「体操競技では床の種目があるけど、競技のルールや採点基準が分からない。」
「床の競技で女子だけは音楽を流して演技を行うけど、男女でなぜ演出が異なるの?」
前回は体操競技の種目一覧や、それぞれの魅力やルールについて順番に解説しました!
男子と女子で実施する種目が異なる体操競技の中で、共通の種目となっている床。
派手な跳躍技や、ピタッと止まる着地が美しく人気のある種目ですね。
今回は体操競技の中でも人気のある床競技に関して、そもそもどのような競技なのか。また男女のルールの違いや魅せ方の違いについて詳しく取り上げていきます!
12×12mの正方形に配置された特殊な床素材の上で行われるのが体操競技の床種目。
この特殊な床素材は、板材の下に反発材が入っている「タンブリングバーン」という構造で作られています。
そのために、選手たちは通常の地面よりも高いジャンプを安全に行うことができているのです!
この床の上で選手たちは規定された技を組み合わせて演技をし、その演技の得点で順位を競います。
床競技の得点は①演技価値点、②実施点の合計で算出されます。
演技で行う技の難度や構成によって技ごとの点数がそれぞれ決められており、それらの点数を合計したものが「演技価値点」となります。
テレビの実況でもよく聞く「G難度」。
実は難度によって技はA~Gランクに分類されているため、G難度とは最高難易度の技であるという意味だったのです。
もう一方の実施点は、規定された減点項目に応じて、10点満点からの減点方式で算出されます。
技の高さ不足や、軸のブレなど、減点項目に該当すると点数が低くなってしまいます。
つまり、技の難度によって決められている演技価値点と、減点方式でつけられる実施点の合計が選手の得点となります。
男女共通の種目である床ですが、ルールや競技の実施のされ方にいくつかの違いがあります。
まず大きく異なるのが、「演技中の音楽の有無」です。
男性の演技は無音で行われるのに対して、女性の演技のみ音楽にのせて行われます。
この音楽の有無からもわかるように、同じ床という種目でも、男女によって演技に求められるものが変わってきます。
男性の床競技の場合は強靭さや柔軟さ、技のダイナミックさが求められるのに対して、女性の競技では主に一定の姿勢を崩さないバランス能力や優雅さ、リズム感の良さが求められています。
女子競技の床では技のクオリティや難度だけでなく、表現力自体も求められているため、音楽が競技で使われるのです。
続いての男女での床競技の違いは「演技時間」です。
男子選手の演技時間は70秒、女子選手の演技時間は90秒となっており、女子の方が20秒時間が長いという特徴があります。
競技時間の違いから、難度が高く体力の消費が激しい、跳躍、跳ね、倒立、回転、宙返りは短期決戦である男性の演技によく取り入れられます。
それに対して、演技時間の長い女性種目の場合はアクロバット系、ジャンプ、ターンなどの後半まで体力切れを起こさないための技が多く使われる傾向にあります。
もちろん上記はあくまで傾向であり、男性向けの技を女性の演技の中に取り入れることはルールによって制限されていません。
上記のように同じ床競技でも男女で大きく違いがあることが分かりましたね。
これから体操の床競技を見る際は、男子の場合は技のダイナミックさや強靭さ、女子の場合は美しさや、表現力に着目して観戦ください!
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