バドミントン、テニス、卓球といった人気の高いラケットスポーツを軸に、香川県高松市で用品販売・スクール・練習場を兼ね備えた複合施設を展開する株式会社スポーツライフ。創業から40年以上にわたり、ラケットスポーツファンから支持されてきた企業です。
今回お話を伺ったのは、早稲田大学バドミントン部でキャプテンを務めるなど、バドミントンのトッププレイヤーとして第一線で活躍したのち、大手メーカーでの経験を経て家業を継いだ、同社代表の日下直人さんです。
競技者一人ひとりの目的やレベルに寄り添って、「正しく」スポーツに向き合うこととは?スポーツを通じて地域を元気にしたいという想いを原動力に進めるプロジェクトとは?
日下さんが取り組んできたラケットスポーツの振興と、スポーツを通じて地域を活性化させる「街づくり」への情熱など、じっくりとお話を伺いました。
(取材・執筆:齊藤 僚子、編集:伊藤 知裕、池田 翔太郎)
幼い頃からラケットスポーツに親しんできた日下さん。創業者である父のもと、競技としても仕事としてもスポーツが身近な環境で育ち、なかでもバドミントンは自然と始めていたと話します。
「私の父は全日本総合で優勝するようなトップバドミントンプレイヤーでした。父は様々なバドミントンクラブの指導をしていて、その現場で私も自然にバドミントンを始めていました。遊び程度では小学生低学年ぐらいから、競技として始めたのは中学生になってからです。その頃から父の指導を受けていました。
私自身、将来はスポーツに関わる仕事がしたいとずっと思っていましたので、高校卒業後は専門的知識や技能を研究できる早稲田大学のスポーツ科学部に進学し、卒業後は大手のスポーツメーカーに入社しました。日本のスポーツを振興したいという想いがあって、それができるのは総合メーカーかなと思い、選んだという感じですね。」

大手スポーツメーカーを退社したのち香川に戻り、事業を引き継いで10年余り。スポーツライフ社が長年にわたって地元に根付き、支持され続けてきた背景について、日下さんは次のように語ります。
「父の頃から一貫しているのは、『スポーツを好きになって、人生を豊かにしてほしい』という想いです。その方向性はずっと変わっていません。まずはお客さん視点でありたい。会社もお客様のニーズに合わせ、スポーツ用品販売からスクールの立ち上げ、ネットショップの開設と少しずつ業務を拡大して参りました。
現在のような複合型施設を運営するきっかけは、もともと父が指導者として、さまざまなチームを回りながら指導をしていたことです。その中で必要に応じて商品も購入して頂いていましたが、指導のたびに移動して回るのは大変だったこともあり『それなら自分たちで施設を持ってしまった方がいいのでは』と考えたのが始まりでした。今では延べ600名の方に通って頂くスクールに成長しておりますが、ありがたい気持ちとともに気が引き締まる思いです。」
「お客さんに楽しんでもらうこと」、「ただ商品を売ることだけが目的ではない」。そうした想いを抱くようになった日下さんの心境の変化とは?前職時代の経験がきっかけでした。
「前職で都内を中心に多くのスポーツ店を回っていた際、第三者の視点で実家のスポーツライフを眺める機会がありました。そこで認識したのは、やるべき基本を徹底し、着実にビジョンを具現化している姿です。正直に申し上げて、都内の有力会社に引けをとらない、ビジョナルな会社だと思いました。
メーカー営業として競合商品のシェアを奪うことにも意義はありますが、次第に私の関心は『どのブランドを売るか』ではなく、『お客様にとって何が最善か』という本質的な課題解決へと移っていきました。
何万人に広く浅く届けることよりも、目の前にいる一人ひとりのお客様に深く寄り添い、心から喜んでいただける提案を積み重ねていく。その手応えこそが、私にとっての仕事の醍醐味であり、社会におけるスポーツ店の存在意義だと確信しました。」

「より多くの方によりたくさん、より楽しく、より正しいスポーツを」。スポーツ用品を売るだけでなく、複合型施設として事業を展開してきたスポーツライフは、この言葉を企業理念に掲げています。プロが最初から最後まで伴走してくれる安心感が伝わってきます。この理念を大切にしてきた日下さん。そこに込めた思いや、技術指導・環境づくりの中で特に重視してきたことについて振り返ります。
「『正しく』という言葉に込めたのは、一人ひとりの可能性を型にはめないという決意です。 かつてのスポーツ現場では、全員が同じ練習を行い、体力のある者が勝ち残るという『淘汰の仕組み』に近い側面がありました。しかし、それではスポーツが持つ本来の楽しさや可能性を狭めてしまいます。
私たちが重視しているのは、その子の今の状態に合わせた『正しい技術指導』と『目的の設定』です。今は体力がなくとも、自分に合ったメニューで着実に積み重ねれば、後から才能を開花させることはできます。あるいは、勝敗以上に『スポーツを長く楽しむこと』をゴールにしてもいい。
多様なニーズがある中で、画一的な指導ではなく、その人にフィットする道筋をプロの視点で指し示し、共に歩んでいく。そうしたサポートを通じて、一人ひとりが自分史上最高の『スポーツ人生』を謳歌できる環境をつくることが、私たちの使命です。」


