常に気に入っている。かつ名前を体現するかのように、東福岡高校ラグビー部から立教大学ラグビー部への入部も西田氏が初、立教大学からトップリーグへ進めたのも西田氏が初。そしてラグビー選手からプロバスケチームの経営者になるという前人未踏の挑戦をしたという、まさに新たな道を『創』ってきた。
ちなみに『キングダム』がとても好き。中でも好きなのは騰(とう)将軍。「国作り、組織作り、そしてリーダーがどう率いていくかといった要素が全て入っていて、本当に好き」と楽しそうに語ってくれた。余談に余談だが『三國志』をはじめ、とにかく歴史好き。
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設立年月 | 2015年03月 | |
---|---|---|
代表者 | 安藤 広大 | |
従業員数 | 211 人 | |
業務内容 | 「識学」を使った経営、組織コンサルティング
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