あなたは今の仕事に『本気』ですか?
たとえば漫画や映画、ドラマを見終わったあと。感動で涙したり、大きな声で笑ったり、興奮冷めやらぬ状態になったり…という経験はあると思います。でも同じような経験を仕事で日々している人は、そう多くないでしょう。
今回お話しを伺ったのは、『2nd PASS』というトレーナー養成学校の講師兼統括として活躍されている、元消防士・レスキュー隊員の木塲 達彦さん(こば たつひこ・30歳)。前編では、木塲さんの現職である講師という観点から、トレーナーの仕事についてアツく語ってもらいました。
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
__木塲さんは主に講師としてご活躍されているのですか?
木塲:そうですね。『2nd PASS』はこれからトレーナーを目指していく人に向けて、トレーニングの知識や資格取得、また就労支援などを行っています。私の役割は、スクール生に対して、まずは筋肉や骨の名前を教える。そこからトレーニングによって身体にどんなことが起こるか、という基礎の基礎から教育していますね。このようなベースがないと、長期的にトレーナーとして働けない・お客様のためではないというのが、私たちのスタンスです。
__教える上で、何か気を付けていたりすることはありますか?
木塲:教科書通りに教えても面白くないので、日常生活に紐づけて興味付けはしています。たとえば「糖質制限ってよく聞くけど、どういうメカニズムで糖質が制限できて、その結果なんで脂肪が落ちると思う?」って聞き方をすると、どんな人も考えるじゃないですか。その話し方・教え方は意識していますね。
__単語は知っているけれど、深く理解していないということってありますよね。
木塲:領域的に、覚えられない量ではないんですよ。ただ、習熟度のスピードは人それぞれ違って当たり前です。早く覚えられる人もいるし、10か月かかる人もいる。ただ、その10か月は当人にとって必要な期間だって話はします。学校の勉強だけで終わるようなことでもないですから、必ずしも早く開花したほうがいいわけではないということを、スクール生たちに伝えていますね。
__必要な資格を取得するために「机で勉強する」ということも必要なわけですね。
木塲:『2nd PASS』では、民間の医療系の資格取得を推奨しています。ただ、試験・テストで思うような結果が出なかったとしても、落ち込むような言葉はかけません。これはトレーニングでも言えることですが、「ここまでは頑張れた」という成功体験を自覚してもらうこと・客観的にできなかったことの、2つの視点を持ってもらって、次の目標を設定していくイメージですかね。
__そもそもですが、トレーニング好きな方がトレーナーになる傾向が強いのかなって個人的に思っていて。でもお客様は自分の課題解決がしたい。このようにトレーナーを目指す人のやりたいこととお客様がトレーナーに求めることの“ギャップ”が世の中にあるのかなとも思っています。
木塲:一見、マシンの使い方を教える仕事とも見られがちですが、本質はその人の健康状態や体型を一緒に良くしていく職業だと私は捉えています。確かに、仰っていただいたギャップはあるかもしれませんが、でもそういった方ほどトレーナーの仕事の価値に気づいたときにものすごく成長します。気づきを与えてあげることは、私たちの役割ですからね。
__トレーニング好きな方でも大歓迎というわけですね。
木塲:もちろんです!まぁしいて”向いている人”を挙げるなら、「リーダーシップのある人」「トレーニング自体に可能性を感じている人」「健康に対して価値を感じている人」この3つがある方ですかね。やっぱりある程度お客様をリードしないといけないですし。あとトレーニングや健康でどれだけその人の人生が輝くかを知っていたら、とても強いので。
__ところで、トレーナーとして長く働いている人の特徴や共通点って、なにかあるんですか?
木塲:やっぱり人を見ていますよね。どうやったらその人の目標を達成できるか、どんな方法がベストかって考えながら担当されている人は、お客様からご指名いただくケースも多いと思います。あとはトレーニング以外のところで、たとえばお客様の誕生日を覚えていたり、記念日にお祝いをしている人。仕事とは全然関係ないですけど、やっぱりお客様思いな人は、そういう振る舞いができていますかね。
__ちなみに木塲さんは、どんなお祝いをしてきたんですか?
木塲:最近ですが、一人暮らしから彼女と同棲することになったというお客様がいて。夫婦箸を贈ったんですよ。ささやかですがお祝いしたいなと思って。そうしたら「来年も再来年もお願いします」という言葉をいただけました。あくまで一例ですが、心がこもっていてお客様に伝われば、物でなくても良いと思います。大切なのは気持ちですから。
__嬉しいですね、どちらにとっても!理想的な関係だと思います。
木塲:それでも、夢の途中で辞めていく人が多いのも事実です。たとえば「ジムがほしい」という夢を持っていたとしたら、最終的な目標ってMAXでも『メガジム』だと思うんですよね。それって10年マジメにトレーナーの仕事と貯金と資金繰りをちゃんとすれば、ほぼ120%叶います。でも諦めてしまう人がいる。だからこそ最終目標に行きつくまで、本気で知識と人格形成に投資し続けられないと。やりがいだけでは続かないのかな、とも思っています。
__さきほど仰っていただいた側面も含めて、改めて木塲さんが思うこの仕事の魅力を教えてください。
木塲:トレーナーはほかのサービス業や接客業と違って、唯一お客様と『対等な関係』が作れる仕事だと思っていて。カウンセリングやトレーニングの中で、たぶん医師の方よりお客様のことすべてを知れる可能性がある。その上で体質改善などが提案できる、ちょっと特異な職業だとも思っています。さらにダイエットや健康に関する悩みだけではなくて、お客様が持つ悩みすべてを解決できるかもしれないっていうところが、やっぱりすごく魅力的だと思います。逆もあるんですが(笑)
__え、逆ってどういうことですか?
木塲:『対等な関係』という話につながるんですけど、私の悩みをお客様が解決してくださることもある、ということです。これは仕事の特徴かもしれないですが、お客様から学ぶことがめちゃめちゃ多いんですよ。関係性ができれば、日常の悩み相談をはじめ、極端ですが「事業計画見てください」「良いよ」みたいなやり取りもできると思います。そうなってくると、こっちがお金払いますっていうくらいの気持ちなんですけどね(笑)
__それはトレーナーの仕事ならではですね!
木塲:元も子もない話ですが、この仕事のすばらしさはやればわかるし、想像を軽く超えてくると思います。人と人とのつながりが無限に広がって、とても良い出会いに恵まれる。お客様の健康や体型の悩みを解決し“人生を光で灯す”ことができる。それなのに、私たちが元気をもらうことも多い。これからトレーナーになる方は、夢や目標をしっかり持って、やりがいをたくさん味わってほしいですね。
▶▶▶「お金なんて受け取れません」働き方に悩んだ日々を変えてくれたのは、○○だった(後編)につづく
【PROFILE】
木塲 達彦(こば たつひこ) / 1990年生まれ。鹿児島県出身。
高校までサッカーをプレイ。同年代にはプロサッカー選手・大迫勇也氏がおり、県大会で対戦経験があるという。高校卒業後は上京し消防士・レスキュー隊員として活躍。その後トレーナーとして個人事業主や業界大手企業を経て『2nd PASS』へ加入。現在、『2nd PASS』大阪校講師兼『2nd PASS』事業統括部長。
マイブームは漫画『鬼滅の刃』。憧れの人は『煉獄杏寿郎』。座右の銘は『心を燃やせ』。
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