(施設内で運営するバドミントン教室とテニス教室)
「正しく」スポーツをすることが「楽しく」につながる。それでは、ラケットスポーツを仕事とする上での日下さんの「楽しく」とは、どんなところにあるのでしょうか?
「現場で一番嬉しいのは、スクールに来てくださった方と心ゆくまでシャトルを打ち合い、『今日も楽しかった!』と笑顔で帰っていただけること。結局、そのシンプルな充実感が私の原点です。ショップの仕事でも、根底にあるのは『お客様を喜ばせたい』という純粋な想いです。例えば、お急ぎのお客様のためにその場ですぐにガットを張り上げると、驚くほど喜んでいただけます。手順を覚えれば誰にでもできる作業かもしれませんが、スピードを極め、一人ひとりの好みの打球感を実現し、ラケットごとの個性を引き出す。そうしたプロの技術でお客様をサポートし、頼りにしていただけるようになるプロセスは、技術職として非常にエキサイティングなものです。
同時に、小学生から大人まで、幅広い生徒さんの人生に関わらせていただく幸せも感じています。初めての一勝を報告してくれる子、あるいは、試合のプレッシャーに負けて泣いていた子が、翌年には凛とした表情でコートに立つ姿。そんな毎年のように繰り返される小さな、けれど確かな成長の瞬間に立ち会えることが、私にとっての『最高の楽しさ』であり、やりがいそのものです。」
社長として、バドミントン指導者としてラケットスポーツへの強い情熱を持つ日下さん。スクールやショップを通じて、競技を「する」「支える」現場に長く携わってきたからこそ、これから先に描いている夢があるといいます。
「まずは、今やっている複合的な業態を拡張していきたい、という思いがあります。私たちが描いている未来、それは単なるスポーツ店の枠を超えた『スポーツパーク構想』です。 ヒントにしているのは、日本各地で始まっているスタジアムを中心とした街づくりの事例です。試合を観るだけでなく、そこに行けば仲間がいて、家族で一日中楽しめる。そんな場所の『ラケットスポーツ版』を、この香川につくることができれば最高です。
これまでの私たちは、競技を『する』ことと『支える』ことに注力してきました。そこに、プロチームのような『見る』『推す(応援する)』というエッセンスを加えることで、スポーツとの関わり方はもっと彩り豊かになります。

(左手に店舗があり、その奥にテニスコートが見える。右手の施設がバドミントン場。)

(店舗の2階が卓球場になっている。窓の外にはテニスコートが広がる。)
“ショップ店員”という言葉よりも、“スポーツパークのスタッフ”と名乗る方がずっと、未来への可能性を感じませんか? 好きな競技を通じて人々が集い、笑い、活気が生まれる。そんな『スポーツを愛する人たちの憩いの場』をデザインしたい。このワクワクするような挑戦を通じて、香川のスポーツ文化に新しい風を吹き込んでいきたいと思っています。」
とても軽やかに語る日下さん。その言葉からは、これまでの歩みの中で得てきた知見と、未来に向けた前向きな想いが感じられます。もちろん、足元の事業にも目を向けています。今後の企業のさらなる活性化に向けて力を入れていきたい取り組みや、日下さんが思い描くスポーツライフの理想の姿について伺いました。
「新しい店舗も完成し、私たちは今、SNSを通じた『想いの発信』に全力で取り組んでいます。次なる挑戦への準備として、まずは一人でも多くの方に私たちのメニューやこだわりを知っていただき、確かな繋がりを築いていきたいと思っています。
描いているのは、日本で一番多くの方に愛され、誰もが笑顔でプレーを楽しめる『日本一のスクール』です。そしてショップとしても、『ここに来れば間違いない』と心から信頼していただける存在を目指しています。プロとして培ってきた知見を惜しみなく共有し、皆様の役に立つ情報を届けていく。その積み重ねによって多くの人にラケットスポーツをより楽しんでほしいと思います。」

ラケットスポーツの普及への想いとともに、今後さらにスクールやショップの充実を図り、スポーツライフの知名度を全国レベルに広げていくことを目指したいと、日下さんは力を込めます。そして、ラケットスポーツに親しんできた人にとって、充実した環境で働けることも、同社の大きな特徴だと胸を張ります。最後に同社で働く魅力について説明してもらいました。
「私たちは現在、バドミントンコーチをはじめ、共に未来を創る仲間を募集しています。当スクールの誇りは、生徒6名に対しコーチ1名という、質を追求した少人数指導体制です。競技面でも四国トップクラスの自負がありますが、私たちが何より重視しているのは『指導の論理的裏付け』です。全国屈指の強豪である筑波大学バドミントン部の指導陣と提携し、科学的根拠に基づいたプログラムを構築しています。バドミントンを愛し、その奥深さを伝えたい。子どもの成長を共に喜びたい。そんな志を持つ方にとって、これほど知的好奇心と情熱を注げる環境はないと自負しています。
また、舞台となる香川県は、日本一コンパクトな県でありながら、都市機能が凝縮された非常に利便性の高い土地です。職住近接が叶うストレスフリーな生活環境は、都会での生活に比べて格段に住みやすいです。『都会の喧騒を離れ、腰を据えてスポーツや仕事に打ち込みたい!』という方も大歓迎です。
私たちの仕事の本質は、対話を通じた価値の提供です。お客様の声に真摯に耳を傾け、明るく柔軟に並走できる方。香川から日本一のスクールを創るという壮大な挑戦を、ぜひ共に楽しみましょう。」
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【PROFILE】
日下 直人(くさか なおと)
高松第一高校から早稲田大学に進学。バドミントン部の主将を務める。卒業後は大手スポーツメーカーを経て、実家でもある株式会社スポーツライフに入社。
| 設立年月 | 1991年02月 | |
|---|---|---|
| 代表者 | 日下 直人 | |
| 従業員数 | 22名(アルバイト15名含む) | |
| 業務内容 | ・テニス・ソフトテニス・バドミントン・卓球専門店
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